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新譜 今年度発売分

おすすめ度マーク
★★★★★
珠玉の名盤。
★★★★
買って損なし。
★★★
余裕があれば
★★
好きなら...

ちょっと厳しい

ダメだこりゃ・・・
SIGN OF TRUTH('02)
DIONYSUS
★★★★☆
HM帝国スウェーデンからの熱きメッセージ!
新世代を代表する実力派シンガー、オラフ・へイヤーを擁するメロディック・パワー・メタルの至宝、ディオニソス堂々のデビュー。
MOVE('02)
FREAK KITCHEN
★★★★☆
最後の天才ギタリスト、マティアス・エクルンド率いるフリーク・キッチン待望のニュー・アルバム!
メンバー・チェンジを経て更に強力になったこのグルーヴを聴け!!
CONQUER & DIVIDE('02)
THE REIGN OF TERROR
★★★★
闇夜を切り裂く閃光のギター・プレイ!
超絶のギター・マエストロ、ジョー・スタンプ率いるレイン・オブ・テラー1年6ヶ月振り会心の4thアルバム。
TIME REQUIEM('02)
TIME REQUIEM
★★★★☆
王位を継承する気高き覇者たち・・・
ネオ・クラシカルの最先端を突き進む若き天才キーボード・プレイヤー「リチャード・アンダーソン」率いる「タイム・レクイエム」驚愕のデビュー・アルバム堂々完成!!
選ばれし精鋭たちによる圧倒的スケールで迫る「劇的様式美」、ここに炸裂!!
SHAOLIN MONKS IN THE TEMPLE OF METAL('02)
RALPH SANTOLLA
★★★★
創意の美学、そして匠の技
メロディック・メタルの最重要バンド、ミレニアムのギタリストであるラルフ・サントーラ、初のソロ・アルバム。感動という名の真髄が宙を舞う・・・。
MINDCRIMES('02)
LYZANXIA
★★★☆
怒涛渦巻く激音に咲き乱れし美なる旋律!!これぞ”メロディック・エクストリーム・メタル”だ!!
素質開花!驚愕の成長を遂げたフランス産メタラー「リザンクシア」のニューアルバム。底知れぬパワーと、息を呑むメロディアスさの共存で成し得た比類なき境地。ディヴィッド&フランクのポートヴィン兄弟の恐るべき才能がシーンを塗り替える!!
THE COLD WINTER LIGHT('02)
SENTENCED
★★★★
絶望と慟哭の旋律を奏でるフィンランドの強豪センテンスト。傑作「クリムゾン」の衝撃を遥かに上回る超強力7thアルバム。
ATTACK!!('02)
YNGWIE MALMSTEEN
★★★
歴史的コンチェルト公演を大成功させ、アーティストとして大きな飛躍を遂げたbPギタリスト、イングヴェイが新メンバーで放つ渾身のニュー・アルバム!
THE RULE OF RIGHT('02)
KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH
★★★★
サインオブザタイムスからソロ活動を経て、さらに世界デビューを果たしたハイパーマルチプレイヤーケリー渾身のニューバンドアルバムがここに誕生。
BURNING LIVE IN TOKYO 2002('02)
RING OF FIRE
★★★☆
永遠なる炎の記録!
リング・オブ・ファイア初のジャパン・ツアーの興奮と熱狂を100%封じ込めたパーフェクト・ライヴ!!
LIVE AT BUDOKAN('02)
OZZY OSBOURNE
★★★☆
2002年2/15、熱狂の一夜の模様を収録した記念すべきライヴ・アルバム!!
CENTURY CHILD('02)
NIGHTWISH
★★★★
フィンランド発。女性ヴォーカルをフィーチュアしたメロディアス・ハード・ロック・バンド、ナイトウィッシュ。よりスケール・アップした傑作4thアルバム登場!!
IN JAPAN('02)
MR.BIG
★★★☆
さよならMR.BIG!輝かしい歴史の集大成ライヴ!!
2002年2月5日「フェアウェル・ツアー」最終公演。熱演、声援、熱気を閉じ込めた必聴ライヴ・アルバム!
PRINCIPLES OF PAIN('02)
ELEGY
★★☆
時代を切り開く進化の証!
オランダが誇るテクニカルHMの雄、エレジー。研ぎ澄まされたプログレッシヴ的感性が随所に光る、格段のスケール・アップを遂げた待望の新作、ここに完成。
OVER THE HILLS
AND FAR AWAY('02)
NIGHTWISH
★★★★
フィンランド発。女性ヴォーカルをフィーチュアしたメロディアス・ハード・ロック・バンド、ナイトウィッシュ。カヴァー曲、新曲、ライヴ曲で構成された豪華企画アルバム登場!
中盤からライヴトラックが連発な訳だけどども、いっそのことライヴアルバムにしてくれれば良かったのに!と思うほどライヴトラックの出来が素晴らしく良い。母国フィンランドのみならず欧州全体で凄まじい人気と地位を確立しているこのバンド、voがオペラ調な為ライヴではどうだかね?と思ってたけど、完璧じゃない!スタジオ盤と聞き間違う程に見事な歌唱、バンドの演奏も非常にタイトでライヴならではの生々しいダイナミクスとよりへヴィーなサウンドは迫力十分。恐れ入りました。
HUNTERS AND PREY('02)
ANGRA
★★★☆
豊かな声量と繊細な表現力を併せ持つエドゥ・ファラスキ<vo>と実力派リズム・セクションを迎え完全復活を遂げたANGRA.。新曲、アコースティック・ヴァージョン、カヴァー曲他を収録した来日記念盤!
まずは、このジャケット!秀逸だよね〜。美しい!みんなこのIsabel de Amorimって人に頼めばいいのに(笑)。それはさておき、さすが勢いがあるバンド、企画盤とは言え充実した仕上がり。新曲、既発表曲のアコースティックver、カヴァー曲が収録されているのだけども、どれも1μの手抜きも無し。個人的にはタイトル曲Hunters And Preyのポルトガルverが一番かな。メロディアスな楽曲にラテンのスパイスをピリッと利かせた感じのこの曲は、新生ANGRAのアイデンティティーが的確に表現されている。
THAT WAS THEN,THIS IS NOW('02)
ANDY TIMMONS
★★★
テキサスのギター・スリンガー、アンディ・ティモンズのソロ作品「イアー・エクスタシー」シリーズの楽曲をリマスタリングし、新曲5曲をプラスした、ソロ活動の集大成ともいえる1枚!!
がび〜ん!HiroshimaもDown To The Wireも収録されてないじゃない・・・(泣)リマスタリング曲は選曲が無難過ぎだし、新曲も出来は「並」。初体験じゃないわけだし、無理して買わなくても良かったかも。。。
LIVE ON THE EDGE FOREVER('02)
SYMPHONY X
★★★☆
20世紀から21世紀へ、完璧なコンビネーションとパワーに溢れたライヴをここに刻印したシンフォニー・エックスはさらなる高みに向けて走りつづける。日本だけのスペシャル・アルバム・アートワークで初の公式ライヴ・アルバム、登場。マイケル・ロメオの超絶ギター、炸裂!!
知らぬ間にヨーロッパで超人気バンドになっていたSYMPHONY X。gのマイケル=ロメオなんか「神」と化しているわけで。ああ、嬉しいやら悲しいやら複雑な気分。実際「X('00)」ツアーに日本ははいってなかったわけでしょ。何でやあ(泣)ってなことはさておき、待ちに待った初のライブ盤。voのラッセル=アレンの歌唱を除いては最高!いや、スタジオ盤とさして変わらないから問題無いと言えば問題無いんだけど、どうしてもDREAM THEATERと比べちゃうもので・・・もう少しハイが出るといいんだけどねえ。ま、いっか。セットリストは本編として「X('00)」を全部、第二幕から人気曲をずらりという感じだったらしく、収録曲の方も概ね一緒。Out Of The Ashesが収録されていないのは残念だが、きっと音が良くなかったんでしょ。気になるロメオのプレイはというと・・・随所で得意のレガートが炸裂していて、すっげー!の一言。
唄ひ手冥利〜其ノ壱〜('02)
SHIINA RINGO
★★★
帯なし(笑)
2枚組みカヴァー集。本格復帰に備えての肩ならしといったところか。多岐に渡る音楽バックグラウンドが垣間見れて面白いのだが、どうせならHELLOWEENもカヴァーしてほしかったな。昔コピーしてたってのは割れてるんだから(笑)
RITUAL('02)
SHAMAN
★★★☆
元ANGRAのアンドレ・マトス率いる噂のシャーマンが遂にヴェールを脱ぐ!
シンフォニック・へヴィ・メタルの第一人者としての意地とプライドが炸裂する超強力盤!
分裂してくれてありがとう!と言いたい。「雨降って地固まる」とはまさにこのことだ。ANGRAの抱えていた一つの矛盾、「原点回帰」vs「拡散と進化」が分裂という事態で見事解決。実際この作品の楽曲からは、迷いが吹っ切れたことが窺い知れる何か清清しいものを感じる。それにしても美味しいよな。リスナーにしてみれば、今後ANGRAの方ではストレートなメロディックメタルを、こっちではプログレちっくなスケール感の大きな楽曲を楽しめることになったわけだ。しかもどっちもvoが巧いし。両方とも順調に成功していってほしいものだ。
DREAMS OF ENDLESS WAR('02)
NORTHER
★★★
かつてない研ぎ澄まされた感性が、今強烈に胸元を抉る。
メロディック・デス究極の進化論、ノーサー衝撃のデビュー!
CHILDREN OF BODOMの弟バンド」って触れこみなわけだけど・・・確かに初期の彼らにそっくり。あえて違いを探すなら、もっとストレートに疾走しまくる楽曲が多いってところかな。サウンド・楽曲はとてもデビュー作とは思えない完成度なのは間違いないし、平均年齢も20歳そこそこらしいし・・・オリジナリティ云々を問うのは次作ということにしましょうか。そんなことより、ボーナストラックの2曲が素敵過ぎで特筆。EUROPEのFinal Countdown、SKID ROWのYouth Gone Wildを完コピカヴァーしてるんだけど、デス声だけは頑なに譲らないでやんの(笑)うん、それで良し!(笑)
ONLY HUMAN('02)
AT VANCE
★★★★
極技応酬!
巧みの技が冴え渡る、ネオ・クラシカルHMの覇者アット・ヴァンス。美の境地へと誘う荘厳なるプレリュードが宙を舞う、渾身の4th完成。
ちょっぴり「Xa」めなメロディーを前面に押し出すことによって、よりわかりやすくなった楽曲群は、結果としてvoの本来の実力・魅力を十二分に引き出す結果となり、変にgが飛び抜けていた過去作と違い(本作も弾きまくり具合で言えば同等なのだが、出所をわきまえた分全く嫌味が無くなった印象)、何か「バンド然」とした風格漂う作品に仕上がった。しかしこのvo、声質が近いこともあって往年のジェフ=スコット=ソート(ex.YNGWIE MALMSTEEN)を思わせるよな〜。お約束のカヴァー曲、今回はヴィヴァルディーの「四季」より「春」、それとRAINBOWでお馴染みの「I Surrender」。ベタすぎる選曲だけども、潔い完コピで楽しめました。
NATURAL BORN CHAOS('02)
SOILWORK
★★★★
混沌の時代を制するソイルワーク、強靭なる翔破の一撃!
役者は揃った!舞台は整った!鬼才デヴィン・タウンゼンドをプロデューサーに迎えて放たれる驚愕の進化論!両才能故に成し得た究極のコラボレーションがここにある!ソイルワークが魅せた大胆不敵な4thアルバム!
良くも悪くもDEVIN TOWNSEND(ex.OCEAN MACHINE,STRAPPING YOUNG LAD,VAI)色の強い作品に仕上がった。核となる部分は彼らのもともと保持する所だが、重ねに重ねまくった音の厚み・広がり、どこかスペーシーな雰囲気はまさに「デヴィン印」。本人も数曲voでゲスト参加しているが、あまりにもフィットしすぎてうっかりすると聞き逃してしまうのも仕方ないかな。それにしても、作を重ねる毎に見せる汎用的なHR/HMへの移行具合だが、本作では更に顕著。メロディアスvo・コーラスの導入度合いなんて、「デス」風味は完全皆無、アクを感じるどころか聴いていて心地良いといったレベル。それに伴って楽曲も「キャッチー」という言葉を使ってしまう程メロディアスで一般受けしそう。HR/HM初心者にまず勧める一枚としても良い感じ。個人的にはCHILDREN OF BODOM同様、まだまだ「どす黒い」部分っちゅーか、「尖がった」部分は残しておいてほしいところだし、まだまだ落ち着いてほしくないな〜なんて思ってたりもするが、この完成度を考えるとそれも贅沢な注文か。思わず「cool!」と叫びたくなる楽曲の目まぐるしい展開、それを余すところなく伝えきる演奏陣のハイテクぶり・・・はっきり言って他のバンドとはポテンシャルの高さが違うので、今後の更なる進化は大きく期待できる。
THE GATES OF OBLIVION('02)
DARK MOOR
★★★★
ドラマティック&メロディックなメタル・ワールド!
新世代メロディック・メタルのブライテスト・ホープが満を持して放つ、サード・アルバムにして、最高傑作!
メロディック「Xa」メタルバンドfromスペインの3rd。女性vo、エリサ=C=マルティンを擁するこのバンドはvo・g・g・b・ds・keyの6人編成で、音楽的にはHELLOWEENBLIND GUARDIANANGRAあたりから影響を受けたと公言しているだけあって「いかにも」なスタイルなのだが、非常にタイトな演奏とフックの効いた楽曲群によって、前述のバンドに並び立たんばかりの好盤に仕上がっている。個人的には、切れ味鋭いプレイで確かな実力を感じさせるgとモーツァルトの「REQUIEM K.626」をモチーフにしたキラーチューンDies Irae、この2つの要素で大満足。お腹一杯。
ROCK IN RIO('02)
IRON MAIDEN
★★★☆
ヘヴィ・メタルの頂点!
最高のメンバー、最高のポテンシャルで敢行された「ライヴ・アット・ロック・イン・リオ」の全貌が今ここに・・・。鋼鉄のリアル・ロックを聴け!
25万人以上のオーディエンスって一体・・・ブラジルはリオデジャネイロで行われたロックフェスタ「ROCK IN RIO」は今回が3回目、彼等の他にHALFORDやSEPULTURA他98バンドが参加、7日間で計150万人の観客を動員という大盛況ぶり。とにかく想像を絶する規模の大きさだ。本作は、そんな異次元空間を余すところなくパッケージした2枚組ライヴCD。新旧織り交ぜたベストな選曲は、トリプルギターによって更に魅力的に、更に厚みを増し、対するオーディエンスの反応は地割れすら引き起こしそうな、地獄からの咆哮といった様相。それはそれはもう筆舌に尽くし難い・・・ヘヴィーメタル万歳!だ。で、クレジットを良く見たらプロデューサーはDREAM THEATERでもお馴染みのケヴィン=シャーリーじゃない。かなり納得。ちなみに本作はPCで映像も楽しめる特典付き、発売予定のDVDが強く待ち望まれる内容になっている。
SYSTEM X('02)
IMPELLITTERI
★★★☆
世界最速のギター・プレイと、華麗なメロディック・スピード・メタルで様式派ヘヴィ・メタルの第一人者として認められるクリス・インペリテリ。衝撃の1stフルレンス・アルバム「STAND IN LINE」以来、あのグラハム・ボネットがヴォーカルに復帰した大注目作!
ロブ=ロック脱退、グラハム=ボネット(ex.RAINBOW,ALCATRAZZ)復帰が大きな話題ではあるわけだが、結果は可も無く付加も無くといったところか。いや、この歳でこれだけのシャウト(というか往年と比べていささかも衰えていない)ができるのはもちろん素晴らしいのだが、完成形になりつつあるIMPELLITTERIミュージックは大きく影響されることはなく、作風としては前作の延長上にあるのは間違い無い。良くも悪くもALCATRAZZを彷彿とさせた1stとはまるで異なる。そう、「世界最速のギタリスト」云々より、コンスタントに良質な作品を提供してきた結果「様式美メタルの第一人者」という地位を築き上げたクリス=インペリテリの功績に個人的に拍手を送りたいのだ。そうだなあ、次回はマイク=ヴェセーラ(ex.YNGWIE MALMSTEEN)あたりと組むってのはどうですか、クリス君?
FIRST STRIKE STILL DEADLY('02)
TESTAMENT
★★★★
一撃必殺!激興奮必死鋼鉄音楽此有!
ベイ・エリアの帝王、驚愕のセルフ・カヴァー・アルバム!
アレックス・スコルニックをギタリストに迎え、数々の名曲がここに蘇る!
本作はかな〜り美味しい企画盤。彼らの伝説的アルバム「THE LEGACY('87)」、「THE NEW ORDER('88)」からの楽曲をピックして、最新の機材を使って新たにレコーディング。そう、あの数々の名曲がデジタルリマスターなんて目じゃないほどのクリアさで蘇ったのだ!そして特筆すべきは、@初代ギタリストであるアレックス=スコルニックがレコーディングに参加している!ATESTAMENT結成前にエリック=ピーターソンが活動していたバンド、LEGACYのvoであり、EXODUSのフロントマンでもあるスティーヴ=ソーザも2曲でvo参加!の2点。しかも、名手アンディ=スニープの手によるミックスが行われているため、重く、そして非常に厚いサウンドになっている。改めて聴くに、楽曲はやはり近作とはかなり違っていて、デス色が薄いというか、メロディーにフックが効いていて聴きやすい感じがする。ブルータルなリフによって暴走するのは基本ながらも、唐突にドラマティックなソロを織り交ぜたりしてリスナーの予想を越える劇的な展開を見せるアプローチはAARCH ENEMYSOILWORKも真っ青(?)だ。ってゆーか一つの源流なんだろうなあと彼等の先進性を再確認させられる一枚といえる。そうそう、「Thrash Of Titans」のライヴ・バックステージがPCで見れるので要チェック。
WEIGHT OF THE WORLD('02)
HAREM SCAREM
★★★
華麗なる「美旋律」への回帰・・・
カナダが生んだメロディアス・ハード・ロックの至宝「ハーレム・スキャーレム」。「マーキー・アヴァロン」移籍第1弾となる孤高の最高傑作「ウェイト・オブ・ザ・ワールド」堂々ここに完成!!往年のスピリットを取り戻したハリー・ヘス(vo)とピート・レスペランス(g)の黄金コンビが圧倒的スケールで迫る「究極の美旋律」今、再び・・・
とりあえずRUBBERなんてバンドは知らない(笑)が、近作はポップ傾向を深めていったわけで、それは一重にピート=レスペランス(g)のギタリストとしての熱意が冷めていったことが大きな原因の一つに間違い無い。とにかく「ギターヒーロー」と称されることが嫌いなピートは、もっと歌や楽曲、アーティストとしての総合的資質に目を向けてほしかったのだろう。そんなこんなで、ロニー=ル=テクロ(ex.TNT)、ヌーノ=ベッテンコート(ex.EXTREME)、スティーブ=ヴァイ(ex.G3,STEVE VAI,VAI)の「いいとこどり」と称された見事なギタープレイ(もちろん楽曲他全てのファクターにおいて素晴らしい作品だったが)・それが収められた「MOOD SWINGS」に狂喜乱舞したファンから遠ざかっていくことになった。個人的にはそれと対極を成す、一切の無駄を省いた超絶ポップスアルバム「BIG BANG THEORY」も高く評価しているわけだが、本作は2つの中間といった趣き。ハードエッジを取り戻した=ピートが再度ギターを弾くことに心を砕くようになったのはもちろん歓迎すべきなのだが、如何せん楽曲がどれも平均的な印象を受ける。問題作とも駄作とも言われた「VOICE OF REASON」にすら、ベストアルバムを作るなら必ず入れてほしい楽曲があっただけに、今回飛び抜けた楽曲が存在しないのは期待していただけに残念。
SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE('02)
DREAM THEATER
★★★
5人のバトルによる超大型乱気流上陸!
実力個性派集団が同じターゲットへ向かいひとつになる!
LIQUID TENSION EXPERIMENTの悪しきオナニー魂に失望。ジョン=ペトルーシ(g)、マイク=ポートノイ(g)、ジョーダン=ルーデス(key)の首脳会談に残りの二人は入れてもらえなかったのだろうか・・・どんなに複雑なことをやっていても必ず素晴らしい歌・歌メロを提供してきたことで、一般的な高評価を得てきたのに、今回はvoがvoとして全然存在し得ていない。前回が計算の極地をいった完璧な作品だったから、今回は実験的アプローチってな気持ちは分からなくもないが、これはミュージシャンの一人歩きとしか取りようがない。加えてDISK2の「ドラクエ」は一体全体何?正直センスという面でジョーダンの実力には疑問を抱かざるを得ない。
SUICIDE BY MY SIDE('02)
SINERGY
★★★★
ヘヴィ・メタル界の女神キンバリー・ゴス率いるシナジー。待望のサードアルバム登場!チルドレン・オブ・ボドムのアレキシも参加!!
とにかくギター!ギター!ギター!テクニカルギターの雨あられ。完成度を増したゴスの熱唱も評価して然るべきだが、アレキシ=ライホとローぺ=ラトヴァラの壮絶極まりないギターソロの応酬こそが、本作のテンションのピークを担ってるのは事実。楽曲が正統派パワーメタル風なのも相俟ってRACER Xを連想させるんだよなあ。アレキシの腕前はCHILDREN OF BODOMで良く知られているとおり、3note / stringフレージング・正確無比なピッキング・絶妙なアーミングとあの頃のポール=ギルバート(ex.RACER X,MR.BIG)に強く影響されたスタイルだし、このアレキシをして「フィンランドbPギタリスト」「昔からの憧れ」と言わしめるローぺのギターも超絶。そう、昔ながらのファンが求めている「あれ」が本国ではなく、北欧で復活しているわけなんだわさ。個人的にRACER Xの来日公演は見送ったが、このバンドの来日は必ず足を運ぶ気がする。
REMEDY LANE('02)
PAIN OF SALVATION
★★★★☆
前人未到の未知なる次元への招待・・・
遂に孤高のユートピアへと登りつめたスウェーデンが誇るテクニカル・プログレッシブ・メタルの最高峰「ペイン・オブ・サルヴェイション」待望の4thアルバム堂々完成!!既成概念を超越した圧倒的スケールで展開される新たなるドラマを体感せよ!!
スウェーデンが誇る3大天才音楽家、ダニエル=ギルデンロウ率いるPOSの4thアルバム。今回もとびきりへヴィーな内容に仕上がっている。もちろん音の話ではない。「環境汚染」・「軍事防衛の愚かさ」 → 「幼児虐待」ときて今回のテーマは・・・何だろう?(笑) ダニエル本人による解説が載ってはいるものの難解で哲学的な文章故に意味不明。まあ歌詞等から判断するに、実体験に基づくとても私的なことを扱っているようだ。初体験〜失恋〜結婚〜妻君の流産〜といった過去から生まれた対人関係の危機に対して、あえて過去を振り返ることによって救済を求める・・・
”これはPAIN OF SALVATIONにとって、さらに一歩前進した作品だ。私たちのトレードマークの一つは、たぶん深いエモーショナルな構造と巧妙なテクニカルなアーキテクチャーにあり、そのことがこのアルバムではもっともはっきりと現れている。もし君が自分のお気に入りのバンドと同じようなサウンドを持つバンドを求めているなら、僕達のことは忘れてほしい。もし自分のお気に入りのバンドを忘れさせてくれるようなバンドを探しているのなら、僕達がそこにいる。「レメディ・レーン」を何度か歩けば、君はもう同じではいられない。”
奢ったコメントに聞こえるが、私も10数回目のリピートで納得しつつある。難解な音楽故に万人受けするとは思わないが、わかる人が聞けばわかる。DREAM THEATERのワールドツアーでは前座を務めるに到ったが、もう充分肩は並べているだろう。最後に下世話な話で恐縮だが、初体験が10歳だって!?天才はやっぱ違うわ(爆)
CONCERT SUITE FOR
ELECTRIC GUITAR AND ORCHESTRA IN E FLAT MINOR
LIVE WITH THE NEW JAPAN PHILHARMONIC('02)
YNGWIE MALMSTEEN
★★★★★
王者の夢、奇跡の記録。
世界初演、ワールド・プレミアの感動が鮮やかに蘇る。
これは「掛値ナシ」に凄い作品だと思う。この公演の歴史的意義や、生で観てきたという個人的事実を差し引いても。実際、これだけテンション漲ったライブは王者の作品以外でもなかなか巡り合えることは少ない。収録曲に関してまず特筆すべきは、Black Star , Trilogy Suite op 5 , Brothers , Blitzkrieg , Far Beyond The Sunといった名曲がオーケストラアレンジという形で再生・進化して収録されているところだろう。どの曲もオケとマッチしていてというか、まるでオケを想定して作曲されていたのかと思わせるほどはまりまくっている様に、「ネオクラシカル」というものへの認識が甘かったことを痛感した。その中でも個人的にオープニングのオケのみによるBlack Starに尋常ならざる鳥肌、そしてアンコール最後を飾るFar Beyond The Sunに感涙を止めることができなかった。肝心のコンチェルトもオリジナルは無かったことにしてほしい程、充実したサウンドに仕上がっていて、王者・オーケストラ双方の並々ならぬ力量に驚嘆。「王者は終わった人」と認識している連中に泡を吹かせる会心の一撃!聴かないと一生後悔すること間違いなし!DVDはなおさらのこと!