Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                    
                   
      杪秋獨夜
              
                  白居易 
無限少年非我伴,
可憐淸夜與誰同。
歡娯牢落中心少,
親故凋零四面空。
紅葉樹飄風起後,
白鬚人立月明中。
前頭更有蕭條物,
老菊衰蘭三兩叢。


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杪秋の獨夜       
                       
限り無き 少年は  我が伴
(とも)には 非ず,
憐れむ可
(べ)し  清夜 誰(たれ)と同(とも)にかせん。
歡娯
(くゎんご) 牢落(らうらく)して  中心 少なく,
親故 凋零
(てうれい)して  四面 空(むな)し。
紅葉 樹は 飄
(ひるがへ)す  風 起きて後,
白鬚 人は 立つ   月 明らかなる中。
前頭 更に  蕭條
(せうでう)の物 有り,
老菊
(らうぎく) 衰蘭(すゐらん)  三兩(さんりゃう)(そう)

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◎ 私感註釈

※白居易:中唐の詩人。772年(大暦七年)~846年(會昌六年)。字は楽天。号は香山居士。官は武宗の時、刑部尚書に至る。平易通俗の詩風といわれるが、詩歌史上、積極的な活動を展開する。晩年仏教に帰依する。

※杪秋獨夜:秋の末のひとりだけ起きている夜。 ・杪秋:〔べうしう;miao3qiu1●○〕秋の末。晩秋。 ・杪:〔べう;miao3●〕末。終わり。年や月の最終。また、梢。木の先。端。ここでは、前者の意。 ・獨夜:ただひとりで自分だけ起きている夜。

※無限少年非我伴:限りが無く若々しい者は、(もう)わたしのお連れではない。 ・無限:〔むげん;wu2xian4○●〕限りがない。無窮。白居易の『初貶官過望秦嶺』「草草辭家憂後事,遲遲去國問前途。望秦嶺上迴頭立,
無限秋風吹白鬚。」 後世、李商隱は『登樂遊原』で「向晩意不適,驅車登古原。夕陽無限,只是近黄昏。」 と使う。 ・少年:若者。年若い者。唐詩で「少年」といえば、楽府題の『少年行』唐の崔國輔『長樂少年行』「遺卻珊瑚鞭,白馬驕不行。章臺折楊柳,春日路傍情。」や、王維の『少年行』「新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。」 宋の賀鑄『六州歌頭』「少年侠氣,交結五都雄。肝膽洞,毛髮聳。立談中,生死同,一諾千金重。推翹勇,矜豪縱,輕蓋擁,聯飛, 斗城東。轟飮酒,春色浮寒甕。吸海垂虹。閒呼鷹嗾犬,白羽摘雕弓,狡穴俄空。樂怱怱。」 王昌齢『少年行』「走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。」や沈彬の『結客少年場行』「重義輕生一劍知,白虹貫日報讎歸。片心惆悵清平世,酒市無人問布衣。」など、いなせな若者や壮士を詠うが、ここでは、もしかすると年若い女性をイメージしてはいないか。 ・非:…ではない。体言の否定の辞。 ・伴:つれ。とも。

※可憐清夜與誰同:ああ、この月の美しい夜、誰と一緒に過ごそうか。 ・可憐:〔かれん;ke3lian2●○〕うらやましい。また、愛らしい。あわれ。また、可哀想である。かわいい。心が揺り動かされることをいう。前秦・苻融の『企喩歌』「男兒可憐,出門懷死憂。尸喪狹谷中,白骨無人收。」、劉希夷『公子行』の「可憐楊柳傷心樹,可憐桃李斷腸花。」や、唐・王昌齡『梁苑』「梁園秋竹古時煙,城外風悲欲暮天。萬乘旌旗何處在,平臺賓客有誰。」、李白の『清平調』三首之二「一枝紅艷露凝香,雲雨巫山枉斷腸。借問漢宮誰得似,可憐飛燕倚新粧。」、白居易の『長恨歌』に「承歡侍宴無閒暇,春從春遊夜專夜。後宮佳麗三千人,三千寵愛在一身。金屋妝成嬌侍夜,玉樓宴罷醉如春。姉妹弟兄皆列土,可憐光彩生門戸。」や、辛棄疾の「渡江天馬南來,幾人眞是經綸手。長安父老,新亭風景,
可憐依舊。」などがある。 ・清夜:月が澄みわたった夜。 ・與誰:だれと(ともにか)…。 ・同:ともにする。いっしょである。

※歡娯牢落中心少:娯楽や接待の飲食など、疎らになって、心の中は虚ろである。 ・歡娯:〔くゎんご;huan1yu2○◎〕歓楽。漢・武帝の樂府『秋風辭』には「歡樂極兮哀情多。」 とあり、東晉・陶潛『雜詩十二首』其四「丈夫志四海,我願不知老。親戚共一處,子孫還相保。觴弦肆朝日,樽中酒不燥。緩帶盡
歡娯,起晩眠常早。孰若當世士,冰炭滿懷抱。百年歸丘壟,用此空名道。」、杜甫『可惜』「花飛有底急,老去願春遲。可惜歡娯,都非少壯時。寬心應是酒,遣興莫過詩。此意陶潛解,吾生後汝期。」とある。  ・牢落:〔らうらく;lao2luo4○●〕まばらで寂しい。人の気配が無く寂しい。遠く広々としている。 ・中心:〔ちゅうしん;zhong1xin1○○〕心の中。心中。心底。胸中。胸底。『詩經・王風・黍離』に「彼黍離離,彼稷之苗。行邁靡靡,中心搖搖。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。彼黍離離,彼稷之穗。行邁靡靡,中心如醉。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。彼黍離離,彼稷之實。行邁靡靡,中心如噎。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。」 、東晉・陶潛の『己酉歳九月九日』「靡靡秋已夕,淒淒風露交。蔓草不復榮,園木空自凋。清氣澄餘滓,杳然天界高。哀蝉無留響,叢雁鳴雲霄。萬化相尋繹,人生豈不勞。從古皆有沒,念之中心焦。何以稱我情,濁酒且自陶。千載非所知,聊以永今朝。」とある。 ・少:すくない。缺ける。

※親故凋零四面空:親類や昔馴染みは、亡くなってしまい、周りは空しい(ものとなってしまった)。 ・親故:〔しんこ;qin1gu4○●〕親類の者と昔馴染み。晉・陶潜の『歸去來兮辭』序「余家貧,耕植不足以自給。幼稚盈室,瓶無儲粟,生生所資,未見其術。
親故多勸余爲長吏,脱然有懷,求之靡途。會有四方之事,諸侯以惠愛爲德,家叔以余貧苦,逐見用于小邑。」や、白居易の『送春』に「三月三十日,春歸日復暮。惆悵問春風,明朝應不住。送春曲江上,拳拳東西顧。但見撲水花,紛紛不知數。人生似行客,兩足無停歩。日日進前程,前程幾多路。兵刃與水火,盡可違之去。唯有老到來,人間無避處。感時良爲已,獨倚池南樹。今日送春心,心如別親故。」とある。 ・凋零:〔てうれい;diao1ling2○○〕花がしぼんで散る。転じて、死ぬ。親故凋零四面空」「昔年親友凋零「應歎舊交凋零日如此。」「甘陵舊黨凋零盡,」という風に、「凋零」と、「親故」「舊友」とは、よく共に使われる。宋・陸游の『灌園』「少攜一劍行天下, 晩落空村學灌園。交舊凋零身老病, 輪肝膽與誰論。」 ・四面:周囲。周り。楚漢・虞美人に「漢兵已略地,四方楚歌聲。大王意氣盡,賤妾何聊生。」がある。 ・空:むなしい。

※紅葉樹飄風起後:紅葉している木から(紅葉が)飜されるのは、風邪が起きて後であり。 ・紅葉:もみじば。 ・飄:〔へう;piao1○〕ひるがえるさま。飛ぶさま。風に漂う。 ・風起:風が起こる。

※白鬚人立月明中:白いあごひげの人(である作者自身)が、月明かりの中を立ち(つくしている)。 ・白鬚:〔bai2(bo2)xu1●○〕白いあごひげ。 ・人:作者自身を謂う。 ・月明:月明かり。

※前頭更有蕭條物:(わたしの)前方には(わたしの心よりも)もっとものさびしげな物がある。 ・前頭:前方(に)。≒前面。 ・-頭:場所を表す語の接尾辞。古漢語の「-上」「-邊」「-面」等に、雰囲気や働きが近い。 ・更有:おまけに。その上に。 ・蕭條:〔せうでう;xiao1tiao2○○〕ものさびしいさま。ひっそりとしたさま。漢魏・蔡文姫の『胡笳十八拍』の第七拍「日暮風悲兮邊聲四起,不知愁心兮説向誰是。原野
蕭條兮烽戍萬里,俗賤老弱兮少壯爲美。逐有水草兮安家葺壘,牛羊滿野兮聚如蜂蟻。草盡水竭兮羊馬皆徙,七拍流恨兮惡居於此。」、『挽歌詩其三』「荒草何茫茫,白楊亦蕭蕭。嚴霜九月中,送我出遠郊。四面無人居,高墳正嶢。馬爲仰天鳴,風爲自蕭條。幽室一已閉,千年不復朝。千年不復朝,賢達無奈何。向來相送人,各自還其家。親戚或餘悲,他人亦已歌。死去何所道,託體同山阿。」とある。 ・蕭條物:後出の「老菊衰蘭」のことになる。なお陶潛の『飮酒二十首』其七では「秋菊有佳色,其英。汎此忘憂物,遠我遺世情。一觴雖獨進,杯盡壺自傾。日入羣動息,歸鳥趨林鳴。嘯傲東軒下,聊復得此生。」という表現で菊を詠う。

※老菊衰蘭三兩叢:(それは、)老いさらばえた菊の花と花びらや葉が抜けて減ってきている蘭の、二つ三つのしげみ(である)。 ・老菊:〔らうぎく;lao3ju2●●〕老いさらばえた菊の花。 ・衰蘭:〔すゐらん;chui1lan2○○〕花びらや葉が抜けて減ってきている蘭の花。 ・三兩:〔さんりゃう;san1liang3○●〕二つ三つ。「兩三」としないで、「三兩」となるのは、この句が「●●○○●●○」となるべきところだから。もしも、逆の「○○●●●○○」とすべき句ならば、「衰蘭老菊兩三叢」と表現する。 ・叢:しげみ。群がって生えているところ。





◎ 構成について

 韻式は「AAAA」。韻脚は「同空中叢」で、平水韻上平一東。次の平仄はこの作品のもの。

○●●○○●●,
●○○●●○○。(韻)
○◎○●○○●,
○●○○●●○。(韻)
○●●○○●●,
●○○●●○○。(韻)
○○●●○○●,
●●○○○●○。(韻)

2006.1.2
     1.3

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