Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


野歩
南宋・呂祖謙



石梁俯清流,
苔髮明可數。
茅簷春晝長,
寂寂亭陰午。
鳥啼花徑深,
風絮浩無主。
幽人不可覿,
棊聲時出戸。

                                         
                                     
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野歩(やほ)                                                   
石梁(せきりゃう)  清流に()し,
(たいはつ)  (あきら)かに數ふ()し。
茅簷(ばうえん)  春晝(しゅんちう) 長く,
寂寂(せきせき)たり  亭陰(ていいん)()
鳥は()き  花徑(くゎけい) 深く,
風絮(ふうじょ)  (かう)として (しゅ) 無し。
幽人(いうじん)  覿()()からざるも,
棊聲( き せい)  時に 戸より()づ。

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◎ 私感註釈

※呂祖謙:南宋の儒学者。紹興七年(1137年)~淳熙八年(1181年)字は伯恭。諡は成。東莱先生と称される。婺州金華県の人。隆興元年(1163年)の進士で、博学宏詞科にも合格する。

※野歩:野辺の散歩。唐・柳宗元に『夏晝偶作』「南州溽暑醉如酒,隱几熟眠開北牖。日午獨覺無餘聲,山童隔竹敲茶臼。」がある。

※石梁俯清流:石の小さな橋(の上)から、清流にうつむいて(見れば)。 ・石梁:石の小さな橋。北宋・王安石の『初夏即事』に「
石梁茅屋有彎碕,流水濺濺度兩陂。晴日暖風生麥気,綠陰幽草勝花時。」がある。 ・俯:〔ふ;fu3●〕ふせる。うつむく。

※苔髪明可数:水草がはっきりと数えられる。 ・苔髪:アオミドロのような水苔や水草を謂うか。 ・明:あきらか。はっきりと。見分ける。 ・可数:数えられる、の意。「数」は動詞「かぞえる」で、上声(仄の一種)の七麌。なお「数」の名詞「かず」は去声(仄の一種)の七遇。ここは動詞「かぞえる」意で文法的にもつかわれており、上声七麌。韻脚でもあり、他の韻脚も全て上声七麌で合致している。

※茅簷春昼長:かやぶきの粗末な家は、(のどかで)春の昼の時がゆっくりと過ぎており。 ・茅簷〔ばうえん;mao2yan2○○〕かやぶきの家。粗末な家。東晉・陶潛の『飮酒二十首 其九』に「淸晨聞叩門,倒裳往自開。問子爲誰歟,田父有好懷。壺漿遠見候,疑我與時乖。襤縷
茅簷,未足爲高栖。一世皆尚同,願君汨其泥。深感父老言,稟氣寡所諧。紆轡誠可學,違己詎非迷。且共歡此飮,吾駕不可回。」とある。 ・簷:〔えん;yan2○〕のき。ひさし。=檐。

※寂寂亭陰午:静かなあずまやでの陽の射さない昼である。 ・寂寂:〔せきせき;ji4ji4●●〕さびしいさま。静かなさま。晩唐?・朱慶餘の『宮中詞』に「
寂寂花時閉院門,美人相並立瓊軒。含情欲説宮中事,鸚鵡前頭不敢言。」とある。 ・亭陰午:あずまやでの陽の射さない昼、の意として使われているか。ここの「亭」は建物の意、として使われていよう。 ・亭:留(とど)まる=停。至る。または、隠居所のあずまや。この詩では後者の意として使っているか。 ・午:真昼。正午。≒日午:〔にちご;ri4wu3●●〕真昼。正午。≒亭午:昼に至る。昼になる。

※鳥啼花径深:鳥が鳴き、花の咲いた小道は深く。 ・花径:花の咲いた小道。

※風絮浩無主:風に翻(ひるがえ)る柳の花の綿毛は、広々と(飛び)、(愛(め)でる)主が無い。 ・風絮:風に翻る柳の花の綿毛。 ・絮:〔じょ;xu4●〕わた。柳の花。 ・浩:ひろびろと。ひろい。 ・無主:花を世話し、愛でるあるじがいないこと。陸游の『卜算子』詠梅に「驛外斷橋邊,寂寞開無主。已是黄昏獨自愁,更著風和雨。   無意苦爭春,一任羣芳妬。零落成泥碾作塵,只有香如故。」とある。

※幽人不可覿:人里離れて静かに暮らしている人に会うことは出来なかったが。 *「覿」を「親」と看て: 人里離れて静かに暮らしている人に親(した)しく近づくことは出来なかったが。 ・幽人:人里離れて、静かに暮らしている人。 ・覿:〔てき;di2●〕会う。見(まみ)える。ここを「親」字(親:したしむ、近づく)ともする。「幽人不可覿」とするか「幽人不可親」とするか。意味上は、どちらも(それなりに)通じるが、平仄上では「幽人不可親」の方が相応しい。理由は:下記の「◎ 構成について」を見ていただくと分かるが、平仄の配列から見ると「幽人不可親」の方が適切だ。(各聯の)韻脚は「数午主戸」で平水韻上声七麌。また、韻脚とならない句の第五字は、「覿」字以外は平声となっている。「●○●○
,○●○●(韻「数」)。○○○●,●●○○(韻「午」)。●○○●,○●●○(韻「主」)。○○●●(覿/親),○○○●(韻「戸」)。」と。ここは「親」字と見た方が、平仄上では自然だ。

※棋声時出戸:碁石(ごいし)の音が時折、戸から漏れ出てきた。 ・棋声:碁石の音。 ・棊=棋=碁:〔き;qi2○〕碁(ご)。碁(ご)石。

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◎ 構成について

韻式は、「aaaa」。韻脚は「数午主戸」で、平水韻上声七麌。この作品の平仄は、次の通り。


●○●○○,
○●○●●。(韻)
○○○●○,
●●○○●。(韻)
●○○●○,
○●●○●。(韻)
○○●●

○○○●●。(韻)
2020.10.25
      10.26
      10.27
      10.28
      10.31完
2021. 9. 7補




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