紛れもない初期の名盤です。
クルセイダーズの面々の持ち味があますところなく披露されていますヨ。
春のそよ風を顔に受け、たなびく黒髪。思いっきり息を吸うと、まだ心持ち冷たい空気が実にウマイ。
そんな味わいを覚える「Song Of India」、風にそよぐ桜吹雪のようにトロンボーンがヒラヒラとうねりを描きます。
「Big Hunk Of Funk」は、もうご存知のハードボイルドタッチのファンク。
そしてスタンダードナンバーの「Tonight」にいたっては、思いっきりハッピーな気分にしてくれる久々の「胸キュン」ものですヨ。これはクルセイダーズ風「男たちの挽歌」だナンテ勝手に思い込みながら酔いしれています。
「Tortoise And The Hare」は曲名さながらにトロンボーンとサックスの駆けっこからはじまり、おそらくゴールは恋人でしょうかネ、見事なまでに恋心を燃え上がらせてくれます。2管の競合が愛のエクスタシーへと聴く者を導いてくれることでしょう。
「In A Dream」はWAYNE HENDERSONのまったりバラッド調ではじまる夢語り、WILTON FELDERのサックスがむせび泣き、ハートに染み入るまでに歌い上げます。
「Sinnin' Sam」はいかにも郷愁をそそるクルセイダーズ仕立ての応援歌。男気を鼓舞し、囃したてるのはSTIX HOOPERの打楽器。
マァどの曲も粒よりの佳作、聴くほどにクセになるサウンドで、まさにJAZZ FUNK界のトンコツスープ味、コクがあり、まろやかでもあり、時間をかけて闘魂から出汁をとってあるだけにスープを啜るとたちまちエネルギーに満ち溢れること必須です。これぞクルセイダーズの力。
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