碧玉破瓜時

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東晋　孫綽

碧玉破瓜時， 相爲情顚倒。 感�ｶ不羞難， 迴身就�ｶ抱。

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碧玉 破瓜の時

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◎　私感訳註：

※孫綽：〔そんしゃく〕東晋の文学者３１４年（晋・建興二年）〜３７１年（東晋・隆和六年/咸安元年）。字は興公。太原郡中都（現・山西省平遥）の人。曽て会稽に住み、十餘年に亘って山水に遊んだ。後、仕官して廷尉卿、領著作を歴任した。文才を以て聞こえているが、詩の多くは玄理（深遠な道理）を説いたもので、味わいに缺ける。東晋の玄言詩の代表的作家。

※碧玉破瓜時：碧玉という娘が十六歳になった時。　・碧玉：女性の名。晋の汝南王の愛妾の名。蛇足になるが、現代（中国）語では“小家碧玉”で、「一般庶民の家の美しい娘」の意がある。　・破瓜：女の十六歳のこと。「瓜」を分ける意で、「瓜」字を分解すると「八八」と、二つの「八」字になる。九九で謂えば「八二　十六」で、十六歳のこと。なお、初潮のみられる年頃の意もあり、中国語では、処女を失う意もあるが、ここでは､前者の意。中唐・白居易の『勸酒』に「昨與美人對尊酒，朱顏如花腰似柳。今與美人傾一杯，秋風颯颯頭上來。年光似水向東去，兩鬢不禁白日催。東鄰起樓高百尺，璇題照日光相射。珠翠無非二八人，盤筵何啻三千客。鄰家儒者方下帷，夜誦古書朝忍餓。身年三十未入仕，仰望東鄰安可期。一朝逸翮乘風勢，金榜高張登上第。春闈未了冬登科，九萬摶風誰與繼。不逾十稔居台衡，門前車馬紛縱��。人人仰望在何處，造化筆頭雲雨生。東鄰高樓色未改，主人云亡息猶在。金玉車馬一不存，朱門更有何人待。牆垣反鎖長安春，樓臺漸漸屬西鄰。松篁薄暮亦棲鳥，桃李無情還笑人。憶昔東鄰宅初構，雲甍彩棟皆非舊。玳瑁筵前翡翠栖，芙蓉池上鴛鴦鬥。日往月來凡幾秋，一衰一盛何悠悠。但�ﾍ帝里笙歌在，池上年年醉五侯。」とあり、同・『遊趙村杏花』では「趙村紅杏毎年開，十五年來看幾迴。七十三人難再到，今春來是別花來。」（「七十三人」とは、「七十三歳（の白居易）」の意）とあり、陶淵明の『責子』に「白髮被兩鬢，肌膚不復實。雖有五男兒，總不好紙筆。阿舒已二八，懶惰故無匹。阿宣行志學，而不好文術。雍端年十三，不識六與七。通子垂九齡，但覓梨與栗。天運苟如此，且進杯中物。」とある。

※碧玉破瓜時：碧玉という娘が十六歳になった時。

※相爲情顛倒：（…に）心が狼狽（うろた）え狂っていった。　・相爲：「�ｶ爲」ともする。その場合は「あの人（＝若い男）は…ので」の意で、「�ｶ爲情顛倒」では「あの人（＝若い男）は、心が狼狽（うろた）え狂った」の意となる。　・情：なさけ。男女間の愛。こころ。感情。愛情。　・顛倒：〔てんたうdian1dao3○●〕さかさまにする。さかさまになる。ひっくり返る。

※感郎不羞難：（碧玉は）若い男の（熱情に）感じて、はじらいはばかることをせずに。　・郎：男。若者。妻が夫を呼ぶ言葉。　・羞難：〔しうなん；xiu1nan2/4○○/○●〕はじらいはばかる。＝羞赧：〔しうたん；xiu1nan3○●〕恥ずかしさに顔を赤らめるさま。赤面する。「羞郎」ともする。

※迴身就郎抱：体の向きを変えて、男性に抱きついていった。　・迴身：体の向きを変える。　・就：つく。　・抱：だく。いだく。

◎　構成について

２０１２．１２．６ 　　　　　１２．７ 　　　　　１２．８

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