このページの背景画像は「Sweet Home Page」さんからお借りしました。

 議会と王  

順番に読んでいってもかまいませんし、興味のあるところから読んでも大丈夫です。
お好きなところからどうぞ。下線の部分をクリックすると飛びます。

4.議会と王 政治クラブ…この頃、いくつかの政治クラブのようなものができました。流動的で複雑ですが、少し整理してみましょう。 アッシニアと教会…財政危機を乗り越えるために教会財産を没収し、その対策として後々までフランスを苦しめるアッシニアを発行します。また「僧侶基本法」を制定して僧侶を二つに分けてしまいました。 1791年の憲法…待望の憲法が可決されました。旧制度を破壊した国民議会は、人権宣言の理想にのっとった新制体（立憲君主政体）を作り出すために活動しました。 国王の逃亡…1791年６月、思いもかけない事件が起きました。国王が逃亡したのです。フランス国民を見捨てようとした国王の逃亡は、革命に大きな展開をもたらしました。国王がいなくても太陽が昇ることを知った国民から、「国王不要論」が出てきました。

i. 政治クラブ

一言で説明すると…この頃、いくつかの政治クラブのようなものができました。流動的で複雑ですが、少し整理してみましょう。

当時は、現代と同じような意味での政党はありません。しかし、どのような集まりでも、必ずそれぞれの意見の相違などによって小さなグループが出てきます。当時の政治クラブはそのようなグループでした。したがって、現代のように党派としての政見や団結もなく、多分に流動的で一人の人が複数のクラブに所属することもありましたから、きちんと区分けするのは困難です。ここでは、おおざっぱなグループ分けをしてみましょう。

守旧派

主義：絶対王政や貴族制を主張。次第に脱落していきます。

構成員：一部の貴族、聖職者。

王党派　　（中央の右派）

主義：国王の専制は認めませんが、王の絶対拒否権と解散権は認め、議会の行き過ぎをけん制します。モンテスキューの政治論を採用。

構成員：ムーニエ、マルーエ、クレルモン＝トネールなど。

ラファイエット

立憲派　（中央の左派）

主義：絶対王政は認めず、議会（立法権）の優越を主張します。また、財産所有者の立場をはっきり主張し、温和な王制に守られたブルジョワジーによる政権を目指します。 ブルジョワジーや聖職者などが中心となりました。

構成員：シエイエス、バイイ、ラ・ファイエットなど。

三頭派 Triumvirs　（中央の左派）

主義：王の拒否権は認めますが、議会が拒否権を超えることを主張します。ブルジョワジーが国家権力を握り、民衆の反抗や暴動を抑えようとしています。 同時に王権との妥協の余地を残しておく現実的な政策を取りました。

構成員：バルナーヴ、ラメット兄弟、デュポールなど。

ロベスピエール派（民主派）　

主義：人民主権を主張し、立法権が最高のもので王といえども従わなければならないと考えます。民衆、プチ・ブルジョワの立場に立っているため、議会では少数派ですが、民衆には絶大な人気がありました。ルソーの人民主権論を主張。普通選挙を要求しました。

構成員：ロベスピエール、ビュゾー、ぺチヨンなど。

議会の外でも、至るところに政治クラブや人民結社が生まれました。

ジャコバン・クラブ 　Club des Jacobins

ジャコバン・クラブ

元々はブルターニュ地方出身の議員達の単なる集まりで、「ブルトン・クラブ」でしたが、ヴェルサイユ行進の後、ジャコバン修道院で会合をするようになったため、「ジャコバン・クラブ」と呼ばれました。正式名称は「憲法友の会」。

パリだけでなく地方都市や農村にもジャコバン・クラブが作られ、絶えず連絡を取ったり出版物が送られ、本部から指令が伝えられました。シエイエス、バイイ、ミラボー、ロベスピエール、バルナーヴなどが加入し、パリだけでも一年間に会員は1000人を超え、改革派の拠点となりました。

その後、分裂し、ここから様々なクラブが派生します。最後に残ったのが、ロベスピエール率いる「山岳派」だけとなり、ロベスピエール失脚後、1794年末には閉鎖されます。

コルドリエ・クラブ

コルドリエ・クラブ　Club des Cordeliers

元々は「人間と市民の権利友の会」とで「人権を擁護する」急先鋒のクラブでした。構成員にはカミーユ・デムーラン、ダントン、マラー、エベールなどがいます。コルドリエ修道院に集合したのでこの名が付きました。(詳しくはこちら→)

１７８９年の会　

ラファイエットがコンドルセ、シエイエスなどと作った立憲王制を主張する上流階級の温和な革命家のサロンで、革命初期に影響力を持ちました。

立憲王政の友クラブ　

「１７８９年の会」より右に立つクラブです。

H13.4.29.UP