Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
黒沢忠三郎黒沢勝算



 
 
              
      絶命詞
                       黒澤忠三郎

呼狂呼賊任他評,
幾歳妖雲一旦晴。
正是櫻花好時節,
櫻田門外血如櫻。



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絶命詞
                       
狂と 呼び 賊と 呼ぶも  他の評に 任
(まか)す,
幾歳の 妖雲  一旦に 晴る。
(まさ)に 是れ  櫻花の 好時節,
櫻田門外  血 櫻の如し。

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◎ 私感註釈

※黒沢忠三郎:黒澤勝算。幕末の水戸の勤王の浪士十七名の一。桜田門外の変で、大老井伊直弼を襲い、これを倒す。桜田門十八士の一(其の中、一名は薩摩藩浪士)。行為の是非は他日の評に任せるとして、一つの時代が動いた時、主体的に生きた男の詩である。本サイトでは、の佐野竹之助『出郷作』「決然去國向天涯,生別又兼死別時。弟妹不知阿兄志,慇懃牽袖問歸期。」がある。共に立ち上がった同志である。

※絶命詞:命を絶たれる前の詩詞。これは強烈な美しさをもった凄絶な詩であり、安逸な生活に慣れたわたしたちにとっては、そら恐ろしい詩でもある。常人の平凡な生活からは絶対に生まれないものである。回天の大業を志した者の詩である。日本版の『易水歌』「風蕭蕭兮易水寒,壯士一去兮不復還。」になろうか。語彙は、日本的な発展を遂げている。なお、本サイトでは秋瑾の『絶命詞』「秋雨秋風愁殺人!」がある。

※呼狂呼賊任他評:(桜田門外で、井伊直弼を襲ったことについて、或る者は)狂人と呼んだり、(或る者は)賊徒と呼んだりしているが、他日(後世)の評価にまかせよう。 *実行者である自分は、自己の信念に則って行動するのみであって、他人からの評価は、気にしない、歴史が判断するということ。文天の『正氣歌』の精神でもある。意味は稍ずれるが、文革初期、抑圧された国家主席であった劉少奇は「好在,歴史是人民寫的。」と語っている。今現在の評価はともかく、やがては、正確な評価が下ることだろう…と。人類の聡明さを信じて……。 ・呼賊呼忠:乱臣賊子と評価するのも、忠臣義士と評価するのも、勝手に言わせておく。 ・呼A呼B:Aと呼ぼうが、Bと呼ぼうが勝手に言わせておく。ほめようとくさそうと勝手に言わせておく。 ・呼狂呼賊:狂人や賊徒と誹り呼ぶ。後世、三島中洲は『河井蒼龍窟』で、「王臣何敢敵王師,
呼賊呼忠彼一時。惜矣東洋多事日,黄泉難起大男兒。」と使っている。 ・呼:ここでは、よばわる、評価してそう言う、との意で使われている。 ・任:まかせる、ゆだねる、の意で使われている。 ・他:他日。後世。他人。他日、の意で使われている。 ・評:評価、の意で使われている。

※幾歳妖雲一旦晴:ここ数年来の妖しげな政治情況は、一瞬のうちに晴れ渡った。 ・幾歳:幾年。「年」としないで「歳」としたのは、平仄との関係でもある。ここ数年来の外圧に屈した政治姿勢の期間をいう。 ・妖雲:妖しげな雲。日本の開国(安政元年:1854年)や安政の大獄(安政六年:1859年)といった、政治情況を指す。ごく最近催された日米交流百五十周年の祝典は安政元年(1854年)の日米和親条約締結が、当時の勤王家には耐え難かった。藤田東湖の『弘道館述義』によれば、「尊王攘夷。  堂堂~州天日之嗣世奉~器君臨萬邦。上下内外之分。猶天地之不可易焉。然則尊王攘夷者。實志士仁人盡忠報國之大義也。」というのが当時の人の考えになる。 ・一旦:一朝に。短い時間のうちに。ある日。ひとたび。 ・晴:晴れる。

※正是桜花好時節:ちょうどサクラの花のすばらしい時節である。杜甫の七言絶句『江南逢李龜年』「岐王宅裡尋常見,崔九堂前幾度聞。
正是江南風景,落花時節又逢君。」に基づいていよう。 ・正是:ちょうど。 ・好時節:すばらしい時節。上巳の節会の日でもある。

※桜田門外血如桜:江戸城の桜田門外(の白い雪の上に飛び散る)血しぶきは、(満開の)サクラの花のようである。 ・櫻田門外:大老の井伊直弼を討った場所。江戸城桜田門外。 ・血如櫻:(雪の上に)流れる血は、サクラの花のようである。毛沢東も「血」を詞に使っている。『憶秦娥』婁山關「西風烈,長空雁叫霜晨月。霜晨月,馬蹄聲碎,喇叭聲咽。   雄關漫道眞如鐵,而今邁歩從頭越。從頭越,蒼山如海,殘陽如
。」と。彼もまた、回天の大業を志した者である。秋瑾にも「血」が多い。革命家は、血からは、離れられ得ないものになるのか。





◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「評晴櫻」で、平水韻下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。

○○○●●○○,(韻)
●●○○●●○。(韻)
●●○○●○●,
○○○●●○○。(韻)

平成16. 4.18完
       4.19補
       4.20
       4.21
       5. 4
平成28.10.30



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