『イーハトーヴ・オノマトペ症候群』やってます。(^ ^;
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一回こっきり、『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2』。
★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
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一回こっきり、『個性派★一作品のみ登場オノマトペその2』。 |
by『いちょうの実』 605.サラサラサラサラ:【その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風 に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。】 606.ユラリユラリ:【東の空が白く燃え、ユラリユラリと揺れはじめました。】 by『まなづるとダァリヤ』 607.しみじみ:【しみじみと友達の方を見ながら、もう一本の黄色なダァリヤが云いました。】 608.ピートリリ、ピートリリ:【「ピートリリ、ピートリリ。」と鳴いて、その星あかりの下を、まなづるの黒い 影がかけて行きました。】 609.ポキリ:【そしてポキリと枝を折りました。】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 610.ペコペコ:【そして、ペコペコ頭をさげて、急いで自分の穴へもぐり込んで、子供のフウねずみを連 れ出して、鳥箱先生の処へやって参りました。】 611.ぺこぺこ:【二人は頭をぺこぺこさげました。】 612.ヒクヒク:【その時、まるで、嵐のように黄色なものが出て来て、フウをつかんで地べたへたたきつ け、ひげをヒクヒク動かしました。】 by『林の底』 613.のしのし:【「ええ、行きましたとも。鷲や駝鳥など大きな方も、みんなのしのし出掛けました。」】 614.あっさり:【『わしはね、ごくあっさりとやって貰いたいじゃ。』】 615.けろっ:【梟(ふくろう)はもうけろっと澄まして答えました。】 616.ぽっちょり:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけぽっちょり 黒く染めて呉れと云うのです。」】 617.いやいや:【「それでもいやいや日に二つ三つはやってましたが、そのやり方もごく大ざっぱになっ て来て、茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてしまっ たり、赤と黒とで縞にして呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまったり、 実際なまけ出したのでした。」】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 618.ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン。」(霧)】 619.ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン:【「ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン。」(霧)】 620.ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ。」(霧)】 621.ポタリ:【「はやしのなかにふるきりの、つぶはだんだん大きくなり、いまはしづくがポタリ。」】 622.ポタリッポタリッ:【あちこちの木からポタリッポタリッと雫の音がきこえて来ました。】 623.ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ:【「ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ。」(雨)】 624.ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン:【「ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン。」(雨)】 625.ポッシャンポッシャン:【きりはこあめにかわり、ポッシャンポッシャン降って来ました。】 626.ブルルルブルッ:【するとおどろいたことは、王子たちの青い大きな帽子に飾ってあった二羽の青 びかりの蜂雀が、ブルルルブルッと飛んで、二人の前に降りました。】 627.ザッ、ザ、ザ、ザザァザ、ザザァザ、ザザア:【はちすずめが水の中の青い魚のように、なめらか にぬれて光りながら、二人の頭の上をせわしく飛びめぐって、ザッ、ザ、ザ、ザザァ ザ、ザザァザ、ザザア、ふらばふれふれ、ひでりあめ、トパァス、サファイア、ダイヤ モンド。と歌いました。】 628.パラパラパラパラ:【雨があられに変ってパラパラパラパラやって来たのです。】 629.カチンカチン:【その宝石の雨は、草に落ちてカチンカチンと鳴りました。】 630.ザッザザ、ザザァザ、ザザアザザザア:【はちすずめが度々宝石に打たれて落ちそうになりなが ら、やはりせわしくせわしく飛びめぐって、ザッザザ、ザザァザ、ザザアザザザア、 降らばふれふれひでりあめ、ひかりの雲のたえぬまま。と歌いましたので雨の音は 一しお高くなりそこらは又一しきりかがやきわたりました。】 631.きらきらっ:【おしまいの二つぶばかりのダイアモンドがそのみがかれた土耳古玉のそらからきら きらっと光って落ちました。】 632.ツァリン:【その時、風が来て、りんどうの花はツァリンとからだを曲げて、その天河石(アマゾンストン) の花の盃(さかずき)を下の方に向けましたので、トパァスはツァラツァランとこぼれて下 のすずらんの葉に落ちそれからきらきらころがって草の底の方へもぐって行きまし た。】 633.ツァラツァラン:【トパァスはツァラツァランとこぼれて下のすずらんの葉に落ちそれからきらきらこ ろがって草の底の方へもぐって行きました。】 634.ギギン:【りんどうの花はそれからギギンと鳴って起きあがり、ほっとため息をして歌いました。】 635.ツァランツァリルリン:【「トッパァスのつゆはツァランツァリルリン、こぼれてきらめく サング、サン ガリン、ひかりの丘に すみながらなぁにがこんなにかなしかろ。」】 636.サング、サンガリン:【「こぼれてきらめく サング、サンガリン、ひかりの丘に すみながらなぁに がこんなにかなしかろ。」】 637.ツァリル、ツァリル、ツァリルリン、ツァリル、ツァリル、ツァリルリン:【まっ碧(さお)な空でははちすず めがツァリル、ツァリル、ツァリルリン、ツァリル、ツァリル、ツァリルリンと鳴いて二人 とりんどうの花との上をとびめぐって居りました。】 638.ぷりりぷりり:【ほんとうにそのうめばちそうは、ぷりりぷりりふるえていましたので、その花の中の 一つぶのダイヤモンドは、まるで叫び出す位に橙や緑や美しくかがやき、うめばち そうの花びらにチカチカ映って云うようもなく立派でした。】 639.パラリ:【その時丁度風が来ましたのでうめばちそうはからだを少し曲げてパラリとダイアモンドの 露をこぼしました。】 640.ちくちくっ:【露はちくちくっとおしまいの青光をあげ碧玉の葉の底に沈んで行きました。】 641.ブリリン:【うめばちそうはブリリンと起きあがってもう一ぺんサッサッと光りました。】 642.サラサラサラッ:【この時光の丘はサラサラサラッと一めんけはいがして草も花もみんなからだを ゆすったりかがめたりきらきら宝石の露をはらいギギンザン、リン、ギギンと起きあ がりました。】 643.ギギンザン、リン、ギギン:【ギギンザン、リン、ギギンと起きあがりました。】 644.サァン、ツァン、サァン、ツァン:【ひかりしずかな天河石(アマゾンストン)のりんどうも、もうとても躍り出 さずに居られないというようにサァン、ツァン、サァン、ツァン、からだをうごかして調 子をとりながら云いました。】 645.ルルルルルル:【はちすずめのめぐりはあまり速くてただルルルルルルと鳴るぼんやりした青い 光の輪にしか見えませんでした。】 646.キイーン:【にわかにはちすずめがキイーンとせなかの鋼鉄の骨も弾けたかと思うばかりするど いさけびをあげました。】 647.スッ:【はちすずめのあとを追って二つぶの宝石がスッと光って二人の青い帽子に下(お)ちそれか ら花の間に落ちました。】 by『若い木霊(こだま)』 648.カサっ:【柏の木はすっかり静まってカサっとも云いませんでした。】 649.ギクッ:【若い木霊はギクッとして立ち止まりました。】 650.ペラペラ:【「桃色のペラペラの寒天でできているんだ。」】 651.ゆらゆらゆらゆら:【そこには桜草がいちめん咲いてその中から桃色のかげろうのような火がゆ らゆらゆらゆら燃えてのぼって居りました。】 by『風野又三郎』 652.どっどどどどうど どどうど どどう:【どっどどどどうど どどうど どどう、ああまいざくろも吹きと ばせ すっぱいざくろもふきとばせ どっどどどどうど どどうど どどう】 653.ちょうはあぶどり、ちょうはあぶどり:【「ちょうはあぶどり、ちょうはあぶどり」と高く叫ぶ声がして それからいなづまのように嘉助が、かばんをかかえてわらって運動場へかけて来 ました。】 654.ピルル:【「みなさんお早う。どなたも元気ですね。」と云いながら笛を口にあててピルルと吹きま した。】 655.きりきりきりっ:【すると風の又三郎はよろこんだの何のって、顔をまるでりんごのようにかがや くばかり赤くしながら、いきなり立ってきりきりきりっと二三べんかかとで廻りまし た。】 656.ころころかさかさ:【「それは僕の前にまっ黒な崖があってねえ、そこから一晩中ころころかさか さ石かけや火山灰のかたまったのやが崩れて落ちて来るんだ。」】 657.チッチクチッチク:【「鳥がチッチクチッチクなき出したろう。」】 658.ピゥ:【「そしてピゥ、ただ一足でさっきの白いきものの人たちのとこまで行った。」】 659.フゥ:【「僕がマントをフゥとやって通ったら火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまった よ。」】 660.ぽっぽっ:【「火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまったよ。」】 661.ガヤガヤ:【「するとね、ガヤガヤ云うだろう、見るとさっきの人たちがやっと登って来たんだ。」】 662.バラリバラリ:【「みんなで火口のふちの三十三の石ぼとけにね、バラリバラリとお米を投げつけ てね、もうみんな早く頂上へ行こうと競争なんだ。」】 663.ホウ:【「僕はもう丁度こっちへ来ないといけなかったもんだからホウと一つ叫んで岩手山の頂上 からはなれてしまったんだ。」】 664.フィウ:【又三郎は立ちあがってマントをひろげたと思うとフィウと音がしてもう形が見えませんで した。】 665.どうどっ:【「又三郎、又三郎、どうどっと吹いで来(こ)。」】 666.ツイツイ:【又三郎は来ないで、却ってみんな見上げた青空に、小さな小さなすき通った渦巻が、 みずすましの様に、ツイツイと、上ったり下ったりするばかりです。】 667.ドッドド ドドウド ドドウド ドドウ:【「ドッドド ドドウド ドドウド ドドウ、甘いざくろも吹き飛ばせ 酸っぱいざくろも吹き飛ばせ」】 668.ドンブラゴッコ、ドンブラゴッコ:【「霧が一杯にかかってその中で波がドンブラゴッコ、ドンブラゴ ッコ、と云ってるような気がするだけさ。」】 669.ひらりひらり:【「銀色の羽をひらりひらりとさせながら、空の青光の中や空の影の中を、まっす ぐにまっすぐに、まるでどこまで行くかわからない不思議な矢のように馳けて行く んだ。」】 670.きりきりっ:【それから一寸立ち上ってきりきりっとかかとで一ぺんまわりました。】 671.カチッ、カチッ:【ガラスの沓(くつ)がカチッ、カチッとぶっつかって鳴ったようでした。】 672.パリパリパリパリ:【「それでもその小さな子は空が紫色がかった白光をしてパリパリパリパリと 燃えて行くように思ったんだ。」】 673.ピクッ:【「けれどとうとうあんまり弟が泣くもんだから、自分も怖くなったと見えて口がピクッと横 の方へまがった、そこで僕は急に気の毒になって、丁度その時行く道がふさがっ たのを幸に、ぴたっとまるでしずかな湖のように静まってやった。」】 674.ぼつりぼつり:【又三郎は少し機嫌を悪くしながらぼつりぼつり話しはじめました。】 675.ピーッ:【「そのかわりほんとうに一生けん命かけてる最中に気象台へ通りかかるときはうれしい ねえ、風力計をまるでのぼせるくらいにまわしてピーッとかけぬけるだろう、胸もす っとなるんだ。」】 676.キョロキョロ:【「木村博士は痩せて眼のキョロキョロした人だけれども僕はまあ好きだねえ、それ に非常にテニスがうまいんだよ。」】 677.きぃっ:【「かけるときはきぃっとかけるんだ。」】 678.ぼんぼん:【「島で銅鑼がだるそうにぼんぼんと鳴り椰子の木もパンの木も一ぱいにからだをひ ろげてだらしなくねむっているよう、赤い魚も水の中でもうふらふら泳いだりじっとと まったりして夢を見ているんだ。」】 679.ぷかぷか:【「青ぞらをぷかぷか泳いでいると思っているんだ。」】 680.ポーッ:【「にわかにポーッと霧の出ることがあるだろう。」】 681.あっぷあっぷ:【「あっぷあっぷ溺れるまねをしたりなんかもするねえ、そんなことをしてふざけな がらちゃんと魚をつかまえるんだからえらいや、魚をつかまえてこんどは大威張り で又氷にあがるんだ。」】 682.はあ、はあ:【昨日まで丘や野原の空の底に澄みきってしんとしていた風どもが今朝夜あけ方俄 かに一斉に斯う動き出してどんどんどんどんタスカロラ海床の北のはじをめがけて 行くことを考えますともう一郎は顔がほてり息もはあ、はあ、なって自分までが一諸 に空を翔けて行くように胸を一杯にはり手をひろげて叫びました。】 683.ドッドドドドウドドドウドドドウ:【「ドッドドドドウドドドウドドドウ、あまいざくろも吹きとばせ、すっぱい ざくろも吹きとばせ、ドッドドドドウドドドウドドドウ、ドッドドドドウドドドードドドウ。」】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 684.にちゃにちゃ:【タネリはとうとう、叩いた蔓(つる)を一束もって、口でもにちゃにちゃ噛みながら、そ っちの方へ飛びだしました。】 685.こそっ:【この時、風が行ってしまいましたので、柏の木は、もうこそっとも云わなくなりました。】 686.ぺらぺら:【(どうだい、おれの頭のうえは。いつから、こんな、ぺらぺら赤い火になったろう。)】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 687.しゅっしゅっ:【(ぼくはまるで軽便鉄道の機関車だ。ここは勾配だからこんなに速い。ぼくはいま その電燈を通り越す。しゅっしゅっ。)】 by『ポラーノの広場』 688.パチッパチッ:【百姓はわたくしの顔の前でパチッパチッとはげしく鞭(むち)を鳴らしました。】 689.さぁっ:【わたくしはさぁっと血が頭にのぼるのを感じました。】 690.やっぱし:【「テーモ、やっぱし何だか聞いたような名だなあ。」】 691.ばたん:【わたくしはばたんと戸をしめてファゼーロとミーロのあとに立ちました。】 692.ぼぉっ:【そのうち何だかわたくしどもの影が前の方へ落ちているようなのでうしろを振り向いて見 ますと、おお、はるかなモリーオの市のぼぉっとにごった灯照(ほて)りのなかから十六 日の青い月が奇体に平べったくなって半分のぞいているのです。】 693.くびっ:【じいさんはのどをくびっと鳴らしました。 】 694.りいんりいん:【俄かにどこからか甲(かぶと)虫の鋼の翅(はね)がりいんりいんと空中に張るような音 がたくさん聞えてきました。】 695.たじたじ:【ファゼーロはたじたじ後退りしました。】 696.べったり:【どこか遁げ口でもさがすように立ちあがって、またべったり座りました。】 697.がじゃっ:【すると間もなくさっきの扉ががじゃっとあいて馬車別当がまっ青になってよろよろしな がら出てきました。】 698.どかっ:【胸がどかっと熱くなってもうどうしたらいいかわからなくなるのでした。】 699.うつらうつら:【その八月二日の午すぎ、わたくしが支那漢時代の石に刻んだ画の説明をうつら うつら写していましたら、給仕がうしろからいきなりわたくしの首すじを突っついて、 「所長さん来いって。」といいました。】 700.つかつか:【ところがその撃剣の先生はつかつかと歩いて来ました。】 701.ざぁっ:【おしまい何と云ったか風がざぁっとやって来て声をもって行ってしまいました。】 |
by『よだかの星』 702.しんねり:【夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ 方へ向けるのでした。】 703.きしきしきし:【よだかは高くきしきしきしと鳴きました。】 704.キシキシキシキシキシッ:【それからキシキシキシキシキシッと高く高く叫びました。】 by『銀河鉄道の夜』 705.くすっ:【ザネリが前の席からふりかえって、ジョバンニを見てくすっとわらいました。】 706.はきはき:【それをカムパネルラが忘れる筈もなかったのに、すぐに返事をしなかったのは、この ごろぼくが、朝にも午后にも仕事がつらく、学校に出てももうみんなともはきはき遊 ばず、カムパネルラともあんまり物を云わないようになったので、カムパネルラがそ れを知って気の毒がってわざと返事をしなかったのだ、そう考えるとたまらないほど、 じぶんもカムパネルラもあわれなような気がするのでした。】 707.くるっくるっ:【時計屋の店には明るくネオン燈がついて、一秒ごとに石でこさえたふくろうの赤い 眼が、くるっくるっとうごいたり、いろいろな宝石が海のような色をした厚い硝子の盤 に載って星のようにゆっくりめぐったり、また向う側から、銅の人馬がゆっくりこっち へまわって来たりするのでした。】 708.わああ:【すると耳に手をあてて、わああと云いながら片足でぴょんぴょん跳んでいた小さな子供 らは、ジョバンニが面白くてかけるのだと思ってわあいと叫びました。】 709.ころんころん:【ころんころんと水の湧くような音が聞えて来るのでした。】 710.ぽくぽく:【(なんだ、やっぱりこいつはお菓子だ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こ んな雁が飛んでいるもんか。この男は、どこかそこらの野原の菓子屋だ。けれども ぼくは、このひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気 の毒だ。)とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。】 711.ぎゃあぎゃあ:【「汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云ったとたん、がら んとした桔梗いろの空から、さっき見たような鷺が、まるで雪の降るように、ぎゃあ ぎゃあ叫びながら、いっぱいに舞いおりて来ました。】 712.くっくっ:【「何だかわかりません。」もう大丈夫だと安心しながらジョバンニはそっちを見あげてく っくっ笑いました。】 713.ぞくっ:【青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。】 714.さめざめ:【そして青い橄欖(かんらん)の森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながらだ んだんうしろの方へ行ってしまいそこから流れて来るあやしい楽器の音ももう汽車 のひびきや風の音にすり耗らされてずうっとかすかになりました。】 715.ぴしゃぁん:【それと同時にぴしゃぁんという潰れたような音が川下の方で起ってそれからしばら くしいんとしました。】 716.さやさや:【それはだんだん数を増して来て、もういまは列のように崖と線路との間にならび、思 わずジョバンニが窓から顔を引っ込めて向う側の窓を見ましたときは、美しいそら の野原の地平線のはてまで、その大きなとうもろこしの木が、ほとんどいちめんに 植えられて、さやさや風にゆらぎ、その立派なちぢれた葉のさきからは、まるでひ るの間にいっぱい日光を吸った金剛石のように、露がいっぱいについて、赤や緑 やきらきら燃えて光っているのでした。】 717.カチッカチッ:【その振子は、風もなくなり汽車もうごかず、しずかなしずかな野原のなかに、カチ ッカチッと正しく時を刻んで行くのでした。】 718.きらっきらっ:【そしてその鶴をもってこっちを見ている影も、もうどんどん小さく遠くなり、電しんば しらの碍子(がいし)がきらっきらっと続いて二つばかり光って、またとうもろこしの林に なってしまいました。】 719.どぉ:【その時向う岸ちかくの、少し下流の方で見えない天の川の水がぎらっと光って、柱のよう に高くはねあがり、どぉと烈しい音がしました。】 720.ギーギーフーギーギーフー:【「それから彗星(ほうきぼし)が、ギーギーフーギーギーフーて云って来 たねえ。」】 721.どほん:【天の川の一とこに大きなまっくらな穴が、どほんとあいているのです。】 722.いっさん:【ジョバンニはいっさんに丘を走っておりました。】 723.わくわくわくわく:【ジョバンニはわくわくわくわく足がふるえました。】 by『双子の星』 724.カッカッカッ:【ある朝、お日様がカッカッカッと厳(おごそ)かにお身体をゆすぶって、東から昇ってお いでになった時、チュンセ童子は銀笛を下に置いてポウセ童子に申しました。】 725.ころころころころ:【底は青い小さなつぶ石でたいらにうずめられ、石の間から奇麗な水が、ころ ころころころ湧き出して泉の一方のふちから天の川へ小さな流れになって走って行 きます。】 726.くびくび:【私共の世界が旱(ひでり)の時、瘠せてしまった夜鷹やほととぎすなどが、それをだまって 見上げて、残念そうに咽喉(のど)をくびくびさせているのを時々見ることがあるではあ りませんか。】 727.ころろ:【「あまのがわの にしのきしを、すこしはなれた そらの井戸。みずはころろ、そこもきら ら、まわりをかこむ あおいほし。】 728.きらら:【「みずはころろ、そこもきらら、まわりをかこむ あおいほし。】 729.カラカラ:【赤い眼の蠍(さそり)星が向うから二つの大きな鋏をゆらゆら動かし長い尾をカラカラ引 いてやって来るのです。】 730.ごくりごくり:【そして蠍(さそり)は十分ばかりごくりごくりと水を呑みました。】 731.パタパタ:【その間も、いかにも大烏を馬鹿にする様に、毒の鈎(かぎ)のついた尾をそちらにパタ パタ動かすのです。】 732.ウン:【蠍は頭に深い傷を受け、大烏は胸を毒の鈎(かぎ)でさされて、両方ともウンとうなったまま 重なり合って気絶してしまいました。】 733.ゆるゆる:【「さあ、ゆるゆる歩いて明るいうちに早くおうちへお帰りなさい。」】 734.よろりよろり:【よろりよろりとあるくのです。】 735.サッサッサッ:【お日様がもうサッサッサッと三遍厳(おごそ)かにゆらいで西の山にお沈みになりま した。】 736.ぎらぎらっ:【稲妻がぎらぎらっと光ったと思うともういつかさっきの泉のそばに立って居りました。】 737.すがすが:【するともう身体の痛みもつかれも一遍にとれてすがすがしてしまいました。】 738.ザアッザアッ:【ある晩空の下の方が黒い雲で一杯に埋まり雲の下では雨がザアッザアッと降っ て居りました。】 739.フッフッ:【それでも二人はいつものようにめいめいのお宮にきちんと座って向いあって笛を吹い ていますと突然大きな乱暴ものの彗星がやって来て二人のお宮にフッフッと青白い 光の霧をふきかけて云いました。】 740.ヒョロヒョロ:【「俺は鰯のようなヒョロヒョロの星やめだかのような黒い隕石はみんなパクパク呑ん でしまうんだ。」】 741.ミシミシ:【「まるで身体が壊れそうになってミシミシ云うんだ。」】 742.フウ:【彗星は青白い光を一つフウとはいて云いました。】 743.ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。:【「さあ、発(た)つぞ。ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。」】 744.ガラリ:【すると彗星の態度がガラリと変ってしまいました。】 745.ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。:【「あっはっは、あっはっは。さっきの誓いも何もかもみんな 取り消しだ。ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。」】 746.もやもや:【海の底はやわらかな泥で大きな黒いものが寝ていたりもやもやの藻がゆれたりしま した。】 747.ゴーゴーゴー:【その時みんなの頭の上をまっ黒な大きな大きなものがゴーゴーゴーと哮(ほ)えて 通りかかりました。】 748.ねとねと:【「まるでからだの油がねとねとするぞ。」】 749.バリバリバリッ:【と思うと急にバリバリバリッと烈しい音がして竜巻は水と一所に矢のように高く 高くはせのぼりました。】 by『植物医師』 750.みっしり:【「さあ、あべじゃ。医者さんもあんまり、がおれなぃで、折角みっしりやったらいがべ。」】 by『四又の百合』 751.いそいそ:【みんなはまるで子供のようにいそいそしてしまいました。】 by『黄いろのトマト』 752.ミィミィ:【生きてたときはミィミィとなき蝶のように花の蜜をたべるあの小さなかあいらしい蜂雀で す。】 753.ぴりぴり:【「ネリは畠のへりに立って、顔が日に焼けてぴりぴりするので、ちいさなお口をすぼめ たりする。」】 754.ふう、ふう:【「四本の脚はゆっくりゆっくり、上ったり下ったりしていたし、時々ふう、ふうという呼 吸の音も聞えた。」】 755.チクチクッ:【そして俄かにあんまりの明るさと、あの兄妹のかあいそうなのとに、眼がチクチクッ と痛み、涙がぼろぼろこぼれたのです。】 by『黒ぶどう』 756.タン:【狐が青ぞらを見ては何べんもタンと舌を鳴らしました。】 757.タン、タン:【そこで狐がタン、タンと二つ舌を鳴らしてしばらく立ちどまってから云いました。】 758.プッ:【狐はプッと五つぶめの肉を吐き出しながら云いました。】 759.コツコツコツコツ:【仔牛はコツコツコツコツと葡萄のたねをかみ砕いていました。】 760.コツコツ:【仔牛がコツコツ鳴らしながら答えました。】 by『毒蛾』 761.てっきり:【殊にアンモニアの議論のことまで出ていましたから、私はもうてっきりあの紳士のこと だと考えました。】 by『革トランク』 762.どうやら:【三つとも駄目だと思っていましたら、どうしたわけか、まぐれあたりのように工学校だ け及第しました。一年と二年とはどうやら無事で、算盤(そろばん)の下手な担任教師 が斉藤平太の通信簿の点数の勘定を間違った為に首尾よく卒業いたしました。】 by『バキチの仕事』 763.がちゃ:【行って見て来いっていふわけでバキチが剣をがちゃつかせ、耕牧舎へやって来たで しょう。】 by『手紙』 764.ぐたっ:【ポーセはおいしそうに三さじばかり喰べましたら急にぐたっとなっていきをつかなくなり ました。】 by『馬の頭巾』 765.ポカポカ:【又、夕方、車が空いて、それから、馬が道をよく知って、ひとりでポカポカあるいてい るときも、甲太はほかの人たちのように、車の上へこしかけて、ほほづえをついて あくびをしたり、ねころんで空をながめて歌をうたったりしませんでした。】 766.ころり:【そのままころりと寝てしまいました。】 767.ガラガラ:【そこで甲太は、早速、米を車の上にのせて、ガラガラ停車場の方へ行きました。】 by『氷と後光(習作)』 768.カラコロ:【それからカラコロセメントの上をかける下駄の音、たしかにそれは明方でした。】 by『カイロ団長』 769.うきうき:【夕方は、お日さまの光が木や草の緑を飴色にうきうきさせるまで歌ったり笑ったり叫 んだりして仕事をしました。】 770.ケホン、ケホン:【「いや、ありがとう、ウーイ、ケホン、ケホン、ウーイうまいね。どうも。」】 771.キーイキーイ:【あっちでもこっちでも、キーイキーイといびきをかいて寝てしまいました。】 772.ぴたん:【とのさまがえるは次の室(へや)の戸を開いてその閉口したあまがえるを押し込んで、戸 をぴたんとしめました。】 773.ポンポンポンポン:【片っぱしからあまがえるの緑色の頭をポンポンポンポンたたきつけました。】 774.きょろきょろきょろきょろ:【さあ、大へん、みんな、「あ痛っ、あ痛っ。誰だい。」なんて云いなが ら目をさまして、しばらくきょろきょろきょろきょろしていましたが、いよいよそれが 酒屋のおやじのとのさまがえるの仕業だとわかると、もうみな一ぺんに、「何だい。 おやじ。よくもひとをなぐったな。」】 775.ストンストン:【片っぱしからストンストンと投げつけられました。】 776.ぺちゃん:【ぺちゃんと投げつけました。】 777.シュッポォン:【「首が太いからスポンとはいかない、シュッポォンと切られるぞ。」】 778.ぶるぶるぶるっ:【あまがえるどもは緑色の手足をぶるぶるぶるっとけいれんさせました。】 779.こそこそこそこそ:【そしてこそこそこそこそ、逃げるようにおもてに出てひとりが三十三本三分 三厘強ずつという見当で、一生けん命いい木をさがしましたが、大体もう前々か らさがす位さがしてしまっていたのですから、いくらそこらをみんながひょいひょい かけまわっても、夕方までにたった九本しか見つかりませんでした。】 780.シュッポン:【「巡査は首をシュッポンと切るぞ。」】 781.クゥウ、クゥウ:【それが一日に一人で九百貫の石を運ぶなどはもうみんな考えただけでめまい を起してクゥウ、クゥウと鳴ってばたりばたり倒れてしまったことは全く無理もありま せん。】 782.コツンコツン:【とのさまがえるは早速例の鉄の棒を持ち出してあまがえるの頭をコツンコツンと 叩いてまわりました。】 783.くるりくるり:【三角になってくるりくるりとうごいているように見えたのです。】 784.チクチクチクチク:【みんなあんまり一生けん命だったので、汗がからだ中チクチクチクチク出て、 からだはまるでへたへた風のようになり、世界はほとんどまっくらに見えました。】 785.テクテク:【カイロ団長は、はやしにつりこまれて、五へんばかり足をテクテクふんばってつなを 引っ張りましたが、石はびくとも動きません。】 786.キクッ:【とのさまがえるは又四へんばかり足をふんばりましたが、おしまいの時は足がキクッと 鳴ってくにゃりと曲ってしまいました。】 787.ドッ:【ドッと一諸に人をあざけり笑ってそれから俄かにしいんとなった時のこのさびしいことです。】 788.ホロホロ:【とのさまがえるはホロホロ悔悟のなみだをこぼして、「ああ、みなさん、私がわるかっ たのです。私はもうあなた方の団長でもなんでもありません。私はやっぱりただの 蛙です。あしたから仕立屋をやります。」】 by『ひのきとひなげし』 789.さっさっさっ:【ところがこのときお日さまは、さっさっさっと大きな呼吸を四五へんついてるり色を した山に入ってしまいました。】 790.ドキドキ:【賢いテクラがドキドキしながら云いました。】 791.ぱらぱら:【「ではそのわしがこの紙をひとつぱらぱらめくるからみんないっしょにこう云いなさい。】 by『畑のへり』 792.ぎゃあ:【蛙はぎゃあと叫んで遠めがねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。】 793.ぎゅっくぎゅっく:【「いいかい、うたうよ。ぎゅっくぎゅっく。」】 794.ぎゅっく:【「どうもつかれて声が出ないよ。ぎゅっく。もうよそう。」】 by『サガレンと八月』 795.ぷつっ:【「おれ海へ行って孔石(あないし)をひろって来るよ。」とタネリが云いましたらおっかさんは 太い縫糸を歯でぷつっと切ってそのきれはしをぺっと吐いて云いました。】 796.ぺっ:【そのきれはしをぺっと吐いて云いました。】 797.ぽとっ:【砂の一とこが円くぽとっとぬれたように見えてそこに指をあてて見ますとにくにく寒天の ようなつめたいものでした。】 798.にくにく:【そこに指をあてて見ますとにくにく寒天のようなつめたいものでした。】 799.どぼん:【間もなく浪がどぼんと鳴ってそれからすうっと白い泡をひろげながら潮水がやって来ま した。】 800.ぷらん:【思わずくらげをぷらんと手でぶら下げてそっちをすかして見ましたらさあどうでしょう、 いままでの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまっ てその底で黄いろな火がどんどん燃えているようでした。】 801.ちょぼん:【「小僧、来い。いまおれのとこのちょうざめの家に下男がなくて困ったいるとこだ。ご ち走してやるから来い。」云ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神に両足をつか まれてちょぼんと立ち、陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いく らい波の上を走って行くのでした。】 802.ぎゅっ:【すると犬神はぎゅっとタネリの足を強く握って「ほざくな小僧、いるかの子がびっくりして るじゃないか。」と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】 803.ぴしぴし:【「実はね、おまえのとこに下男がなかったもんだから今日一人見附けて来てやったん だ。蟹にしておいたがね、ぴしぴし遠慮なく使うがいい。」】 |
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by『葡萄水』 804.パチャパチャ:【大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむしっています。】 805.パチャン:【耕平の子は、葡萄の房を振りまわしたり、パチャンと投げたりするだけです。】 806.すっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、すっこす っこど葡ん萄酒呑む。」】 807.ずらり:【さて瓶がずらりと板の間にならんで、まるでキラキラします。】 808.ボッ:【そこで「ボッ」という爆発のような音が、どこからとなく聞えて来ました。】 809.きいらりきいら:【「一昨日、みぃぞれ降ったればすずらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の支度の しろうさぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 810.ぶんぶんぶんぶん:【ちょうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧 い蜂の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交いながら、一つ一つの小 さな桃いろの花に挨拶して蜜や香料を貰ったり、そのお礼に黄金(きん)いろをした円 い花粉をほかの花のところへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらな くなった蝋を集めて六角形の巣を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口にな っていました。】 811.くうん:【夜あけごろ、遠くから小さなこどものあぶがくうんとうなってやって来て網につきあたった。】 812.なみなみ:【「もうしご冥加ご報謝と、かどなみなみに立つとても、非道の蜘蛛の網ざしき、さわる まいぞや。よるまいぞ。」】 813.スルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりき ぃらり巣をかける。」】 814.キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】 815.ヘラヘラ:【なめくじはいつでもハッハハと笑って、そしてヘラヘラした声で物を言うけれども、どう も心がよくなくて蜘蛛やなんかよりは却って悪いやつだというのでみんなが軽べつ をはじめました。】 816.どくどくどくどく:【蛙はどくどくどくどく水を呑んでからとぼけたような顔をしてしばらくなめくじを見 てから云いました。】 817.ちくちく:【どういうわけか非常に腹が痛くて、のどのところへちくちく刺さるものがある。】 818.ボローン:【とうとう狼をたべてから二十五日めに狸はからだがゴム風船のようにふくらんでそれ からボローンと鳴って裂けてしまった。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 819.ピーピーピピーピ、ピーピーピ:【グレッシャムの町の北の方から「ピーピーピピーピ、ピーピーピ」 大へんあわれな たくさんのチャルメラの音が聞こえて来た。】 820.タンパララタ、タンパララタ、ペタンペタンペタン:【その間には「タンパララタ、タンパララタ、ペタン ペタンペタン。」という豆太鼓の音もする。】 821.もさもさ:【みんな不思議に灰いろや鼠がかってもさもさして天まで続いているようだ。】 822.うずうず:【さて将軍の馬の方は、坂をうずうずのぼって行く】 823.しっ、ふう、どう、おい:【「おい、起きんかい、起きんかい。しっ、ふう、どう、おい、貴さまの大好き の朝鮮人蔘をほんの一口たべんかい。おい。」】 824.かたかた:【ホトランカン先生が噴霧器をかたかたやるのをやめ号令するとすぐ助手がタオルで 頭や顔を拭く。】 825.ばっ、ふゅう:【「ばっ、ふゅう」馬は塀を超えサラバアユウ先生のけしの花壇をめちゃくちゃに踏 みつけながら立っていた。】 826.エヘンエヘンブルルル エヒンエヒン フウ:【もうあっちからもこっちからもエヘンエヘンブルルル エヒンエヒン フウという馬の挨拶が聞えて来る。】 827.とっと:【そこで将軍は千疋(びき)も集まっている馬の中をとっとと自分の馬を進めサラバアユウ氏 の前に行く。】 828.ごほん、ごほん:【「どうも出ますよ、ごほん、ごほん。」】 829.イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン:【「イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン、」】 830.じわじわ:【サラバアユウ先生はそんなことには頓着なく今度は馬のせなかからじわじわ鞍を引き はなす。】 831.すぽっ:【間もなく鞍はすぽっととれ馬は見当がつかないらしく四五へんせ中をゆすぶった。】 832.ブルッ:【たった一疋の馬がブルッと鼻を鳴らしただけ。】 by『けだものの運動会』 833.じりりじりり:【白い泡をはいてじりりじりりとしりごみをしてしまいました。】 834.ブカブカどんどん:【鳥の方からたのんで来た楽隊はブカブカどんどんやっています。】 835.ほいほい:【けだものどもはみなほいほいととびつきましたがただ一疋(ぴき)河馬だけは手を外し てドタリと落ちてひどく尻餅をつきました。】 836.ドタリ:【ただ一疋(ぴき)河馬だけは手を外してドタリと落ちてひどく尻餅をつきました。】 837.ぶるぶるぶる:【虎の手はもうぶるぶるぶるとふるえて来てとうとうばたりと落ちました。】 838.ウンウン:【上でもみんなつかれて来てウンウンうなったり手がぐらぐらしたりしはじめました。】 839.ばたばたっ:【それからすべて鼻の大きなやつや口の大きなけだものが百疋(ぴき)ばかり一諸に ばたばたっと落ちました。】 840.クルクルクルッ:【「七十秒。」と豹が叫びましたらカンガル−がクルクルクルッとまわって落ちま した。】 by『月夜のけだもの』 841.のそりのそり:【獅子はだまって受けとって脇にはさんでのそりのそりとこんどは自分が見まわ りに出ました。】 842.ころころ:【そこらは水のころころ流れる夜の野原です。】 843.ひくひく:【獅子はしばらく鼻をひくひくさせて又云いました。】 844.ガァッ:【「そして俄に耳もとでガァッと云う声がするからびっくりして眼を醒(さ)ましたのだ。」】 845.やっき:【狸がやっきとなって腹鼓を叩いて狐を責めました。】 846.カサカサカサカサ:【カサカサカサカサ音がだんだん遠くなります。】 by『よく利く薬とえらい薬』 847.ゴギノゴギオホン:【「ゴギノゴギオホン、今日も薬をお集めか。」】 848.ツーンツーン:【そのうちにもうお日さまは、空のまん中までおいでになって、林はツーンツーン と鳴り出しました。】 849.ぽたっ:【「清夫さんもうおひるです。辯当おあがりなさい。落しますよ。そら。」と云いながら青い どんぐりを一粒ぽたっと落して行きました。】 850.ピリッ:【唇がピリッとしてからだがブルブルッとふるい、何かきれいな流れが頭から手から足ま で、すっかり洗ってしまったよう、何とも云えずすがすがしい気分になりました。】 851.くりくりくりくりくり:【「びっくりびっくり、くりくりくりくりくり。」】 852.くるくるん:【「薬さえ取ってしまったらこの林ぐらい、くるくるんに焼っぷくって見せるぞ。」】 853.ポン:【大三もしばらくは困って立っていましたが、やがてポンと手を叩いて云いました。】 854.ブウブウ:【それからすきとおらせる為に、ガラスのかけらと水銀と塩酸を入れて、ブウブウとふ いごにかけ、まっ赤に灼きました。】 855.アプッ:【するとアプッと云って死んでしまいました。】 by『チュウリップの幻術』 856.てくてく:【てくてくあるいてくるその黒い細い脚はたしかに鹿に肖(に)ています。】 857.だんだら:【そして日が照っているために荷物の上にかざされた赤白だんだらの小さな洋傘は 有平糖(あるへいとう)でできてるように思われます。】 858.ガチャッ:【園丁がいつか俄かにやって来てガチャッと持って来たものを置きました。】 859.じゃりじゃり:【鋼砥(かなど)の上で金剛砂(こんごうしゃ)がじゃりじゃり云いチュウリップはぷらぷらゆ れ、陽が又降って赤い花は光ります。】 860.チ−チクチ−チク:【ひばりはいつか空にのぼって行ってチ−チクチ−チクやり出します。】 861.ユラユラユラユラ:【「すきとおる蒸気が丁度水へ砂糖を溶(とか)したときのようにユラユラユラユ ラ空へ昇って行くでしょう。」】 862.おっ:【「やりますとも、おっと沢山沢山。」】 863.きゃんきゃん:【「まん中に居てきゃんきゃん調子をとるのがあれが桜桃の木ですか。」】 『個性派★一作品のみ登場オノマトペ』、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^; 2006.11.05. |
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←次回配本は、第三章『オノマトペ・マイ・ベスト50』です。 | |||
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