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Profilage /
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Profiling

Eric Summer

(その他の監督: Marwen Abdallah, Franck Allera, Simon Astier, Julius Berg, Chris Briant, Jean-Christophe Delpias, Julien Despaux, Vincent Jamain, Pascal Lahmani, Christophe Lamotte, Alexandre Laurent, Karim Ouaret)

F 2009- @52 Min. TV

レギュラー出演者

Odile Vuillemin
(Chloé Saint-Laurent - 心理学教授、捜査協力者)

Guillaume Cramoisan
(Matthieu Pérac - 殺人課捜査班主任、クロエと反りが合わない)

Jean-Michel Martial
(Grégoire Lamarck - 捜査班の責任者、クロエをリクルートし、捜査に協力させる)

Vanessa Valence
(Frédérique Kancel - 捜査班の一員、クロエに対し不信感を持つ)

Raphael Ferret
(Hippolyte de Courtène - 捜査班のコンピューター要員)

Guillaume de Tonquédec
(Le Doc (ドクター) - 法医学者)

たまに出る出演者

Laurence Cormerais
(Delphine - マシューの妻)

第2シーズン第3話の出演者

Baptiste Mayeux
(Raphaël Mirmont - 芸術の学生、撲殺死)

Ophelia Kolb
(Noémie Bertrand - ラファエルの婚約者)

Isabelle Renauld
(Carole Bertrand)

Rufus
(Jacques Mirmont)

Nicolas Vaude
(Antoine Grange)

Clément Moreau
(Guillaume Bertrand)

Brigitte Froment (Rocca)

Marie Sophie L. (Françoise Ribeyre)

Stéphane Jobert (Bruno)

David Martins (Erwan)

Claire Sermonne (Sabrina)

見ている時期:2015年1月〜

★ インターネット無料放映のテレビ・ドラマ

Profilage は日本では公開されていないようです。

最近はドイツでも欧米のテレビ・ドラマが限定期間中無料で見られるようになり、CSIハウス・オブ・カード 野望の階段PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニットなどを部分的に見る事ができます。CSI は例外的にかなりの数をいつも見る事ができますが、他のシリーズは、1、2シーズンをインターネットで流し、「残りはペイ TV でお金を払うか、DVD を借りてください」となることが多いです。

日本でも最近はそういう事ができるようですが、英語圏のシリーズが中心で、それ以外の言語の作品はあまり出ないようですね。ドイツも英語中心ですが、フランス語もあります。時々それ以外の作品も放映されているようですが、数は圧倒的に英語圏が多いです。

英語圏のシリーズはそちらでも見られるでしょうから、今日はフランスのシリーズをご紹介します。テレビではテレビ・ドラマも劇映画もドイツ語に吹き替えられています。

★ プロファイラー

ハンニバル・シリーズの原作を小説で読んだことがあるでしょうか(このリンクはハンニバル・ライジングへ)。主人公は人食いハンニバルと彼を追いかける刑事グレアム。グレアムはプロファイリングという仕事のストレスで疲労困憊、ノイローゼ気味です。原作者は小説家になる前仕事でプロファイラーに接したことがあったようです。

ハンニバルの作品が世に出た頃はプロファイラーという職業がまだ新しく、時たま映画に取り入れられましたが、描写がチンケで、現実とはかなり違っていたのだと思います。

★ プロファイラーのドラマ化

「百聞は一見に如かず」とよく言われます。実際一目見るだけで10ページ、20ページに渡る文章の描写をすっ飛ばすことができます。ことプロファイラーに関する限り「百視聴は一読に如かず」かも知れません。ハリスのハンニバル・シリーズを読むと、グレアムの大変な仕事が良く伝わって来ますが、テレビや映画でプロファイラーを演じる俳優の演技を見ていると、「止めてくれ」と言いたくなってしまいます。スピーシーズ 種の起源アンフォゲッタブル 完全記憶捜査(TV)ではプロファイラー的な能力のある人物を登場させ、その人物が頭の中で想像しているプロファイルを、演じている俳優に口に出して言わせています

こういうシーンを現実的に、つまりその人物が沈黙して頭の中で状況を想像するという形で描写すると、監督(脚本家)は俳優をその辺に立たせておいて、無言で一生懸命考えているシーンを撮影する事になります。口に出して言わないので、他の登場人物にも視聴者にもプロファイラーが何を考えているのかはさっぱり分からず、沈黙シーンが延々続くという事になります。

予算に余裕があれば、プロファイラーの俳優には沈黙しながら考える演技をさせ、背景に別撮りした想像シーンを流すことができます。そこにプロファイラーのつぶやきという形で、頭で考えている内容を流すことも可能でしょう。しかしそうするとちょっとお金がかかります。

・・・ってなわけで、プロファイラーの俳優にその場で声を出して考えを言わせるという安上がりな解決法を取っています。そこがとてもバカバカしく見え、私は当初 Profilage を見るのを止めようかと思いました。

★ ブルー・カラー

それを思いとどまらせたのは画面に効果的に使われているブルーのせい。かつてのパリはあまり明るいすっきりした町ではなかったのですが、ドイツに来て10年以上経って出かけて行った時にはすっかり明るい近代的な町になっていました。Profilage はそういうパリを描いています。

明るい日差しの中、主人公のクロエは赤毛で青い目。その彼女がビミョーな色の青いコートを着て現われます。レディー・ダイの着るブルーとも、海軍などの制服やセーラー服のブルーとも違い、ややエメラルドっぽい色が混ざっていて、非常にしゃれています。そして1時間見ていると所々に別なブルーが上手に使われていて、衣装係かセット・デザイナーのセンスを尊敬してしまいました。

★ クロエが好きになれなかった

主人公はクロエ・サン・ローランという心理学者。大学教授のようです。パリの警察署、殺人課のチーフが捜査に必要と思い、クロエをリクルート。で、彼女は捜査課が殺人事件にぶつかると現われます。出先で電話をもらい直接現場にやって来ることもあります。

彼女は刑事とも鑑識とも法医学者とも違う視点で事件をとらえ、もっぱら心理学を活用しますが、現場や関係者を見る時の注意力が鋭いです。

ところが彼女はルールに縛られることが嫌い(フランスにはそいう人が多い?)な上に、従いたくても不得手。周囲としょっちゅう問題を起こします。捜査には不似合いな服装に不似合いなバッグを持って現われ、鑑識や刑事を無視してその辺をうろつき回り、必要と感じたらどこにでも鼻を突っ込みます。それが刑事のマシューやフレデリックの癇に障ります。

私は元々フランス人の大人の子供っぽいしぐさが嫌い。フランス人はそういうのが好きらしく、チャーミングと解釈されるようですが、私はドイツ人の直接的なやや朴訥な振る舞いの方が好きです。例えば大昔日本で有名だったフランソワーズ・モレシャンは典型的な例。本人の明るい人柄、勉強家ぶり、おしゃれに対する熱心さはとてもいいと思うのですが、彼女の立ち居振る舞いだけは好きになれませんでした。モレシャンが苦手な人はクロエも苦手ではないかと思います。

そういうクロエがプロファイリングを始めると TPO をきれいに忘れ、その場で想像した事を口に出し始めます。そこがとてもバカバカしく見えます。

仕方ない、演出の稚拙さは忘れようと思いました。数回見ている間はその部分が気に入らず、やっぱり見るのを止めようかと思ったりしました。しかしシーズン1からシーズン2に移る頃、捜査班で一緒に働く主任刑事マシューが彼女の過去を探り始め、その時に見せたクロエの暗い顔が私の考えを変えました。

主演になるような女優ですから演技はそれなりに達者なのでしょう。まだ若い(ように見えるけれど38歳、撮影当時32歳ぐらいの)オディール・ヴュエマンは、それまでのちょっと頭の弱い女の子の顔を止めて、深い闇を見せました。まだなぜ彼女が暗い表情になるのかは明かされていませんが、このシーンが興味を引きました。

★ 少し好きになったクロエ

暗い裏の顔があると分かってからクロエを見直すと、前よりは面白く思えて来ました。彼女のやや大きめのハンドバッグの中にはコーヒーカップ、おもちゃ、携帯など所帯道具が一式入っていました。これだけあれば一夜ぐらい野宿できるのではと思いました。

気にかかるのが靴。気に障るのではありません。かなり高いハイヒールを履いて来るので、時には穴にヒールが引っかかってしまったりします。あんな靴を履いていて、人に襲われたら逃げられないじゃないかと心配になるのです。私は教師の仕事を辞めてから、何を着ていても誰にも咎められないので、女性っぽい服装は止めてしまい、スラックスに運動靴を履いています。1度運動靴に慣れてしまうとあまりにも楽なので止められなくなってしまいますが、防犯上も健康上も運動靴の方がハイヒールよりずっといいです。重い物を背負っても安定するし、地下鉄のドアが閉まりそうになっても突進して乗り込むことができますし、変な奴に追いかけられたらさっさと逃げ出せます。私はクロエみたいにかわいくないけれど、クロエがパリを歩けば、出来心を起こす輩もいるでしょうし、犯罪解決に絡んで狙われたりするかも知れません。

★ 大学教授だった

対立する事の多いマシューはクロエの過去を詮索し始め、彼女に関するデーターが伏せられていることに気づきます。嗅ぎまわりますが何も出て来ません。マシューはいつもクロエにカッカと腹を立てていて、見下しています。

ところが第2シーズンの前半に彼女が大学で講義をしているシーンがあります。非常勤講師か何かだろうと思っていると、郵便物の宛先がサン・ローラン教授となっていて、中には大学に置き忘れた学生の宿題が入っています。

警察では低く見られ、やや軽蔑もされているクロエ。しかし心理学の勉強はちゃんとしており、知識は深いという描写になっています。今後彼女のタイトルが教授だと捜査班に知られ、皆の態度が変わるのでしょうか。そして彼女が口を閉ざしている自分の過去はどこを向いているのでしょうか。公共の場で講義をしているのだから身分を隠しているとは思えませんが、何か謎があり、いずれ明かされるでしょう。

とはいうもののこのシリーズ、2009年に第1シーズンが始まり、フランスでは現在進行形で第6シーズンに入っています。第1シーズンではクロエは半人前扱いで、シーズンの終わりには首になるところ。ところが最後の方で特に献身的に捜査に協力して、自分がふらふらになるまで人を助けようとしたため、それまで彼女に悪意を持っていた捜査班のメンバーも彼女を見直し、第2シーズンからはちゃんとしたメンバーとして受け入れられます。

今後の展開は不明な上、あと何シーズン無料公開されるかも分かりませんが、おもしろい展開があればまた書きます。

ありました。  
第2シーズン 02 第4話   03 第5話   04 第6話   05 第11話  
第3シーズン 06 第1話   07   08 第3話   09 第8話   10 第10話   11 第12話   12  
第4シーズン 13 第3回   14 第7回   15 第6回   16 第8回   17 第10回   18 第12回  
第5シーズン 19 第1回   20 第4回   21 第5回、第6回   22 第7回   23 第10回   24 第11回   25 第12回  
第1シーズン 26 第1回   27 第2回  
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