とびっきりファンキーな感じで始まる「Aleluia」。うなりを上げるウイルトン・フェルダーのサックス、ときめきを覚えるスティックス・フーパーのドラム、いつもの軽やかなキータッチのジョー・サンプル。
ファンキースピリッツが二の腕に浮き出た静脈から注入され、血液の流れとともに全身を駆け巡ります。
「You Don't Know What Love Is」を聴いていると、ここはどうしても力強く太筆で愛と書いてみたくなるくらい男気をひしひしと感じるラブバラッドで、例えば、あの股旅物の傑作東映映画「関の弥太っぺ」を彷彿とさせるほどにハートにグッと来るものがありますヨ。侠気とでもいいましょうか、ウーン僕はこういうバラッドにからきし弱い。
そして極めつけは「'Round Midnight」。実にもう艶っぽいですネ。文字通り真夜中に、サックスとトロンボーンの混ぜあったカクテルがジワーと肌に染み入り、ジョーサンプルの流れるようなリリカルピアノサウンドがめくるめく艶麗な夜の空気に包み込んでくれます。あのマイルスの硬質なトランペットの音色が醸し出していたクールなミッドナイトとは、これまた違った匂いたつほどにエロティックな味わい。
今宵、柔と剛ほどよく配合されたカクテルサウンドで、心温まる酔い心地を堪能できること請け合いですヨ。
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