Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


遣人入城權瘞三嫂遙哭
清・歸莊

無端遭酷禍,
誰與訴蒼穹。
情苦一身小,
途窮萬事空。
死生從弱息,
出處任狂童。
髣髴貞魂在,
凄涼江上楓。






******

(ひと)(つか)はして(じゃう)()(かり)三嫂(さんさう)(うづ)めしめ (はる)かに(こく)
(はし) ()くも  酷禍(こくくゎ)()ひ,
(たれ)(とも)にか  蒼穹(さうきゅう)(うった)へん。
(じゃう)(くる)しむ  一身(いっしん) (ちひ)さきを,
(みち)(きは)まりて  萬事(ばん じ ) (むな)し。
死生( し せい)は  弱息(じゃくそく)(したが)ひ,
出處(しゅっしょ)は  狂童(きゃうどう)(まか)す。
髣髴(はうふつ)として  貞魂(ていこん)()るがごとく,
凄涼(せいりゃう)たり  江上(かうじゃう)(かへで)

                     ****************



◎ 私感註釈

※歸莊:(明末)清初の文学者。1613年(明・萬暦四十一年)~1673年(清・康煕十二年)。一名に祚明。字(あざな)は爾礼。又の字(あざな)は玄恭。号して恒軒。昆山(=現代中国の簡体字表記では「昆山」。歴史的には「崑山」か)(現・江蘇省昆山市)の人。明代の散文家・帰有光の曾孫。十七歳の時、顧炎武とともに復会に参加する。清軍が南下した際、抗清闘争に参加し、失敗後、一度亡命して僧侶となる。清・順治九年(1652年=明・永暦六年)、万年少の招聘に応(こた)えて、淮陰に到って教育にたずさわる。秘かに顧炎武と抗清の謀議の聯絡を取り合う。万年少が死んだ後,昆山に帰って隠棲し、書画を売って生計を立て、清には出仕しなかった。狂人のふりをして世を憤り、天下の名勝に遊んで、古今の歴史上の人物を弔い、常に大いに悼み、同郷の顧炎武とともに「
怪」と称された。帰荘の詩文は、清朝の統治に反対し、民族の気節を主体とするところが多い。詩は質朴明解であり、直截に胸に訴えてくるところがある。(『中国大百科全書』中国文学Ⅰ(中国大百科全書出版社 1986年北京・上海) の209ページ「帰荘」の項より訳出)

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『中国史稿地図集稿』下冊「明末抗清闘争」より
南京:赤い円 昆山:緑色の円 清軍:緑色矢印

※遣人入城権瘞三嫂遥哭:(清軍が昆山に入寇し、作者の三番目の兄嫁が清兵のために殺され、長江(?)の畔まで避難していた作者が)人を(昆山(=崑山))(?)市内に派遣して、三番目の兄嫁を仮に埋葬させ、(作者は)遥かに離れた(避難先で、三番目の兄嫁の死を悲しんで、)声をあげて泣く礼をした。 *1645年(清・順治二年:明・弘光元年/隆武元年)の清軍の昆山入寇の際の詩。『中国史稿地図集稿』下冊(郭沫若主編 中国地図出版社 1990年上海)93-94ページ「明末抗清闘争1645年~1661年」(右下の図)では、1645年清軍攻南京路線(:開封府から南京に向けての緑色矢印)で示される通り、南京で激戦(焔印・赤い円印)があった。なお、作者の郷里・昆山は蘇州・上海の間で緑色の円のところ。この資料で見る限りでは、昆山で清軍との抗争があったのかどうかは、不明。この詩の出来事は、昆山であったのか、南京であったのか、今少し調べる必要がある。南京での抗争ではなかろうか? ・遣人:人を遣わして…させる。人を派遣して…をさせる。使役表現。≒「使人」(人)をして…しむ。 ・入城:市内に入る。街の中に入る。 *中国の都市は城郭都市。作者たちは清兵の入寇に際して、市外へ避難していたことが分かる部分。昆山も城郭があったのだろう。 ・城:都市。城市。ここでは、昆山(崑山か)〔こんざん;Kun1shan〕のことになる。昆山は現・上海市の西端から西15キロメートルのところにある上海に隣接した都市。『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期(中国地図出版社)59-60ページ「南宋 兩浙西路 兩浙東路 江南東路」(蘇州⇔現・上海の間(当時、まだ上海はなかった。現代風にいえば、上海・蘇州間の上海の衛星都市だが、行政区劃では蘇州に属する。)では、まだ山の名称。 ・権:かりの。仮に。まにあわせの。かりそめ。しばし。 ・瘞:〔えい;yi4●〕うずめる。土中に埋める。墓。 ・嫂:〔さう;sao3●〕あによめ。 ・三嫂:三番目の兄嫁。 ・遥:はるかに。 *葬送の場に作者が立ち会っていないことを謂う。 ・哭:人の死を悲しんで、声をあげて泣く礼。大声をあげて泣きさけぶ。

※無端遭酷禍:ゆえなくひどい災難に出くわした(が)。 ・無端:何の原因もなく。ゆえなく。わけもなく。思いがけなく。端(はし)無く。これというきざしもなく。はからずも。中唐・賈島の『渡桑乾』に「客舍并州已十霜,歸心日夜憶咸陽。
無端更渡桑乾水,卻望并州是故鄕。」とあり、晩唐・李商隱の『錦瑟』に「錦瑟無端五十弦,一弦一柱思華年。莊生曉夢迷蝴蝶,望帝春心托杜鵑。滄海月明珠有涙,藍田日暖玉生煙。此情可待成追憶,只是當時已惘然。」とある。 ・遭:(不幸・不利なことに)遭(あ)う。ぶつかる。 ・酷禍:〔こくくゎ;ku4huo4●●〕むごいわざわい。無慈悲な災難。ここでは三嫂(三番目の兄嫁)が清兵のために惨殺されたことをいう。

※誰与訴蒼穹:(このことを)誰とともに(運命を)青天に訴えようか。(どうしようもないだけだ)。 ・誰与:だれがともに…しようか。だれとともにしようか。だれとともにしようとするのか。たれとともに(かせん)。反語・疑問の表現。 ・訴:うったえる。ここでは「問」のことをいう。 ・蒼穹:青空。青天。 ・訴蒼穹:問青天。人生の運命を天に問いかけること。『詩經・王風』黍離「彼黍離離,彼稷之苗。行邁靡靡,中心搖搖。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。  彼黍離離,彼稷之穗。行邁靡靡,中心如醉。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。  彼黍離離,彼稷之實。行邁靡靡,中心如噎。知我者謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。」とあり、李白の『把酒問月』に「靑天有月幾時,我今停杯一之。人攀明月不可得,月行卻與人相隨。皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。白兔搗藥秋復春,姮娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」とある。古来、天に問うことは屈原の 『天問』「遂古之初,誰傳道之?上下未形,何由考之?冥昭瞢闇,誰能極之?馮翼惟像,何以識之?」や初唐・張若虚の『春江花月夜』「春江潮水連海平,海上明月共潮生。灩灩隨波千萬里,何處春江無月明。江流宛轉遶芳甸,月照花林皆似霰。空裏流霜不覺飛,汀上白沙看不見。江天一色無纖塵,皎皎空中孤月輪。江畔何人初見月,江月何年初照人。人生代代無窮已,江月年年祗相似。不知江月待何人,但見長江送流水。白雲一片去悠悠,青楓浦上不勝愁。誰家今夜扁舟子,何處相思明月樓。可憐樓上月裴回,應照離人妝鏡臺。玉戸簾中卷不去,擣衣砧上拂還來。此時相望不相聞,願逐月華流照君。雁長飛光不度,魚龍潛躍水成文。昨夜閒潭夢落花,可憐春半不還家。江水流春去欲盡,江潭落月復西斜。斜月沈沈藏海霧,碣石瀟湘無限路。不知乘月幾人歸,落月搖情滿江樹。」と多い。北宋・蘇軾の『水調歌頭』丙辰中秋,歡飮達旦,大醉,作此篇,兼懷子由。「明月幾時有?把酒
靑天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒。起舞弄淸影,何似在人間   轉朱閣,低綺戸,照無眠。不應有恨,何事長向別時圓?人有悲歡離合,月有陰晴圓缺,此事古難全。但願人長久,千里共嬋娟。」とある。

※情苦一身小:心は、我が身の(力量の)小ささに苦しみ悶え。 ・情:こころ。感情。 ・苦:くるしむ。動詞としての用法。 ・一身 我が身。おのれ自身。一人のからだ。

※途窮万事空:方途は行き詰まって、全(すべ)てが空(むな)しいものとなった。 ・途窮:みちが行き詰まる。 ・途:みち。方途。 ・窮:きわまる。陶淵明の『桃花源記』に「晉太元中,武陵人捕魚爲業,縁溪行,忘路之遠近,忽逢桃花林。夾岸數百歩,中無雜樹。芳草鮮美,落英繽紛。漁人甚異之,復前行,
其林。林盡水源,便得一山。山有小口。髣髴若有光。便舎船從口入。初極狹,纔通人。復行數十歩,豁然開朗。土地平曠,屋舍儼然,有良田美池桑竹之屬。阡陌交通,鷄犬相聞。其中往來種作,男女衣著,悉如外人。」とあり、王維の『藍田山石門精舍』に「落日山水好,漾舟信歸風。玩奇不覺遠,因以縁源窮。遙愛雲木秀,初疑路不同。安知清流轉,偶與前山通。捨舟理輕策,果然愜所適。老僧四五人,逍遙蔭松柏。朝梵林未曙,夜禪山更寂。道心及牧童,世事問樵客。暝宿長林下,焚香臥瑤席。澗芳襲人衣,山月映石壁。再尋畏迷誤,明發更登歴。笑謝桃源人,花紅復來覿。」とあり、南宋・陸游の『遊山西村』に「莫笑農家臘酒渾,豐年留客足鷄豚。山重水複疑無路,柳暗花明又一村。簫鼓追隨春社近,衣冠簡朴古風存。從今若許閒乘月,拄杖無時夜叩門。」とある。 ・万事空:全てが空(くう)になる。同・前出・陸游の『示兒』に「死去元知萬事空,但悲不見九州同。王師北定中原日,家祭無忘告乃翁。」とあり、南宋・辛棄疾の『浪淘沙』「山寺夜半聞鐘」に「身世酒杯中,萬事皆空。古來三五個英雄。雨打風吹何處是,漢殿秦宮。   夢入少年叢,歌舞匆匆。老僧夜半誤鳴鐘。驚起西窗眠不得,卷地西風。」とある。

※死生従弱息:死ぬも生きるも、幼い子どもについて行き。 ・死生:〔しせい;si3sheng1●○〕死ぬと生きると。死ぬか生きるか。「ししょう(ししゃう)」。≒生死。 ・従:うしろについて行く。つきそう。追いかける。言うことをきく。聞き従う。付きしたがう。屈服する。また、…より。から。そこで。そうして。また、従来。ここは、前者の意。 ・弱息:わたくしの子ども。謙譲語。 ・弱:幼い。若い。かよわい。 ・息:子ども。むすこ。

※出処任狂童:身の振り方は、狂暴な輩(やから)(=清兵)のなすがままにまかせた。(その結果として、殺されてしまった)。 ・出処:身の振り方。本来、出て仕えることと、退いて民間にいること。出どころ。由来。ここは、前者の意。 ・任:かかる。ゆだねる。まかせる。授ける。因(よ)る。 ・狂童:基本義は、きちがいじみた少年。むちゃをするこども。但し、用例からは、「狂暴なやつら」「ほしいままに暴虐を尽くすやつら」の意となり、他民族の侵略者を貶めて謂う。ここでは、清の兵士のことになる。≒狡童。なお、「-童」は「子ども」の意ではなく、「しもべ、めしつかい」の意で、人を貶めて謂う表現。現代語でいうと“奴才”また、“鬼子”“棒子”か。『詩経・鄭風・狡童』に「
狡童,不與我言兮。維子之故,使我不能餐兮。  狡童,不與我食兮。維子之故,使我不能息兮。」とあり、同・『詩経・鄭風・褰裳』に「子惠思我,褰裳渉溱。子不我思,豈無他人。狂童之狂也且。  子惠思我,褰裳渉洧。子不我思,豈無他士。狂童之狂也且。」とある。

※髣髴貞魂在:みさおが正しい女性の霊魂(=三番目の兄嫁のたましい)が、(川辺のカエデに)さながら(来て)いるかのようだ。 *「髣髴貞魂在,凄涼江上楓」の一聯で意味をなす。 ・髣髴:〔はうふつ;fang3fu2●●〕さながら。よく似たさま。ほのか。はっきりしないさま。=彷彿。 ・貞魂:みさおが正しい女性の霊魂。貞節な女性の霊魂。貞魂。ここでは、三嫂(三番目の兄嫁)のことになる。後世、日本の竹添井井は『雙殉行』で「忠魂
貞靈長不散,千秋萬古侍桃山。」とうたった。 ・在:存在する。いる。

※凄涼江上楓:もの寂しい川辺のカエデ(がざわついており、三番目の兄嫁の魂が、そこに来ているかのようだ)。 *「髣髴貞魂在,凄涼江上楓」で一聯。 ・淒涼:〔せいりゃう;qi1liang2○○〕心や情景がものさびしい。=淒涼。中唐・劉禹錫の『酬樂天揚州初逢席上見贈』に「巴山楚水
淒涼,二十三年棄置身。懷舊空吟聞笛賦,到鄕翻似爛柯人。沈舟側畔千帆過,病樹前頭萬木春。今日聽君歌一曲,暫憑杯酒長精神。」とある。 ・江上:長江の畔。川辺。川の畔。また、川の上。ここは、前者の意。昆山の周囲は水郷なので、或いはその辺りに避難していたとも考えられる。 ・-上:ほとり。場所を指す。この用例には、金・完顏亮の『呉山』「萬里車書盡混同,江南豈有別疆封。提兵百萬西湖,立馬呉山第一峰。」や盛唐・岑參の『與高適薛據同登慈恩寺浮圖』「塔勢如湧出,孤高聳天宮。登臨出世界,磴道盤虚空。突兀壓神州,崢嶸如鬼工。四角礙白日,七層摩蒼穹。下窺指高鳥,俯聽聞驚風。連山若波濤,奔走似朝東。靑松夾馳道,宮觀何玲瓏。秋色從西來,蒼然滿關中。五陵北原,萬古靑濛濛。淨理了可悟,勝因夙所宗。誓將挂冠去,覺道資無窮。」や中唐・白居易の『送春』「三月三十日,春歸日復暮。惆悵問春風,明朝應不住。送春曲江,拳拳東西顧。但見撲水花,紛紛不知數。人生似行客,兩足無停歩。日日進前程,前程幾多路。兵刃與水火,盡可違之去。唯有老到來,人間無避處。感時良爲已,獨倚池南樹。今日送春心,心如別親故。」や中唐・張籍の『征婦怨』「九月匈奴殺邊將,漢軍全沒遼水。萬里無人收白骨,家家城下招魂葬。婦人依倚子與夫,同居貧賤心亦舒。夫死戰場子在腹,妾身雖存如晝燭。」や現代でも張寒暉の『松花江上』「我的家在東北松花江,那裡有森林煤鑛,還有那滿山遍野的大豆高粱。我的家在東北松花江,那裡有我的同胞,還有衰老的爹娘。」等がある。

              ***********





◎ 構成について

韻式は、「AAAA」。韻脚は「穹空童楓」で、平水韻上平一東。この作品の平仄は、次の通り。


○○○●●,
○●●○○。(韻)
○●●○●,
○○●●○。(韻)
●○○●●,
●●●○○。(韻)
●●○○●,
○○○●○。(韻)
2011.2. 5
     2. 6
     2. 7
     2. 8
     2. 9完
     2.14補



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