Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


寄孫山人

唐・儲光羲


新林二月孤舟還,
水滿淸江花滿山。
借問故園隱君子,
時時來往住人間。






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山人に寄す

新林 二月  孤舟 こ しう かへる,
水は 清江せいかうに滿ちて  花は 山に滿つ。
借問しゃもんす 故園 こ ゑん隱君子いんくん し
時時じじ 來往らいわうして  人間じんかんぢゅうするかと。


                    ****************


◎ 私感註釈

※儲光羲:〔ちょくゎうぎ;Chu3 Guang1xi1〕盛唐の詩人。706年?~763年?。兗州(現・山東省兗州)の人。開元十四年(726年)の進士。監察御史となったが、安禄山が長安を陥とした時に強要されて官に就いたたため、乱後は嶺南(現・広東省)に流され、その地で没する。

※寄孫山人:孫隠者に(この詩を)を送る。 ・寄:手紙を差し出す。郵送する。 ・孫山人:孫という姓の世捨て人。孫隠者。 ・山人:世を棄てて山に隠れ住む人。世捨て人。書家、画家、文人などの号につけることば。

※新林二月孤舟還:(金陵附近の)新林浦の仲春の季節に、ぽつんとひとつだけの小舟が行き先から帰ってきた。 ・新林:金陵(現・南京)西南二十里にある長江の港。南京(建康・金陵)から旅立つ時の舟乗り場。牛首山からの川が板橋を通って長江に注ぐところか。この辺りか(google)。金陵十八景に「新林浦」とある。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)54ページ「唐 淮南道」にはない。の『宣城郡出新林浦向板橋』「江路西南永,歸流東北鶩。天際識歸舟,雲中辯江樹。旅思倦搖搖,孤遊昔已屡。既歡懷祿情,復協滄洲趣。囂塵自茲隔,賞心於此遇。雖無玄豹姿,終隱南山霧。」とあり李白の『送友人遊梅湖』に「送君遊梅湖,應見梅花發。有使寄我來,無令紅芳歇。暫行新林,定醉金陵。莫惜一雁書,音塵坐胡越。」とある。 ・二月:春の季節。陰暦二月で、仲春。太陽暦の三月~頃。 ・孤舟:ぽつんとひとつだけの小舟。詩詞では孤独な人生の旅路にある者の表現にも使う。ここでの孤舟は、作者が眺めている光景の中の小舟なのか、作者が乗った小舟なのか、或いは、孫山人の乗った小舟なのか。盛唐・杜甫『登岳陽樓』に「昔聞洞庭水,今上岳陽樓。呉楚東南坼,乾坤日夜浮。親朋無一字,老病有
孤舟。戎馬關山北,憑軒涕泗流。」とあり、中唐・柳宗元の『江雪』に「千山鳥飛絶,萬徑人蹤滅。孤舟簑笠翁,獨釣寒江雪。」とある。 ・還:〔くゎん;huan2○〕行き先からかえる。行った者がくるりとかえる。

※水満清江花満山:水は清らかな川に満ちて、花は山に満ちている。 *この句、句中の対になっている。 ・清江:清らかな川の流れ。
                  清江

※借問故園隠君子:ふるさと(兗州)の高士(=孫山人)に、(以下のことを)少しお訊ねするが。 ・借問:〔しゃもん;jie4wen4●●〕少しお訊ねする(が)。少し尋ねるが。試みに問う。問うてみる。盛唐・李白の『春日醉起言志』に「處世若大夢,胡爲勞其生。所以終日醉,頽然臥前楹。覺來盼庭前,一鳥花間鳴。
借問此何時,春風語流鶯。感之欲歎息,對酒還自傾。浩歌待明月,曲盡已忘情。」とや晩唐・杜牧の『淸明』に「淸明時節雨紛紛,路上行人欲斷魂。借問酒家何處有,牧童遙指杏花村。」とある。「借問」は「故園隠君子,時時来往住人間?」までかかる。 ・故園:ふるさと。また、古い庭。ここは、前者の意。作者・儲光羲の故郷のことで、現・山東省兗州を指す。 ・隠君子:〔いんくんし;yin3jun1zi3●○●〕世を避けた、りっぱな徳のある人。かくれた人格者。蛇足になるが、菊の花の別称でもあり、阿片中毒、たばこのニコチン中毒の者を皮肉ってこうも謂う。後者は“癮君子”〔yin3jun1zi3〕が本来の表記。

※時時来往住人間:(あなたは)しばしば世間に出かけて、留(とど)まっておられようか。 *この句は、晋の隠士・孫登のことに基づく。儲光羲が詩を差し出す相手は孫山人であり、晋の隠士・孫登と姓が同じ「孫」であるため、孫登の故実を使って表現した。『晉書・隠逸・孫登』(中華書局版622ページ(『晉書』卷九十四 二四二六頁))「孫登公和汲郡 人也。無家屬,於郡北山爲土窟居之,夏則編草爲裳,冬則被髮自覆。好讀易,撫一絃琴,見者皆親樂之。性無恚怒,人或投諸水中,欲觀其怒,登既出,便大笑。
時時游人間,所經家或設衣食者,一無所辭,去皆捨棄。嘗住宜陽山,有作炭人見之,知非常人,與語,亦不應。」による。また同様の内容が『世説新語訳注』(中華書局版1998年北京)『棲逸第十八』(636ページ)にもある。 ・時時:しばしば。また、現代語では、いつも。常に。 また、しばしば、時々の意で使われる。ここは、前者の意。宋・王安石の『桂枝香』金陵懷古「登臨送目,正故國晩秋,天氣初肅。千里澄江似練,翠峰如簇。歸帆去棹殘陽裡,背西風酒旗斜矗。彩舟雲淡,星河鷺起,畫圖難足。   念往昔,繁華競逐。嘆門外樓頭,悲恨相續。千古憑高,對此漫嗟榮辱。六朝舊事隨流水,但寒煙衰草凝綠。至今商女,時時猶唱,後庭遺曲。」 と使う。 ・来往:行ったり来たりする。ゆききする。往来。 ・住:とどまる。また、すむ。ここは、前者の意。 ・人間:〔じんかん;ren2jian1○○〕。世の中。人の世。人生。ここでは、俗世間の意で使われている。盛唐・李白の『山中問答』に「問余何意棲碧山,笑而不答心自閑。桃花流水杳然去,別有天地非人間。」とあり、南唐後主・李煜の『浪淘沙』では「簾外雨潺潺,春意闌珊。羅衾不耐五更寒。夢裏不知身是客,一餉貪歡。   獨自莫憑欄,無限江山。別時容易見時難。流水落花春去也,天上人間。」と使う。
               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「還山間」で、平水韻上平十五刪。この作品の平仄は、次の通り。この作品は標準的な七言絶句とみれば、些か問題点がある。「□□□□孤舟還」は平三連(下三連)となっており、「水滿」「山滿」と「満」が重ねて出ている。なお、「□□□□隱君子」の部分は本来「●●○○
○●●」だが、七言絶句平起式の転句では「□□□□●○●」としてもよいので可。

○○●●○○○,(韻)
●●○○○●○。(韻)
●●●○●○●,
○○○●●○○。(韻)
2010.11.17
     11.18完
     11.19補



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