「CHAIN REACTION」連鎖反応、アルバムタイトルもグッド。ジャケットを横切るチェインもリキの入ったイメージを喚起させます。それは、いましも乱闘に立ち向かおうとする不良少年の手に巻いたチェーンでしょうか、アメリカは南北戦争で酷使された奴隷の足枷の鎖でしょうか、それとも獄中の囚人を牢獄に繋ぐ冷たいチェーンでもありましょうか、様々などす黒いイメージの想いが連鎖します。
今回のアルバム、好きなのはどちらかと言うとB面。A面はクルセイダーズ風チャーハンとでもいったら良いでしょうか。サックスのうまみ調味料、スパイスの効いたトロンボーン、サウンドにからまるラード的キーボード、それらを絶妙のリズム火加減で炒めるスティックス・フーパーのドラム。途中隠し味に加えたラリーカールトンの酒にも似たギターが良い風味を出してます。ちょっと牽強付会の気味ありですが、できあがったチャーハンで腹ごしらえをして、サァーB面へ。
「GIVE IT UP」、日差しまぶしい真夏の海辺で飲む喉越し抜群の生ビール、ウェインのトロンボーンが躍り、ウイルトンのサックスが跳ねます。大空にアロハが舞い、サングラスが飛び、ナイフが躍り、海辺の愚連隊、乱闘の幕開けです。
さて「HOT'S IT」、壷の中で跳ね回るダイス、「チョウかハンか」肉体を揺さぶる必殺のクルセイダース節。絶対バイアグラよりは数段効験あらたか。筋肉を活性化するこのサウンド、躍動感。サァー、既にサイは投げられました。
「SUGAR CANE]ブラック・ダンディズムとでも言ったら良いでしょうかこの曲。肉体に刻まれるサウンド・タトゥー。つくづく、僕は、クルセイダーズの曲を耳ではなく、ハートと筋肉で聴いてるなと今回のアルバムで再確認。
どうやら精神をがんじがらめにした鎖(チェーン)はブチ切られたよう。
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