幻抄      BGMを鳴らす?

これは、人であって人でないものの物語……。

語られぬ歴史の裏で、確かに存在していた彼等は
今もなお、人と人の間で生まれ、生き続けている。

密やかに。
息を潜めるように。

彼等が求めるは、安寧の日々。
ただ生きること、それを誰が咎められようか──。

※最終更新作品 ⇒ 『あかね日記(五月)

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+設定資料+
(現在準備中)

語られぬ歴史1 : 『妖幻抄』における設定資料(登場人物紹介)です

語られぬ歴史2 : 『妖幻抄』における設定資料(用語解説)です

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+作品一覧+

年代が古い順に並んでいます

 短篇
桜襲(さくらがさね)
舞台:平安末期頃 / 関連種族:《鬼》 / 原稿用紙換算:7枚

*概要

 今生で結ばれぬ時は── 死して後の世でまた会いましょう。
 そして、その時こそは……。
 『鬼』と呼ばれた青年の視点で語られる悲恋。
 裏切りように自ら命を絶った女の血肉を彼は食んだ…愛するが故に

水面の現(みなものうつつ) (for 桐賀姉妹)
舞台:昭和30年代 / 関連種族:《水鱗》 / 原稿用紙換算:4枚

*概要

 最後の『人魚姫』はそうして未来を選ぶ。
 たった一人の、愛する人の手を──。
 友人・桐賀姉妹の5000HIT祝いに書き下ろした献上作品。
 宗像版人魚姫・ハッピーエンドver.といった感じ。

蟷螂(かまきり) ( 前篇 / 後篇 )
舞台:昭和60年代 / 関連種族:《夢食み》 / 原稿用紙換算:15枚

*概要

 ── 誰が、決めたのだろう。
 命を繋ぐ為のその行為が、残酷であるのだと……。
 蟷螂をイメージした、ある夢食みの物語。

*本文抜粋

 不意に首筋に這わされた冷たい指の感触に、思わず身を竦めた。
 首を締めるというよりは、正に『這わす』といった感じで、彼の首に女の指が絡んでいた。
 このまま振り切る事も難しくはなさそうなのに、何故かそうする事が出来ない。
 まるで── 蛇に睨まれた、蛙のように。
 額や背中にじっとりと汗が浮かぶのを感知する。嫌な汗だった。

鬼桜 ( 前篇 / 後篇 )
舞台:平成初頭 / 関連種族:《鬼》 / 原稿用紙換算:15枚

*概要

 私が見たのは秋に咲く桜が見せた幻想?
 それとも……?
 桜にまつわる人と鬼の物語──。

*本文抜粋

 美しい赤い着物を身に着けた若い女だ。中途半端に乱れた髪が、風を受けて怪しく蠢(うごめ)く。
 一体、いつの時代のものか。妙に時代がかった格好だ。そればかりか、常軌を逸した雰囲気を醸し出している。
 理由はすぐにわかった。
 目に鮮やかな赤い色。着物を彩るその真紅は、私に恐怖を与えた。
 風が運ぶ錆びた臭い。これは── 血だ!!

* ・ *

 子猫のワルツ

 あたしの名前はケイト。
 毎日身綺麗にしてるの…大好きな、あの人の為に。
 
人と猫の二つの姿を持つ種族のケイトとハザマは二人暮し。
 ケイトは自分を拾ってくれたハザマに恋心を抱いているけれど?

子猫のワルツ (for ながおさま)
舞台:平成10年代 / 関連種族:《人猫》 / 原稿用紙換算:16枚

*概要

 あたしの名前はケイト。
 ぴっちぴちの女の子…なんだけど?
 宗像の作品としては珍しい、一生懸命に恋する女の子の物語です。
 砂吐き度は中くらい(笑)

子猫のワルツ 〜その後〜
舞台:平成10年代 / 関連種族:《人猫》 / 原稿用紙換算:7枚

*概要

 「子猫のワルツ」からしばらく経った頃のケイトとハザマのその後の物語。
 砂吐き度はちょっと高い、かも(笑)

子猫のワルツ 〜 White Honey 〜  ( 前篇 / 後篇 )
舞台:平成10年代 / 関連種族:《人猫》 / 原稿用紙換算:18枚

*概要

 一緒に暮らし始めて二年目、ケイトとハザマのバレンタインの日の出来事です。
 ちょっとだけ大人になった(?)ケイトのらぶらぶ大作戦!
 果たして結果は……?
 砂吐き度は高い、です(笑)

*本文抜粋

 2月14日、バレンタインデー。
 女の子が好きな人にチョコレートを上げる日…なんだって。
 何でそんなのあげるんだろ? あたしなら貰う方がいいのになあ。チョコ、好きだし。
 人間の風習って、時々よくわからない。でもこれって、人間でも好きな人に『好き』という気持ちを伝えるのが難しいって事なのかも。結局は切っ掛けって事だよね?

子猫のワルツ 〜 Spicy Black 〜 ( 前篇 / 中篇 / 後篇 )
舞台:平成10年代 / 関連種族:《人猫》 / 原稿用紙換算:37枚

*概要

 「White honey」から一ヵ月後のホワイトデー。
 職場で一人思い悩むハザマに忍び寄る影あり…?(笑)
 『子猫のワルツ』初のハザマ一人称によるハザマサイドの物語。
 翻弄される彼の姿をご堪能ください(邪)
 砂吐き度は皆無に近いですが、お笑い度は高めです。

*本文抜粋

「ハザマさん? あなた、今日が何の日か知らないのですか?」

 何処となく非難めいた口調と視線に、俺の困惑は更に深まる。
 何の日かと問われて、もう一度記憶を浚(さら)ってみたが、今日は祝日でも祭日でもないし(そうならそもそも出勤なぞしていない)、誰かの誕生日でもない。
 眉間に皺を寄せて考え込む俺に、あかねさんは心底呆れた目を向け、差し出していた手を引っ込めたかと思うと、両手を腰に当てた『説教ポーズ』を取った。

「いいですか、ハザマさん。その耳をかっぽじってよーくお聞きなさい。今日は…『ホワイトデー』です。バレンタインのお返しをする日でしょう。この日を忘れるなんて、殿方としてあるまじき事ですよ?」

幸せの在り処
舞台:平成10年代 / 関連種族:《蛟》 / 原稿用紙換算:9枚

*概要

 好きな人が隣にいて、家族や友達に囲まれて、好きな事を仕事にして。あたしは本当に幸せ者だ。
 こっそりクリスマス企画に関連した、鳴海夫妻のある日の出来事。
 近過ぎてなかなか気がつかない、そういう幸せもあるという話(多分)
 砂吐き度は意外と高い、かも(爆)

あかね日記
舞台:平成10年代 / 関連種族:いろいろ

*目次

 一月  二月  三月  四月  五月 *UP

*概要

 2004年度キャラクター人気投票で1位だった、「あかねさん」こと佐竹あかね視点の日記風の物語です。
 一見十二歳前後の少女、しかし実態は明治生まれな彼女の日常風景。
 一ヶ月に一回更新予定です。
 内容は日記だけに短いですが、珍しく挿絵?付きとなっております。
 『子猫のワルツ』の舞台裏や関連作品『妖幻抄』の舞台裏が覗けるかも?
 お笑い度は結構高いかもしれません(笑)

* ・ *

 Invisible Moon

 ある日、突然『妙なもの』を見るようになったごくごく普通の一般人・三隅義孝。
 そんな彼が最初に目撃したモノ、それは宙に浮かぶ男の姿だった──。

Invisible Moon  ( 前篇 / 後篇 )
舞台:平成10年代 / 関連種族:《天使?》 / 原稿用紙換算:20枚

*概要

 ある日何気なく空を見上げてしまったばっかりに(?)、平凡ライフに別れを告げる事になってしまった一般人・義孝の、最初の『未知との遭遇』篇。
 果たして彼に明日はあるのか!?
 かつて友人との共同管理していたサイト『SEFO』にて掲載していた作品です。
 世界が同じなので、こちらに一緒に置く事にしました。

*本文抜粋

「ワタシはあなた方の言葉にいたしますと…さしづめ、そう…『天使』といったところでしょうか」
「……」
「あ、なんです〜? その疑いのマナザシはっ!」
「お前、それは天使とやらに失礼ってやつじゃねえの……?」

 あまりに面の皮の厚い台詞に、それまで張り詰めていた緊張と毒気が抜ける。
 なんだ、ただのばかか、と心の中で安心した瞬間、不意に義孝の額に冷たいものが触れた。