CDショップに入って、まるで魅せられたようにクルセイダーズのCDを、まぁ今月も新譜はないだろうとは思いながらも、ついつい探してしまうのは他ならぬそこにだけは熱い息吹きがあり、コチラに伝導してくるような気配を感じるから。
ヒーリング効果を求めるならば他に拠り所を求めるCDは山とあるはず。コチラに伝わってくる温度、熱情、これぞクルセイダーズの真骨頂。吉田一穂曰く、「熱情は砂をも焼く」。
ところで今回は「FREE AS THE WIND」。あのウエイン・ヘンダーソンが去り、新たな旅たちへの思いが込められているのでしょうか、収録曲名もタイトル曲「FREE AS THE WIND」他、「I FELT THE LOVE」、「THE WAY WE WAS」、「IT HAPPENS EVERYDAY」など、想い出から心気一転、風に吹かれてしなやかにやっていこうぜと言葉を発しているような印象。
そしてまさにその印象そのままに今回は初めてストリングスも加わり、ジョー・サンプルのキーボードは殊の外リリカル。主役を張っているような意気込み。
それにこれまでにもましてウイルトン・フェルダーのサックスはまるで水を得た魚のように自由闊達で、冴え渡ります。勿論スティックス・フーパーも心地良いリズムを醸し出しています。
レコード帯の宣伝文句に「よりポップで都会的な感覚にあふれたサウンド」とあるように、今までとはチョット趣きを異にして、ニューアクション路線を感じさせるような、そんな分岐点みたいなもの感じさせる今回のアルバムでした。
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