鑑湖 越臺 名士の郷,
憂忡 爲國 痛く斷腸す。
劍南 歌は 接す 秋風の吟,
一例に 氤氳 詩嚢に入る。
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私感註釈
※紀念魯迅八十壽辰:魯迅の八十才の誕生日を祝って。
・魯迅:文学者・思想家。1881年〜1936年。浙江省紹興の人。姓は周。名は樹人。字は予才。周作人の兄。日本に留学。帰国後、文学革命期に『狂人日記』『阿Q正伝』を書いて中国近代文学の出発点を築いた。 ・八十壽辰:生誕八十周年。魯迅は1881年の誕生で、1936年に逝去。
※一九六一年:魯迅はこの作品が作られた1961年より二十五年前、1936年に亡くなっている。この場合は生誕八十周年。
※鑑湖越臺名士郷:紹興は古来、越王・句践、(陸游、秋瑾、魯迅等)の名士を輩出した所である。 ・鑑湖:紹興の南西にある長い湖の名。秋瑾の号である鑑湖女侠の来源でもある。現在の鑑湖は紹興の西南すぐにある、川のような湖。その近くに秋瑾の風雨亭がある。嘗ての鑑湖は「鑑湖八百里」とも呼ばれ大きく、後漢にその源を発している。元の名前は鏡湖と言い、黄帝がここで鏡を鋳造したことからついたと伝えられている。 ・越臺:越王句践が建てた建物。現在の越王台。紹興市内の鑑湖よりの府山公園にある。 ・名士郷:名士を輩出した所。
※憂忡爲國痛斷腸:国を憂え、ひどく堪えきれない悲しみに襲われる。/祖国を思い悲憤慷慨する。 ・憂忡:〔いうちゅう;you1chong1○○〕深く憂えること。うれえるさま。 ・爲國:祖国のため(犠牲になる)。 ・痛:ひどく。はなはだ。いたく。 ・斷腸:はらわたがちぎれるほどの、堪えきれない悲しみのこと。
※劍南歌接秋風吟:陸游の憂国の至情は、秋瑾が受け継いだ。 ・劍南歌:陸游の詩集「劍南詩稿」のこと。陸游は愛国の詩篇 をよく作り、毛澤東も好んで読んでいる。 ・秋風吟:秋瑾の『秋風曲』「秋風起兮百草黄,秋風之性勁且剛,能使羣花皆縮首,助他秋菊傲秋霜。秋菊枝枝本黄種,重樓疊瓣風雲湧。秋月如鏡照江明,一派C波敢搖動?昨夜風風雨雨秋,秋霜秋露盡含愁。有葉畏搖落,胡鳥悲鳴繞樹頭。自是秋來最蕭瑟,漢塞唐關秋思發。塞外秋高馬正肥,將軍怒索黄金甲。金甲披來戰胡狗,胡奴百萬囘頭走。將軍大笑呼漢兒,痛飮黄龍自由酒。」や『絶命詞』「秋雨秋風愁殺人」等、秋瑾の詩詞を指す。
※一例氤氳入詩嚢:(陸游、秋瑾、魯迅の詩には、)ともに皆、憂国の至情が横溢している。 ・一例:(白話)一律に。同様に。 ・氤氳(氲):〔いんうん;yin1yun1○○〕古語:気の盛んなさま。白話:(雲や霧などが)立ちこめる。ここは前者で、陸游、秋瑾、魯迅の詩には、憂国の至情、愛国の熱誠が横溢していると言うこと。 ・詩嚢:〔しなう;shi1nang2○○〕詩の下書きを入れる袋。
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◎ 構成について:
七言絶句となっているが、比較的緩い絶句。韻式は「AAA」で韻脚は「郷腸嚢」で、下平七陽。この作品の平仄は次の通り。
○○●○○●○,(韻)
○○●●●●○。(韻)
●○○●○○●,
●●○○●○○。(韻)
2001.9.23
9.24完
2007.7.13補
2013.3.17
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