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海王記



 1902年、日露戦争勃発。戦備の不充分な日本軍はロシア軍の奇襲によって後退を重ね、主戦場は朝鮮半島となる。辛うじて辛勝という形で戦争を講和へと持ちこんだ日本だが、後には膨大な戦時債務が残された。ロシアから得た戦時賠償金で対米債務は返済できたが、対英債務は満州・朝鮮半島の権益による物納と言う形を余儀なくされる。この結果に対し、不充分な戦力整備への批判の声が高まる中、日本はより一層の戦力拡充に勉めることとなった。

 一方、イギリスの介入によって安定した満州との貿易によって日本経済は飛躍的な成長を見せる。1914年に勃発した第一次世界大戦では、欧州に派遣した遣英艦隊が直接戦争終結に繋がる大活躍を見せ、日英同盟はより一層緊密なものとなった。

 しかし戦艦による決戦が戦争の決着をつけた結果、世界は一大建艦競争に突入する。付随的に発生した膨大な工業需要によって世界経済は青天井の大好況に突入するが、一方で満州へ介入するチャンスを失ったアメリカと日英の関係は悪化の一途をたどった。各国の干渉が特に米英の足並みの乱れから未発に終わった結果、共産圏は爆発的にユーラシア中央部を席巻し、限界まで膨れ上がったその版図とドイツ第二帝国を中心とする欧州資本主義圏は、1935年から3年間に及ぶ大戦争に突入した。

 だが、この戦争は、その後20年間に渡り世界を覆い尽くすこととなる戦火の単なる前触れに過ぎなかったのである。




 

 

海王記は、そう遠くないうちに全面的なリライトによる仕切り直しを予定しています。
暫く更新が停滞するかと思いますが、何卒ご了承ください。

 

 

 海王記とは、架空のパラレルワールドにおける、1941年〜1956年に至る大戦をテーマにした仮想戦記です。巷では、「シミュレーション」と銘打った商業出版物がまかり通っていますが、この話もそれらと同じ程度には妄想的なので、ここで「シミュレーション」などという単語を使うのは本物のシミュレーションに携わっておられる方々に対して失礼と判断し、敢えて「物語」と名乗っています。

歴史年表
1935年現在の世界
連合艦隊艦船諸元表
連合艦隊建制表(1941年12月)
大英帝国海軍艦船諸元表
合衆国海軍艦船諸元表
独逸第二帝国海軍艦船諸元表
フランス共和国海軍艦船諸元表
イタリア王国海軍艦船諸元表

プロローグ
第一話    第十一話
第二話    第十二話
第三話    第十三話
第四話    第十四話(立ち読み版)
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話

インスピレーションのページ(本編と関係ありますが、本文ではありません)











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未完成。完全なネタバレです。覚悟の上でどうぞ。