のっけから快調そのもの。うなりを上げるウイルトン・フェルダーのサックス、実に軽快。すぐにも躍り出したくなること請け合い。これで元気にならない人があったらお目にかかりたいぐらい。
ドスの効いたベースがニラミを効かせる「AIN'T GON' CHANGE A THANG」。縄張り争うやくざの抗争劇にもってこいの曲。すぐにも思い出すのはかつての日活アクション「流血の抗争」。曲調が、引いては押し寄せる波の起伏を感じさせます。ウエイン・ヘンダーソンのトロンボーンの切れ味抜群。そこへウイルトン・フェルダーのサックスが殴りこみをかけてくる。ここで登場するのは、何といっても、内田良平でなければならない。あの「流血の抗争」でサングラスをかけ、下を向き、手も使わずそのまま口にくわえていたタバコをポトリと吐き捨てる何ともしびれるほどかっこいいシーンが瞼に浮かびます。
「A MESSAGE FROM THE INNER CITY」のジョー・サンプルもリリカルそのもの。「TOUGH TALK」では、いつものヘンダーソンのトロンボーンと、とびっきりダンディーなウィルトン・フェルダーのサックスの2管編成が、なんともけだるい雰囲気を醸しだし、さながら楽器でクルセイダーズの面々が談笑しているような光景をさえ彷彿とさせます。
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