Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


      



失題
久坂玄瑞

皇國威名海外鳴,
誰甘烏帽犬羊盟。
廟堂願賜尚方劍,
直斬將軍答聖明。





******

失題

皇國の威名  海外に鳴り,
誰か甘んぜん  烏帽 犬羊の盟。
廟堂 願はくは 賜へ  尚方の劍,
直ちに 將軍を斬りて  聖明に答へん。

        *****************



◎ 私感註釈

※久坂玄瑞:尊攘派の志士。幕末の長州藩士。天保十一年(1840年)〜元治元年(1864年)。名は通武。通称は義助。玄瑞は号。吉田松陰門下。藩論を公武合体から尊皇攘夷へと一変させた。その後、種々の武力で攘夷運動を実行した。禁門の変の指導者。

※失題:『遣懷』ともする。 ・遣懷:詩歌を作って憂さを晴らすこと。晩唐・杜牧に『遣懷』「落魄江南載酒行,楚腰腸斷掌中輕。十年一覺揚州夢,占得樓薄倖名。」がある。

※皇國威名海外鳴:天皇の治める国・日本の威光と名誉は外国にも響き伝わっており。 ・皇國:〔くゎうこく;huang2guo2○●〕天皇の治める国。すめらみくに。日本の異称。また、天子が無為をもって治めた理想的な国。三皇時代の国。ここは前者の意。 ・威名:〔ゐめいwei1ming2○○〕威光が優れているという評判。威光と名誉。 ・海外: ・鳴:響き渡る。中唐・劉禹錫に『王思道碑堂下作』「蒼蒼宰樹起寒煙,尚有威名海内傳。四府舊聞多故吏,幾人垂涙拜碑前。」がある。

※誰甘烏帽犬羊盟:一体だれが文官(が行った)つまらないちかい(日米和親条約、日米修好通商条約)に甘んじておろうか。 ・誰甘:だれが甘んじようか。だれも甘んじない。⇒これを超克すべきだ。 ・烏帽:ここでは文官のことをいう。我が国の風では、烏帽子(えぼし)で、平安時代以降の礼服着装の際に、成人男性が被った帽子。烏塗(くろぬり)の帽子の意。また、本来は、隠者の被る黒い頭巾。ここは、前者の意。 ・犬羊:犬とヒツジ。つまらぬものの喩え。 ・盟:〔めい(べい);meng2○〕ちかい。約束。また、ちかう。ここは、前者の意。ここでは、1854年(嘉永七年)の日米和親条約、1858年(安政五年)の日米修好通商条約等。外国に対して国を開いたことを指す。 ・烏帽犬羊盟:幕閣が、勅許を得ないで執り行った開国の条約の関係者を罵って謂う表現。

※廟堂願賜尚方劍:朝廷よ、なにとぞ(君側の奸を斬る)宮中の倉に収められた名剣(斬馬剣)を賜わらんことを。 ・廟堂:〔べうだう;miao4tang2●○〕朝廷。政府。天下の大政をつかさどる所。また、みたまや。宗廟。ここは、前者の意。 ・願賜:どうか…を下さい。なにとぞ…を賜わらんことを。願うことは…を賜りますように。願わくは…を賜え。(蛇足になるが、「願」の読みは「願はく
(願わくは)」〔四段動詞「願ふ」の未然形(「願は」)+名詞を作る接尾語(準体言)(「く」)+係助詞(「」)〕であって、「願はく(願わく)」ではない)。『漢書・朱雲列傳』の中での朱雲のことば。 ・尚方劍:宮中の倉に収められた名剣。ここでは、名剣の斬馬劍のしまってある場所を指す。前漢・成帝の時代の忠臣・朱雲は成帝に諫言して、宮廷に跋扈している無能で、主君をないがしろにして、むだ飯ばかりを喰っている君側の奸を斬るために、宮中の倉に収められた斬馬劍を賜るよう願った。結果、朱雲は成帝の怒りを買った。『漢書・朱雲列傳』に「至成帝時,丞相故安昌侯張禹以帝師位特進,甚尊重。(朱)雲上書求見,公卿在前。(朱)雲曰:「今朝廷大臣上不能匡主,下亡以益民,皆尸位素餐,孔子所謂『鄙夫不可與事君』,『苟患失之,亡所不至』者也。願賜尚方斬馬劍,斷佞臣一人以資エ餘。」とある。蛇足になるが、この大胆な言葉に成帝は怒りだし、朱雲は部屋から連れ出された。朱雲は、そのとき、てすり(檻)にしがみついたため、折れてしまった。「折檻」の語源である。久坂玄瑞は『應天正気歌』でも「君不見博浪鐵椎尚方劍,蹉跌終難抑賊焔。」と使う。

※直斬將軍答聖明:ただちに将軍(攘夷を実行しない君側の奸、或いは大老の井伊直弼)を斬りすてて、天子さまの大御心(おおみこころ)にお答え致しましょう。 ・直斬:ただちに斬りすてる。「
直扺黄龍與諸君痛飮耳」に依ろうか。 ・將軍:〔しゃうぐん;jiang1jun1○〕ここでは、徳川将軍家を指す。但し、歴史資料と勘考すれば、攘夷を実行しない君側の奸。 ・聖明:天子をよぶ尊称。(ここでは、孝明(こうめい)天皇のことになる。)すぐれた聡明さ。唐・孟浩然の『望洞庭湖贈張丞相』に「八月湖水平,涵虚混太C。氣蒸雲夢澤,波撼岳陽城。欲濟無舟楫,端居恥聖明。坐觀垂釣者,徒有羨魚情。」や、唐・韓愈の『左遷至藍關示姪孫湘』「一封朝奏九重天,夕貶潮州路八千。欲爲聖明除弊事,肯將衰朽惜殘年。雲横秦嶺家何在,雪擁藍關馬不前。知汝遠來應有意,好收吾骨瘴江邊。」や、唐末・鄭畋の『馬嵬坡』「玄宗回馬楊妃死,雲雨難忘日月新。終是聖明天子事,景陽宮井又何人。」など多い。

               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「鳴盟明」で、平水韻下平八庚。この作品の平仄は、次の通り。

○●○○●●○,(韻)
○○○●●○○。(韻)
●○●●●○●,
●●○○●●○。(韻)
平成22.3.30
      3.31



xia 1ye次の詩へ
shang 1ye前の詩へ
『日本漢詩選』メニューへ
    ************
shici gaishuo詩詞概説
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
唐詩格律 之一
詩韻
詩詞用語解説
詩詞引用原文解説
詩詞民族呼称集

Huajianji花間集
李U詞
Huajianji婉約詞:香残詞
李C照詞
Xin Qiji ci陸游詩詞
Xin Qiji ci辛棄疾詞
唐宋・碧血の詩編
Qiu Jin ci秋瑾詩詞
Huajianji毛澤東詩詞
先秦漢魏六朝詩歌辭賦
Huajianji陶淵明集
Huajianji玉臺新詠
Huajianji唐宋抒情詩選
Huajianji竹枝詞
Huajianji陽光燦爛之歌
shichao shou ye天安門革命詩抄
Qiu Jin ci扶桑櫻花讚
Huajianji読者の作品
zhuozuo碇豐長自作詩詞
漢訳和歌

参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(wenge)参考文献(宋詞)
本ホームページの構成・他
Riyu:zhiciわたしのおもい
hui shouye
トップ
huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye