ここに開陳しますは、謎の七色仮面氏の密造酒コレクション！どれもこれも垂涎のファンク酒

今回の密造酒はBeacon Theatreでのクルセイダーズライブ。Beacon劇場は、ニューヨークマンハッタン74番街 のブロードウェイにあり、ニューヨークっ子世代の有名なロックコンサートホールで、忘れがたいコンサート やイベントの催しもので親しまれているという。そこでのライブ収録で、ブート盤では発売されていません。
と、書いてきたところで、ちょっと待てよと思考にブレーキがかかりました。このライブの開催年月日が 1985年11月30日と七色仮面さんのメモにあり、だとするとこのライブ、アルバム「GHETTO BLASTER」発売の 翌年のこと。「GHETTO BLASTER」のレビューに書きましたが、この頃のクルセイダーズは、アルバムを聴くかぎり 、勿論私見ですが混迷を深め、冒頭曲目のようにDEAD END(袋小路)に迷い込んでいる印象が強かったのです。 ですから、Wilton FelderのMCで快調に驀進する今回のBeacon劇場ライブが実際この年月日に催されたもの なのか疑問が生じました。しかも前年発表した「GHETTO BLASTER」からの選曲が一曲もない。ひょっとしたら このライブ、1982年〜1983年までに開催された可能性もあります。
こういった疑問を呈しながらも聴いていきますと、2曲目のCovert Actionからギターソロへと移る。 ギターの触感に明らかにこの人のものと分かる馴染んだ男気のフレーズを感じます。サウンドに 彫りこまれた闘魂模様。 ソロが終わるやWilton FelderがDavid T.Walkerと紹介するや俄然身も心ものめり込んでいきます。 その後にリリカルなJoe Sampleの「It Happens Every Days」が続きますから陶然となる。見事です。
萎えたハートを囃す魂の玄界灘タッチ「Cannery Row」。目頭が熱くなる「Way Back Home」。 会場一杯に沸き立つ観客の手拍子。こんな手拍子に乗った「Way Back Home」は久々です。
ラストは「Put It Where You Want It」。ここでまた絶妙のタイミングでDavid T. Walkerが斬り込んでくる。 どう耳を凝らして聴いても、サウンドに迷いのカケラもない。威風堂々としている。「DEAD END」 を吹き飛ばしている。これで良いのだ！クルセイダーズ。