戦記のお部屋(第九分室)

パリから、ベルリンまで。破壊されるヨーロッパ。

Dデイ以後:全てのドイツ軍が本格的に崩れはじめます。短い夢の終わり。

パリは燃えているか ドミニク・ラピエール&ラリー・コリンズ/志摩隆 訳/早川文庫 ノルマンディーとパリの間に連合軍を遮るものがいなくなり、占領されていたパリのフランス人達はドイツ人に見切りをつけます。蜂起したパリを破壊せよという総統閣下の命令に、パリ防衛責任者のコルティッツ将軍は・・・

自由フランス軍の作戦はどうも直情的だったようで、損害が多そうです。これは政治的にドゴールにせかされたため?

遥かなる橋 コーネリアス・ライアン/ハヤカワ文庫
英仏海峡の空戦 デズモンド・スコット/岡部いさく 訳/ソノラマ戦記文庫 スコットもまたノルマンディーにこしらえた飛行場へ前進します。ある日、一匹の野良馬をみかけて、元騎兵としてはほおっておけなかったので・・・この人、憎めません・・・
撃墜王 ピエール・クロステルマン/ソノラマ戦記文庫
編隊飛行 J・E・ジョンソン/小出英一 訳/ソノラマ戦記文庫 ドイツ人の新型の救命胴衣の話。

黄色いシュトルヒとチャーチル。

アルンヘム。

ドイツ機甲師団
大空戦 E・H・シムズ/石川好美 訳/ソノラマ戦記文庫 インタビュー。グッドソン

東の崩壊:いつの間にか下がってきてしまった東の守り。ナチの民族優越アジが、ボリシェビキの「ドイツの女を犯せ!!殺せ!」アジ(ひどい詩人もいたもんだ!)となって返ってきます。自分たちの選んだ王様が自分たちを殺す結果になるというのは、イソップのカエルの話。

大空戦 E・H・シムズ/石川好美 訳/ソノラマ戦記文庫 インタビュー。ハルトマン。
急降下爆撃

ハンス・ウルリヒ・ルデル/高木真太郎 訳/ソノラマ戦記文庫

次第に古い戦友たちが減ってゆきます。

不時着した味方を救いに降りて、飛び立てなくなって捕虜になりそうになったり、波乱万丈です。

無線電話にロシア人の声が入ってきたというエピソードや、水増し申告、そんなこんなのうちに、前線はどんどん下がってきて、ルーマニアも戦争を投げ出し、ついには東部(南東部)にアメリカ軍の飛行機が現れ・・・

敵の新型戦車を確認しようとして左足に13ミリを被弾。

それでもすぐに空へ帰ってくるこのめげなさには、感心するばかり。

つぎの年にはついに右足を失ってしまいます。それでも6週間で義足を付けてJu87に戻ってきてしまいます。まさに日本人のいう、「ゲルマン魂」!

燃える東部戦線 ハヤカワ文庫
バルト海の死闘 ハヤカワ文庫 ナチ創設期の運動家「ウイルヘルム・グストロフ」の名をうけた客船が、多くの避難民をのせたまま、ソ連潜水艦に撃沈されます。推定死者五千人。ほとんどが女子供、老人。史上最大の海難です。誰の責任なのか・・・簡単に断じてはいけない問題です。
連隊の子 ワレンチン・カターエフ/西郷竹彦 訳/講談社少年少女世界文学全集33ロシア編4 砲兵隊の捜索隊が森でみつけた戦災孤児が砲兵中隊から愛され、共に生きてゆく物語。名作です。絶版なのはなぜ?というくらい名作です。なにより温かい。

砲兵の仕事の描写が今まで読んだ中でもっともリアルで、作者の取材が生きています。少年が射撃中に照準器をのぞかせてもらって、ドイツ軍がやられる様が見えるかと期待したのに、「おじちゃん、高い松の木しか見えないよ。」「見えないところを撃ってるんだから、それでいいのさ」・・・しびれます。

さらに、76.2ミリ野砲の描写が大変感動的で、閉鎖器の描写は官能的でさえあります。

また、ソ連軍には砲兵中隊ごとに砲兵情報用の捜索隊がいるのはデラックスですごいと思いました。彼らのフィールドテクニックの描写もかっこいいです。

 

最期に一旗?:総統閣下は、プロの軍人が考えもしないようなひらめきを多くみせました。これは、相手もプロですから、予想もできない奇襲効果を産んだようです。

ただ、この、アルデンヌ攻勢については、元気のなくなった老人に美人の妾をあげたら若返りすぎて、その晩に死んじゃった、みたいな・・・

バルジ大作戦
編隊飛行 J・E・ジョンソン/小出英一 訳/ソノラマ戦記文庫 その朝の様子が描かれています。

 

生き残った狼:連合軍の対潜水艦作戦とハイテク兵器のまえに、もはや7型のUボートではどうしようもなく、かといって必殺兵器21型は全然間に合わず・・・デーニッツの水中艦隊のたそがれ。

狼群戦術の黄昏
Uボート977
シーハンター
Uボートコマンダー ペーター・クレーマー
Uボートエース ソノラマ戦記文庫

総統閣下の最期:アウトバーンとフォルクスワーゲンとたくさんの悪夢を残し、ヒトラーはあの世へ。まあ、絶対に戦勝国へはいきたくなかったでしょう。

引きついだデーニッツも、実はちゃきちゃきのナチでしたけれど、実績がなにもなかったので降伏の道を選びました。けれど、多くのドイツ人にとって、本当に戦争が終わって家に帰れるのは、もっと先の話だったのです。

ヒトラー最期の戦闘 /
不屈の鉄十字エース レイモンド・トレバー/ソノラマ戦記文庫
実録第二次世界大戦 秦郁彦/原書房
ヒトラー最後の日 H・R・トレヴァ=ローパー/橋本福夫 訳/筑摩書房ノンフィクション全集#23

ヒトラーが自殺するまでの数日間の再現レポート。関係者へのインタビューがあったかもしれない。この本だと、拳銃自殺したヒトラーの死体は、弾雨の下かき集められた大量のガソリンで24時間焼きつづけられ、灰はエルベ川に流したということになっているので絶対死んだ。という結論で、しつこいまでに、生きている可能性を否定しています。

生き返ってくるのを恐れているかのようです。

めずらしく、宣伝相のことをゲッ「べ」ルスと表記しています。

急降下爆撃

ハンス・ウルリヒ・ルデル/高木真太郎 訳/ソノラマ戦記文庫

足を失ったルデルは、総統の御意見番のような役目を務めさせられます。ヒトラーの最晩年の姿が描写されます。

ついにどうにもならなくなったベルリン防衛。彼は飛ぶことをやめず、終局へ。

部隊ぜんぶでアメリカに降伏します。

アメリカ兵は下品だったけど、野獣のようなソ連軍よりは話がわかったのでした。ダグラス・バーダーもでてきますよ。

 

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