いよいよ出ました「クルセイダーズ1」。満を持してのアルバムとみた。それが証拠に、1曲目の「THAT'S HOW I FEEL」から、聴くものを一撃伝説、重低音のベースの迫力満点のフックがコチラの顎にクリーンヒット。眼がくらむほどのパワー。クルセイダーズ怒涛のファンク攻撃。
ウイルトン・フェルダーのサックスプレイは豪快そのもの。例えば指圧を受けるとき、ツボを押されると、「ああ、そこそこ」と実に気持ち良い感触を味わうものですが、まさにウイルトン・フェルダーのサックスこそは、そんな文字通りツボを心得たプレイとでも言いましょうか、思わず「イッテ」しまうような音の性感マッサージ。言うなればサックス整体師。
2曲目「SO FAR AWAY」見参。せつないまでにテキサスファンク魂が心の琴線に触れます。男の侠気をくすぐられます。何故かふと座頭の市っさんを思い出しましちまいましたヨ。「海ってぇのは川よりも広うござんすかい」と呟く市さんに、「ああ、その海の向こうにクルセイダーズっていう、すげぇ男たちがいるんですゼ」とささやきたくなってくる。
SIDE2「PUT IT WHERE YOU WANT IT」、殺気立つほどドスの効いたファンク行進曲。渡の兄貴がドスを逆手に柱に突き立て、柔なハートへ「斬り込み」をかけてきそうな危うい雰囲気。一転して、「MYSTIQUE BLUES」は、心弾む、太陽に向って花咲くひまわりファンクといった風情。「FULL MOON」では、フーパーがリキを込めて、精力的にビートを叩きこみ、ウエイン・ヘンダーソンがトロンボーンで体を張って絡んできます。思わず力瘤ができるほどにパワーフル。
SIDE3の「MUD HOLE」、いかにもウェイン・ヘンダーソン作曲らしいファンキーなナンバー。2管編成の波がうねります。次の「IT'S JUST GOTTA BE THAT WAY」これもウェイン・ヘンダーソンの曲。何とも心地良いこの気だるさ。アンニュイの雰囲気濃厚な紫煙漂う場末の盛り場、ついそんなイメージを浮かべてしまう。
SIDE4の「A SHADE OF BLUYES」、フェルダーのサックスが快調そのもの。チキンギギチュンとギターで始まるコレもまた、ヤクザ映画には持ってこいの曲。音で演じた、ドスで切り裂く「関東幹部会」。サァ、今まさに、ここから十字軍の快進撃が始まりました。
|