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参加作品
まとめ
開催予定:2005年8月
私のベスト10
春先に見られなかった5作の中からカンフーハッスルなどが飛び込む可能性もあるので、変更を見込んでの評価。順序不同。
この2作は順序がどうでも上位入賞。
ベスト10に入りませんでしたが、隣人13号も悪くなかったです。
今年のフランス(語)勢は去年よりやや弱いかとは思いましたが、それでも楽しめる作品が並び、ベスト10にもたくさん入りました。フランス人も最近はエンターテイメントという点を重んじるようです。Duplicity / Trouble もフランス語です。フランス語嫌いだった私もフランス語習った方がいいのかなと考え始めているところです。
日本語、フランス語の作品が多く入ったので、英語の作品が減ってしまいましたが、英語圏の作品は一定のレベルを保っていて、楽しい作品もありました。貴重な時間を割いて Evil Aliens などは2度見てしまいました。Deepwater は正常と異常の視点、1対他全部の対決など、田舎のおっさんの話をしているようでありながら、かなり人間の本質を突いた作りです。田舎、南部訛りに騙されては行けません。
実話物はB級と決まっていたのが、今年はとんでもなく手をかけた作品や俳優に気合が入っている作品がありました。The Zodiac / In Control of All Things を入れて、Evilenko を入れなかったのは片手落ちと言われそうですが、ほんの僅かの差で The Zodiac / In Control of All Things に軍配。
後記: 驚いたことにゾーディアックの事件は有名俳優を使って改めて映画化されるそうです。The Zodiac / In Control of All Things は決定打と言える作品なのですが。
補欠
過労気味で居眠りしたため全体を把握しておらず、もう1度見て確認しないと最終結論は出せません。見た部分は良かったです。
10歳前後若い仲間たちも今年はグロッキー。私は事故の前も自分は年だと思ってスポーツをやったりして8月に向けてコンディション調整をしていたのですが、どうやら若い仲間にも徐々に年齢の陰がさして来たようです。経験から言うと、コンディションを整えておけば全部に参加できますが、「長期戦の映画祭なのだ」と覚悟を決めて集中しないとだめ。開催直前まで普通の生活をしていると、40を過ぎたらきつくなって来ます。私は失業する直前まで体を動かす仕事をしていたので、持っただけのことです。
今年は春に怪我をしたので、参加を断念という選択肢も視野に入れていました。井上さんはニュースが届かなくてがっかりするかと思いましたが、始めはそんな状態でした。ところがその後の回復が結構早く、映画は退院当初からいいということになり、当初秋頃からいいと言われていた他の活動も8月からいいことになり、じゃ、試してみようかということになりました。途中やはり過労気味と思われる日もあったので、いくらか参加を見合わせましたが、全体の数から言うと、まあ喜んで良いのではないかと思います。ぐずついた天気が続いてくれたらもう少し調子が良かったかも知れません。後半(恵みの)雨が降る日もあり、一般の参加者とは反対の希望でした。
今年全体の感想としては、19回という半端な数がたたった、去年よりやや弱いという気がします。来年は20周年なので、気合入れて出直して来るのではないかと思いますが、今年は観客動員数もやや下がっています。座席を確保するのが去年より楽でした。他のホールに別な作品を見に行った仲間に聞いても似たような返事が返って来ています。半年以内に DVD で見られる作品が増えたせいなのかも知れませんし、景気が悪くて1週間休暇を取る余裕の無い人が増えたのかも知れません。主催者の方も理由は分かりませんがやや引きがちでした。たいていは主催者の1人が上映前にステージに現われて映画について解説をしてくれるのですが、今年は監督が来ている場合などごく僅かに限られていました。毎年あったディスカッションのコーナーが消え、そこも映画が上映されたのですが、再上映によりによってあまりぱっとしない作品が入ったりもしました。
主催者には色々苦労があり、世界初公開のスターが出る作品などでは、配給会社の意向に合わせ、監視体制を強化しなければならないという事情があります。たいていはブロックバスター1本だけなのですが、黒服の人が現われて監視となると観客は非常に気分を害し、「もう来ないぞ」という気になってしまいます。今年はそういう作品を冒頭に出し、2作目からはリラックスした雰囲気に戻りました。この会場で秘密裏に撮影してネットに乗せる人がいるという話ですが、真偽のほどは不明。以前にもファン交流の掲示板を破壊した人がいたので、ファンタ自体を妨害したい人がいるのかも知れません。元は小さい催しでしたが、今ではベルリンでベストの映画館を使っての開催。中には反対意見の人もいるのかも知れません。
ファンタのファンはブロックバスターなどは望んでおらず、滅多に手に入らないような国の作品、大手が扱わないような地味な作品の方に興味を持っています。そして何よりもファンタの売りはオリジナルの言語、ノーカットで上映されることです。去年まででもドイツ公開のはるか前に見られ、映画館で見直したら、シーンが欠けていたなどということがありました。通しのパスを買う人たちはオリジナル・バージョンが楽しみで来ています。
駄作でも見てから文句を言うという主義は今年も守りました。ファンタの場合これには良い副作用があります。インターネットやファンタ内部の評価で低い点がついているのに、意外と良かったという作品に出会うことも多いのです。例えばインドの Kaal にはあまり良い点がついていませんでした。具体的に問題点をリストアップした人までいます。ところが20人を切る観客が大きい方のホールに座り、冷房に凍えながら見た結果、「楽しかった」という結論。ダンス、歌のシーンで拍手喝さいするバカは私1人かと思ったら、隣に座っているドイツ人の若い女性も手を叩いていました。
良いのか悪いのかさっぱり分からず見た Duplicity / Trouble では出来の良さに唖然。なぜもっと宣伝しなかったんだろう。
監督を呼んで来て気合を入れているのにあまり気持ち良く見ていられなかったのが Satan's Little Helper と Dear Wendy。後味が良くありません。
気合が入っていましたが、ドイツ人には日本の事情が分からずあまり意図が伝わっていなかったのが隣人13号。
駄作でも何でももうファン層が出来上がっていて、何が来てもやんやの拍手になるのがゴジラ。
あまりの気合にぶっ飛んでしまうのがフリーズ・フレーム。コメディアンがシリアス・ドラマに出る時は要注意です。
といった具合で、ファンタでは駄作の恐れがあっても1度見た方がいいのです。その中で大きく期待をしていて、その期待が裏切られなかったのがイノセンス: 攻殻機動隊。もっとも予告で期待していた筋ははずされ、全く違う方向に進みましたが。
こんな事を書いていたら切りがありませんので、詳しくはそれぞれのコーナーを見て下さい。
ファンタは開催が各都市8日間、合計1ヶ月ぐらい続き、南部の都市から徐々に北部に上がって行きます。最終ラウンドはハンブルクとベルリン。ですからハンブルクとベルリンの人は他の都市で見た人の評価を読みながら見たい作品を選ぶことができます。低い評価=だめな映画という等式は成り立ちませんが、同じ日に良さそうな作品が2つ並んだりすると、他の人の意見も参考にしようかという気になります。その他に判断基準として重要なのは、すでに配給が決まっている、あるいは DVD が出ると決まっているかどうか。カットされたバージョンであっても見られるか、ファンタが終われば泣き別れかという点は重要。メキシコ、エクアドルなどの作品がベルリンで公開され、後から見られるなどというチャンスは非常に僅か。テレビに出ることもたまにありますが、テレビが無い人にはそれは絵に描いた餅。おいしそうでも食べられません。
原則としてノーカット、オリジナルの言語で、字幕は多くが英語。英語の字幕の方が簡潔で早く読めます。紹介される作品も圧倒的に英語を使うものが多いです。それで旧東ドイツで育った世代はやや不利。いわば第2外国語がロシア語だった世代ですが、ファンタにはロシア語の映画、字幕はほとんどありません。そのためか東の人が来やすい環境はベルリンだけ。他は全部旧西ドイツの地区です。ま、壁があった頃だったら「堕落した資本主義の産物」とレッテルを貼られそうな作品がぞろぞろ並ぶので、東で開催しても受けない世代というのがあるかも知れません。ベルリンを見る限り、観客に40歳を過ぎている人もかなり多いです。50歳台、60歳台だろうという人の顔も見られます。男性が圧倒的に多いのも特徴。
ハードな暴力映画も来るので、マッチョ風の筋肉モリモリ、刺青の男性も来ます。ところがそういう人に限って、ジェリーでできたボンボン(普通は子供が食べるお菓子)を手にしていたり、オートバイのヘルメットに熊のぬいぐるみのような耳をつけていたりします。きっと心の優しいマッチョなのでしょう。
いよいよベルリンも今週から始まります。
今年は映画でなく仲間内でドラマが2件ほど起きてしまいましたが、仲間のお墓参りからスタート。私に取ってはファンタが日常生活に戻る最初の試みになります。結果を御覧じろう。
ベルリンでは先週後半から一般公開が始まったのでのファンタからははずされたシン・シティー。大きな映画館からはあっという間にはずされるとの噂が入ったのでファンタ開始前でしたが大急ぎで見て来ました。ファンタ開催中は長い記事を書いている余裕はないと思いますが、いずれきちんと書きます。見る価値あります。18歳以下の人、ダメです。成人映画(笑)。
他の都市では始まりました。ファンタ・ファンの評価を下のタイトルのリストに書いておきます。
ファンタのファンはなかなかうるさく、わざわざファンタの編集部に意見を送って来る人たちはハードコア。ですから6割という評価なら見ても大丈夫、7割を超えたらおもしろそうだと考えて良いでしょう。ただし、ハードコアのファンは好き嫌いに癖があり、選り好みが激しいです。
ベルリンのスケジュールが発表になりました。ベルリンからは特別上映のシン・シティーが消えました。一般公開のスケジュールがファンタのオープニングより早いとこういう事になる場合があるので、それかも知れません。シン・シティーの予告はかなり前から出まわっています。
さて、発表の翌日にスケジュール変更が出ています。変更はあるぞと最初から言われていますし、ファンタが始まってからもフィルムの到着が遅れたりして番狂わせが起こったりするので慣れていますが、見たいと思っていた作品の再上映が消え、ゴジラが危うくなっています。他の都市のスケジュールですと2本のうち片方を選ぶのは比較的楽なのですが、ベルリンは今年も難航しそう。日本からの作品でも見逃したくないものが並んでいるのです。ファンタは楽しいお祭りのはずが、苦しいお祭りになりそう・・・。
発表が1週間ほど遅れたので、こちらも遅れましたが、今年参加予定の作品が発表になりました。一般公開のスケジュールとの関係から都市によって参加作品に多少の差が出ることがあり、またフィルム輸送の関係から1つ2つ番狂わせが出ることがあるので、若干変更が出るかも知れませんが、大体の様子はこのリストでつかめると思います。
近年日本は韓国や香港に押され気味でしたが、今年は日本も力作がずらっと肩を並べています。普段見ないようなジャンルでも良さそうな作品が並んでいるので、今年は日本の作品を選択する時に同時上映に良い作品が並ばないことを祈るばかりです。しかし去年のようにまた選択に苦労するんだろうなあと思います。どうしても劇場で見るべき作品と、DVD でもいい作品の区別がつけばいいのですが。
今年の特徴はレトロが無くなったこと。そのため最新の作品が多く見られます。
量が多いので、今日から少しずつ載せ、随時更新して行きます。
オードブル(2005年4月)
今年は見られませんでした。ここではタイトルだけご紹介。詳細はこちら。
参加予定作品
オープニング
スケジュールの関係で見逃さずに済むので、見ます。
後記: 失望。私の趣味のタイプの作品でなかったという点が大きいですが、せっかくの1人でも主演を張れる俳優を上手に使い切れていません。2人ともかなりできる人達。出番は2人とも同じぐらい長く、台詞もたくさんあります。しかしこの2人をこういうコメディーに起用するというアイディアになじめませんでした。俳優の使い方はシン・シティーの方が見事です。
注目の作品
後記: スケジュールの関係で外れ。友達の話では長過ぎるということでした。
特別上映
大監督、大スター総出。ドイツ公開はもう決まっていて、予告編は映画館で上映しています。
後記: 一般公開が始まりましたが、間もなく大きなホールに他の作品が入るからどけられてしまうと噂が入り、大急ぎで映画館に飛んで行きました。凝った作品で、出演しているのは有名なスター。スターを無駄な使い方にせず、役にはまっている人、これでこそ彼だという演技の人、こんな側面もあったのかという人、こういう面を見せてもらいたいと思っていたらそうなったという人など続出です。漫画の映画化の中で漫画らしさを全編にとどめている珍しい作品です。必見。他の都市のファンタの人はこれをノーカットで見られたんだ、くやしい!(ただこれ全部をアメリカ式の英語でやられたら私に理解できたかはちょっと怪しい。筋はやや複雑です。)監督が御用監督でなく主体性を発揮した作品。
ベルリンのスケジュールからは削除になりました。Grrrrrr...
アジア特集
後記 1: スケジュール変更が相次ぎ、私は見るのを延期。フィナーレの後に再上映が決まっています。本来のスケジュールの日は超満員。
後記 2: 良い(8割、9割のレベル)、だめ(2割程度)と極端な評価になる作品。なるほど、意見が分かれるの当たり前だと納得の行く作品。私の結論は「多けりゃいいってものじゃない」です。上映中何度も板倉君のパロディーが恋しくなりました。
後記: the EYE[アイ]と違い現実の話としてあるので乗りやすかったです。全体にきれいにまとめ過ぎた感がありますが、そういうスタイルと思って見れば、一貫性があり一般にも受けそうです。消去法を使うと犯人がすぐ分かってしまうので、推理が好きな人にはちょっと間が抜けた感じがします。
後記: 私も仲間も元からこの作品ははずす予定でした。今年は私もアニメを見ており、アニメだからだめという理由ではないのですけれど、理由不明のまま全員はずしました。
後記: 残酷物語が同じ日に重なったのでパス。最後に驚きのシーン(展開)があると聞いていたのですが、見た仲間はそんな物は無かったと言っていました。
後記: 多分ドイツでもビデオ、DVD が発売されるでしょうし、前作と同じくカルト的なステータスを得て、長く人に好まれる作品になると思います。私は大スクリーンで見られ大感激。スケジュールの関係で日本の映画は最後まで揺れ続け、見られるかどうかは五分五分でした。
ストーリーの中心が予告からの予想をはずし、事件解決の方だったのは意外でした。しかし SF であり、かつ犯罪捜査物で、ファンタに登場するのが当然という作品。他の人にも薦めたいです。アニメ・ファンでなくても事件捜査というだけでもおもしろく、その他にも色々考えるテーマが盛り込んであります。それでいて押しつけがましくないところに好感を持ちました。個人的ファンタ・ベスト5を作るとしたら入れます。
後記: レトロ・スタイルの作品とは知りませんでした。ゴジラは好きな人と嫌いな人にはっきり別れる作品ですが、会場で1番大きなホールを満員にするぐらいの動員力があります。来ていた人はやんやの喝采。私も楽しく見ました。
この作品 Hellevator で調べると全く資料が出て来ません。監督、出演者の名前で調べるとグシャノビンヅメが上がってくるので、多分これだろうと思います。タイトルなどを見ると夢野久作を想像してしまいますが、どんな作品かは不明。
後記: 他の都市に届いたフィルムの質が壊滅的だったそうで、ベルリンでは上映中止。ポスターが夢野久作を思わせるムードだったので見てみたかった。残念!
後記: 見に来た人は僅か。大きい方のホールですが場内はガラガラ。インド映画というもの自体の評判がまだドイツでは上がっていないことと、フェスティバル中1番長い6コマの日の最初の回なので、休憩をした人が多かったことが原因でしょう。
見に来た人はどうやらインド映画ファンらしく、私が最初の10分(内容にほとんど関係の無い歌とダンスショー、踊るのは特別出演の大スター2人↑)が終わったところで拍手をしたら、その辺に座っているドイツ人の女性なども同じように大拍手。インド映画が好きな人には Kaal の音楽部分が少な過ぎて物足りないぐらいです。本題の方は「出来が悪い」とけちょんけちょんの評がネットで目につきますが、見た人はそれほど怒っていませんでした。私も。インド版ファイナル・デスティネーションで、舞台を国立自然公園のような場所にし、幽霊は自然を保護しようとしないツーリストに怒りの牙をむきます。
後記: 日本の中では失望した作品。
後記: この日アジアの残酷物が2作並び、両方を見る元気が無かったのでこちらを選択。ドイツ人からは分かり難かったという感想が出ています。日本のアパートの生活や学校の様子などが伝わっていないと「なぜここでこうなるの?」という疑問が起きるかも知れません。私は主人公の行動に集中できたので、佳作という結論になりました。
後記: 香港の町が見たい人に向きます。登場人物に色々な人間関係があり、そこへ運命のいたずらが起こり、とんでもない事態になってしまう物語です。インファナル・アフェアと比べると小粒に見えるかも知れません。あちらはスケールからして別格。それ以外の作品と比べるとなかなかの出来。手は抜いていません。主人公のキャラクターを大切に描き、その周辺の人たちの背景もなおざりにしていないので、たかがやくざの出入り、抗争とは言っても、退屈せず観客もストーリーにさっと入って行けます。
後記: アジアの作品がいくつか重なる日で、パス。最近時々韓国の作品を上映する映画館で見られるかも知れないという僅かな望みがあります。
これもスケジュールの関係で見逃さずに済むので、見ます。
後記: ファンタには1度妊婦が何度も登場する年があったのですが、今年は写真を撮る人が何回か登場します。最初が Shutter です。幽霊話。主人公の写真家が撮った写真に変な光が当たり使い物にならなくなります。幽霊は成仏できない事情があるらしく、葬儀を出してもまだ出て来ます。終わりに近づくまでまだ片がついていないという感覚が残り、案の定。最後までちゃんと見ましょう。
呪怨やリングをパクリまくった作品。しかし上映中驚きっぱなし、恐がりっぱなしで、先が見えていても、まだ何かあるぞと分かっていても、恐いのです。で、結局最後まで付き合っちゃう。そこまで持たせたのは監督の実力です。
後記: 韓国製の映画ではこれまで良いのを見過ぎたためか、Some はちょっと弱く思えました。人に薦めることのできる要素はちゃんと入っていますから、見て損をすることはありません。近年の韓国のように次々佳作を出していると、中には多少弱い作品が混ざるのも仕方ありませんし、この先凄いネタで凄い作品を作るのを自ら難しくしてしまうほどおもしろい作品が続いていますからね。
刑事が事件を追うという路線と、一般市民で妙に記憶に混乱がある女性という路線が重なる事件です。警察内部に手引きをした人がいる可能性のある麻薬紛失事件と、放送局のアナウンサーがやくざに命を狙われるという事件が並行して起こります。アナウンサーと刑事が出会うために事件が分かりやすくなるという趣向。
外国人には Vinnie Jones ぐらいしか分からないだろうけれど、凄いスターが並んでいますね。
後記: いやあ、おもしろかった。こんなにスターをぞろぞろ並べてちゃんと料理できる監督は偉い。必見。しかし日本の人はもう見たんでしょうね。
フランス特集
私はルパン三世のファンなのですが、これはそのおじいちゃん。その他にもルパン家の親類縁者がぞろぞろ登場します。
強敵の They come back と重なるので困っているところですが、ルパンは他の都市ではどんどん評価が上がり They come back は下がって来ています。どうしうかなあ・・・。
後記: 最初競合する別な作品を見ようかと思ったのですが、近いようで遠い隣国。フランスの作品というのは意外と見られない時があるのです。で、子供の頃から抱いていたルパンのイメージを胸にホールへ。小学校の時に読んだルパンと全然違い、大人向きに作ってあります。衣装、セットなどを堪能できるような作り。宝が隠されている隠れ家はちょっと自分の持っていたイメージと似ていました。お父ちゃんルパンがどことなくルパン三世に似ていると思ったのは私1人か。
マテュー・カリエーはドイツ映画にも出る人でかなり有名です。
後記: マルソーがあまり好きでなく、ファッショナブルなだけなどという噂も入っていたので見ない予定にしていました。ところがコンビを組んだ作品もだめそうで、こちらに。ところが全然悪くなかったのです。マルソーは極端な演技をせず、自分を見せるだけ(この作品では正しい判断)。そこへ巻き込まれ型でイヴァン・アッタルが飛び込み、本当の主人公のアンソニー・ジンマーはアルセーヌ・ルパンのごとく姿を現わさず、捜査に当たっている税関吏は堅物そうな演技。ムードで持たせる作品です。マルソーの顔がだんだんモナコの王女と顔と似て来たなあというのが感想。黒い髪で似たタイプの人です。
ジョニー・デップのカミサンです。見たいような気もするけれど、フランスの趣味ってちょっと違うからなあ。
後記: ジョニー・デップのカミサン見たさで見ただけで、ストーリーとか質はどうでも良かったというか、さほどおもしろくないだろうと思っていました。期待は見事はずれ、ハチャメチャな設定、信じられないような話の展開に大笑いしながら楽しみました。
フランス映画は発表されたタイトルで何も資料が見付からないことが多く、苦労します。これも Trouble というタイトルがあり、ようやくそれで検索して様子が分かりました。
後記: スペクタクル無しの地味な作品ですが、撮影はきれい、筋は複雑、解決は見通せない、俳優はうまいと誉め言葉続出。これぞフランス語圏というタイプのスリラー。ミステリー・クラブに向いています。
ジャン・レノーが出る上、クリムゾン・リバー風だというので期待をしてしまうのですが、難解でさっぱりわけの分からん映画だと怒っている人もいます。
後記: クリムゾン・リバーとは全然違った話でしたが、おもしろかったです。見る前にちょっとトルコの秘密結社の話を調べておくともっとおもしろく感じたかも知れません。うまくできた活劇ですが、クリムゾン・リバーよりやや大人向き。
このカッセルはドーベルマンのカッセルのお父ちゃん。
ルパンと重なるので悩んでいるところです。
真夜中の狂気
ブロック・バスター、大スターなどはほとんど出て来ませんが、ファンタの顔とも言える、ファンタ本来のコーナーです。B級と言われようが、お粗末と言われようが、スプレッターと言われようが頑張る映画人の根性のコーナーです。
後記: 大スプレッター映画で、監督の手本はイレイザーヘッドとピーター・ジャクソン。技術の進歩で画面は鮮明、色とりどり。宇宙船のシーンはローランド・エマリッヒのスターゲートを思わせる鮮明さ。筋はスプラッターという名に恥じずハチャメチャ。冗談ははっきりとしていてきつい。大笑いしたい人は是非見て下さい。
ジェフリー・ルイスはジュリエット・ルイスのお父ちゃん。
後記: 見た人はあまりぱっとしないと言っていました。人を殺すのにこういう手段というのはセブンで1度見たことがあります。
後記: おもしろそうだったのですが、疲労困憊で内容をきちんと理解することができませんでした。画面、色彩、ユーモアの表現の仕方などは良さそうに見えました。
後に大ブレークするサイモン・ペグ、ピーター・オトゥールの娘の顔が見られます。
The Texas Chain Saw Massacre を2本撮った監督。2003年の Toolbox Murders に続き、今年は特に新作をファンタ開催に合わせて持ち込んでくれるそうです。ちゃんと静かに死なない幽霊が、まだちゃんと生きている母子家庭を相手に遊びたくなったものだから災難・・・という話。
ファンタにミュージカルというのは前代未聞です。
後記: 本来見られないはずだったのですが、番狂わせがあり1つが欠け、その補充が入ったため、連鎖反応を起こし、急遽見られることになりました。当時ジャンルの一角を担った監督も来ていました。作品のまとまりは良く、さすがホラーのベテランと思わせます。しかしブラック・ユーモアと言うより意地の悪さが目立ち、見終わって、スクリームやスケアリー・ムービーのような楽しみ方も、ハロウィーンのような楽しみ方もできませんでした。
アマンダ・プラマーはクリストファー・プラマーの娘。壮絶な演技を見せる時もあります。
公式プログラム
Ali G Indahouse の監督に曲者の役者が揃っているので、どういう話になるかが楽しみです。
後記: 役をもらった人たちが楽しみながら演じている作品。舞台がアラスカというのも普段と違った雰囲気でよくマッチしています。ストーリー運びもそうしょっちゅうある話ではなく、筋がどちらの方向を向いて進むかほとんど予想できません。カメラも良く、ファンタ的なファンでない人にも楽しめます。日本では吹き替えがないのでウィリアムズのオリジナルの話し方が聞けますね。感じのいいしゃべり方をする人です。
後記: 文字通りこの日から混乱が始まりました。別な作品を見るつもりだったのですが、なぜか変更。この時間に割り当てられていた両作品ともあまりぱっとしなかったようですが、私の見た方は混乱する話。見ている私も混乱。主演の俳優はキャラクターの変化を表現していますが、話全体は他の作品に比べ精彩を欠きます。この日までの作品では1番弱いと思っていました。その後もう1つぱっとしないのが出て来て追い抜かれています。
Wishmaster 2 の監督。
後記: ストーリーの展開のおもしろさと、社会批判が半々。リアリズム系。ドキュメンタリーとまでは言いませんが、関係者の属する社会が良く描かれていて、その中で主人公の心理的な葛藤、対立する利害の人たちの作戦などが手を抜かず描かれています。複雑さを残して終わります。地味ですが、見終わって色々考えさせられる作品です。役者もうまいです。
後記: パンフレットに書いてない意外な展開があったそうです。
後記: それまでぱっとしないと思っていた作品を抜いて、映画祭半ばまでの中では1番だめな作品。登場人物の意味のない行動が目についたり、こんな危険な状況でこんなバカな事をするのかという感想が飛び出し、一体何のためにストーリーが進行しているのかという点に疑いを抱き始めるともうだめです。
後記: 度重なるスケジュールの変更発表で、見られるかどうか分かり難かった作品。
私は見損なったのですが、惜しがる必要は無いと言われました。63 000 の市民が殺されたという話はこの作品の背景に使われているだけで、実話物ではないそうです。
ベテランも顔を出しています。
後記: 地味な作りで、前半は特に退屈する人が出るかも知れません。そういう風なスタイルで普段何も起きない、まともなレクリエーションもほとんど無い土地に住んでいる住民の様子を描いているので、ここは諦めて受け入れましょう。途中から殺人事件も含め妙な事が起き始め、主人公も変だなあと思い始めます。そして最後の3分の1からショーダウンでアッと驚く為五郎(古いねえ・・・為五郎なんて)。見終わって考えてみると、最初からきっちり計算して退屈なスタイルを採用してあり、観客は見事にしてやられます。
単純な作りなのにめちゃめちゃおもしろかったドッグ・ソルジャーの監督。
マルコム・マクドウェルの演技が凄いという評判です。色々違った顔を見せてくれる俳優ですが、Evilenko では凶悪犯です。多分 Evil に引っ掛けて Andrej Romanovic Evilenko という名前にしたのでしょうが、本当の人物は Andrej Chikatilo といいます。少なくとも50人を殺したそうで、大半が女性か子供。マルコム・マクドウェルがやると聞いただけで寒気がして来ます。
後記: マクドウェルは確かに凄い演技を見せています。しかし1人だけ浮かないように他の人もがんばっていて、最悪の凶悪犯舞台の中心に1人きりにしないような演出になっています。恐さは死亡写真のように殺したり死んでいったりするシーンではなく、マクドウェルが演じている主人公が日常生活の所々で見せるチラッとした目つきなどから出て来ます。
後記: イタリアはこの手のストーリーが好きで時々映画化されるようですが、アルジェント的な出来で、失望というか、期待が低かったです。Occhi di cristallo はそれに比べ高級な感じがします。やや長過ぎる印象ですが、実際の上映は他の作品と比べてごく普通の長さ。95分程度にもできたかも知れません。しかし次々事件が起き、前半から犯人の予想がつくなどというペケは無く、演じている俳優は皆マジなので、「ばかばかしい、子供だましだ」という感想にはなりません。
ご存知リー・エヴァンスの登場。・・・なんて言ってもご存知ない方の方が多いかも知れませんが、おもしろい俳優です。
後記: いや、びっくりしたのなんのって。監督のデビュー作だなどとはとても信じられません。脚本も監督の手によります。リー・エヴァンスはコメディアンだと思っていたのですが、とんでもない。性格俳優です。扱っているのは一般市民の人権問題。冤罪で無罪が証明されず、「有罪に持ち込めなかった」という形で釈放になると、その人物の人生はどこまで破壊されるかというのが1つのテーマ。面子を守るために人はどこまでやるかというのが2つ目のテーマ。そういう環境の中で真犯人探し。普通の個人が自分を守るためにどこまでやらなければならないのか、その不条理を端的に表現しています。気合の入り方では今年のベストではないかと思います。
人権について世界に多くの影響を与えている英国、お膝元でこういう目に遭った人がテーマの作品が作られるのは興味深いです。
Mutant Aliens、Eat、Parking でファンタ・ファンには知られているアニメ監督。日本のアニメとは全く違った雰囲気、デザインで楽しめます。同じアニメとは言っても色々ジャンルがあるなあと思わせてくれる作品を作る人です。
David Carradine、Keith Carradine が声で出演。
シークレット・ウインドウのように始まりますが、その後は書けなくなった作家が住み始めた田舎の家の秘密を探るという風に展開します。ドイツの作品、どこまで頑張るか。
後記: 主人公が犯人かも知れないという疑いは持たなくていいのでシークレット・ウインドウとは違った進行。リングがヒットしてしまったため監督は煽りを食ったそうです。リングと似た展開もあります。(タイミング悪く)真似に見える点、筋運びの手際が悪い点など欠点が目につきますが、プロットだけはいいです。そのあっと驚く為五郎をもう少し上手に出せたらいい作品になったかと思います。まだ若い監督なので、いくつか作ったら手際が良くなるかも知れません。
かつて千葉真一が「日本にもアクション俳優を」とあこがれ学校まで作ってしまいましたが、ドイツには「ドイツにもマーシャル・アーツを」とあこがれ、少なくとも短編映画を作ってしまった人たちがいます。今年は長編が登場。どんなものか。バレーのようなスタントが見られるそうです。
この作品のスターは何と言ってもダニー・トレホ。ざっと見ただけでもこのような作品に顔を出しています(後記: 2011年までにテレビも入れて221本)。The Devil's Rejects (今年のファンタ2本目の出演), Once Upon a Time in Mexico, Spy Kids 1/2/3,
The Big Empty, xXx, From Dusk Till Dawn 1/2/3, Con Air, Le Jaguar, Heat, The Replacement Killers, Desperado 1/2。
1度見たら絶対に忘れられない恐い顔のおっさんです。本職はドラッグ中毒になった青少年の更生。こんな人に「麻薬は止めろ」と言われたら恐くてみんな止めてしまうでしょうね。ロバート・ロドリゲスの従兄。
ファンタにはもう1つ Feed も出しています。ドイツ人には Siegfried & Roy: The Magic Box の方が重要でしょうが。
後記: 「心臓の弱い人には向かない」などと言われていたので、メキシコ製の残酷物語かと思ったら予想を覆し、まず何よりもコメディー路線が強調されていました。確かに残酷な暴力シーンはありますが、「笑い」が前提になっているので、マジに恐くはなりません。考えられないような事が次々起きて、観客は最初の笑いから回復し、次の笑いに備える時間が必要。
PC から哲学に向かうミステリー。7000ドルという超低予算でサンダンスの賞をかっさらった前代未聞の作品。家内工業。経費節約のためか。
後記: 疲労の極に達していたため、内容をしっかり把握することができませんでした。スタイルはこれが7000ドルで作った映画かと思うぐらい統一が取れていて、お金をたくさん使った映画と比べて見劣りはしません。物語は結構複雑で肥疲労の極でなくても私のオツムで分かったかは不明。もし DVD が店に来たらもう1度見てみたいです。
ファンタに出た Old Men in New Cares のリメイク。リメイクしたのがアメリカでないところが珍しい。
後記: オリジナルとリメイクの両方を見た人からは失望の声が聞かれました。
処刑ドット・コム (恐い)の監督。
後記: 途中で暫くマジで受け取れないシーンもいくつかあります。始めと終わりの3分の1は結構行けます。カメラとセットはすばらしい。間の部分と言うか、あり得ないシテュエーションをもう少し何とかすれば評かがずっと高くなりそう。
トム・クルーズの従弟、ホーム・アローンのケビンの弟などスターの身内登場。
後記: 毎年実話犯罪物というコーナーがあるのですが、必ず1つは見るようにしています。たいていはB級的な安っぽさが漂うのですが、今年は力作。ゾーディアックで力を入れていたのは、60年代後半という時代を画面で表現すること。大成功しています。その上俳優が良くて、佳作に仕上がっています。このジャンルは大ヒットということがまずないので、作った人が気の毒です。仲間はこの回皆引き上げてしまったのですが、私はパスしないで良かったと思います。
短編特集
最近短編は弱くなっているので今年は見ない予定にしている人が私も含めて結構いました。ところが入ってスケジュールの変更が相次ぎ、半ば強制的に見なければならなくなる作品が数本出ました。その1つが短編特集。
作品としてまとまった物ばかりの年で、以前のように素人的で勢いのある作品はありません。完全にプロと言える技術を持ったものだけです。スティーヴン・キングなども登場します。以前に見た短編と似たようなモチーフでプロっぽい出来のもの、もう短編集にはおなじみの作者のアニメなどもあります。そういうわけで見ていて、どうしようもないレベルとか、未完成な印象を受けるものはゼロ。
個人的におもしろかったと思うのはスイスの方言の強い Bats in the Belly。
2004年のベルリン映画祭にも参加。
イングリット・テュリンと同じ苗字ですが、身内かどうかは不明。テュリンというのは珍しい名前ではないようです。
出演者の選択が良く、主人公は役にぴったり。救急車に乗り込む救急隊員として働き、出動すると怪我人を外科の緊急病棟に運び込みます。こういう商売は吸血鬼にはぴったり。新鮮な血が患者から直接手に入り、足りない時には輸血の血液を1袋家に持って帰ることもできますものね。
これまでにもファンタに登場 (Parking, Mutant Aliens, Eat)、今年は長編 (Hair High) も来ている Bill Plympton の作品。日本人が作るのとは違うタイプのアニメですが、絵は見ていて楽しいです。筋はたいていユーモラスです。
バミューダ・トライアングルに来たアマチュア科学者の話。
フィナーレ
後記: 監督がヴィンターベルクだというのは別に問題は無いのですが、脚本が珍しく本人でなく、ラース・フォン・トリアだというところにトリック、トラブルの種が隠れています。フォン・トリアは人を驚かすのが趣味で、手段は選びません。Dear Wendy ははっきりアメリカ批判を打ち出しています。テーマに選ばれたのは銃の所持。欧州でも銃は所持できますが、アメリカほど「ちょっと軽い気持ちで」というわけには行きません。銃はもってのほか、持っているのは警官かやくざという国日本から来た私は見ていて、だんだん胸糞が悪くなって来ました。だって、ショーダウンの方向がどんどん見えて来るんだもの。人に胸糞悪い気分を与えて「こういう事は止めよう」と持って行く教育映画のつもりなのかも知れませんが、望み通りの効果が得られるかに私は疑問を抱いてしまいます。しかし火器にこれほど嫌悪感を抱く国民を育てることに成功する政府というのがあるというのは Dear Wendy に対する日本の答かも知れません。
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