無題清末 民國・孫文
半壁東南三楚雄， 劉郞死去霸圖空。 尚餘遺  艱難甚，誰與斯人慷慨同。 塞上秋風悲戰馬， 神州落日泣哀鴻。 幾時痛飮黄龍酒， 橫攬江流一奠公。  |
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無題半壁東南三楚雄， 劉郞死去霸圖空。 尚餘遺 艱難甚，誰與斯人慷慨同。 塞上秋風悲戰馬， 神州落日泣哀鴻。 幾時痛飮黄龍酒， 橫攬江流一奠公。 |
無題******************
半壁の 東南 三楚の雄，
劉郞 死去して 霸圖 空し。
尚餘の 遺艱難 甚しく，
誰か 斯人と 慷慨を 同うせん。
塞上の 秋風に 戰馬 悲しみ，
神州の 落日に 哀鴻 泣く。
幾時か 黄龍酒を 痛飮し，
江流を 橫攬して 一（もっぱ）ら 公を 奠（まつ）らん。
に多い。 ・東南：中央から見て、東南方向になり、戦国時代の楚を指している。現在の江蘇、浙江省と河南、湖北、湖南省になる。杜甫の『登岳陽樓』に「昔聞洞庭水，今上岳陽樓。呉楚東南
，乾坤日夜浮。親朋無一字，老病有孤舟。戎馬關山北，憑軒涕泗流。」 とある。 ・三楚：東楚、西楚、南楚のこと。全楚地域の中で。古代の楚の国。劉道一の出身地で、活躍した湖南省は南楚になる。これと同様の用法は「三秦」では、胡世將の『
江月』「神州沈陸，問誰是、一范一韓人物。北望長安應不見，抛卻關西半壁。塞馬晨嘶，胡笳夕引，
得頭如雪。三秦往事，只數漢家三傑。 試看百二山河，奈君門萬里，六師不發。
外何人迴首處，鐵騎千群都滅。拜將臺欹，懷賢閣杳，空指衝冠髮。欄干拍遍，獨對中天明月。」、王勃の『送杜少府之任蜀州』「城闕輔三秦，風烟望五津。與君離別意，同是宦遊人。海内存知己，天涯若比鄰。無爲在岐路，兒女共沾巾。」、辛棄疾の『木蘭花慢』「漢中開漢業，問此地、是耶非。想劍指三秦，君王得意，一戰東歸。追亡事、今不見，但山川滿目涙沾衣。落日胡塵未斷，西風塞馬空肥。」。「三秦」は項羽が関中を三分して、秦の降将三人を封じた国で豪放詞でよく使われる。「三呉」は呉興、呉都、會稽で、柳永の『望海潮』「東南形勝，三呉都會，錢塘自古繁華。煙柳畫橋，風簾翠幕，參差十萬人家。雲樹繞堤沙。怒濤卷霜雪，天塹無涯。市列珠
，戸盈羅綺競豪奢。」等、それぞれ正確な意味での「三秦」「三呉」を使っているのではなく、「秦の各地」「全ての呉の地方」の意程度の軽さで使われている。 ・雄：名詞：強力で能力の高い人。英雄。形容詞：雄々しい。男らしい。勇ましい。ここは名詞。らとともに同盟会に加入した。蛇足になるが、劉道一は培雄と号して、秋瑾は競雄と号した。それぞれ英雄を目指した時代の号である。ただし、秋瑾での「雄」字は「男性」の義をも含む。 ・死去：死んでしまう。 ・霸圖：雄図。ここでは回天の大業を指す。「雄図」「壮図」に似ているが、「覇図」は「力でもってねじ伏せる」といった雰囲気がある。 ・空：むなしいものとなった。艱難甚：なお後にのこされた遺児たちは、困難な情況が甚だしい。 ・尚：なお、まだ。 ・余：あます。 ・遺：〔ゐげつ；yi2nie4〕父の死後に残された庶子。 ・艱難：難儀。悩み。困難に出あって苦しみ悩むこと。 ・甚：はなはだしい。
。 ・落日：夕日。頽勢をいう。 ・泣：涙を流してなく。 ・哀鴻：災禍によって、流浪する民。哀しげに鳴いて飛んで行く雁、が転じた意。諺に「哀鴻遍野」がある。清・周實の『睹江北流民有感』に「江南塞北路茫茫， 一聽嗷嗷一斷腸。 無限哀鴻飛不盡， 月明如水滿天霜。」とあり、現代・毛沢東の『七言律詩・憶重慶談判』に「有田有地皆吾主，無法無天是爾民。重慶有官皆墨吏，延安無土不黄金。炸橋挖路爲團結，爭地爭城是鬥爭。遍地哀鴻遍地血，無非一念救蒼生。」とある。 
とある。 ・幾時：いつ。 ・痛飲黄龍酒：敵の本拠地である満洲の黄龍府を搗いた後に飲む勝利の酒。岳飛による。 ・痛飲：大いに酒を飲むこと。 ・黄龍酒：敵の本拠地を搗いた後、飲む酒。敵の本拠地である黄龍府を搗いた後に飲む勝利の酒。岳飛に由来し、秋瑾も『秋風曲』「塞外秋高馬正肥，將軍怒索黄金甲。金甲披來戰胡狗，胡奴百萬囘頭走。將軍大笑呼漢兒，痛飮黄龍自由酒。」と使っている。
◎ 構成について
| ２００４．５．３０ ５．３１ ６． １ ６．１２ |
