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 これは井古綆先生の詩で、読みも井古綆先生のものです。 
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清流長良川

濫觴一滴雪山悠、
萬澗成江下二州。
月照名城蝮毒剋、
篝煌烏鬼蕉翁愁。
曾將幕政圖治水、
幾制蟠龍斷饉秋。
勿忘先人懸命跡、
須傳昆後此清流。






濫觴らんしゃう 一滴 雪山悠かに、
万澗江と成り 二州を下る。  
月は名城を照らす 蝮毒ふくどくこく
こう烏鬼うきかがやく 蕉翁の愁ひ。
曾て幕政を将って 治水をはかり、
幾たびか蟠竜を制し 饉秋きんしうを断つ。
忘るる勿れ 先人 懸命の跡、  
須らく昆後こんこうに伝ふべし 此の清流を。


                  *********

・濫觴: さかずきから溢れるほどの僅かな水。
・雪山: 長良川の発源、大日岳を指す。
・万澗: 多くの谷川。 ・二州: 飛騨・美濃の二カ国。
・名城: 稲葉山城、一時斉藤道三の居城であった。
・蝮:  マムシ、道三は美濃のマムシといわれた。
・剋:  下克上。
・篝:  かがり火。
・烏鬼: 鵜飼い(和語か)
・蕉翁愁: “おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな” を指す。
・治水: 木曾三川分流工事
・蟠竜: 洪水の暴れるのを竜にたとえた。
・饉秋: (洪水のために)不作になること。
・昆後: 後昆、次世代。

※(参照)清流柿田川:
清流四万十川:

※ 長良川を詠じるには鵜飼は必須であり、鵜飼には蕉翁の絶唱といわれる秀句もまた必須です。その対句として金華山上の岐阜城を入れましたが、頷聯の下句「蕉翁愁」に対する「蝮毒剋」はそれぞれ仄下三連・平下三連となっております。

『斉藤道三』 もと、山城の国の油商人で、美濃に往来し、守護土岐氏にとりいった(これは道三の父という説が有力)が1552年土岐氏を追放して(下克上)美濃国を領し、織田信秀と結び、信長を女婿とする。子義竜と戦って敗死。(1494〜1556)


2008.9.9




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