Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
玉台体


     
                     歐陽脩/張先

生査子


含羞整翠鬟,
得意頻相顧。
雁柱十三弦,
一一春鶯語。


嬌雲容易飛,
夢斷知何處。
深院鎖黄昏,
陣陣芭蕉雨。







******

生査子
                 
()ぢらひを含みて  翠鬟(すゐくゎん)(ととの)へ,
意を得て  (しきり)()(かへり)みる。
雁柱((ことぢ))  十三(げん)
一一  春鶯(しゅんあう) 語る。


嬌雲(けううん)  容易に()り,
夢 ()たれたるは  知るや 何處(いづこ)なるかを。
深院(しんゐん)  黄昏(くゎうこん)(とざ)し,
陣陣(ぢんぢん)たる  芭蕉( ば せう)の雨。

*****************


◎ 私感註釈

※欧陽修/張先:欧陽修:(歐陽脩):北宋時代の政治家。詩人、散文作家。1007年(景徳四年)~1072年(煕寧五年)。姓は欧陽(複姓)。字は永叔。号して醉翁、六一居士。謚は文忠。唐宋八大家の一。作者は『全宋詞』では欧陽修、『宋詞三百首』では張先となっている。/張先:北宋時代の詞人。990年(淳化元年)~1078年(元豐元年)。字は子野。烏程(現・浙江湖州呉興)の人。安陸県の知県に任じられたことで、「張安陸」と呼ばれた。天聖八年の進士で、官は尚書都官郎中に至る。梅堯臣や歐陽修、蘇軾らと交遊があった。酒や恋愛を主題とした叙情的な詞・慢詞(長篇詞)をよくし、柳永と名を斉しくする。

※生査子:詞牌の一。詞の形式名。詳しくは下記の「構成について」を参照。前闋では、男の目を通した女性の様をうたい、後闋では、女性が離れ去った後の孤独な男性の心をうたう。

※含羞整翠鬟:羞(は)じらいながら、美しい髪を整え。 ・含羞:〔がんしう;han2xiu1○○〕はにかむ。羞(は)じる。 ・整:ととのえる。また、すべて。ここは、前者の意。 ・翠鬟:〔すゐくゎん;cui4huan2●○〕みどりの黒髪。美人の髪。

※得意頻相顧:誇らしげに、しきりにふり返っている。 ・得意:自分の思いどおりになる。満足して愉快なこと。本来は、心につかみたいと思っている真理をつかむ。 ・頻:しきりに。 ・相顧:ふり向いて。ふり返って。 ・相:動作が対象に及んでくる時に使う。「…てくる」「…ていく」の意。「相互に」の意味は、無い場合も多い。ここでも無い。白居易の『勸酒』「昨與美人對尊酒,朱顏如花腰似柳。今與美人傾一杯,秋風颯颯頭上來。年光似水向東去,兩鬢不禁白日催。東鄰起樓高百尺,題照日光
。」 李白に『把酒問月』「靑天有月來幾時,我今停杯一問之。人攀明月不可得,月行卻與人。皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。白兔搗藥秋復春,娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」や、陶潜の『飮酒二十首』其一「衰榮無定在,彼此更共之。邵生瓜田中,寧似東陵時。寒暑有代謝,人道毎如茲。達人解其會,逝將不復疑。忽與一觴酒,日夕歡。」 、陶淵明の『雜詩十二首』其七の「日月不肯遲,四時催迫。寒風拂枯條,落葉掩長陌。弱質與運頽,玄鬢早已白。素標插人頭,前途漸就窄。家爲逆旅舍,我如當去客。去去欲何之,南山有舊宅。」や張説の『蜀道後期』「客心爭日月,來往預期程。秋風不,先至洛陽城。」杜甫の『州歌十絶句』其五に「西一萬家,江北江南春冬花。背飛鶴子遺瓊蕊,趁鳧雛入蒋牙。」とある。李煜『柳枝詞』「風情漸老見春羞,到處消魂感舊遊。多謝長條似,強垂煙穗拂人頭。」 、范仲淹の『蘇幕遮』「碧雲天,黄葉地,秋色連波,波上寒煙翠。山映斜陽天接水,芳草無情,更在斜陽外。   黯鄕魂,追旅思,夜夜除非,好夢留人睡。明月樓高休獨倚,酒入愁腸,化作思涙。」 前出・韋莊の『浣溪沙』「夜夜思更漏殘 など、下図のように一方の動作がもう一方の対象に及んでいく時に使われている。
B
もっとも、李白の『古風』「龍虎相啖食,兵戈逮狂秦」、「遠別離」の「九疑聯綿相似,重瞳孤墳竟何是。」や『長相思』「相思,在長安」や王維の「入鳥不相亂,見獸相親。」などは、下図のような相互の働きがある。
B
勿論、これらとは別に言葉のリズムを整える働きのために使っていることも詩では重要な要素に挙げられる。

※雁柱十三弦:(琴の)琴柱(ことじ)と十三本の弦(から)。 ・雁柱:〔yan4zhu4●●〕琴柱(ことじ)。箏や琴の胴の上に立てて弦を支え、その位置によって音の高低を調節し、発する音を共鳴胴に伝えるためのもの。 ・十三弦:(日本と同様な琴は)弦が十三本ある。

※一一春鶯語:奏(かな)でる毎(ごと)に、ウグイスが囀(さえず)る。 ・一一:ひとつひとつ。逐一。 ・春鶯語:ウグイスの囀(さえず)り。ここでは、奏でられる琴の音の形容。

※嬌雲容易飛:美しい雲(=美しい女性)はたやすく飛び去って行った。 ・嬌雲:なまめかしい雲。美しい髪の女性。蘇舜欽の『晴游滄浪亭』に「夜雨連明春水生,
嬌雲濃暖弄微晴。簾虚日薄花竹靜,時有乳鳩相對鳴。」とある。 ・容易:たやすく。 ・飛:ここでは、「飛び去る」の意で使われている。

※夢断知何処:(二人の愛情の)夢が断ちきられたのは、どこであるかというと。 ・夢断:夢が途絶える(-た)。清・趙慶の『送王淑亮之蘇州』に「蘆花楓葉憶江天,
夢斷姑蘇二十年。舊友若逢相問訊,長安多向酒家眠。」とある。 ・何処:どこ。二人の愛情の芽生えたところであり、愛情が冷めたところである。盛唐・高適の『人日寄杜二拾遺』に「人日題詩寄草堂,遙憐故人思故鄕。柳條弄色不忍見,梅花滿枝空斷腸。身在南蕃無所預,心懷百憂復千慮。今年人日空相憶,明年人日何處。一臥東山三十春,豈知書劍老風塵。龍鐘還忝二千石,愧爾東西南北人。」とあり、後世、清・『儒林外史』の呉敬梓は『説楔子敷陳大義借名流隱括全文』で「人生南北多岐路。將相神仙,也要凡人做。百代興亡朝復暮,江風吹倒前朝樹。功名富貴無憑據。費盡心情,總把流光誤。濁酒三杯沈醉去,水流花謝何處!」と使う。

※深院鎖黄昏:(今はただ、)奥庭のたそがれのが薄暗がりのたちこめるところ(であって)。 ・深院:奥庭。中庭。院とは、塀や建物で囲まれた中庭。中国の伝統的な御殿は、塀で幾重にも区切られた庭園がある。また、奥深い庭。南唐後主・李煜の『烏夜啼』に「無言獨上西樓,月如鈎。寂寞梧桐
深院 淸秋。   剪不斷,理還亂,是離愁。別是一般滋味 在心頭。 『喜遷鶯』にも「啼鶯散,餘花亂,寂寞畫堂深院。片紅休掃盡從伊,留待舞人歸。」とあり、北宋・欧陽脩の『蝶戀花』に「庭院深深深幾許?楊柳堆煙,簾幕無重數。玉勒雕鞍遊冶處,樓高不見章臺路。   雨橫風狂三月暮,門掩黄昏,無計留春住。涙眼問花花不語。亂紅飛過秋千去。」とある。 ・鎖:とざす。とじこめる。封じこめている。前出・李煜の『烏夜啼』に「寂寞梧桐深院淸秋」とある。 ・黄昏:たそがれ。

※陣陣芭蕉雨:バショウの葉に雨が切れ切れに当たり、雨音を立てている(ところでだ)。 ・陣陣:〔ぢんぢん;zhen4zhen4●●〕ひとしきり。切れ切れに続くさま。北宋・王安石の『夜直』に「金爐香盡漏聲殘,翦翦輕風
陣陣。春色惱人眠不得,月移花影上欄干。」とある。 ・芭蕉:〔ばせう;ba1jiao1○○〕バショウ。バショウ科の大型の多年生草本。高さ約五メートルの偽茎の先に葉をつける。 ・芭蕉雨:バショウの葉に雨が当たり、雨音を立てていること。晩唐・杜牧の『雨』に「連雲接塞添迢遞,灑幕侵燈送寂寥。一夜不眠孤客耳,主人窗外有芭蕉。」とあり、後世、両宋・李清照は『添字采桑子』で「窗前誰種芭蕉樹,陰滿中庭。陰滿中庭。葉葉心心、舒卷有餘情。傷心枕上三更雨,點滴霖霪,點滴霖霪,愁損北人、不慣起來聽!」と、芭蕉の葉に落ちる雨音をうたう。

                  ***********





◎ 構成について

双調。四十字(前後)。韻式は、「aa aa」。韻脚は「顧語 處雨」で、詞韻「第四部仄声。次は『詩詞格律綱要』のもの。

○○●○,
●○○●。(韻)
●●○○,
●○○●。(韻)



○○●○,
●○○●。(韻)
●●○○,
●○○●。(韻)

 
2012.6.19
     6.20
     6.21
     6.22完
2013.4.11補



xia 1ye次の詩へ
shang 1ye前の詩へ
婉約詞メニューへ
    ************
shici gaishuo詩詞概説
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
唐詩格律 之一
詩韻
詩詞用語解説
詩詞引用原文解説
詩詞民族呼称集
shichao shou ye天安門革命詩抄
Qiu Jin ci秋瑾詩詞
碧血の詩篇
李煜詞
Xin Qiji ci辛棄疾詞
李淸照詞
Huajianji花間集
Huajianji歴代抒情詩選
Huajianji毛澤東詩詞
zhuozuo碇豐長自作詩詞
漢訳和歌
参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(wenge)参考文献(宋詞)
本ホームページの構成・他
Riyu:zhiciわたしのおもい
guanhougan
メール
hui shouye
トップ
huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye