Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
早発白帝城




  
            唐 李白
七絶
               
  早發白帝城



朝辭白帝彩雲間,
千里江陵一日還。
兩岸猿聲啼不住,
輕舟已過萬重山。


******

(つと)に 白帝城を 發す
                       
(あした)に辭す 白帝  彩雲(さいうん)の間,
千里の 江陵
(かうりょう)  一日(いちじつ)にして 還(かへ)る。
兩岸の 猿聲
(ゑんせい)  啼(な)き住(や)まざるに,
輕舟 已
(すで)に過ぐ  萬重(ちょう)の山。

       

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◎ 私感註釈

※李白:(701〜762年)盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる安史の乱では苦労をし、後、永王が謀亂を起こしたのに際し、幕僚となっていたため、罪を得て夜郎にながされ、やがて赦された。

※早発白帝城:朝早くに白帝城の町を出発する。つとに白帝城を発す。「下江陵」(江陵に下る)ともする。 *作者・李白が永王の幕僚となっていたため、永王が謀叛とされたため、罪を得て夜郎にながされたが、途中で赦免され、李白は帰途についた。これは、その時のうきうきとした心情をうたう。 ・早:時間帯上、はやいこと。時期的に、はやいこと。『峨眉山月歌』「峨眉山月半輪秋,影入平羌江水流。
夜發清溪向三峽,思君不見下渝州。」は、夜に旅立つ例。 ・白帝:白帝城のこと。昔の城市(都市)の名。四川省の最東端、奉節県の(長江の)瞿塘峡の北岸の白帝山上にある。現代は「白帝城」で地名となる。『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期(中国地図出版社)29−30ページ「北宋 成都府路 夔州路」にある。 夔州、白帝城、奉節、巫山と西から東にならんでいる。『中国歴史地図集』の隋・唐・五代十国時期には載っていない。下の地図 中央が白帝城。竹枝詞では、屡々出てくる。「白帝城頭春草生,折鹽山下蜀江C。南人上來歌一曲,北人莫上動ク情。」や「瞿塘峽口水煙低,白帝城頭月向西。唱到竹枝聲咽處,寒猿閑鳥一時啼。」でも有名。

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※朝辞白帝彩雲間:朝早く朝焼け雲の下、白帝城を出発して。 ・朝:あさ。伝統的に「あした」と訓む。 ・辭:辞去する。別れを告げて去る。 ・朝辭:朝に辞去をする。北魏の『木蘭詩』に「
旦辭爺孃去,暮宿黄河邊。不聞爺孃喚女聲,但聞黄河流水鳴濺濺。旦辭黄河去,暮至K山頭。不聞爺孃喚女聲,但聞燕山胡騎鳴啾啾。」 とある。 ・彩雲:〔さいうん;cai3yun2●○〕朝焼けや夕焼けの雲。ここは前者。 ・間:閧ニもする。その場合、ともに〔かん;jian1○〕。

※千里江陵一日還:はるかに離れた江陵に、一日の中に戻っていく。 ・千里:はるかで多大な距離。 ・江陵:〔かうりょう;Jiang1ling2○○〕現・湖北省江陵県。白帝城より直線距離で250キロメートルほど東の下流に位置している。かつての楚国の国都・郢である。 ・一日:いちじつ。古来、日が出て日が沈むまでを謂い、朝から夕方までのこと。二十四時間の意味ではない。蛇足だが、現代語では“白天”あたりになるが、生活習慣が日中両国で大きく異なっているため、意味する範囲が異なってきている。 ・還:(行って)戻ってくること。かえる。 ・一日還:李白が夜郎に流されたが、途中で赦されて江陵の方に戻る喜びの感情がよく出ている部分。

※両岸猿声啼不住:両岸(の山々)では、猿の啼き声がやまないが。 ・兩岸:巫峡を含む三峡一帯の両岸は、山になっている。 ・猿聲:〔ゑんせい;yuan2sheng1○○〕詩詞では、四川東部の巫峡は、(もの悲しげに啼く)猿の声で有名。 ・啼不住:啼きやまない。 ・住:やむ。とまる。ここは〔啼+不住〕で、“不住”は動詞“啼”の後に附き、動詞“啼”という動作の結果が不動性、安定性、確実性を持ち得ないことを示す。(啼くことが)止ままらない。(啼くことが)停止しない、という意味になる。「啼而不住」の意ではない。 ・啼:〔てい;ti2○〕感情を込めて声に出してなく。

※軽舟已過万重山:軽やかで速い小舟は、すでに幾重にも重なった多くの山々の間を通り過ぎた。 ・輕舟:軽やかな小舟。スピードの速さの表現でもある。 ・已:とっくに。すでに。 ・已過:すでに通り過ぎた。 ・萬重山:幾重にも重なった多くの山々。



◎ 句の大意

朝辭白帝彩雲間:朝早く朝焼け雲の下、白帝城を辞去し、
千里江陵一日還:はるかに離れた江陵に、一日の中に戻っていく。
兩岸猿聲啼不住:両岸(の山々)では、猿の啼き声がやまないが、
輕舟已過萬重山:軽やかで速い小舟は、すでに幾重にも重なった多くの山々の間を通り過ぎた。

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◎ 構成について

七絶平起。韻式は「AAA」。韻脚は「間還山」で、平水韻上平十五刪(還山間)。以下の平仄は、この作品のもの。「間」「過」「重」は両韻。ここでは、「間」:、「過」:、「重」:になる。

○○●●●○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
●●○○○●●,
○○●●●○○。(韻)

2002. 9. 5
      9. 6
      9. 7完
      9. 9補
2005. 8.15
2007. 4.29
2008.11.27

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