減字木蘭花 題雄州驛宋・蔣氏女
| 朝雲橫度。 轆轆車聲如水去。 白草黄沙。 月照孤村三兩家。 飛鴻過也。 萬結愁腸無晝夜。 漸近燕山。 回首鄕關歸路難。 |
減字木蘭花 題雄州驛| 朝雲橫度。 轆轆車聲如水去。 白草黄沙。 月照孤村三兩家。 飛鴻過也。 萬結愁腸無晝夜。 漸近燕山。 回首鄕關歸路難。 |
減字木蘭花******************雄州 の驛に題す
朝雲 橫に度 り。
轆轆 たる車聲は 水の如く去る。
白草 黄沙 。
月は孤村 三兩 家 を照らす。
飛鴻 過ぎたるなり。
愁腸 を萬結 するに晝夜 無し。
漸 く燕山 に近づき。
鄕關 を回首 すれば歸路 難 し。
。や『悲憤詩』 を意識していよう。 ・題-：…を詩/詞題にしてを詩/詞を作る。 ・雄州：現・河北省雄県。中都（＝現・北京市）の真南１２０キロメートルのところ。『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期（中国地図出版社）４６－４７ページ「金 中都路 河北東路 河北西路 大名府路」にある。 ・駅：宿駅。宿場。
善國（樓蘭）の遥か彼方に生えている白い草。俗に芨芨草という。『漢書・西域傳・
善國』に「善國，本名樓蘭，…去陽關千六百里，去長安六千一百里……千七百八十五里，至山國千三百六十五里，西北至車師千八百九十里。地沙鹵，少田，寄田仰穀旁國。國出玉，多葭葦、
柳、胡桐、白草。」、「孟康曰：『白草，草之白者。』師古曰：『白草似莠而細，無芒，其乾孰時正白色，牛馬所嗜也。』」とある。盛唐・岑參の『白雪歌送武判官歸京』に「北風捲地白草折，胡天八月即飛雪。忽然一夜春風來，千樹萬樹梨花開。散入珠簾濕羅幕，孤裘不煖錦衾薄。將軍角弓不得控，都護鐵衣冷難著。瀚海闌干百丈冰，愁雲慘淡萬里凝。中軍置酒飮歸客，胡琴琵琶與羌笛。紛紛暮雪下轅門，風掣紅旗凍不翻。輪臺東門送君去，去時雪滿天山路。山迴路轉不見君，雪上空留馬行處。」とあり、盛唐・王昌齡の『出塞行』に「白草原頭望京師，黄河水流無盡時。秋天曠野行人絶，馬首東來知是誰。」とあり、清末/中華民国・梁啓超の『黄河』に「黄河黄河出自崑崙山，遠從蒙古地，流入長城關。古來聖賢，生此河幹，獨立堤上，心思曠然。長城外，河套邊，黄沙白草無人煙。思得十萬兵，長驅西北邊，飮酒烏梁海，策馬烏拉山。誓不戰勝終不還，君作鐃吹，觀我凱旋。」とある。 ・黄沙：黄砂。「白草黄沙」で、北方の索漠たる光景を謂う。
●○○●○」で、この作品は「●●○○○●○」としている。ここは○●とすべきところなので、「三両」が適切。
難尋，空斷腸兮思
。攅眉向月兮撫雅琴，五拍
兮意彌深。……」とある。 ・飛鴻：サカツラガン。また、手紙。宋・賀鑄の『六州歌頭』に「少年侠氣，交結五都雄。肝膽洞，毛髮聳。立談中，生死同，一諾千金重。推翹勇，矜豪縱，輕蓋擁，聯飛鞚，斗城東。轟飮酒壚，春色浮寒甕。吸海垂虹。閒呼鷹嗾犬，白羽摘雕弓，狡穴俄空。樂怱怱。 似黄梁夢，辭丹鳳，明月共，漾孤篷。官冗從，懷倥偬；落塵籠，簿書叢。鶡弁如雲衆，供粗用，忽奇功。笳鼓動，漁陽弄，思悲翁，不請長纓，繋取天驕種，劍吼西風。恨登山臨水，手寄七絃桐，目送孤鴻。」とあり、清・陳文述の『漁父詞』に「澗曲橋低路幾重，漁莊隱約暮煙中。攜瘦鶴，送飛鴻，萬梅花下一孤篷。」とある。 ・-也：…なり。文末にあって、断定・感嘆の語気を示す。
蛇，控弦被甲兮爲驕奢。兩拍張弦兮弦欲絶，志摧心折兮自悲嗟。越漢國兮入胡城，亡家失身兮不如無生。氈裘爲裳兮骨肉震驚，羯羶爲味兮枉遏我情。
鼓喧兮從夜達明，胡風浩浩兮暗塞營。傷今感昔兮三拍成，銜悲畜恨兮何時平。無日無夜兮不思我鄕土，稟氣含生兮莫過我最苦。天災國亂兮人無主，唯我薄命兮沒戎虜。殊俗心異兮身難處，嗜慾不同兮誰可與語。尋思渉歴兮多艱阻，四拍成兮益悽楚。雁南征兮欲寄邊聲，雁北歸兮爲得漢音。雁飛高兮難尋，空斷腸兮思。攅眉向月兮撫雅琴，五拍兮意彌深。冰霜凜凜兮身苦寒，飢對肉酪兮不能餐。夜間隴水兮聲嗚咽，朝見長城兮路杳漫。追思往日兮行李難，六拍悲來兮欲罷彈。……」とあり、宋・晏幾道の『鷓鴣天』に「醉拍春衫惜舊香，天將離恨惱疏狂。年年陌上生秋草，日日樓中到夕陽。雲渺渺，水茫茫。征人歸路許多長。相思本是無憑語，莫向花箋費涙行。」
とある。
○●（仄韻），●○○●●（仄韻）。●○○，（平韻）●○○●○（平韻）。○●（仄韻），●○○●●（仄韻）。●○○，（平韻）●○○●○（平韻）。| ２０１７． ６．２７ ６．２８ ６．２９ ６．３０完 ２０１８．１０．３１補 |
