臨場感あふれるライブ・ハウス、プレイヤーの息遣いがひしひしと伝わってきます。そんな中で、今回は何故かジョー・サンプルに焦点を絞って聴きたくなってしまいました。
ジョー・サンプルのサウンドはまるで可憐な少女を思わせるようにリリカル。ミニスカートからしなやかに伸びた素足。実にスレンダーな肢体。思わせぶりにしなをつくって鍵盤の上を爪先立って弾むように歩くサウンド・ロリータ。
それに魅せられたようにむずむずと動き出すトロンボーンとサックス。サァ、これからですよ、実にスリングなセッション、音の交歓、３Ｐが始まります。
「Cathy's Dilemma」なんて「痴人の愛」そのもの。ナオミことジョーサンプルが挑発すること、挑発すること。それにつられるようにトロンボーンが尻を追っかけまわし、次にサックスも乗ってきます。 ヒートアップする三角関係をスティックス・フーパーのシンバル視線は最初こそ冷静を保っていたものの、SIDE TWOへ移行していくともうスペルマの雄叫びへと激しさを増していき、まさにファンクサスペンスタッチ。
マァそのエロティックなこと、ジョー・サンプルのしなやかなロリータ・サウンドをWAYN HENDERSONとWILTON FERUDERとが、われ先にと上から下から「同時多発攻撃」します。２管編成はさながら２本の躍動するペニスそのもののようで、卑猥感さえ漂い、だから「Scandalizing」とは言い得て妙。
「Appointment In Chana」のラスト直前のピアノの音のさえずりなんて、まるで放出されたスペルマを舐め尽くさんばかりにちょいとのぞかせた舌先の動きのようでございましたヨ。