『イーハトーヴ・オノマトペ症候群』やってます。(^ ^;

      イギリスの大学の試験では牛(オックス)でさえ                     酒を呑ませると目方が増すと云います。                           又これは実に人間エネルギ−の根元です。                                                           by『税務署長の冒険』             .           酒は圧縮せる液体のパン                                            と云うのは実に名言です。             .       堀部安兵衛が高田の馬場で                                      三十人の仇討ちさえ出来たのも実に                              酒の為にエネルギ−が沢山あったからです。
 
           一回こっきり、『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2』。


   イーハトーヴオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)   .
        「みなさん、国家のため世界のため                                   大(おおい)に酒を呑んで下さい。」       (小学校長が青くなっている。                                         役場から云われて仕方なく学校を借したのだが                   何が何でもこれではあんまりだと思って                             すっかり青くなったな)                                                 と税務署長は思いました。           けれどもそれは大ちがいで                                           小学校長の青く見えたのは                                         あんまりほめられて                                                    一そう酒が呑みたくなったのでした。
宮沢賢治童話の私設ファンコーナー
26です。

               ★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
んで、26回目の今回は、


    ****** オノマトペ・データ ******      .
          しょうもないデータだなす。ヒマ〜な人だけ見てくなさい。 スネオ 拝 (^ ^;
                             なぜならこの校長さんは                                              樽こ先生というあだ名で                                             一ぺんに一升ぐらいは何でもなかったのです。
              イントロ 『言いわけの多いオノマトペ・データ』

              第一章 『オノマトペ登場回数ランキング100』 → → → ここまで24ページです。

              第二章 『個性派★一作品のみ登場オノマトペ』 → → → → 25ページです。

                    『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2

              第三章 『オノマトペ・マイ・ベスト50』 → → → → →→ → → 27ページです。


 
 


『イーハトーヴ・オノマトペ・データ』の第二章の続きです。
   一回こっきり。      オリジナリティぎっしり。                           実は、平凡・フツー・ありきたりのオノマトペばっかし、              だったりして。(^ ^;
  *** 『個性派★一作品のみ登場オノマトペその ***  .
 

 一回こっきり、『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2』。   フリーズの恐れがありますまんねん。                                んで、その2です、まんねん。

 宮沢賢治クン、一回こっきりのオノマトペ、っつーの、結構あるんだにゃぁ。
 一回こっきりとか、期間限定とか、先着何名様っつーのに弱いんですよ、ボクって。(^ ^;

 ps.こっきり、っつーオノマトペ、宮沢賢治クンは使用してまへんな。(なに自慢してんねん。)

 はたして、いくつあるんだべか? 『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2』。

by『とっこべとら子』      おとら狐(ぎつね)のはなしは、                                      どなたもよくご存じでしょう。
503.ごわり:【さむらいはふところから白いたすきを取り出して、たちまち十字にたすきをかけ、ごわり
          と袴
(はかま)のもも立ちを取り、とんとんとんと土手の方へ走りましたが、ちょっとかがん
          で土手のかげから、千両ばこを一つ持って参りました。】
504.とんとんとん:【とんとんとんと土手の方へ走りましたが、ちょっとかがんで土手のかげから、千両
          ばこを一つ持って参りました。】
505.ハイ、ヤッ:【ハイ、ヤッとさむらいは千両函
(ばこ)を又一つ持って参りました。】
506.ハイ、ヤッ、ハイヤッ、ハイヤッ:【ハイ、ヤッ、ハイヤッ、ハイヤッ。千両ばこはみなで十ほどそこ
          に積まれました。】
507.ウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ:【「へいへい。ウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ。
          ウウントコショ。」】
508.クウ、クウ、クウ:【六平はクウ、クウ、クウと鳴って、白い泡をはいて気絶しました。】
509.ワッハハ、アッハハ:【もうみんな大よろこび、ワッハハ、アッハハ、よう、おらおととい町さ行った
          ら魚屋の店で章魚
(たこ)といかとが立ちあがって喧嘩した、ワッハハ、アッハハ、それ
          はほんとか、それがらどうした、うん、かつおぶしが仲裁に入った、ワッハハ、アッハ
          ハ、それからどうした、ウン、するとかつおぶしがウウゥイ、ころは元禄十四年んん、
          おいおい、それは何だい、うん、なにさ、かつおぶしだもふしばかり、ワッハハアッハ
          ハ、まあのめ、さあ一杯、なんて大さわぎでした。】
510.ウウゥイ:【それからどうした、ウン、するとかつおぶしがウウゥイ、ころは元禄十四年んん、おい
          おい、それは何だい、うん、なにさ、かつおぶしだもふしばかり、ワッハハアッハハ、
          まあのめ、さあ一杯、なんて大さわぎでした。】
511.ばやばや:【(第一おら、下座だちゅうはずぁあんまい、ふん、お椀のふぢぁ欠げでる、油煙はば
          やばや、さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰
(だ)っても盃(さかずき)よごさないえい糞面白
          ぐもなぃ)とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】
512.ぷんぷんぷんぷん:【そして又ひとりでぷんぷんぷんぷん言いながら二つの低い丘を越えて自分
          の家に帰り、おみやげを待っていた子供を叱りつけてだまって床にもぐり込んでしま
          いました。】
513.ぶらりぶらり:【ちょうどその頃平右衛門の家ではもう酒盛りが済みましたので、お客様はみんな
          でご馳走の残りを藁のつとに入れて、ぶらりぶらりと提げながら、三人ずつぶっつか
          ったり、四人ずつぶっつかり合ったりして、門の処
(ところ)まで出て参りました。】
514.アッハッハッハ:【「それではお気をつけて。おみやげをとっこべとらこに取られないようにアッハ
          ッハッハ」】
515.ヘタヘタ:【もう大へんなさわぎです。みんな泥足でヘタヘタ座敷へ逃げ込みました。】
516.ぎっくり:【今度はみんなは却
(かえ)ってぎっくりしてしまいました。】

by『紫紺染(しこんぞめ)について』     「いやこんにちは。                                                       お招きにあずかりまして大へん恐縮です。」                        と云いました。                                                         みんなは山男があんまり紳士風で立派なので                    すっかり愕(おどろ)いてしまいました。         ただひとりその中に                                                    町はずれの本屋の主人が居ましたが                              山男の無暗(むやみ)にしか爪(つめ)らしいのを見て             思わずにやりとしました。         それは昨日の夕方                                                   顔のまっかな蓑(みの)を着た大きな男が来て                    「知って置くべき日常の作法。」という本を                           買って行ったのでしたが                                              山男がその男にそっくりだったのです。
517.あっはっは:【あっはっは。みなさん。とうとう九月六日になりました。夕方、紫紺染に熱心な人た
          ちが、みんなで二十四人、内丸西洋軒に集まりました。】
518.のっしり:【せなかに大きな桔梗の紋のついた夜具をのっしりと着込んで鼠色の袋のような袴をど
          ふっとはいて居りました。】
519.どふっ:【鼠色の袋のような袴
(はかま)をどふっとはいて居りました。】
520.はあっ:【みんなははあっとおじぎをしました。】
521.がりがりっ:【山男が腰かけた時椅子はがりがりっと鳴りました。】
522.かぶり:【山男はお酒をかぶりと呑んで云いました。】
523.かぶりかぶり:【しきりにかぶりかぶりとお酒をのみました。 】
524.へろれって、へろれって、けろれって、へろれって:【そして眼をまっかにして「へろれって、へろれ
          って、けろれって、へろれって」なんて途方もない声で咆えはじめました。】
525.へろへろ:【けれども会長さんももうへろへろ酔っていたのです。】
526.ワッハッハ。:【さてだんだん夜も更けましたので会長さんが立って、「やあこれで解散だ。諸君め
          でたしめでたし。ワッハッハ。」とやって会は終わりました。】

by『化物丁場(ばけものちょうば)      すると夜中になって、そう、二時過ぎですな、                       ゴ−ッと云うような音が、夢の中で遠くに聞えたんです。
527.コロコロ:【「そのアセチレンの青の光の中をみんなの見ている前でまだ石がコロコロ崩れてころ
          がって行くんです。」】

     「あいつは仲々気取ってるな。」                                     「時計ばかり苦にしてるよ。」                                          というような声が聞えました。
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
528.くすり:【そしたらさっきから仕度ができてめずらしそうにこの新らしい農夫の近くに立ってそのよう
          すを見ていた子供の百姓が俄かにくすりと笑いました。】
529.る、る、る、る、る、る、る、る、る、る、る:【る、る、る、る、る、る、る、る、る、る、る。脱殻器は小
          屋やそこら中の雪、それからすきとおったつめたい空気をふるわせてまわりつづけま
          した。】
530.しきり:【しきりに汗をふきました。】
531.ぽろぽろっ:【それからもう四粒ばかりぽろぽろっところがって来たと思うとあとは器械ばかりまる
          で今までとちがった楽なような音をたてながらまわりつづけました。】
532.カランカランカランカラン:【その時、向うの農夫室のうしろの雪の高みの上に立てられた高い柱
          の上の小さな鐘が、前後にゆれ出し音はカランカランカランカランとうつくしく雪を渡っ
          て来ました。】
533.クスクス:【俄かに誰かがクスクス笑いました。】
534.ガンガンガンガン:【あの蒼白い美しい柱時計がガンガンガンガン六時を打ちました。】
535.こんこんこんこん:【外では雪がこんこんこんこん降り、酒を呑みに出掛けた人たちも、停車場ま
          で行くのはやめたろうと思われたのです。】
      四つのつめたい谷川が、                                             カラコン山の氷河から出て、                                         ごうごう白い泡をはいて、                                             プハラの国にはいるのでした。                                                                     by『毒もみのすきな署長さん』
by『毒もみのすきな署長さん』
536.あぶあぶ:【そうすると、魚はみんな毒をのんで、口をあぶあぶやりながら、白い腹を上にして浮
          びあがるのです。】
537.エップカップ:【そんなふうにして、水の中で死ぬことは、この国の語
(ことば)ではエップカップと云い
          ました。これはずいぶんいい語です。】
538.つるり:【また春の午の日の夜の間に町の中にたくさんある山椒の木がたびたびつるりと皮を剥
          
(む)かれて居りました。】

by『税務署長の冒険』      酒は圧縮せる液体のパン                                            と云うのは実に名言です。
539.ぱっぱっ:【村長やみんなが立って留めようとしたときそこはもう商売で署長と白鳥属とはまるで
          忍術のように座敷から姿を消し台所にあった靴をつまんだと思うともう二人の自転車
          は暗い田圃みちをときどき懐中電燈をぱっぱっとさせて一目散にハーナムキヤの町
          の方へ走っていたのです。】
540.てん:【「仰ったとおり云ってだまって向うの顔いろを見ていたのですけれどもまるで反応がありま
          せんな、さあ、まあそんなことも仰っしゃっておいででしたがどうもお役人方の仰っしゃ
          ることは無理もあればむずかしいことも多くてなんててんでとり合わないのです。」】
541.じゃきじゃき:【まず第一にひげをはさみでじゃきじゃき刈りとって次に揮発油へ木タールを少しま
          ぜて茶いろな液体をつくって顔から首すじいっぱいに手にも塗った。】
542.どぎどぎ:【ふん、その会社は木材の会社でもなけぁ醋酸の会社でもない、途方もないことをして
          やがる、行ってつかまえてしまうと署長はもうどぎどぎして眼がくらむようにさえ思っ
          た。】
543.ぼとぼと:【実にあのペイントを塗った顔から黒い汗がぼとぼとに落ちてシャツを黄いろに染めた
          のだ。】
544.ずらっ:【奥の方には二十石入の酒樽が十五本ばかりずらっとならび横には麹室らしい別の室
          
(へや)さえあったのだ。】
545.がんがん:【足音と語
(ことば)ががんがん反響してやって来た。】
546.ガアン:【ガアンと頭が鳴った。】
547.すっく:【署長はもうすっかり決心してすっくと立ちあがった。】
548.がぁん:【といきなりうしろから一つがぁんとやられた。】

  「どなたですか。今晩は。どなたですか。今晩は。」   
by『ガドルフの百合』  「ははは、百合の花だ。                                                なるほど。ご返事のないのも尤(もっと)もだ。」
549.ガンガン:【そのガドルフの頭と来たら、旧教会の朝の鐘のようにガンガン鳴って居りました。】
550.ガタピシ:【ガドルフはそっちへ進んで行ってガタピシの壊れかかった窓を開きました。】
551.どんどんどん:【ガドルフは、俄かにどんどんどんという音をききました。】
552.ばたんばたん:【ばたんばたんという足踏みの音、怒号や嘲罵が烈しく起りました。】

      「サンタ、マグノリア、                                                   枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
by『マグノリアの木』      向う側の子が答えました。                                          「天に飛びたつ銀の鳩。」
553.とっとっ:【諒安はとっとっとかけ下りました。】

  「お早う、コウタン大寺の壁画の中の子供さんたち。」   
by『インドラの網』     三人一諸にこっちを向きました。            その瓔珞(ようらく)のかがやきと                                     黒い厳(いか)めしい瞳。     「お前は誰だい。」      
554.みんみん:【稀薄な空気がみんみん鳴っていましたがそれは多分は白磁器の雲の向うをさびしく
          渡った日輪がもう高原の西を劃
(かぎ)る黒い尖尖(とげとげ)の山稜の向うに落ちて薄明が
          来たためにそんなに軋
(きし)んでいたのだろうとおもいます。】
555.クウクウ:【まことに空のインドラの網のむこう、数しらず鳴りわたる天鼓のかなたに空一ぱいの
          不思議な大きな蒼い孔雀が宝石製の尾ばねをひろげかすかにクウクウ鳴きました。】

     「けれども一体どうだろう、                                            小鳥が啼(な)かないでいられず                                    魚が泳がないでいられないように                                    人はどういうことがしないでいられないだろう。」
by『学者アラムハラドの見た着物』     「人が何としてもそうしないでいられないことは                       一体どういう事だろう。考えてごらん。」
556.ばあ:【大臣の子のタルラはいちばんさきに立って鳥を見てはばあと両手をあげて追い栗鼠
(りす)
          を見つけては高く叫んでおどしました。】
557.ゆさゆさ:【樹はゆさゆさとゆすれ大へんにむしあつくどうやら雨が降って来そうなのでした。】

      「◎偏狭非学術的なるビジテリアンを排せ。」           「ビジテリアンの主張は全然誤謬(ごびゅう)である。」           「今この陰気な非学術的思想を                                     動物心理学的に批判して見よう。」
by『ビジテリアン大祭』
558.うねうね:【それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。】
559.そうっ:【こんな訳だから、ほんとうに豚を可哀そうと思うなら、そうっと怒らせないように、うまいも
          のをたべさせて置いて、にわかに熱湯にでもたたき込んでしまうがいい、豚は大悦び
          だ、くるっと毛まで剥
(む)けてしまう。】
560.スラッ:【燕尾服もあれば厚い粗羅紗
(そらしゃ)を着た農夫もあり、綬をかけた人もあれば、スラッと
          瘠
(や)せた若い軍医もありました。】
561.ドーン:【しばらくたって、「ドーン」けむりと一諸に、さっきの玉は、汽車ぐらいの速さで青ぞらにの
          ぼって行きました。】
562.きぱきぱ:【異教徒席の中からせいの高い肥ったフロックの人が出て卓子の前に立ち一寸会釈
          してそれからきぱきぱした口調で斯う述べました。】
563.ほろほろ:【「そのときと鰯もつぐみもまっ黒な鯨やくちばしの尖ったキスも出来ないような鷹に食
          べられるよりも仁慈あるビジテリアン諸氏に泪をほろほろそそがれて喰べられた方が
          いいと云わないだろうか。」】
564.フラッ:【私はこの時 あんまりひどい今の語
(ことば)に頭がフラッとしました。】
565.どうん:【そのとき外ではどうんと又一発陳氏ののろしがあがりました。】

by『或る農学生の日誌』     どうせぼくは字も文章も下手だ。     
566.そこそこ:【なぜならいままでは塩水選をしないでやっと反当二石そこそこしかとっていなかったの
          を今度はあちこちの農事試験場の発表のように一割の二斗ずつの増収としても一町
          一反では二石二斗になるのだ。】
567.ぼしょぼしょ:【せきはとめたし落し口は切ったし田のなかへはまだ入られないしどうすることもで
          きずだまってあのぼしょぼしょしたりまたおどすように強くなったりする雨の音を聞い
          ていなければならないのだ。】

    「何処(どこ)さ行ぐのす。」     
by『台川(だいかわ)    「釜淵まで、ちょっと三十分ばかり。」     
568.ぴちゃぴちゃ:【素あしにゴム靴でぴちゃぴちゃ水をわたる。】
569.ざりざり:【ゴム靴の底のざりざりの摩擦がはっきり知れる。】
570.ビチャビチャ:【靴はビチャビチャ云っている。】

      さあ、春だ、                                                           うたったり走ったり、とびあがったりするがいい。
by『イーハトーボ農学校の春』      風野又三郎だって、もうガラスのマントをひらひらさせ              大よろこびで髪をぱちゃぱちゃやりながら                            野はらを飛んであるきながら                                         春が来た、春が来たをうたっているよ。
571.いきいき:【今日はまるでいきいきした顔いろになってにかにかにかにか笑っています。】
572.つうつう:【楊
(やなぎ)の木の中でも樺の木でも、またかれくさの地下茎でも、月光いろの甘い樹液
          がちらちらゆれだし、早い萓草
(かんぞう)やつめくさの芽にはもう黄金(きん)いろの小さな
          澱粉の粒がつうつう浮いたり沈んだりしています。】
573.ぐちゃっ:【うまい、少しぐちゃっと苔にはいったけれども、まあいいねえ、それではぼくはいまこっ
          ちで桶をつるすから、そっちでとって呉れ給え。】

      殊(こと)に一番いいことは、                                         最上等の外国犬が、向うから黒い影法師と一諸に、            一目散に走って来たことでした。      実にそれはロバ−トとでも名の附きそうな                          もじゃもじゃした大きな犬でした。
by『イギリス海岸』   「ああ、いいな。」私どもは一度に叫びました。          誰だって夏海岸へ                                                    遊びに行きたいと思わない人があるでしょうか。
574.けばけばしい:【殊
(こと)に四五人の女たちが、けばけばしい色の着物を着て、向うを歩いていまし
          たし、おまけに雲がだんだんうすくなって日がまっ白に照って来たからでした。】

by『みじかい木ペン』      (めがね、めがね、めがねの横めがね、                               めがねパン、∞∞∞ くさりのめがね、∞∞∞ )
575.がやがやがたがた:【みんなは胆
(きも)取りと巡査にわかれてあばれています。「遁げだ、遁げだ、
          押えろ押えろ。」「わぁい、指噛じるこなしだでぁ。」がやがやがたがた。】
576.ごそごそ:【おじいさんはごそごその着物のたもとを裏返しにしてぼろぼろの手帳を出してそれに
          はさんだみじかい鉛筆を出してキッコの手に持たせました。】
577.にがにがにがにが:【キッコはもうにがにがにがにがわらって戻って来ました。】

   可愛らしい女の子が達二を呼びました。          「おいでなさい。いいものをあげましょう。                             そら。干した苹果(りんご)ですよ。」    「ありがど、あなたはどなた。」   
by『種山ヶ原』
578.きりっ:【それから硬い板を入れた袴をはき、脚絆
(きゃはん)や草鞋(わらじ)をきりっとむすんで、種山
          剣舞連
(けんばいれん)と大きく書いた沢山の堤灯に囲まれて、みんなと町へ踊りに行った
          のだ。】
579.ダー、ダー、ダースコ、ダー、ダー:【ダー、ダー、ダースコ、ダー、ダー。踊ったぞ、踊ったぞ。】
580.ダー、ダー、ダースコ、ダーダ:【やったぞ。やったぞ。ダー、ダー、ダースコ、ダーダ、】
581.いっぷかぷ
(アップアップの方言):【青い 仮面(めん)この こけおどし、 太刀を 浴びては いっぷ
          かぷ、】
582.ぎったりぎたり:【夜風の 底の 蜘蛛おどり、 胃袋ぅ はいて ぎったりぎたり。】
583.ダーダー、スコ、ダーダー:【「ダーダー、スコ、ダーダー。夜の頭巾は、鶏の黒尾、月のあかりは
          ……、しっ、歩け、しっ。」】
584.べらり:【けれども牛は、美しい草を見る度に、頭を下げて、舌をべらりと廻して喰べました。】
585.ダー、ダー、ダー、ダー、ダースコダーダー:【楢夫さんが空に向って叫んだのでした。「ダー、ダ
          ー、ダー、ダー、ダースコダーダー。」それから、大人が太鼓を撃ちました。】
586.ダー、ダー、ダー、ダー。ダー、スコ、ダーダー:【達二は刀を抜いてはね上がりました。「ダー、ダ
          ー、ダー、ダー。ダー、スコ、ダーダー。」】
587.ドドーン ドドーン:【「ホウ、そら、遣れ。ダー、ダー、ダー、ダー。ダー、スコ、ダーダー。」「ドドー
           ンドドーン。」】
588.ホッ、ホ、ホッ、ホウ:【「夜風さかまき ひのきはみだれ、月は射そそぐ 銀の矢なみ、打ぅつも果
           てるも 一つのいのち、太刀の軋りの 消えぬひま。ホッ、ホ、ホッ、ホウ。」】
589.ダー、ダー、スコ、ダーダー、ド、ドーン、ド、ドーン:【「ダー、ダー、スコ、ダーダー、ド、ドーン、ド、
           ドーン。太刀はいなずま すすきのさやぎ、燃えて……」】
590.ふら、ふら、ふら、ふら、ふら:【「伊佐戸の町の電気工夫のむすこぁ、ふら、ふら、ふら、ふら、ふ
           ら、」とどこかで云っています。】
591.ミインミイン:【それからしばらく空がミインミインと鳴りました。】
592.ズブリ:【達二は、素早く刀を取り返して、山男の横腹をズブリと刺しました。】
593.ひょっくり:【黒い路が又ひょっくり草の中にあらわれました。】

      「本日は東北長官一行の出遊(しゅつゆう)につき                  これより中には入るべからず。東北庁」      私はがっかりしてしまいました。                                      慶次郎も顔を赤くして何べんも読み直していました。
by『二人の役人』
594.まだまだ:【野原は今は練兵場や粟の畑や苗圃
(なえばたけ)などになってそれでも騎兵の馬が光った
           り、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はま
           だまだ立派でした。】
595.バラッバラッ:【「うん、いいだろう。」も一人が答えたと思うとバラッバラッと音がしました。】
596.ばらっばらっ:【それからばらっばらっと栗の実が栗の木の幹にぶっつかったりはね落ちたりする
           音がしばらくしました。】
597.ぷつぷつ:【私どもははじめまるで死んだようになっていましたがだんだん近くなって見ますとその
           役人の顔はまっ赤でまるで湯気が出るばかり殊
(こと)に鼻からはぷつぷつ油汗が出
           ていましたので何だか急にこわくなくなりました。】
598.ぽいっ:【慶次郎がぽいっとおじぎをしましたから私もしました。】

      鼻の尖(とが)った人は、すぱすぱと、                               煙草を吸うときのような口つきで云った。                          「この水呑むのか、ここらでは。」
by『さいかち淵(ぶち)     「あんまり川をにごすなよ、いつでも先生云うでなぃか。」
599.どぶん:【しゅっこは、木の上で手を額にあてて、もう一度よく見きわめてから、どぶんと逆まに淵
           へ飛びこんだ。】
600.びちゃびちゃ:【みんな怒って、何か云おうとしているうちに、その人は、びちゃびちゃ岸をあるい
           て行って、それから淵のすぐ上流の浅瀬をこっちへわたろうとした。】
601.ぼちゃぼちゃ:【しゅっこは、ぼちゃぼちゃ、もう近くまで行っていた。】
602.ぼちゃんぼちゃん:【するとみんなは、ぼちゃんぼちゃんと一度に水にすべって落ちた。】
603.ざあざあ ざっこざっこ:【「雨はざあざあ ざっこざっこ、風はしゅうしゅう しゅっこしゅっこ。」とい
           うように叫んだものがあった。】
604.しゅうしゅう しゅっこしゅっこ:【「風はしゅうしゅう しゅっこしゅっこ。」というように叫んだものがあ
           った。】

 
        「ね、あたしどんな所へ行くのかしら。」                               一人のいちょうの女の子が                                          空を見あげて呟やくように云いました。by『いちょうの実』
605.サラサラサラサラ:【その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風
           に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。】
606.ユラリユラリ:【東の空が白く燃え、ユラリユラリと揺れはじめました。】

by『まなづるとダァリヤ』       山山にパラフィンの雲が白く澱み、夜が明けました。              黄色なダァリヤはびっくりして、叫びました。                        「まあ、あなたの美しくなったこと。                                     あなたのまわりは桃色の後光よ。」          「ほんとうよ。あなたのまわりは                                         虹から赤い光だけ集めて来たようよ。」
607.しみじみ:【しみじみと友達の方を見ながら、もう一本の黄色なダァリヤが云いました。】
608.ピートリリ、ピートリリ:【「ピートリリ、ピートリリ。」と鳴いて、その星あかりの下を、まなづるの黒い
           影がかけて行きました。】
609.ポキリ:【そしてポキリと枝を折りました。】

by『鳥箱先生とフウねずみ』       ある日、フウねずみが                                                先生のそばを急いで通って行こうとしますと、                      鳥箱先生があわてて呼びとめました。            「おい。フウ。ちょっと待ちなさい。                                      なぜ、おまえは、そう、ちょろちょろ、                                  つまだてしてあるくんだ。男というものは、                            もっとゆっくり、もっと大股にあるくものだ。」            「だって先生。僕の友だちは、誰だって                                ちょろちょろ歩かない者はありません。                               僕はその中で、一番威張って歩いているんです。」
610.ペコペコ:【そして、ペコペコ頭をさげて、急いで自分の穴へもぐり込んで、子供のフウねずみを連
           れ出して、鳥箱先生の処へやって参りました。】
611.ぺこぺこ:【二人は頭をぺこぺこさげました。】
612.ヒクヒク:【その時、まるで、嵐のように黄色なものが出て来て、フウをつかんで地べたへたたきつ
           け、ひげをヒクヒク動かしました。】

      「とんびははじめは自分も油が乗ってましたから、                   頼まれたのはもう片っぱしから、                                     どんどんどんどん染めました。」
by『林の底』
613.のしのし:【「ええ、行きましたとも。鷲や駝鳥など大きな方も、みんなのしのし出掛けました。」】
614.あっさり:【『わしはね、ごくあっさりとやって貰いたいじゃ。』】
615.けろっ:【梟
(ふくろう)はもうけろっと澄まして答えました。】
616.ぽっちょり:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけぽっちょり
           黒く染めて呉れと云うのです。」】
617.いやいや:【「それでもいやいや日に二つ三つはやってましたが、そのやり方もごく大ざっぱになっ
           て来て、茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてしまっ
           たり、赤と黒とで縞にして呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまったり、
           実際なまけ出したのでした。」】

          むかし、ある霧のふかい朝でした。
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)      王子はみんながちょっと居なくなったひまに、                       玻璃(はり)で畳んだ自分のお室(へや)から、                    ひょいっと芝生へ飛び下りました。
618.ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン。」(霧)】
619.ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン:【「ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン。」(霧)】
620.ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ。」(霧)】
621.ポタリ:【「はやしのなかにふるきりの、つぶはだんだん大きくなり、いまはしづくがポタリ。」】
622.ポタリッポタリッ:【あちこちの木からポタリッポタリッと雫の音がきこえて来ました。】
623.ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ:【「ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ。」(雨)】
624.ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン:【「ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン。」(雨)】
625.ポッシャンポッシャン:【きりはこあめにかわり、ポッシャンポッシャン降って来ました。】
626.ブルルルブルッ:【するとおどろいたことは、王子たちの青い大きな帽子に飾ってあった二羽の青
           びかりの蜂雀が、ブルルルブルッと飛んで、二人の前に降りました。】
627.ザッ、ザ、ザ、ザザァザ、ザザァザ、ザザア:【はちすずめが水の中の青い魚のように、なめらか
           にぬれて光りながら、二人の頭の上をせわしく飛びめぐって、ザッ、ザ、ザ、ザザァ
           ザ、ザザァザ、ザザア、ふらばふれふれ、ひでりあめ、トパァス、サファイア、ダイヤ
           モンド。と歌いました。】
628.パラパラパラパラ:【雨があられに変ってパラパラパラパラやって来たのです。】
629.カチンカチン:【その宝石の雨は、草に落ちてカチンカチンと鳴りました。】
630.ザッザザ、ザザァザ、ザザアザザザア:【はちすずめが度々宝石に打たれて落ちそうになりなが
           ら、やはりせわしくせわしく飛びめぐって、ザッザザ、ザザァザ、ザザアザザザア、
           降らばふれふれひでりあめ、ひかりの雲のたえぬまま。と歌いましたので雨の音は
           一しお高くなりそこらは又一しきりかがやきわたりました。】
631.きらきらっ:【おしまいの二つぶばかりのダイアモンドがそのみがかれた土耳古玉のそらからきら
           きらっと光って落ちました。】
632.ツァリン:【その時、風が来て、りんどうの花はツァリンとからだを曲げて、その天河石
(アマゾンストン)
           の花の盃
(さかずき)を下の方に向けましたので、トパァスはツァラツァランとこぼれて下
           のすずらんの葉に落ちそれからきらきらころがって草の底の方へもぐって行きまし
           た。】
633.ツァラツァラン:【トパァスはツァラツァランとこぼれて下のすずらんの葉に落ちそれからきらきらこ
           ろがって草の底の方へもぐって行きました。】
634.ギギン:【りんどうの花はそれからギギンと鳴って起きあがり、ほっとため息をして歌いました。】
635.ツァランツァリルリン:【「トッパァスのつゆはツァランツァリルリン、こぼれてきらめく サング、サン
           ガリン、ひかりの丘に すみながらなぁにがこんなにかなしかろ。」】
636.サング、サンガリン:【「こぼれてきらめく サング、サンガリン、ひかりの丘に すみながらなぁに
           がこんなにかなしかろ。」】
637.ツァリル、ツァリル、ツァリルリン、ツァリル、ツァリル、ツァリルリン:【まっ碧
(さお)な空でははちすず
           めがツァリル、ツァリル、ツァリルリン、ツァリル、ツァリル、ツァリルリンと鳴いて二人
           とりんどうの花との上をとびめぐって居りました。】
638.ぷりりぷりり:【ほんとうにそのうめばちそうは、ぷりりぷりりふるえていましたので、その花の中の
           一つぶのダイヤモンドは、まるで叫び出す位に橙や緑や美しくかがやき、うめばち
           そうの花びらにチカチカ映って云うようもなく立派でした。】
639.パラリ:【その時丁度風が来ましたのでうめばちそうはからだを少し曲げてパラリとダイアモンドの
           露をこぼしました。】
640.ちくちくっ:【露はちくちくっとおしまいの青光をあげ碧玉の葉の底に沈んで行きました。】
641.ブリリン:【うめばちそうはブリリンと起きあがってもう一ぺんサッサッと光りました。】
642.サラサラサラッ:【この時光の丘はサラサラサラッと一めんけはいがして草も花もみんなからだを
           ゆすったりかがめたりきらきら宝石の露をはらいギギンザン、リン、ギギンと起きあ
           がりました。】
643.ギギンザン、リン、ギギン:【ギギンザン、リン、ギギンと起きあがりました。】
644.サァン、ツァン、サァン、ツァン:【ひかりしずかな天河石
(アマゾンストン)のりんどうも、もうとても躍り出
           さずに居られないというようにサァン、ツァン、サァン、ツァン、からだをうごかして調
           子をとりながら云いました。】
645.ルルルルルル:【はちすずめのめぐりはあまり速くてただルルルルルルと鳴るぼんやりした青い
           光の輪にしか見えませんでした。】
646.キイーン:【にわかにはちすずめがキイーンとせなかの鋼鉄の骨も弾けたかと思うばかりするど
           いさけびをあげました。】
647.スッ:【はちすずめのあとを追って二つぶの宝石がスッと光って二人の青い帽子に下
(お)ちそれか
           ら花の間に落ちました。】

      「ふん。こいつらがざわざわざわざわ云っていたのは、                ほんの昨日のようだったがなあ。                                     大低雪に潰されてしまったんだな。」      木霊(こだま)は、                                                     明るい枯草の丘の間を歩いて行きました。
by『若い木霊(こだま)
648.カサっ:【柏の木はすっかり静まってカサっとも云いませんでした。】
649.ギクッ:【若い木霊はギクッとして立ち止まりました。】
650.ペラペラ:【「桃色のペラペラの寒天でできているんだ。」】
651.ゆらゆらゆらゆら:【そこには桜草がいちめん咲いてその中から桃色のかげろうのような火がゆ
           らゆらゆらゆら燃えてのぼって居りました。】

   「ほう、いいなあ、又三郎さんだちはいいなあ。」                    小さな子供たちは一諸に云いました。   すると又三郎はこんどは少し怒りました。                         「お前たちはだめだねえ。                                              なぜ人のことをうらやましがるんだい。」
by『風野又三郎』   「僕だってつらいことはいくらもあるんだい。                            お前たちにもいいことはたくさんあるんだい。」   「僕は自分のことを一向考えもしないで                              人のことばかりうらやんだり馬鹿にしているやつらを                 一番いやなんだぜ。」
652.どっどどどどうど どどうど どどう:【どっどどどどうど どどうど どどう、ああまいざくろも吹きと
           ばせ すっぱいざくろもふきとばせ どっどどどどうど どどうど どどう】
653.ちょうはあぶどり、ちょうはあぶどり:【「ちょうはあぶどり、ちょうはあぶどり」と高く叫ぶ声がして
           それからいなづまのように嘉助が、かばんをかかえてわらって運動場へかけて来
           ました。】
654.ピルル:【「みなさんお早う。どなたも元気ですね。」と云いながら笛を口にあててピルルと吹きま
           した。】
655.きりきりきりっ:【すると風の又三郎はよろこんだの何のって、顔をまるでりんごのようにかがや
           くばかり赤くしながら、いきなり立ってきりきりきりっと二三べんかかとで廻りまし
           た。】
656.ころころかさかさ:【「それは僕の前にまっ黒な崖があってねえ、そこから一晩中ころころかさか
           さ石かけや火山灰のかたまったのやが崩れて落ちて来るんだ。」】
657.チッチクチッチク:【「鳥がチッチクチッチクなき出したろう。」】
658.ピゥ:【「そしてピゥ、ただ一足でさっきの白いきものの人たちのとこまで行った。」】
659.フゥ:【「僕がマントをフゥとやって通ったら火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまった
           よ。」】
660.ぽっぽっ:【「火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまったよ。」】
661.ガヤガヤ:【「するとね、ガヤガヤ云うだろう、見るとさっきの人たちがやっと登って来たんだ。」】
662.バラリバラリ:【「みんなで火口のふちの三十三の石ぼとけにね、バラリバラリとお米を投げつけ
           てね、もうみんな早く頂上へ行こうと競争なんだ。」】
663.ホウ:【「僕はもう丁度こっちへ来ないといけなかったもんだからホウと一つ叫んで岩手山の頂上
           からはなれてしまったんだ。」】
664.フィウ:【又三郎は立ちあがってマントをひろげたと思うとフィウと音がしてもう形が見えませんで
           した。】
665.どうどっ:【「又三郎、又三郎、どうどっと吹いで来
(こ)。」】
666.ツイツイ:【又三郎は来ないで、却ってみんな見上げた青空に、小さな小さなすき通った渦巻が、
           みずすましの様に、ツイツイと、上ったり下ったりするばかりです。】
667.ドッドド ドドウド ドドウド ドドウ:【「ドッドド ドドウド ドドウド ドドウ、甘いざくろも吹き飛ばせ 
           酸っぱいざくろも吹き飛ばせ」】
668.ドンブラゴッコ、ドンブラゴッコ:【「霧が一杯にかかってその中で波がドンブラゴッコ、ドンブラゴ
           ッコ、と云ってるような気がするだけさ。」】
669.ひらりひらり:【「銀色の羽をひらりひらりとさせながら、空の青光の中や空の影の中を、まっす
           ぐにまっすぐに、まるでどこまで行くかわからない不思議な矢のように馳けて行く
           んだ。」】
670.きりきりっ:【それから一寸立ち上ってきりきりっとかかとで一ぺんまわりました。】
671.カチッ、カチッ:【ガラスの沓
(くつ)がカチッ、カチッとぶっつかって鳴ったようでした。】
672.パリパリパリパリ:【「それでもその小さな子は空が紫色がかった白光をしてパリパリパリパリと
           燃えて行くように思ったんだ。」】
673.ピクッ:【「けれどとうとうあんまり弟が泣くもんだから、自分も怖くなったと見えて口がピクッと横
           の方へまがった、そこで僕は急に気の毒になって、丁度その時行く道がふさがっ
           たのを幸に、ぴたっとまるでしずかな湖のように静まってやった。」】
674.ぼつりぼつり:【又三郎は少し機嫌を悪くしながらぼつりぼつり話しはじめました。】
675.ピーッ:【「そのかわりほんとうに一生けん命かけてる最中に気象台へ通りかかるときはうれしい
           ねえ、風力計をまるでのぼせるくらいにまわしてピーッとかけぬけるだろう、胸もす
           っとなるんだ。」】
676.キョロキョロ:【「木村博士は痩せて眼のキョロキョロした人だけれども僕はまあ好きだねえ、それ
           に非常にテニスがうまいんだよ。」】
677.きぃっ:【「かけるときはきぃっとかけるんだ。」】
678.ぼんぼん:【「島で銅鑼がだるそうにぼんぼんと鳴り椰子の木もパンの木も一ぱいにからだをひ
           ろげてだらしなくねむっているよう、赤い魚も水の中でもうふらふら泳いだりじっとと
           まったりして夢を見ているんだ。」】
679.ぷかぷか:【「青ぞらをぷかぷか泳いでいると思っているんだ。」】
680.ポーッ:【「にわかにポーッと霧の出ることがあるだろう。」】
681.あっぷあっぷ:【「あっぷあっぷ溺れるまねをしたりなんかもするねえ、そんなことをしてふざけな
           がらちゃんと魚をつかまえるんだからえらいや、魚をつかまえてこんどは大威張り
           で又氷にあがるんだ。」】
682.はあ、はあ:【昨日まで丘や野原の空の底に澄みきってしんとしていた風どもが今朝夜あけ方俄
           かに一斉に斯う動き出してどんどんどんどんタスカロラ海床の北のはじをめがけて
           行くことを考えますともう一郎は顔がほてり息もはあ、はあ、なって自分までが一諸
           に空を翔けて行くように胸を一杯にはり手をひろげて叫びました。】
683.ドッドドドドウドドドウドドドウ:【「ドッドドドドウドドドウドドドウ、あまいざくろも吹きとばせ、すっぱい
           ざくろも吹きとばせ、ドッドドドドウドドドウドドドウ、ドッドドドドウドドドードドドウ。」】
   タネリは、こっそり爪立(つまだ)てをして、                           その一本のそばへ進んで、                                          耳をぴったり茶いろな幹にあてがって、                              なかのようすをうかがいました。    けれども、中はしんとして、                                          まだ芽も葉もうごきはじめるもようがありませんでした。
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』   「来たしるしだけつけてくよ。」                                          タネリは、さびしそうにひとりでつぶやきながら、                      そこらの枯れた草穂をつかんで、                                    あちこちに四つ、結び目をこしらえて、                               やっと安心したように、また藤の蔓(つる)を                         すこし口に入れてあるきだしました。
684.にちゃにちゃ:【タネリはとうとう、叩いた蔓
(つる)を一束もって、口でもにちゃにちゃ噛みながら、そ
           っちの方へ飛びだしました。】
685.こそっ:【この時、風が行ってしまいましたので、柏の木は、もうこそっとも云わなくなりました。】
686.ぺらぺら:【(どうだい、おれの頭のうえは。いつから、こんな、ぺらぺら赤い火になったろう。)】

by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』       「ザネリ、どこへ行ったの。」                                           ジョバンニがまだそう云ってしまわないうちに、           「ジョバンニ、お父さんから、らっこの上着が来るよ。」                その子が投げつけるようにうしろから叫びました。           ジョバンニは、ばっと胸がつめたくなり、                              そこら中きぃんと鳴るように思いました。
687.しゅっしゅっ:【(ぼくはまるで軽便鉄道の機関車だ。ここは勾配だからこんなに速い。ぼくはいま
           その電燈を通り越す。しゅっしゅっ。)】
      そのころわたくしは                                                     モリ−オ市の博物局に勤めて居りました。       十八等官でしたから                                                 役所のなかでもずうっと下の方でしたし                            俸給もほんのわずかでしたが、      受持ちが標本の採集や整理で、                                  生れ付き、好きなことでしたから、                                  わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。      殊(こと)にそのころ、モリ−オ市では                                競馬場を植物園に拵(こしらえ)え直すというので、               その景色のいいまわりに                                              アカシヤを植え込んだ広い地面が、      切符売場や信号所の建物のついたまま                           わたくしどもの役所の方へまわって来たものですから、
by『ポラーノの広場』     わたくしはすぐ宿直という名前で                                    月賊で買った小さな蓄音器と                                      二十枚ばかりのレコ−ドをもって                                    その番小屋にひとり住むことになりました。
688.パチッパチッ:【百姓はわたくしの顔の前でパチッパチッとはげしく鞭
(むち)を鳴らしました。】
689.さぁっ:【わたくしはさぁっと血が頭にのぼるのを感じました。】
690.やっぱし:【「テーモ、やっぱし何だか聞いたような名だなあ。」】
691.ばたん:【わたくしはばたんと戸をしめてファゼーロとミーロのあとに立ちました。】
692.ぼぉっ:【そのうち何だかわたくしどもの影が前の方へ落ちているようなのでうしろを振り向いて見
           ますと、おお、はるかなモリーオの市のぼぉっとにごった灯照
(ほて)りのなかから十六
           日の青い月が奇体に平べったくなって半分のぞいているのです。】
693.くびっ:【じいさんはのどをくびっと鳴らしました。 】
694.りいんりいん:【俄かにどこからか甲
(かぶと)虫の鋼の翅(はね)がりいんりいんと空中に張るような音
           がたくさん聞えてきました。】
695.たじたじ:【ファゼーロはたじたじ後退りしました。】
696.べったり:【どこか遁げ口でもさがすように立ちあがって、またべったり座りました。】
697.がじゃっ:【すると間もなくさっきの扉ががじゃっとあいて馬車別当がまっ青になってよろよろしな
           がら出てきました。】
698.どかっ:【胸がどかっと熱くなってもうどうしたらいいかわからなくなるのでした。】
699.うつらうつら:【その八月二日の午すぎ、わたくしが支那漢時代の石に刻んだ画の説明をうつら
           うつら写していましたら、給仕がうしろからいきなりわたくしの首すじを突っついて、
           「所長さん来いって。」といいました。】
700.つかつか:【ところがその撃剣の先生はつかつかと歩いて来ました。】
701.ざぁっ:【おしまい何と云ったか風がざぁっとやって来て声をもって行ってしまいました。】
 
  by『よだかの星』      オリオンは勇ましい歌をつづけながら                                よだかなどはてんで相手にしませんでした。
702.しんねり:【夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ
           方へ向けるのでした。】
703.きしきしきし:【よだかは高くきしきしきしと鳴きました。】
704.キシキシキシキシキシッ:【それからキシキシキシキシキシッと高く高く叫びました。】

      「ではみなさんは、                                                      そういうふうに川だと云われたり、                                    乳の流れたあとだと云われたりしていた                             このぼんやりと白いものが                                            ほんとうは何かご承知ですか。」      先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、                 上から下へ白くけぶった                                              銀河帯のようなところを指しながら、                                みんなに問いをかけました。      カムパネルラが手をあげました。                                     それから四五人手をあげました。      ジョバンニも手をあげようとして、                                     急いでそのままやめました。      たしかにあれがみんな星だと、                                       いつか雑誌で読んだのでしたが、                                   このごろはジョバンニはまるで毎日教室でもねむく、               本を読むひまも読む本もないので、                                なんだかどんなこともよくわからない                                  という気持ちがするのでした。
by『銀河鉄道の夜』
705.くすっ:【ザネリが前の席からふりかえって、ジョバンニを見てくすっとわらいました。】
706.はきはき:【それをカムパネルラが忘れる筈もなかったのに、すぐに返事をしなかったのは、この
           ごろぼくが、朝にも午后にも仕事がつらく、学校に出てももうみんなともはきはき遊
           ばず、カムパネルラともあんまり物を云わないようになったので、カムパネルラがそ
           れを知って気の毒がってわざと返事をしなかったのだ、そう考えるとたまらないほど、
           じぶんもカムパネルラもあわれなような気がするのでした。】
707.くるっくるっ:【時計屋の店には明るくネオン燈がついて、一秒ごとに石でこさえたふくろうの赤い
           眼が、くるっくるっとうごいたり、いろいろな宝石が海のような色をした厚い硝子の盤
           に載って星のようにゆっくりめぐったり、また向う側から、銅の人馬がゆっくりこっち
           へまわって来たりするのでした。】
708.わああ:【すると耳に手をあてて、わああと云いながら片足でぴょんぴょん跳んでいた小さな子供
           らは、ジョバンニが面白くてかけるのだと思ってわあいと叫びました。】
709.ころんころん:【ころんころんと水の湧くような音が聞えて来るのでした。】
710.ぽくぽく:【(なんだ、やっぱりこいつはお菓子だ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こ
           んな雁が飛んでいるもんか。この男は、どこかそこらの野原の菓子屋だ。けれども
           ぼくは、このひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気
           の毒だ。)とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。】
711.ぎゃあぎゃあ:【「汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云ったとたん、がら
           んとした桔梗いろの空から、さっき見たような鷺が、まるで雪の降るように、ぎゃあ
           ぎゃあ叫びながら、いっぱいに舞いおりて来ました。】
712.くっくっ:【「何だかわかりません。」もう大丈夫だと安心しながらジョバンニはそっちを見あげてく
           っくっ笑いました。】
713.ぞくっ:【青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。】
714.さめざめ:【そして青い橄欖(かんらん)の森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながらだ
           んだんうしろの方へ行ってしまいそこから流れて来るあやしい楽器の音ももう汽車
           のひびきや風の音にすり耗らされてずうっとかすかになりました。】
715.ぴしゃぁん:【それと同時にぴしゃぁんという潰れたような音が川下の方で起ってそれからしばら
           くしいんとしました。】
716.さやさや:【それはだんだん数を増して来て、もういまは列のように崖と線路との間にならび、思
           わずジョバンニが窓から顔を引っ込めて向う側の窓を見ましたときは、美しいそら
           の野原の地平線のはてまで、その大きなとうもろこしの木が、ほとんどいちめんに
           植えられて、さやさや風にゆらぎ、その立派なちぢれた葉のさきからは、まるでひ
           るの間にいっぱい日光を吸った金剛石のように、露がいっぱいについて、赤や緑
           やきらきら燃えて光っているのでした。】
717.カチッカチッ:【その振子は、風もなくなり汽車もうごかず、しずかなしずかな野原のなかに、カチ
           ッカチッと正しく時を刻んで行くのでした。】
718.きらっきらっ:【そしてその鶴をもってこっちを見ている影も、もうどんどん小さく遠くなり、電しんば
           しらの碍子
(がいし)がきらっきらっと続いて二つばかり光って、またとうもろこしの林に
           なってしまいました。】
719.どぉ:【その時向う岸ちかくの、少し下流の方で見えない天の川の水がぎらっと光って、柱のよう
           に高くはねあがり、どぉと烈しい音がしました。】
720.ギーギーフーギーギーフー:【「それから彗星
(ほうきぼし)が、ギーギーフーギーギーフーて云って来
           たねえ。」】
721.どほん:【天の川の一とこに大きなまっくらな穴が、どほんとあいているのです。】
722.いっさん:【ジョバンニはいっさんに丘を走っておりました。】
723.わくわくわくわく:【ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。】

      「ポウセさん。                                                          今日は西の野原の泉へ行きませんか。」
by『双子の星』    「あ、チュンセさん。                                                    もうすっかり明るくなったんですね。」
724.カッカッカッ:【ある朝、お日様がカッカッカッと厳
(おごそ)かにお身体をゆすぶって、東から昇ってお
           いでになった時、チュンセ童子は銀笛を下に置いてポウセ童子に申しました。】
725.ころころころころ:【底は青い小さなつぶ石でたいらにうずめられ、石の間から奇麗な水が、ころ
           ころころころ湧き出して泉の一方のふちから天の川へ小さな流れになって走って行
           きます。】
726.くびくび:【私共の世界が旱
(ひでり)の時、瘠せてしまった夜鷹やほととぎすなどが、それをだまって
           見上げて、残念そうに咽喉
(のど)をくびくびさせているのを時々見ることがあるではあ
           りませんか。】
727.ころろ:【「あまのがわの にしのきしを、すこしはなれた そらの井戸。みずはころろ、そこもきら
           ら、まわりをかこむ あおいほし。】
728.きらら:【「みずはころろ、そこもきらら、まわりをかこむ あおいほし。】
729.カラカラ:【赤い眼の蠍
(さそり)星が向うから二つの大きな鋏をゆらゆら動かし長い尾をカラカラ引
           いてやって来るのです。】
730.ごくりごくり:【そして蠍
(さそり)は十分ばかりごくりごくりと水を呑みました。】
731.パタパタ:【その間も、いかにも大烏を馬鹿にする様に、毒の鈎
(かぎ)のついた尾をそちらにパタ
           パタ動かすのです。】
732.ウン:【蠍は頭に深い傷を受け、大烏は胸を毒の鈎
(かぎ)でさされて、両方ともウンとうなったまま
           重なり合って気絶してしまいました。】
733.ゆるゆる:【「さあ、ゆるゆる歩いて明るいうちに早くおうちへお帰りなさい。」】
734.よろりよろり:【よろりよろりとあるくのです。】
735.サッサッサッ:【お日様がもうサッサッサッと三遍厳
(おごそ)かにゆらいで西の山にお沈みになりま
           した。】
736.ぎらぎらっ:【稲妻がぎらぎらっと光ったと思うともういつかさっきの泉のそばに立って居りました。】
737.すがすが:【するともう身体の痛みもつかれも一遍にとれてすがすがしてしまいました。】
738.ザアッザアッ:【ある晩空の下の方が黒い雲で一杯に埋まり雲の下では雨がザアッザアッと降っ
           て居りました。】
739.フッフッ:【それでも二人はいつものようにめいめいのお宮にきちんと座って向いあって笛を吹い
           ていますと突然大きな乱暴ものの彗星がやって来て二人のお宮にフッフッと青白い
           光の霧をふきかけて云いました。】
740.ヒョロヒョロ:【「俺は鰯のようなヒョロヒョロの星やめだかのような黒い隕石はみんなパクパク呑ん
           でしまうんだ。」】
741.ミシミシ:【「まるで身体が壊れそうになってミシミシ云うんだ。」】
742.フウ:【彗星は青白い光を一つフウとはいて云いました。】
743.ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。:【「さあ、発(た)つぞ。ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。」】
744.ガラリ:【すると彗星の態度がガラリと変ってしまいました。】
745.ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。:【「あっはっは、あっはっは。さっきの誓いも何もかもみんな
           取り消しだ。ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。」】
746.もやもや:【海の底はやわらかな泥で大きな黒いものが寝ていたりもやもやの藻がゆれたりしま
           した。】
747.ゴーゴーゴー:【その時みんなの頭の上をまっ黒な大きな大きなものがゴーゴーゴーと哮
(ほ)えて
           通りかかりました。】
748.ねとねと:【「まるでからだの油がねとねとするぞ。」】
749.バリバリバリッ:【と思うと急にバリバリバリッと烈しい音がして竜巻は水と一所に矢のように高く
           高くはせのぼりました。】

   農民一「何病だべす。」   
by『植物医師』    爾薩待(もったいらしく顕微鏡に掛ける)                                    「ははあ、立枯病(たちがれびょう)ですな。                         立枯病です。ちゃんと見えてます。立枯病です。」
750.みっしり:【「さあ、あべじゃ。医者さんもあんまり、がおれなぃで、折角みっしりやったらいがべ。」】

       「正遍知(しょうへんち)はあしたの朝の七時ごろ                   ヒームキャの河をおわたりになって                                   この町にいらっしゃるそうだ。」        こう云う語(ご)がすきとおった風といっしょに                        ハームキャの城の家々にしみわたりました。 
by『四又の百合』       みんなはまるで子供のように                                         いそいそしてしまいました。        なぜなら町の人たちは永い間どんなに                              正遍知のその町に来るのを                                         望んでいたか知れないのです。
751.いそいそ:【みんなはまるで子供のようにいそいそしてしまいました。】

by『黄いろのトマト』   だんだんそれが大きくなって、                                        葉からはトマトの青いにおいがし、                                   茎からは                                                               こまかな黄金(きん)の粒のようなものも噴き出した。    そしてまもなく実がついた。       ところが五本のチェリーの中で、                                     一本だけは奇体に黄いろなんだろう。
752.ミィミィ:【生きてたときはミィミィとなき蝶のように花の蜜をたべるあの小さなかあいらしい蜂雀で
           す。】
753.ぴりぴり:【「ネリは畠のへりに立って、顔が日に焼けてぴりぴりするので、ちいさなお口をすぼめ
           たりする。」】
754.ふう、ふう:【「四本の脚はゆっくりゆっくり、上ったり下ったりしていたし、時々ふう、ふうという呼
           吸の音も聞えた。」】
755.チクチクッ:【そして俄かにあんまりの明るさと、あの兄妹のかあいそうなのとに、眼がチクチクッ
           と痛み、涙がぼろぼろこぼれたのです。】
      「どれ、何だい、びくびくするない。                                    あれは公爵のセロだよ。だまってついておいで。」
by『黒ぶどう』
756.タン:【狐が青ぞらを見ては何べんもタンと舌を鳴らしました。】
757.タン、タン:【そこで狐がタン、タンと二つ舌を鳴らしてしばらく立ちどまってから云いました。】
758.プッ:【狐はプッと五つぶめの肉を吐き出しながら云いました。】
759.コツコツコツコツ:【仔牛はコツコツコツコツと葡萄のたねをかみ砕いていました。】
760.コツコツ:【仔牛がコツコツ鳴らしながら答えました。】

       マリオは、ここから三百里も北ですから、                             よほど涼しい訳ですが、                                              やっぱり仲々蒸し暑いですからね、                                 私は給仕に、                                                        「おいどうしたんだ。窓をあけたらいいじゃないか。」                  と云ったんです。
by『毒蛾』      すると給仕はてかてかの髪を一寸撫でて、                        「はい、誠にお気の毒でございますが、当地方には、               毒蛾がひどく発生して居りまして、                                  夕刻からは窓をあけられませんのでございます。                   只今、扇風機を運んで参ります。」 と云ったのでした。
761.てっきり:【殊にアンモニアの議論のことまで出ていましたから、私はもうてっきりあの紳士のこと
           だと考えました。】

      斉藤平太は、その春、楢岡の町に出て、                         中学校と農学校、工学校の入学試験を受けました。      三つとも駄目だと思っていましたら、どうしたわけか、              まぐれあたりのように工学校だけ及第しました。      一年と二年とはどうやら無事で、                                   算盤(そろばん)の下手な担任教師が                             斉藤平太の通信簿の点数の勘定を間違った為に               首尾よく卒業いたしました。
by『革トランク』
762.どうやら:【三つとも駄目だと思っていましたら、どうしたわけか、まぐれあたりのように工学校だ
           け及第しました。一年と二年とはどうやら無事で、算盤
(そろばん)の下手な担任教師
           が斉藤平太の通信簿の点数の勘定を間違った為に首尾よく卒業いたしました。】

     「馬がそう云ったんですか。」   
by『バキチの仕事』    「馬がそう云ったそうですよ。                                           わっしゃ馬から聞きやした。」
763.がちゃ:【行って見て来いっていふわけでバキチが剣をがちゃつかせ、耕牧舎へやって来たで
           しょう。】

       大王はけらいに向って                                              「誰かこの大河の水を                                                  さかさまにながれさせることのできるものがあるか」                  と問われました。
by『手紙』       けらいは皆                                                           「陛下よ、それはとても出来ないことでございます。」               と答えました。
764.ぐたっ:【ポーセはおいしそうに三さじばかり喰べましたら急にぐたっとなっていきをつかなくなり
           ました。】

      甲太は、着物をとって、                                              馬の頭からかぶせはじめました。       馬はひひんと云って首を上げ、                                       それから又下げました。
by『馬の頭巾』      おかみさんは、少し顔をあかくして、                                うまく合うかどうか、台所に立って見ていました。        実にうまい工合です。                                                馬の顔が半分と、頭とくびと、胸からせ中まで、                   すっかり白い着物を着ました。
765.ポカポカ:【又、夕方、車が空いて、それから、馬が道をよく知って、ひとりでポカポカあるいてい
           るときも、甲太はほかの人たちのように、車の上へこしかけて、ほほづえをついて
           あくびをしたり、ねころんで空をながめて歌をうたったりしませんでした。】
766.ころり:【そのままころりと寝てしまいました。】
767.ガラガラ:【そこで甲太は、早速、米を車の上にのせて、ガラガラ停車場の方へ行きました。】

   「まあ、スティームが通らなくなったんですわ。」          若いお母さんもびっくりしたように目をひらいて                      急いで子供を見ました。
by『氷と後光(習作)』       こどもはすっかりさっきの通りの姿勢で                              すやすやと睡(ねむ)っています。       「どうしたんだろう。ああ寒い。                                        風邪を引かせちゃ大へんだぜ。何時だろう。                       ほんのとろっとしただけだったが。」       時計の黒い針は、かっきりと夜中の四時を指し、                窓のガラスはすっかり氷で曇っていました。
768.カラコロ:【それからカラコロセメントの上をかける下駄の音、たしかにそれは明方でした。】

       さて、みんなはひろってひろってひろって、                           夕方までにやっと一万つぶずつあつめて、                          カイロ団長のところへ帰って来ました。
by『カイロ団長』      するととのさまがえるのカイロ団長はよろこんで、                  「うん。よし。さあ、みんな                                             舶来ウェスキイを一杯ずつのんで寝るんだよ。」                   と云いました。
769.うきうき:【夕方は、お日さまの光が木や草の緑を飴色にうきうきさせるまで歌ったり笑ったり叫
           んだりして仕事をしました。】
770.ケホン、ケホン:【「いや、ありがとう、ウーイ、ケホン、ケホン、ウーイうまいね。どうも。」】
771.キーイキーイ:【あっちでもこっちでも、キーイキーイといびきをかいて寝てしまいました。】
772.ぴたん:【とのさまがえるは次の室
(へや)の戸を開いてその閉口したあまがえるを押し込んで、戸
           をぴたんとしめました。】
773.ポンポンポンポン:【片っぱしからあまがえるの緑色の頭をポンポンポンポンたたきつけました。】
774.きょろきょろきょろきょろ:【さあ、大へん、みんな、「あ痛っ、あ痛っ。誰だい。」なんて云いなが
           ら目をさまして、しばらくきょろきょろきょろきょろしていましたが、いよいよそれが
           酒屋のおやじのとのさまがえるの仕業だとわかると、もうみな一ぺんに、「何だい。
           おやじ。よくもひとをなぐったな。」】
775.ストンストン:【片っぱしからストンストンと投げつけられました。】
776.ぺちゃん:【ぺちゃんと投げつけました。】
777.シュッポォン:【「首が太いからスポンとはいかない、シュッポォンと切られるぞ。」】
778.ぶるぶるぶるっ:【あまがえるどもは緑色の手足をぶるぶるぶるっとけいれんさせました。】
779.こそこそこそこそ:【そしてこそこそこそこそ、逃げるようにおもてに出てひとりが三十三本三分
           三厘強ずつという見当で、一生けん命いい木をさがしましたが、大体もう前々か
           らさがす位さがしてしまっていたのですから、いくらそこらをみんながひょいひょい
           かけまわっても、夕方までにたった九本しか見つかりませんでした。】
780.シュッポン:【「巡査は首をシュッポンと切るぞ。」】
781.クゥウ、クゥウ:【それが一日に一人で九百貫の石を運ぶなどはもうみんな考えただけでめまい
           を起してクゥウ、クゥウと鳴ってばたりばたり倒れてしまったことは全く無理もありま
           せん。】
782.コツンコツン:【とのさまがえるは早速例の鉄の棒を持ち出してあまがえるの頭をコツンコツンと
           叩いてまわりました。】
783.くるりくるり:【三角になってくるりくるりとうごいているように見えたのです。】
784.チクチクチクチク:【みんなあんまり一生けん命だったので、汗がからだ中チクチクチクチク出て、
           からだはまるでへたへた風のようになり、世界はほとんどまっくらに見えました。】
785.テクテク:【カイロ団長は、はやしにつりこまれて、五へんばかり足をテクテクふんばってつなを
           引っ張りましたが、石はびくとも動きません。】
786.キクッ:【とのさまがえるは又四へんばかり足をふんばりましたが、おしまいの時は足がキクッと
           鳴ってくにゃりと曲ってしまいました。】
787.ドッ:【ドッと一諸に人をあざけり笑ってそれから俄かにしいんとなった時のこのさびしいことです。】
788.ホロホロ:【とのさまがえるはホロホロ悔悟のなみだをこぼして、「ああ、みなさん、私がわるかっ
           たのです。私はもうあなた方の団長でもなんでもありません。私はやっぱりただの
           蛙です。あしたから仕立屋をやります。」】

       美容院はどちらでしょうか。   
by『ひのきとひなげし』
789.さっさっさっ:【ところがこのときお日さまは、さっさっさっと大きな呼吸を四五へんついてるり色を
           した山に入ってしまいました。】
790.ドキドキ:【賢いテクラがドキドキしながら云いました。】
791.ぱらぱら:【「ではそのわしがこの紙をひとつぱらぱらめくるからみんないっしょにこう云いなさい。】

      「ぎゃぁ、幽霊ぢゃ!」    
by『畑のへり』
792.ぎゃあ:【蛙はぎゃあと叫んで遠めがねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。】
793.ぎゅっくぎゅっく:【「いいかい、うたうよ。ぎゅっくぎゅっく。」】
794.ぎゅっく:【「どうもつかれて声が出ないよ。ぎゅっく。もうよそう。」】

      「何の用でここへ来たの、                                             何かしらべに来たの、                                                何かしらべに来たの。」        西の山地から吹いて来たまだ少しつめたい風が                   私の見すぼらしい黄いろの上着を                                  ぱたぱたかすめながら                                                 何べんも何べんも通って行きました。        「おれは内地の農林学校の助手だよ、                             だから標本を集めに来たんだい。」
by『サガレンと八月』
795.ぷつっ:【「おれ海へ行って孔石
(あないし)をひろって来るよ。」とタネリが云いましたらおっかさんは
           太い縫糸を歯でぷつっと切ってそのきれはしをぺっと吐いて云いました。】
796.ぺっ:【そのきれはしをぺっと吐いて云いました。】
797.ぽとっ:【砂の一とこが円くぽとっとぬれたように見えてそこに指をあてて見ますとにくにく寒天の
           ようなつめたいものでした。】
798.にくにく:【そこに指をあてて見ますとにくにく寒天のようなつめたいものでした。】
799.どぼん:【間もなく浪がどぼんと鳴ってそれからすうっと白い泡をひろげながら潮水がやって来ま
           した。】
800.ぷらん:【思わずくらげをぷらんと手でぶら下げてそっちをすかして見ましたらさあどうでしょう、
           いままでの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまっ
           てその底で黄いろな火がどんどん燃えているようでした。】
801.ちょぼん:【「小僧、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男がなくて困ったいるとこだ。ご
           ち走してやるから来い。」云ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神に両足をつか
           まれてちょぼんと立ち、陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いく
           らい波の上を走って行くのでした。】
802.ぎゅっ:【すると犬神はぎゅっとタネリの足を強く握って「ほざくな小僧、いるかの子がびっくりして
           るじゃないか。」と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】
803.ぴしぴし:【「実はね、おまえのとこに下男がなかったもんだから今日一人見附けて来てやったん
           だ。蟹にしておいたがね、ぴしぴし遠慮なく使うがいい。」】
 
        「ぢゃ、今年ぁ、こいつさ砂糖入れるべな。」                        「罰金取らえらんすぢゃ。」by『葡萄水』      「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。              見っけらえなぃば、すっこすっこど葡ん萄酒呑む。」               「なじょして蔵(かく)して置ぐあんす。」
804.パチャパチャ:【大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむしっています。】
805.パチャン:【耕平の子は、葡萄の房を振りまわしたり、パチャンと投げたりするだけです。】
806.すっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、すっこす
           っこど葡ん萄酒呑む。」】
807.ずらり:【さて瓶がずらりと板の間にならんで、まるでキラキラします。】
808.ボッ:【そこで「ボッ」という爆発のような音が、どこからとなく聞えて来ました。】
809.きいらりきいら:【「一昨日、みぃぞれ降ったればすずらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の支度の
           しろうさぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」】

      狸がきもののえりを掻き合せて云いました。                       「そうじゃ。みんな往生じゃ。                                          山猫大明神さまのおぼしめしどおりじゃ。な。                     なまねこ。なまねこ。」
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』      兎も一諸に念猫をとなえはじめました。                           「なまねこ、なまねこ、なまねこ、なまねこ」
810.ぶんぶんぶんぶん:【ちょうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧
           い蜂の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交いながら、一つ一つの小
           さな桃いろの花に挨拶して蜜や香料を貰ったり、そのお礼に黄金
(きん)いろをした円
           い花粉をほかの花のところへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらな
           くなった蝋を集めて六角形の巣を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口にな
           っていました。】
811.くうん:【夜あけごろ、遠くから小さなこどものあぶがくうんとうなってやって来て網につきあたった。】
812.なみなみ:【「もうしご冥加ご報謝と、かどなみなみに立つとても、非道の蜘蛛の網ざしき、さわる
           まいぞや。よるまいぞ。」】
813.スルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりき
           ぃらり巣をかける。」】
814.キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】
815.ヘラヘラ:【なめくじはいつでもハッハハと笑って、そしてヘラヘラした声で物を言うけれども、どう
           も心がよくなくて蜘蛛やなんかよりは却って悪いやつだというのでみんなが軽べつ
           をはじめました。】
816.どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじを見
           てから云いました。】
817.ちくちく:【どういうわけか非常に腹が痛くて、のどのところへちくちく刺さるものがある。】
818.ボローン:【とうとう狼をたべてから二十五日めに狸はからだがゴム風船のようにふくらんでそれ
           からボローンと鳴って裂けてしまった。】

        北の城門の番兵や                                                  そこいら辺の人たちは        敵が押し寄せて来たと思って          まるでどきどきやりながら           銃眼から外をのぞいて見た。           壁の外には沙漠まで                                                 まるで雲霞の軍勢だ。        みんな不思議に灰いろや           鼠がかって  もさもさして                                             天まで続いているようだ。
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
819.ピーピーピピーピ、ピーピーピ:【グレッシャムの町の北の方から「ピーピーピピーピ、ピーピーピ」
           大へんあわれな たくさんのチャルメラの音が聞こえて来た。】
820.タンパララタ、タンパララタ、ペタンペタンペタン:【その間には「タンパララタ、タンパララタ、ペタン
           ペタンペタン。」という豆太鼓の音もする。】
821.もさもさ:【みんな不思議に灰いろや鼠がかってもさもさして天まで続いているようだ。】
822.うずうず:【さて将軍の馬の方は、坂をうずうずのぼって行く】
823.しっ、ふう、どう、おい:【「おい、起きんかい、起きんかい。しっ、ふう、どう、おい、貴さまの大好き
           の朝鮮人蔘をほんの一口たべんかい。おい。」】
824.かたかた:【ホトランカン先生が噴霧器をかたかたやるのをやめ号令するとすぐ助手がタオルで
           頭や顔を拭く。】
825.ばっ、ふゅう:【「ばっ、ふゅう」馬は塀を超えサラバアユウ先生のけしの花壇をめちゃくちゃに踏
           みつけながら立っていた。】
826.エヘンエヘンブルルル エヒンエヒン フウ:【もうあっちからもこっちからもエヘンエヘンブルルル
            エヒンエヒン フウという馬の挨拶が聞えて来る。】
827.とっと:【そこで将軍は千疋
(びき)も集まっている馬の中をとっとと自分の馬を進めサラバアユウ氏
           の前に行く。】
828.ごほん、ごほん:【「どうも出ますよ、ごほん、ごほん。」】
829.イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン:【「イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン、」】
830.じわじわ:【サラバアユウ先生はそんなことには頓着なく今度は馬のせなかからじわじわ鞍を引き
            はなす。】
831.すぽっ:【間もなく鞍はすぽっととれ馬は見当がつかないらしく四五へんせ中をゆすぶった。】
832.ブルッ:【たった一疋の馬がブルッと鼻を鳴らしただけ。】

by『けだものの運動会』      「鉄棒ぶらさがり競争というものはどうだろう。」   
833.じりりじりり:【白い泡をはいてじりりじりりとしりごみをしてしまいました。】
834.ブカブカどんどん:【鳥の方からたのんで来た楽隊はブカブカどんどんやっています。】
835.ほいほい:【けだものどもはみなほいほいととびつきましたがただ一疋
(ぴき)河馬だけは手を外し
            てドタリと落ちてひどく尻餅をつきました。】
836.ドタリ:【ただ一疋
(ぴき)河馬だけは手を外してドタリと落ちてひどく尻餅をつきました。】
837.ぶるぶるぶる:【虎の手はもうぶるぶるぶるとふるえて来てとうとうばたりと落ちました。】
838.ウンウン:【上でもみんなつかれて来てウンウンうなったり手がぐらぐらしたりしはじめました。】
839.ばたばたっ:【それからすべて鼻の大きなやつや口の大きなけだものが百疋
(ぴき)ばかり一諸に
            ばたばたっと落ちました。】
840.クルクルクルッ:【「七十秒。」と豹が叫びましたらカンガル−がクルクルクルッとまわって落ちま
            した。】

   「どこへ行くのだ。」    
by『月夜のけだもの』
841.のそりのそり:【獅子はだまって受けとって脇にはさんでのそりのそりとこんどは自分が見まわ
            りに出ました。】
842.ころころ:【そこらは水のころころ流れる夜の野原です。】
843.ひくひく:【獅子はしばらく鼻をひくひくさせて又云いました。】
844.ガァッ:【「そして俄に耳もとでガァッと云う声がするからびっくりして眼を醒
(さ)ましたのだ。」】
845.やっき:【狸がやっきとなって腹鼓を叩いて狐を責めました。】
846.カサカサカサカサ:【カサカサカサカサ音がだんだん遠くなります。】

by『よく利く薬とえらい薬』      「清夫さんもうおひるです。                                            辯当(べんとう)おあがりなさい。                                    落しますよ。そら。」
847.ゴギノゴギオホン:【「ゴギノゴギオホン、今日も薬をお集めか。」】
848.ツーンツーン:【そのうちにもうお日さまは、空のまん中までおいでになって、林はツーンツーン
            と鳴り出しました。】
849.ぽたっ:【「清夫さんもうおひるです。辯当おあがりなさい。落しますよ。そら。」と云いながら青い
            どんぐりを一粒ぽたっと落して行きました。】
850.ピリッ:【唇がピリッとしてからだがブルブルッとふるい、何かきれいな流れが頭から手から足ま
            で、すっかり洗ってしまったよう、何とも云えずすがすがしい気分になりました。】
851.くりくりくりくりくり:【「びっくりびっくり、くりくりくりくりくり。」】
852.くるくるん:【「薬さえ取ってしまったらこの林ぐらい、くるくるんに焼っぷくって見せるぞ。」】
853.ポン:【大三もしばらくは困って立っていましたが、やがてポンと手を叩いて云いました。】
854.ブウブウ:【それからすきとおらせる為に、ガラスのかけらと水銀と塩酸を入れて、ブウブウとふ
            いごにかけ、まっ赤に灼きました。】
855.アプッ:【するとアプッと云って死んでしまいました。】

   「エステル工学校。ハッハッハ。素敵だ。                             さあどうです。一杯やりましょう。                                     チュウリップの光の酒。さあ飲みませんか。」
by『チュウリップの幻術』   「いや、やりましょう。                                                   よう、あなたの健康を祝します。」
856.てくてく:【てくてくあるいてくるその黒い細い脚はたしかに鹿に肖
(に)ています。】
857.だんだら:【そして日が照っているために荷物の上にかざされた赤白だんだらの小さな洋傘は
            有平糖
(あるへいとう)でできてるように思われます。】
858.ガチャッ:【園丁がいつか俄かにやって来てガチャッと持って来たものを置きました。】
859.じゃりじゃり:【鋼砥
(かなど)の上で金剛砂(こんごうしゃ)がじゃりじゃり云いチュウリップはぷらぷらゆ
            れ、陽が又降って赤い花は光ります。】
860.チ−チクチ−チク:【ひばりはいつか空にのぼって行ってチ−チクチ−チクやり出します。】
861.ユラユラユラユラ:【「すきとおる蒸気が丁度水へ砂糖を溶
(とか)したときのようにユラユラユラユ
            ラ空へ昇って行くでしょう。」】
862.おっ:【「やりますとも、おっと沢山沢山。」】
863.きゃんきゃん:【「まん中に居てきゃんきゃん調子をとるのがあれが桜桃の木ですか。」】

 『個性派★一作品のみ登場オノマトペ』、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝
(^ ^;
                                                     2006.11.05.
 
     
 







 
 







 
  .
   いそいそ:【みんなはまるで子供のように                                         いそいそしてしまいました。】                                                                      by『四又の百合』
 ♪
 .
 
     







 


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    (貴重なほんのわずかな読者の方々へ)
目次の掲示板に、ご意見ご感想おたより等くなさい。 スネオ 拝 (^ ^;
       
 

オノマトペ・データ4

  次回配本は、第三章『オノマトペ・マイ・ベスト50』です。
       
 

オノマトペ・データ2

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   一回こっきりとか、                                                    期間限定とか、                                                      先着何名様                                                          っつーのに弱いんですよ、ボクって。(^ ^;                                                                        ♪烏合のギャグ♪
 トップページは面従腹背だなす。                                            ♪へそでギャグを湧かす♪