第十二番 岩間山 正法寺(岩間寺)

みなかみはいずくなるらん岩間寺
岸うつ波は松風の音

本堂
仁王像
桂の古木
落ち葉の絨毯
奥宮神社

 今日の参拝は三井寺から石山寺、岩間寺の順番で逆打ちでの参拝となった。石山寺を出るときに地図を見ると少し南に下ったところで西へと向かえばよいので、石山寺から南下していると、かすかに岩間寺と書かれた朽ちかけた道路標識が目に入った。その看板では右に曲がることを示しているようだが、○○m先の文字のところが腐食してしまい読みとれない。まぁ、曲がるところには、また看板があるだろうと進むが看板が見あたらない。行き過ぎていることは明らかなので再び戻りその看板から適当に推測して曲がった道が正しい道とは一本違いでT字路に突き当たってしまう。ここでようやく地図を取り出して確認をして正しい道が分かり無事岩間寺に到着。感だけで走るのは難しいですね。今日はここ岩間寺で参拝を終了して帰宅するので、瀬田西ICから名神高速にのるために京滋バイパス石山寺IC付近を走っていると大きく立派な岩間寺への道を示す道路標識があった。醍醐寺から順打ちで来るとこの看板に従って迷うことなく着けたんでしょうね。
 さて、内容はお寺のことに移ります。岩間寺は正しくは岩間山正法寺という。しかしこのお寺の事を正法寺と言う人は少ないらしい。岩間寺または岩間さんと呼ぶ人がほとんどだということだ。実際、途中で見かけた道路標識もすべて岩間寺となっていた。このお寺は標高400mにある山寺。昔の参拝は大変だったろうが、今は車道がお寺近くまであるので問題なし。駐車料金は二輪車200円。駐車場にある自販機の缶コーヒーは130円と10円高めの観光地料金。山の上なのでしょうがないか。お寺の話しに戻すといいながらなかなか本題のお寺の話しにならないので、ここで気を引き締め直して本当にお寺の話しに戻します。で、駐車場に単車を停めて緩やかに起伏する参道を進むと道が右に折れる。このお寺には山門が無く、その代わりにこの曲がり角のところに仁王像が道を挟んで立っている。仁王像の間を通り少し歩くと本堂へと到着。ここのご本尊・千手観音には「雷除け観音」、「汗かき観音」の異名がある。まず、雷除け観音について。ここ、岩間寺は山寺だけあってよく落雷に見舞われていた。この寺の開祖・泰澄大師が伽藍を建立しようとするときにその雷に困り果ててしまい、自信の法力で雷を封じ込めて、何故そのようなことをするのかと訪ねたところ、雷は大師の弟子になりたいと申し出た。大師はその申し出を快く受け入れて雷を弟子とし、そのかわりに岩間寺に参詣する人々には雷害を及ぼさないことを約束させたということに由来する。また、当然、山の上の立地ということでこの場所は水の乏しい場所だった。しかし、雷が爪で井戸を掘ったという伝説が残る「雷神爪堀湧泉」と呼ばれる霊泉もある。次に汗かき観音について。この寺のご本尊は、毎夜日没とともに抜け出して地獄を駆けめぐって、苦しむ人々を救って、日の出頃に汗をびっしょりかいて岩間寺に戻ってきたという話しに由来している。他にも「厄除け観音」「ぼけ封じ観音」の異名もある。
 本堂横には芭蕉が「古池や蛙飛びこむ水の音」と読んだとされる小さな池があり、また、本堂の前には銀杏の木がある。銀杏の木の葉は既にほとんど落ちているが、その落ちた葉が綺麗に絨毯のように敷き詰められている。ただし、通路になる部分を除いてだが。通路になる部分は丹念に落ち葉が取り除かれていて、この落ち葉の絨毯が丹念に手入れされている物だと言うことが伺える。
 時間的に余裕があるので本堂からさらに奥へと進んでみることとする。諸堂の前を抜け、大きな桂の木を横目に東海道自然歩道へと入っていく。この道を進んでいけば上醍醐寺へと繋がるが、今回は数百mほど先の奥宮神社まで行ってみることとした。奥宮神社までの道は所々、紅葉が道端にあるところでは、その落ち葉が道一面に敷き詰められ赤や黄色が鮮やかな落ち葉の絨毯になっている。こんな道を単車で走ったら滑りそうでちょっと怖いけど、ゆっくりのんびり走れば気持ちいいだろうなぁと考えながら、ぶらぶら歩いていると奥宮神社の鳥居下の展望台に到着。天気が良ければ琵琶湖が一望できるとのことだったが、私が訪れたのはあいにくの曇り空で遠望は望めなかったのがちょっと残念。

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