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       辭世
                


                           平野國臣

  憂國十年,
  東走西馳。
  成敗在天,
  魂魄歸地。

******

辭世
          
 

憂國  十年  
東に 走り  西に 馳す。(東走とうそう  西馳せいち。)
成敗  天に 在りて,  
魂魄こんぱく  地に 歸す。

*****************

◎ 私感註釈

※平野國臣:幕末の尊攘派の志士。通称は次郎。福岡藩士。文政十一年(1828年)〜元治元年(1864年)。脱藩後、京都で活躍。文久二年真木和泉らと西国尊攘派を結集したが、寺田屋騒動で失敗。のち、沢宣嘉を擁して生野の変を起こしたが失敗し、捕えられて斬られた。

※辞世:蛤御門の変の際に六角獄舎にあった作者が怱々のうちに新選組に処刑された際、残したもの(後述「構成について」参照)。 *この辞世「憂國十年,東走西馳。成敗在天,魂魄歸地。」の頌は押韻していないが順を換えて、「東走西馳,憂國十年。魂魄歸地,成敗在天。」とすると、韻をふむ。意味も充分に通り、より意気軒昂たるものになる。

※憂國十年:国家の現状や行く末を案じ憂えて、十年になる。 ・憂國・国家の現状や行く末を案じ、憂える。 ・十年:嘉永六年(1853年)のペリー来航以降の政治的激動期の十年。安政の大獄、桜田門外の変、寺田屋騒動、生麦事件、孝明天皇の攘夷祈願、八月十八日の政変、七卿の都落ち、天誅組の変。生野銀山の変…が巻き起こって作者脱藩後活躍した時期。

※東走西馳:あちらこちら、奔走した。「東奔西走」。ただしそうすれば俗っぽくなり、平仄も異なってくる。「東走西馳」:○●○○。「東奔西走」:○◎○●。 ・走:奔走する。 ・馳:〔ち;chi2○〕駆ける。 ・東…西…:方々。

※成敗在天:成否は天の神に(あずけて)いる。 ・成敗:成功と失敗。成功するか失敗するかということ。成否。後世、明治・幸コ秋水は『辭世』で「區區
成敗且休論,千古唯應意氣存。如是而生如是死,罪人又覺布衣尊。」と使う。 ・在天:天にある。 ・天:神。天帝。造物主。運命。また、大空。ここは、前者の意。

※魂魄歸地:たましいは、九泉の下に帰っていこう。 ・魂魄:〔こんぱく;hun2po4○●〕たましい。 ・魂:人の精神を主宰する陽の生気で、人が死ぬとはなれて天に昇る。 ・魄:人の肉体を主宰する陰の生気で、人が死ぬと地上にとどまる。 ・歸:本来いるべき所(自宅、故郷、祖国、墓所)にもどる。 ・地:(天に対しての)地上。




◎ 構成について

押韻していない。平仄にも配慮されていない。このことは、蛤御門の変の際に六角獄舎にあった作者が怱々のうちに新選組に処刑されたのを物語る。或いは、これは口占で、「憂國 十年,東に走り 西に馳す。成敗 天に在り,魂魄 地に歸す。」と声に出したものを、このように漢詩風になおして記録したものなのだろう。詩とみれば四言句は中国では上代『詩經』や後世の王維の詩などに見られるが、少ない形式その場合は韻をふんでいる。次の平仄はこの作品のもの。

○●●○,
○●○○。
○●●●,
○●○●。

平成19. 3.10完
平成22.11.15補



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