Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
日出処



 
 
『日本樂府』              
          日出處  
                       頼山陽

日出處,日沒處,
兩頭天子皆天署。
扶桑鷄號朝已盈,
長安洛陽天未曙。
嬴顛劉蹶趁日沒,
東海一輪依舊出。



******

日 出づる處

                       
日 出づる處, 日 沒する處,
兩頭の天子  皆
(みな) 天署す。
扶桑 鷄 號きて  朝 已
(すで)に盈(み)ち,
長安 洛陽  天 未だ曙けず。
嬴は 顛
(ころ)び  劉は 蹶(つまづ)き  日を 趁(おひ)て 沒するも,
東海の一輪  舊に 依りて 出づ。

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◎ 私感註釈

※頼山陽:安永九年(1780年)〜天保三年(1832年)。江戸時代後期の儒者、詩人、歴史家。詩集に『日本樂府』、『山陽詩鈔』など
頼山陽『日本外史』日出處
がある。この作品は、詠史詩集ともいうべき『日本樂府』の巻頭を飾るもの。

※日出處:日が射し昇るところ。王維が曰うところの東方の君子国、日の本(もと)。日本。『日本樂府』の註記(写真:右)では「神武天皇起於日向,東征平定
山跡,都之曰:大和,又曰:日本,遂以爲國號。推古帝時,遣使遺隋主書曰:『日出處天子,致書日沒處天子無恙。』及通於唐,未嘗受其册封。詔令之式,稱大日本天皇。又稱大八洲天皇,國有八洲也。」(句読点は変えた)。

※日出處,日沒處:日が昇る処・日本。日が沈む処・中国。日中両国。煬帝が「不悦」と、気分を害した、推古朝の聖徳太子が関わった国書「日出處天子致書日沒處天子無恙。」の故事に拠る。『隋書・東夷・倭國』では「帝覽之不ス,謂鴻臚卿曰:『蠻夷書有無禮者,勿復以聞。』」と、外務大臣にぼやいた。 *日中両国の関係をここに略述。 ・日出處:日が射し昇るところ。王維が曰うところの東方の君子国、日の本(もと)。日本。 ・日沒處:太陽が沈むところ。西方の国。中国を指す。意気が上がらない表現であり、「蠻夷のくせに自分を『日出處天子』と天下に唯一であるはずの「天子」を名乗り、中華を『日 沒する處』とは、何事!」という煬帝の不興は、当時の者の判断としてはもっともなことである。聖徳太子は国威の発揚を僅か数文字で上手に表している。

※兩頭天子皆天署:両国の天子はともに天子と書いた。 *両国の関係は対等であることをいう。前出『日本樂府』の註記で「推古帝時,遣使遺隋主書曰:『日出處天子,致書日沒處天子無恙。』及通於唐,
未嘗受其册封。」と載っている。 ・兩頭天子:二人の天子。我が国の国書に書かれた「日出處天子」と「日沒處天子」のことで、日本の天皇と中国皇帝のこと。 ・兩:二つの。 ・頭:かしら。おさ。 ・天子:天皇、皇帝。 ・皆:みな。 ・天署:天子との名称をしるす。

※扶桑鷄號朝已盈:扶桑・日本にニワトリが時を告げて、朝はとっくにあけてしまったが。 ・扶桑:日本。東海中の神山。本来の扶桑は、倭国よりもまだ東方にある神仙の島だが、後世広く、日本の意で使われている。 ・鷄號:ニワトリが時を告げて鳴く。 ・已:とっくに。すでに。 ・盈:〔えい;ying2○〕みちる。あふれる。だんだんにみちる。

※長安洛陽天未曙:・長安や洛陽といった中国の街々では、(夜)空がまだ明るくなっていない。 ・長安:中国の首都。 ・洛陽:中国の東の首都。「長安洛陽」で、中国(の都市)を謂う。 ・未曙:まだ明けていない。

※嬴顛劉蹶趁日沒:秦の王室はひっくり返って、漢の王室はつまずき、(漢民族の国家は)日を追って沈んでゆく。 ・嬴:〔えい;ying2〕秦の王室の姓。ここでは秦朝いう。 ・顛:ひっくり返る。陳勝・呉広の乱や項梁・項羽の挙兵、劉邦の挙兵に因って、秦朝が倒されたことをいう。 ・劉:漢の王室の姓。ここでは漢朝いう。 ・蹶:〔けつ、けい;jue2〕つまずく。黄巾の乱後、分裂状況が生じて、やがて滅び、三国鼎立になったことをいう。 ・趁日:日を追って。 ・趁:〔ちん;chen4〕おう。乗ずる。 ・沒:沈む。没する。

※東海一輪依舊出:中国の東にある海では、日輪(太陽)が一つ、昔ながらに変わることなく、皇統が連綿として万世一系であり、(日の御子である天皇が日本に)君臨している。 ・東海:中国の東にある海。現在では具体的には、東シナ海になる。古代神話では、中国にとっての海。 ・一輪:日輪が一つ。太陽が一つ。日の御子である日本の皇室、天皇家を指す。 ・依舊:昔ながら。昔と変わることなく。皇統が連綿として万世一系であることを謂う。 ・出:(太陽が)昇る。(天(あま)つ日(ひ)継ぎである天皇が日本に)君臨している。

               ***********





◎ 構成について

韻式は「aaaabb」。韻脚は「處處署曙 沒出」で、平水韻去聲六御、入声四質、外。次の平仄はこの作品のもの。

●●●(韻) ●●●,(韻)
●○○●○○●。(韻)
○○○●○●○,
○○●○○●●。(韻)
○○○●●●●,
○●●○○●●。(韻)
平成16.5.14
      5.15
      5.16完
平成29.4.21補



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