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偶成

鍋島閑叟

孤島結團意氣豪,
西南決眥萬重濤。
黠奴若有窺邊事,
羶血飽膏日本刀。






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      偶成        

孤島 (だん)を結びて  意氣 (がう)なり,
西南 (まなじり)を決すれば  萬重(ばんちょう)(なみ)
黠奴(かつ ど ) ()し  (へん)(うかが)ふの事 有らば,
羶血(せんけつ) ()くまで(かう)せん  日本刀。

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◎ 私感註釈

※鍋島閑叟:幕末の肥前佐賀藩主。鍋島直正(なべしま なおまさ)。1814年(文化十一年)〜1871年(明治四年)。鍋島斉正の子。閑叟は号。人材登用・殖産興業を中心とする藩政改革を行こない、対外問題や海外文明にも関心深く、特に洋式兵備を整備して、幕末諸藩の中でも強力な軍事力を作り上げた。

※偶成:ふと思いついてできた作品。

※孤島結団意気豪:(西洋列強から)遠く離れている島国・日本のいきごみは優れて強く。 ・孤島:陸地や他の島から一つだけ遠く離れている島。ここでは、日本のことになる。明末〜・朱舜水の『述懷』に「九州如瓦解,忠信苟偸生。受詔蒙塵際,晦跡到東瀛。囘天謀不就,長星夜夜明。單身寄
孤島,抱節比田。已聞鼎命變,西望獨呑聲。」とある。後出・田横の麾下が島嶼に拠ったこと(『史記・田列傳』青字部分)に繋げるための表現。なお、清末・康有為や梁啓超や秋瑾は日本のことを「三島」と表現している。康有爲の『呈東國諸公』に「櫻花開罷我來遲,我正去時花滿枝。半歳看花住三島,盈盈春色最相思。」とあり、 清・梁啓超の『愛國歌』に「泱泱哉!吾中華。最大洲中最大國,廿二行省爲一家。物産腴沃甲大地,天府雄國言非誇。君不見,英日區區三島尚崛起,況乃堂矞吾中華。結我團體,振我精神,二十世紀新世界,雄飛宇内疇與倫。可愛哉!吾國民。可愛哉!吾國民。」とあり、秋瑾の『日人石井君索和即用原韻』に「漫云女子不英雄,萬里乘風獨向東。詩思一帆海空闊,夢魂三島月玲瓏。銅駝已陷悲囘首,汗馬終慚未有功。如許傷心家國恨,那堪客裏度春風!」とある。 ・結団:団体を結成すること。 ・意気:気概。いきごみ。虞美人の『虞美人唄』に「漢兵已略地,四方楚歌聲。大王意氣,賤妾何聊生。」とあり、唐・魏徴の『述懷』に「中原初逐鹿,投筆事戎軒。縱計不就,慷慨志猶存。杖策謁天子,驅馬出關門。請纓繋南越,憑軾下東藩。鬱紆陟高岫,出沒望平原。古木鳴寒鳥,空山啼夜猿。既傷千里目,還驚九折魂。豈不憚艱險,深懷國士恩。季布無二諾,侯嬴重一言。人生感意氣,功名誰復論。とある。

※西南決眥万重濤:(我が国の)西南にあって、(わたしが)怒りと決意で目を大きく見開けば、(海の彼方から)幾重もの限りない大波(が押し寄せて来ているではないか)。 ・西南:江戸から見た、作者・鍋島閑叟の肥前佐賀藩の位置。 ・決眥:怒ったり、決意したりして、目を大きく見開くさま。まなじりを裂く。清末・秋瑾に『寶劍歌』「炎帝世系傷中絶,茫茫國恨何時雪?世無平權祗強權,話到興亡。千金市得寶劍來,公理不恃恃赤鐵。死生一事付鴻毛,人生到此方英傑。饑時欲啖仇人頭,渇時欲飮匈奴血。」がある。 ・眥:〔さい(せい、し);zi4●〕まなじり。=眦。日本・幕末・山内容堂の『飮於二州酒樓』に「昨飮橋南,今日醉北。有酒可飮吾可醉,層樓傑閣在橋側。家ク
萬里面南洋,決眦空濶碧茫茫。唯見怒濤觸巖腹,壯觀卻無此風光。顧看呼酒杯已至,快哉痛飮極放恣。誰言君子極コ行,世上不解醉人意。欲還欄前燈猶明,橋北橋南盡絃聲。」とある。 ・万重濤:幾重もの限りない大波。

※黠奴若有窺辺事:悪賢い西洋のやつらが、もしも国境を侵犯しようとするようなことがあれば。 ・黠奴:〔かつど;xia2nu2●○〕悪賢いやつ。白人・西洋人を貶めての表現。 ・若:もし…ならば。もしも。 ・窺辺:辺疆をうかがう。国境を侵犯しようとする。 ・窺:〔き;kui1○〕すきをうかがう。ねらう。乗ずべきときをまつ。うかがう。 ・辺:辺疆。国境地帯。

※羶血飽膏日本刀:夷狄の血を(日本男児の武勲の象徴である)日本刀に、あぶらとしてたっぷりと塗ろう。 *頼山陽の『蒙古來』に「筑海颶氣連天K,蔽海而來者何賊。蒙古來 來自北,東西次第期呑食。嚇得趙家老寡婦,持此來擬男兒國。相模太カ膽如甕,防海將士人各力。蒙古來 吾不怖,吾怖關東令如山。直前斫賊不許顧,倒吾檣 登虜艦。擒虜將 吾軍喊。可恨東風一驅附大濤 不使
羶血日本刀。」とあるのに因る。 ・羶血:〔せんけつ;shan1xue4○●〕なまぐさい血。腥血。ここでは夷人の血のことを謂う。 ・飽:(食べ)あきる。満腹する。満足させる。 ・膏:〔かう;gao4;●〕動詞:あぶらさす。あぶらをぬる。また、〔かう;gao1;○〕名詞:あぶら。肉のあぶら。ここは、用語上、前者の意。ただし、平仄上では平字とすべきところだが、「膏」を平字として使う場合は、(この詩の押韻は、「豪・濤・刀」で平水韻下平四豪であるため、)大韻(冒韻)となり、あまり適切ではない。なお、前出・頼山陽の樂府詩・『蒙古來』の「不使羶血盡日本刀。」での「膏」は動詞として使われており、また、樂府体の詩でもあり、可。 ・日本刀:日本男児の武勲の象徴でもある。

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◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「豪濤刀」で、平水韻下平四豪。この作品の平仄は、次の通り。

○●●○●●○,(韻)
○○●●●○○。(韻)
●○●●○○●,
○●●○●●○。(韻)
平成23.7.4
      7.5完
令和2.9.25補




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