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秋江寫望

                        林逋

蒼茫沙觜鷺鶿眠,
片水無痕浸碧天。
最愛蘆花經雨後,
一篷煙火飯漁船。




    **********************


           秋江 望を寫す

蒼茫さうばうたる 沙觜さしに  鷺鶿ろじ 眠り,
片水へんすゐ あと 無く  碧天へきてんひたす。
最も愛す 蘆花 ろ くゎ  雨をたるのち
一篷いっぽうの煙火  漁船にはんするを。

            ******************

◎ 私感訳註

※林逋:北宋の隠逸詩人。西湖中の孤山(写真右三枚)に隠棲し、梅を妻とし鶴を子として過ごした。字は君復。諡は和靖。林和靖として世に知られる。杭州銭塘(現・浙江省杭州)の人。967年(乾徳五年)~1028年(天聖六年)。

※秋江寫望:(雨が降った後の)秋の川の様子を詠う。 ・秋江:秋の川。ここでは、秋の銭塘江のことになろうか。 ・寫:描写する。写す。 ・望:ながめ。みはらし。

※蒼茫沙觜鷺鶿眠:果てしなく広がった砂州のみさきの所で、サギが眠っており。 ・蒼茫:〔さうばう;cang1mang2○○〕(空、海、平原などの)広々として、はてしのないさま。見わたす限り青々として広いさま。また、目のとどく限りうす暗くひろいさま。遥かに遠い。高適の『燕歌行』に「漢家煙塵在東北,漢將辭家破殘賊。男兒本自重橫行,天子非常賜顏色。摐金伐鼓下楡關,旌旆逶迤碣石間。校尉羽書飛瀚海,單于獵火照狼山。山川蕭條極邊土,胡騎憑陵雜風雨。戰士軍前半死生,美人帳下猶歌舞。大漠窮秋塞草腓,孤城落日鬥兵稀。身當恩遇恆輕敵,力盡關山未解圍。鐵衣遠戍辛勤久,玉箸應啼別離後。少婦城南欲斷腸,征人薊北空回首。邊庭飄飄那可度,絶域蒼茫更何有。殺氣三時作陣雲,寒聲一夜傳刁斗。相看白刃血紛紛,死節從來豈顧勳。君不見沙場征戰苦,至今猶憶李將軍。」とあり、盛唐・李白の『關山月』には「明月出天山,蒼茫雲海間。長風幾萬里,吹度玉門關。漢下白登道,胡窺青海灣。由來征戰地,不見有人還。戍客望邊色,思歸多苦顏。高樓當此夜,歎息未應閒。」とある。後世、明・高啓は『登金陵雨花臺望大江』で「大江來從萬山中,山勢盡與江流東。鍾山如龍獨西上,欲破巨浪乘長風。江山相雄不相讓,形勝爭誇天下壯。秦皇空此黄金,佳氣葱葱至今王。我懷鬱塞何由開,酒酣走上城南臺。坐覺蒼茫萬古意,遠自荒煙落日之中來。石頭城下濤聲怒,武騎千群誰敢渡。黄旗入洛竟何祥,鐵鎖橫江未爲固。前三國,後六朝,草生宮闕何蕭蕭。英雄乘時務割據,幾度戰血流寒潮。我生幸逢聖人起南國,禍亂初平事休息。從今四海永爲家,不用長江限南北。」とする。 ・沙觜:〔さし(すゐ);sha1zui3○●〕すなでできた(嘴(くちばし)状に尖った)みさき。州が長く河海に突出して、みさきのようになった所。州崎。=沙嘴。 ・鷺鶿:〔ろじ;lu4ci2◎○〕サギ。蛇足になるが、同じくサギの意で「鷺鷥」〔ろし;lu4si1◎○〕がある。ここは、前者の字。

※片水無痕浸碧天:(川岸近くにある)小さな水溜まりは(夜来の雨で川の水が増えて、水溜まりが)無くなってしまい、(一枚の大きな鏡のようになって)青空を水面に映し出している。 ・片水:川岸近くにある小さな水溜まり。三日月湖状になった川の淀みや淵。湾処(わんど)。 ・無痕:(州の間の水溜まりの)痕跡が無くなった。夜来の雨で増水し、いくつもの小さな水溜まりが無くなってしまったさまを謂う。「痕」〔こん;hen2○〕は、傷痕(きずあと)、あとかたの意でここでは、水溜まりのふちのかたのことになる。波の形のような動くさまを指すとみるのは苦しい。 ・浸:〔しん;jin4●〕ひたす。つける。水中に没する。 ・碧天:青空。

※最愛蘆花經雨後:(わたしが)一番めでて気に入っているのは、雨に洗われた後の(一艘の小舟から上っている、漁船での炊事の煙)である。 ・最愛:一番めでる(のは)。もっとも惜しんで大切にする(のは)。「最愛」のことばがかかっていくのは「蘆花經雨後,一篷煙火飯漁船。」まで。 ・蘆花:〔ろくゎ;lu2hua1○○〕アシの花。アシの穂。川辺に生えるススキ状の花。中唐・司空曙の『江村即事』に「釣罷歸來不繋船, 江村月落正堪眠。 縱然一夜風吹去, 只在
蘆花淺水邊。」とあり、南唐後主・李煜の『望江梅』に「閒夢遠,南國正芳春。船上管弦江面綠,滿城飛絮混輕塵。愁殺看花人。   閒夢遠,南國正清秋。千里江山寒色暮,蘆花深處泊孤舟。笛在月明樓。」や、後世、北宋・徐積の『漁歌子(漁父樂)』に「水曲山隈四五家,夕陽煙火隔蘆花。漁唱歇,醉眠斜,綸竿蓑笠是生涯。」とする。 ・經雨後:雨に洗われた後。

※一篷煙火飯漁船:一艘の小舟から上っている、漁船での炊事の煙である。 ・篷:〔ほう;peng2○〕小舟。とま葺(ぶ)きの舟。竹や茅(ぼう=かや)などで編んだ囲いのある舟。 ・煙火:飯をたくけむり。炊煙。唐・劉禹錫の『竹枝詞』に「山上層層桃李花,雲間
煙火是人家。銀釧金釵來負水,長刀短笠去燒畬。」とあり、前出・徐積の『漁歌子(漁父樂)』に「水曲山隈四五家,夕陽煙火隔蘆花。漁唱歇,醉眠斜,綸竿蓑笠是生涯。」とある。 ・飯:食べる。喰う。動詞。蛇足になるが、名詞(めし)は「飯」〔はん;●去声〕で、動詞(食べる)は〔はん;●上声〕。ただし、現代語(北京語)では去声のみ。





◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「眠天船」で、平水韻下平一先。次の平仄はこの作品のもの。

○○○●●○○,(韻)
◎●○○●●○。(韻)
●●○○○●●,
●○○●●○○。(韻)


2009.4.11
     4.12
                               
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