from 七色仮面氏 |
七色仮面さんからいただいた密造酒クロニクルを追っていきますと、1980年に「Hammersmith,Odeon,London」
という年代物の密造酒が陳列してあります。さて、それを手に取りグラスに注いで味わってみますと、めっぽう美味い。
手元の辞典で調べてみますと、
ハマースミス オデオンはロンドン都心部にあるライブ劇場で、アポロ劇場とも呼ばれ、MAMAグループが運営していましたが、
2005年にMAMAグループの権利の50%をHMVが取得したとのこと。消息通には周知の英国ライブの殿堂なのでしょう。
で、ひたすら飲んでいますと、この密造酒、どこかで味わった覚えがあります。それもそのはず、あの
素晴らしくクリアーなサウンドで、クルセイダーズファンを一驚させたブート盤「CRUSADERS1969U.K.」の、どうやらこれは
原盤らしいのです。ブート盤はこの原盤から4曲を抜粋編集したものらしい。
密造酒にはこのほかに「It Happens Everyday」(9分)、「Carmel」(5分)、「Way Back Home」(8分)が収録されています。
この3曲はブート盤の「Sweet Gentle Love」の後に続く曲順で、「Way Back Home」の後に、21分という長尺の「Street
Life」がラストを飾ります。といっても、全体を通して一時間あまりですから、これとて編集の産物なのでしょうか。
それにしても音の粒子がはっきりと捉えられるほどにクリアーで、目を閉じて味わえば、まるで
そこにクルセイダーズがいる
ライブ劇場のような酔い心地で、ふとかすかに鳥の鳴き声がして目を開ければ、
それは青井神社前の蓮池に集った合鴨の、人の笑い声にも
似た鳴き声で、久々に降った雪に白く化粧をした窓外の景色に今しも「Wayback Home」が響きわたります。
笑うかどには福来る。なるほどここはクルセイダーズの聖地です。
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