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          望月望鄕  
                       晁衡 阿倍仲麻呂

翹首望東天,
神馳奈良邊。
三笠山頂上,
想又皓月圓。



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月を望みて 鄕を望む

                       


翹首(げうしゅ)して  東天を 望み,
(しん)は 馳(は)す  奈良の邊。
三笠 山頂の上に,
想ふ  又もや 皓月
(かうげつ) 圓(まどか)ならんと。

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◎ 私感註釈

※晁衡:=朝衡。阿倍仲麻呂の唐名。奈良時代の遣唐留学生。698年(日本:文武二年、唐:聖暦元年)~770年(日本:寶龜元年、唐:大暦五年)。彼は、717年(日本:養老元年、唐:開元五年)、吉備真備らと共に唐に渡り、玄宗に仕えた。その学識、文才は博く、李白、王維との交流を物語る詩作『哭晁卿衡』「日本晁卿辭帝都,征帆一片遶蓬壺。明月不歸沈碧海,白雲愁色滿蒼梧。」や、『送祕書晁監還日本國』「積水不可極,安知滄海東。九州何處遠,萬里若乘空。向國惟看日,歸帆但信風。鰲身映天黑,魚眼射波紅。鄕樹扶桑外,主人孤島中。別離方異域,音信若爲通。」がある。阿倍仲麻呂は、753年(日本:天平勝寶五年、唐:天寶十二年)に帰国しようとしたが、海難のため果たせず、在唐五十余年、770年(日本:寶龜元年、唐:大暦五年)、七十二歳で唐の首都長安に客死した。『舊唐書・列傳・東夷・倭國/日本國』には「開元初,又遣使來朝…其偏使朝臣
仲滿,慕中國之風,因留不去,改姓名爲朝衡,仕歴左補闕、儀王友。衡留京師五十年,好書籍,放歸鄕,逗留不去。」当時、これら「仲滿」「朝衡」は「仲滿:diumuan→tsuman(zhong4man3)」「朝衡:tieuh→tsauh(zhao1heng2)」(前者が唐代の音)と発音されていた。「なかまろ…」等という和風の訓読みは、中国人は当然の事ながらしなかった。このページで採りあげたのは、最近になって遣唐使随行の留学生・井真成(唐名)の墓誌が発見されたとの報道(平成十六年十月十一日)に因る。なお、井真成については、新聞報道では、「井」字が附き、渡来系であるという、現在の大阪府藤井寺市一帯を本貫とした上忌寸(ゐみき)、葛(ふぢゐ)氏の一族と推測比定している。写真では、隷書ではなくて、楷書で「贈尚衣奉御井公墓誌」となっているようで、「(公)姓井,字真(「眞」字ではない)成,國号(「號」字ではない)日本。才稱天縱…」という。この話題、太古のロマンを誘(いざな)い、日中友好を証す開元の世のすばらしさを彷彿させるものである。なお、中国で発見され、古典中国語(古漢語)で書かれた墓誌文脈中の「井真成」は〔tsietiene→tsitsants(jing3zhen1cheng2)〕(前者が唐代の音)と読まれていたことであろうし、これを「いまなり」や「いのまなり」と読むのは苦しい。ただ、我々日本人としては、そう読みたいことはよく分かる。
※望月望鄕詩:月を見て、故郷を思い偲ぶ詩。『望鄕詩』ともする。和歌では「
天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも」になる。
※翹首望東天:首を上げて、東の空を望み待たば ・翹首:〔げうしゅ;qiao2shou3○●〕首を上げて望み待つ。切望する。 ・望:遠くを見やる。ながめる。 ・東天:東の空。
※神馳奈良邊:心は、(遠く)奈良の辺りに馳(は)せ飛んで行く。前出の報道で、産経新聞では「□乃天常,哀茲遠方。形既埋于異土,魂庶歸于故鄕。」となっている。ともに、異郷の地にいる哀しさが伝わってくることばである。  ・神馳:心で思いを馳せる。宋の蘇軾『念奴嬌』では「大江東去,浪淘盡、千古風流人物。故壘西邊,人道是、三國周郞赤壁。亂石穿空,驚濤拍岸,卷起千堆雪。江山如畫,一時多少豪傑。  遙想公瑾當年,小喬初嫁了,雄姿英發。羽扇綸巾,談笑間、檣櫓灰飛煙滅。故國神遊,多情應笑我,早生華髪。人間如夢,一樽還江月」とする。同義。 ・奈良:阿倍仲麻呂の故地。  ・邊:あたり。
※三笠山頂上:三笠山の山頂の上に。 ・三笠山:奈良市東部にある現在の若草山
※想又皓月圓:またしても白い月が円くなって(上り、家族が斉(そろ)っていることだろう。それを)懐かしく想い致す。 ・想:懐かしくおもう。 ・又:またしても。重ねてまた。 ・皓月:〔かうげつ;hao4yue4●●〕真っ白い月。 ・圓:まるい。家族が斉(そろ)うことを暗示する語である。

               ***********



◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「天邊圓」で、下平一先。次の平仄はこの作品のもの。

○●◎○○,(韻)
○●●○○。(韻)
○●○●●,
●●●●○。(韻)

平成16.10.20
      10.21
      10.22
      10.23完
平成17. 5.28補



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