Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


長安春

唐・韋莊

長安二月多香塵,
六街車馬聲轔轔。
家家樓上如花人,
千枝萬枝紅豔新。
簾間笑語自相問:
何人占得長安春?
長安春色本無主,
古來盡屬紅樓女。
如今無奈杏園人,
駿馬輕車擁將去。






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長安の春

長安 二月  香塵(かうぢん) 多く,
六街(りくがい)の車馬  (せい) 轔轔(りんりん)
家家(かか) 樓上  花の如き人,
千枝 萬枝  紅豔(こうえん) (あら)たなり。
簾間(れんかん) 笑語(せう ご )  (みづか)()ひ問ふ:
「何人(なんぴと)か ()め得たる  長安の春を」と。

「長安の春色  (もと) (あるじ) 無く,
古來 (ことごと)く屬す  紅樓(こうろう)の女に。
如今(じょこん) (いか)んともする無し  杏園(きゃうゑん)の人,
駿馬(しゅん め ) 輕車にて  (よう)()ちて()る。」

                    ****************




◎ 私感註釈

※韋莊:唐末、蜀の詞人。

※長安春:帝都・長安での進士合格者に対する春の花の宴に対して。長安の春。 *作者が進士の試験に落ちた時の詩作だろうか、進士合格者の花の宴に対して、複雑な気持ちを詠ったもの。進士の試験は秋にあり、翌年の春の花が咲き誇る時期に結果発表がある。官吏登用試験(科挙)に合格した進士には、後出・長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。中唐・孟郊はそれに落第して、落胆のさまを『再下第』「一夕九起嗟,夢短不到家。兩度長安陌,空將涙見花。」とうたった。この詩もそれと似た感情を詠っていよう。なお、孟郊は『登科後』で「昔日齷齪不足誇,今朝放蕩思無涯。春風得意馬蹄疾,一日看盡
長安花。」と、がらりと変わった詩を作っている。 ・長安:唐の首都。現・陝西省・西安 。科挙の最終試験会場もここにあり、科挙合格者の祝宴もここで開かれる。

※長安二月多香塵:帝都・長安の春・二月は、花の香りが移った塵が多くて。 ・二月:陰暦二月のことで、仲春。陽暦の三月下旬〜四月中旬頃。晩唐・杜牧の『山行』に「遠上寒山石徑斜,白雲生處有人家。停車坐愛楓林晩,霜葉紅於
二月。」とある。 ・塵香:塵に香りが移ったこと、花が散ったこと。今まで吹いていた風で花が散ってしまったことを表す。また、沈香を削った粉。石崇の家で働く歌妓が軽やかに舞えるかを試すために、床に沈香を削った粉を撒き、その上を歌妓に通らせ、足跡がつかなかった者には褒美として真珠を与え、跡がついた者には罰として食べ物を減らしてダイエットをさせたという。ここは、前者の意。晩唐・杜牧の『金谷園』に「繁華事散逐香塵,流水無情草自春。日暮東風怨啼鳥,落花猶似墜樓人。」とある。

※六街車馬声轔轔:長安の街の通りには、車や馬などの乗り物の音が、ガラガラときしり轟(とどろ)いている。 ・六街:長安の街並み(通り・辻)。長安城の街衢。唐代、長安は左右六つ分かれていたことに因る表現。『資治通鑑』巻二百九 唐紀二十五睿宗景雲元年(中華書局版(1996年北京)巻七 6642ページ)に「中書舎人韋元徼巡
六街長安城中左、右六街,(『長安城図』から考えれば、ここの読み方は「長安城:中左・右六街」であって、「長安城中、左右六街」ではなかろう。)金吾街使主之;左、右金吾将軍,掌晝夜巡警之法,以執禦非違。」とある。『唐代的長安與洛陽地圖』上海古籍出版社(1991年上海)平岡武夫(原・日本の京都大学平岡武夫氏による出版の中国での復刻唐代研究地図集)の長安図の各版を見ると、中央から左に六街で、右に六街(曲江池の辺りで辻が多くなって六街)。 ・車馬:車と馬。車や馬などの乗り物。 ・声:音声。音。せい。 ・??:〔りんりん;lin2lin2(lin4lin4)◎◎〕車のきしり轟(とどろ)く音。さかんなさま。動詞は●。車の形容は、『詩経』では王風『大車』では「大車檻檻,毳衣如。豈不爾思,畏子不敢。」や秦風『車鄰』の「有車鄰鄰,有馬白顛。未見君子,寺人之令。」などとある。盛唐・杜甫の『兵車行』に「轔轔,馬蕭蕭,行人弓箭各在腰。耶孃妻子走相送,塵埃不見咸陽橋。牽衣頓足闌道哭,哭聲直上干雲霄。道旁過者問行人,行人但云點行頻。或從十五北防河,便至四十西營田。去時里正與裹頭,歸來頭白還戍邊。邊庭流血成海水,武皇開邊意未已。君不聞漢家山東二百州,千邨萬落生荊杞。縱有健婦把鋤犁,禾生隴畝無東西。況復秦兵耐苦戰,被驅不異犬與鷄。長者雖有問,役夫敢申恨。且如今年冬,未休關西卒。縣官急索租,租税從何出。信知生男惡,反是生女好。生女猶得嫁比鄰,生男埋沒隨百草。君不見青海頭,古來白骨無人收。新鬼煩冤舊鬼哭,天陰雨濕聲啾啾。」とある。

※家家楼上如花人:どの家でも、建物の上には花のように美しい女の人(が)。 ・家家:どの家でも。全ての家(で)。 ・楼上:二階(の)。建物の上(の)。 ・如花人:花のように美しい(女の)人。

※千枝万枝紅艶新:多くの枝々で赤い花があでやかで新鮮であり、そのように、べに(おしろい)の化粧があでやかで粧(よそお)いたての(女性たち)が多くいる。 *この「紅艶新」の部分は「紅艶・新」(べにの化粧があでやかで、したてである、の意)なのか、「紅・艶又新」((べにの化粧は、あでやかで、したてである、の意)なのか、よく分からない。思うに、「如花人」と女性の美しさを称えたことから、「紅」は、「花(赤いはな)」と「べに(化粧)」と両方の意を持たせた相関語としているだろうことから、「紅艶新」も双方にとるのだろう。 ・千枝万枝:多くの枝々で。 ・千…万…:数え切れないほど多いさま。強調を表す。 ・紅艶新:べに(おしろい)の化粧があでやかで粧(よそお)いたてである。 *この「紅艶新」の部分は「紅艶・新」(べにの化粧があでやかで、したてである、の意)なのか、「紅・艶又新」((べにの化粧は、あでやかで、したてである、の意)なのか、よく分からない。思うに、「如花人」と女性の美しさを称えたことから、「紅」は、「花(赤いはな)」と「べに(化粧)」と両方の意を持たせた相関語としているだろうことから、「紅艶新」も双方にとるのだろう。

※簾間笑語自相問:すだれをした部屋で、笑いながらの気楽なことばで、自分に(次のように)問いかけた(。それは…)。 ・簾間:すだれの中。すだれをした部屋。女性の部屋。 ・笑語:笑いながら話す。 ・自相問:自問(自答)をする意。 ・自:みづから。また、自然と。おのづから。ここは、前者の意。 ・相問:問いかける。…に問いかける。

※何人占得長安春:(その話題とは)「どういう人が、帝都・長安の春を独占しているのか」(ということだ)。 *なお、この問いかけに答えているのは、以降の「長安春色本無主,古來盡屬紅樓女。如今無奈杏園人,駿馬輕車擁將去。」の部分。ここから押韻が換わり(=換韻)、新たな解(=詩の段落)となるため。(韻脚が平水韻上声七麌(主)・上声六語(女去)と換わる。中国旧詩では、解が変われば場面が変わる(=換韻のところで場面が変わる)ということ。韻字に窮して押韻を換えているということではない。)色分けすれば
「長安二月多香,六街車馬聲轔。家家樓上如花,千枝萬枝紅艶。簾間笑語自相問:「何人占得長安?」「長安春色本無,古來盡屬紅樓。如今無奈杏園人,駿馬輕車擁將。」となる。詳しくは下記「構成について」を参照。 ・何人:〔なんぴと(なにびと;he2ren2○○)〕どういう人。いかなる人。なにびと。「誰」よりも、疑問・詰問の感じが強い。「何人」を「誰人」とすると反語となり、意味が異なる。 ・占得:独占する。

※長安春色本無主:〔ここから次の解(=章)〕長安の春の景色は、本来、あるじというものが無くて。 ・春色:春の景色。春の気配。韋莊の『古別離』で「晴煙漠漠柳毿毿,不那離情酒半酣。更把玉鞭雲外指,斷腸
春色在江南。」と使う。 ・本:本来。もともと。 ・無主:(愛でてくれる)あるじがいないこと。また、死者を祀る施主がいない。ここは、前者の意。前者の例に、南宋・陸游の『卜算子』詠梅「驛外斷橋邊,寂寞開無主。已是黄昏獨自愁,更著風和雨。   無意苦爭春,一任羣芳妬。零落成泥碾作塵,只有香如故。」があり、後者の例に、北朝・民歌の『挽舟者歌』「我兄征遼東,餓死山下。今我挽龍舟,又困隋堤道。方今天下饑,路糧無些少。前去三十程,此身安可保。寒骨枕荒沙,幽魂泣煙草。悲損閨内妻,望斷吾家老。安得義男兒,憫此無主。引其孤魂回,負其白骨歸。」がある。

※古来尽属紅楼女:昔からことごとく、女性に附属するものだった。 ・古来:むかしから。 ・尽:ことごとく。 ・属:つながる。属する。附属する。 ・紅楼:富家の女の住居。また、妓楼。本来の意は、朱塗りのたかどの。

※如今無奈杏園人:(だが、)現在は、どうしようもないことだが、科挙に合格し、新たに進士となった人たち(が)。 ・如今:〔じょこん;ru2jin1○○〕いま。ただいま。現今。 ・無奈:〔wu2nai4○●〕どうしようもない。いかんともし難い。いたしかたがない。いかんともすることがない。いかんせん。いかんともするなし。「無可奈何」の略。李Uの『搗練子』「深院靜,小庭空,斷續寒砧斷續風。無奈夜長人不寐,數聲和月到簾。」 や『相見歡』「林花謝了春紅,太匆匆。無奈朝來寒雨晩來風。  臙脂涙,留人醉,幾時重。自是人生長恨 水長東。」とある。 ・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 ・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

※駿馬軽車擁将去:(彼等が)軽快な車で(長安の春を独占して、)抱(だ)き抱(かか)えて持って行く(ようになってしまった)。 ・駿馬:〔しゅんめ;jun4ma3●●〕足の速い優(すぐ)れた馬。李白の『襄陽歌』「此江若變作春酒,壘麹便築糟丘臺。千金駿馬換小妾,笑坐雕鞍歌落梅。車旁側挂一壺酒,鳳笙龍管行相催。咸陽市中歎黄犬,何如月下傾金罍。君不見晉朝羊公一片石,龜頭剥落生莓苔。涙亦不能爲之墮,心亦不能爲之哀。清風朗月不用一錢買,玉山自倒非人推。舒州杓,力士鐺。李白與爾同死生,襄王雲雨今安在,江水東流猿夜聲。」とある。 ・軽車:軽快な車。小さな車。 ・擁将去:抱(だ)き抱(かか)えて持って行く。白居易の『長恨歌』に「回頭下望人寰處,不見長安見塵霧。唯將舊物表深情,鈿合金釵
將去。」とあるのに用法は同じ。 ・将去:持って行く。 ・将:持つ。 *前出・孟郊は落胆のさまを『再下第』「兩度長安陌,空將涙見花。」とうたった。

               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAAAAbb」。韻脚は「塵?人新春 主女去」で、平水韻上平十一真(塵?人新春)、上声七麌(主)・上声六語(女去)。この作品の平仄は、次の通り。

○○●●○○○,(A韻)
●○○●○○○。(A韻)
○○○●○○○,(A韻)
○○●○○●○。(A韻)
○○●●●○●,
○○●●○○○。(A韻)

○○○●●○●,(b韻)
●○●●○○●。(b韻)
○○○●●○○,
●●○○○◎●。(b韻)
2011.2.21
     2.22
     2.23完
     2.24補




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