二度聴いて、ブッたまげましたヨ。一度目はいつもの通り目を閉じて、二度目は時計の針を眺めながら聴きました。正味30分の間に実に12タイトルもの曲目が演奏されているではないですか。まさにこのジャケットデザインの雰囲気そのままに何ともはや混沌とした感じ。
それはまるで回転テーブルで次から次へと目まぐるしく供される中華料理か、はたまた種類雑多な飲茶の風情。
これはひょっとしたらこのアルバムが発表された1966年の雰囲気なのでしょうか、ふと年表を確かめますと、2年前には東京オリンピックが開催、新幹線開通、この年週刊プレイボーイやら話の特集が創刊、戦後最大の全集ブームとありますから何やらんこれもまた目まぐるしい飲茶的混沌とした状況ではありますまいか。
今回は珍しくビッグバンドを加えての演奏で、流れるように移りゆくそのサウンドを聴いていますと、ファンキーというよりはマンボの味わいで、思わず所々で「ウー、アッ!」の合いの手を入れたくなってきますし、まこと「スロー、スロー、クィッククィックスロー」の踊りのステップが蘇り、あの昔懐かしいダンスホールの熱気と喧騒とが今しも目の当たりに浮かんでくるようですヨ。
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