★　スケラ　-　大立ち回りの後

スケラはちょっとやり過ぎの大芝居の後橋から川に飛び込んで死んだことになります。あの死に方だと、もう1度ぐらい復活するかも知れません。次のシーズンにはリリー、アデル、ルーカス（トマの息子）などはちょくちょく出演します。お騒がせの偽妹ルイーズも1度出て来ます。

★　フレッド　+　イポリット　-　ハッピーエンドの後

ほとんどの映画、テレビではカップルが出来上がり、ハッピーエンドで終わってしまいます。しかし人の生活というのはその後があるのです。そこにも目をやるこの番組は他と少し差がついています。

アパートの鍵をフレディーに渡してプロポーズとし、一緒に暮らし始めたイポリットとフレディー。署内にも2人がカップルだという事は知れ渡りました。

ここに至るまでためらっていたのはイポリットの方でした。独身。帰宅するとアパートで好き放題していた男性。そこに毎日仕事が終わるとやって来る女性がいるというのは、孤独から逃れることができるという意味ではいいですが、独身生活を満喫し、趣味に没頭していた男性に取っては、大きな変化です。イポリットはオタク系。

ドイツでは70年代、80年代に古い大きなアパートを学生数人で借り、家賃を折半する暮らし方が大流行していました。擬似家族的な密な関係のグループもあれば、家賃を安く済ませるだけのすれ違いグループもありました。中にはカップルになったり、その後結婚する人もいましたが、擬似家族的な関係では近過ぎてよく揉め事が起き、すぐ引越しなどという例も多かったです。音楽のバンドのメンバーの揉め事と似ていました。

成人してから赤の他人が一緒に暮らすというのは、なかなかの大仕事で、この人間関係に何を求めているかが良く理解できていないという人がほとんどでした。学生の年齢でそういう経験をした人は、何度か失敗を繰り返していつかウマの合う同居人を見つけるか、人との付き合い方を自分で学ぶかで、折り合いがつけられるようになりますが、ドイツではこの種の共同生活のブームは去り、また当時のような不自然な住宅難も減り、近年は共同生活をする人は減っています。相手の決まったカップルが2人で暮らすというのは今も盛んです。

フランスで同じ頃そういった事が流行っていたのかは分かりません。パリでアパートを借りるのは非常に難しく、家主が貸すと、その借主がまた貸しするってなことになっていて、家賃は恐ろしく高いと聞いています。クロエたちの生活ぶりを見ていると、イポリットは結構広いアパートを1人で借りています。エリートで大金持ちの両親とは喧嘩別れしているので、イポリットは警察の給料だけで暮らしているはずですが。

クロエは半地下ではありますが、1人で暮らすには十分な広さのアパートを1人で借りています。リリーであろうが、恋人であろうが2人目が来るとやや狭そう。しかしこんなアパートもパリでは家賃がかなり高いはずです。ただ、彼女は本職が大学教授なので、お金にはさほど困っていないと思われます。

トマは以前は親子3人で暮らしていたアパートがあり、今は息子と2人暮らし。2人には十分な大きさです。トマは以前は問題ありの警官で、いつ首になってもおかしくない状態だったようですが、グレゴワの部下になってからは精神的にも安定しています。一時期付き合い始めた女性が泊まることもありました。

まあ、皆そうやって暮らしていた中、イポリットとフレディーは急に同居を始めたので、適応するのに多少時間が要ったようです。その時期を終え、第4シーズンの後半になったところで2人の関係は終わってしまいます。

以前「鍵を渡さない、同居させない」とイポリットに対して怒っていたフレディーが、出て行ってしまいます。イポリットは独身貴族の生活から、カップルの生活に慣れたところで「子供が欲しい」と言い出します。ウエディング・ドレスや家庭は自分に似合わないと思っているフレディーは拒否反応。

イポリットは早速新しい恋人を作ります。フレディーは独身の人間2人、恋人関係のまま、家庭を作らずに一生を終えたかったのでしょう。

2人の間は暫くギクシャクしますが、いい友達であることに変わりは無いと確認しあってそれぞれ別な道を歩み始めます。

★　クロエの家族再構築か　-　メンバーは揃う

殺されたお母ちゃんローレンス、気の狂ったお父ちゃんミシェル、思春期だったクロエちゃん。この一家はばらばらに崩れてしまいます。

ところがクロエは以前のエピソードで1度母親を見たような気がします。その時は気のせい、何かの間違いかも知れないと思ったのですが、無言電話を受けたこともありました。

第4シーズン最後にはやはりローレンスが生きていることが分かります。クロエが仕事で向かった先に母親の姿があり、あまりの事にクロエは卒倒してしまいます。最初はクロエの考え過ぎだろうと思っていたトマですが、ローレンスの資料を当たると、どこでも極秘扱いで許可無く調べることができませんでした。現在のクロエはグレゴワの計らいでサン・ローランと名乗っていますが、元々の苗字はフィッシャー。

どうも様子が変だということでクロエは親代わりに自分を育ててくれたグレゴワに食って掛かります。しかしクロエは3日後にリリーの養子縁組の審査を控えているので、変な話で悪い印象を与えない方がいいとグレゴワに諭されます。

当時の事を思い出して見るクロエ。父親は体や手を血だらけにしてその辺をふらついており、クロエは刺されて血だらけになった母親がまだ生きていたのを覚えています。ローレンスは救急車で病院に運ばれている最中の午前5時過ぎに車内で死にます。少なくとも書類上は。

クロエはその日親に内緒で外出し、明け方戻って来て血まみれの母親を発見しています。グレゴワが当時の全ての書類にサインをしており、クロエにそれ以上の事は何も話さなかったので、話はその先へ進みません。

トマはクロエの話に半信半疑ですが、調べるなら当時のグレゴワの側から探るより、先日の母親も来ていた集まりの方から調べた方がいいだろうという意見。トマ、イポリット、フレディーは協力を約束します。

クロエとトマが出かけて行った集まりの招待客の中にローレンスの名前は無く、監視カメラにも映っていません。しかしローレンスは集まりのあった建物の中を勝手知った我が家のように自由に歩いていました。

この方向では行き止まりになったので、次に調べたのは母親の棺。死体はありました。葬儀の時クロエは若過ぎて、棺の中身までは確認していませんでした。DNA 検査では母親と確認されていました。

クロエはまだ納得が行かず、当時家族で住んでいた家に出かけて見ます。大きな家で、まだ家財道具一式は残っています。父親ミシェルが書き残した日記にはミシェルが精神的に不安定になっている事が書かれていました。怒りに駆られて行動するたびに反省しています。自分が狂うのではないかと苦しんでいます。

クロエは前の週の事件で知り合った女性から連絡を受けます。この女性は自宅から外に出られなくなっていた引きこもり症の芸術家で、たった今自宅に放火し、外に出たところ。極端な方法で自分の問題を克服しました。

まだ納得できず何かおかしい、秘密があるのだろうと問い詰めると、グレゴワはついにクロエの母親が生きていることを認め、当時の事情を話そうとしたまさにその時、オートバイに乗った2人組に撃たれ意識不明。ローレンスの DNA 検査の結果をごまかしたのはグレゴワだと告白した直後でした。

とりあえずクロエが見た女性が本当にクロエの母親で、そういう風にごまかさなければ行けない重大な事情があったところまでは確認。グレゴワが凶弾に倒れた後、カヴィンスキーという刑事が事件を担当することになります。しかしカヴィンスキーは事件をお蔵入りにするために送られて来た様子。

クロエはグレゴワがローレンスがこの世から消えることを手伝ったことだけは納得しますが、それ以外は何も分からず非常に興奮しています。クロエはグレゴワ所有の銀行の貸金庫の鍵を持っていて、グレゴワは鍵の共同持ち主としてクロエの名前も入れていました。金庫の中身はカルマンとローレンスの間の恋文。当時カルマンは内務省、クロエの母親は外務省で働いていました。その頃知り合ったようです。

父親が当時の日記に書いていた事は妄想ではなく事実でした。クロエはかつての自宅にこもり当時の手紙や父親の日記の分析にかかります。日記によると、ミシェルはローレンスが自分を捨てることに耐えられず、被害妄想になって行きました。

カルマンは強度のナルシスト的な性格で、支配欲が異常に強いです。カルマンはクロエの母親が自分を去ることが許せず、ローレンスに何度か脅しの手紙を送っています。「去れば殺すぞ」と書き、「次はお前の家族を崩壊させるぞ」、「その次は娘を殺すぞ」ってな具合。どうやらローレンスはカルマンを公式に訴えるつもりだったようです。

最後の手紙から2週間後にローレンスは刺されて血だらけでクロエに発見されます。クロエは手を血だらけにした父親を見てはいますが、刺したのが誰かは見ていませんでした。通報を受けて事件を担当したグレゴワはカルマンの手紙を隠したようです。クロエはこの日自宅に入る直前黒い車を見ていました。そこにカルマンが乗っていたようなのです。

ローレンスは生き延び、グレゴワの手によって死んだように偽装されます。ミシェルは当時心神喪失状態だったので入院が決まります。妻殺しの犯人として。

いよいよ殺人未遂事件が形を成して来たので、ティームは調査を続けます。イポリットはカルマンが1度結婚し、離婚したことを突き止めます。で、元夫人のエヴェリンに会いに行くと、変な感じです。カルマンは彼女から親権を始め色々な権利を奪っているのですが、彼女は夫に理解を示し、庇う様子。クロエがローレンスの写真を見せるとエヴェリンとローレンスが知り合いだったことが分かります。当時夫だったカルマンは妻エヴェリンの前で当時愛人だったローレンスをほめたりしていました。それを当たり前のように受け入れていたエヴェリン。どうやらエヴェリンはカルマンからかなりの洗脳を受けた様子。この話の最中クロエとトマがエヴェリンを助けようとしても、エヴェリンは怒りに駆られて2人を追い出してしまいます。

リリーの養子の審査は翌日に迫っていました。

前日は散々揉めたエヴェリンが人が変わったようにクロエに電話を入れ、誘い出します。クロエはその後行方不明。エヴェリンの家で毒を盛られ、クロエは意識不明に。気がついたらどこかの牢に入れられています。

クロエはリリーの件で役所へ来ることができません。ソーシャルワーカーからトマにクロエが来ていないという連絡が入ります。牢のような所で目覚めたクロエは母親に再会。カルマンも姿を現わします。カルマンは本性を現わし、クロエの目の前で母親を殴り倒します。

カルマンを追い始めたティームですが、カルマンは現在行方不明。休暇を取って雲隠れしています。クロエの命が危ないと思い、事件を公にしようとしたとたんにトマがグレゴワ狙撃犯人として逮捕されてしまいます。指紋のついた証拠などが捏造された様子。 指揮を取っているのはカヴィンスキーらしいです。グレゴワの意識が回復すればすぐ証言できるわけですが、グレゴワはこのまま死ぬかも知れません。

ティームはグレゴワ、トマ、クロエ抜きで調査をしなければなりません。残っているのはイポリット、フレディー、女医。

クロエは牢の中でハンスト中。カルマンはクロエを苦しめにやって来ます。女が自分を去るということがよほど気に障ったのでしょう。カルマンは今では内務省のお偉いさん。なのでカヴィンスキーなど人の手配ができ、秘密を守ることもできます。

イポリットが拘留中のトマに面会に来ます。カヴィンスキーたちが狙撃の真犯人らしいです。トマの提案でイポリットはアデルに会いに行きます。アデルは前の事件でクロエと知り合った芸術家。

クロエの養子縁組は却下。

アデルはイポリットに頼まれ元夫人の家に乗り込みます。国政調査という口実を使い、色々な質問をします。アデルは強気で、ついにクロエと母親の居所をエヴェリンから突き止めます。

クロエはハンストの結果ふらふら。母親はカルマンの家に住んでいるとの事。しかし「逃げたらクロエを殺す」と脅されています。今夜がフィナーレだと言われていますが、何が起きるのかは分かりません。母親も少し洗脳されている様子。

トマは護送中に襲われ、車外へ。助けたのはフレッドとイポリット。3人はアデルが突き止めた住所へ向かいます。

クロエはカルマンが母親を支配する道具にクロエを使っていると考え、自殺を決意します。クロエが死ねばカルマンは母親を脅す材料がなくなります。トマたち3人はカルマンの隠れ家向かいますが、クロエは首を吊ってしまいます。

以上で第4シーズン終了。

★　続きは来年2月

第5シーズンがあるだけではなく、第6シーズンもあり、しかも今年の12月（たった今）にさらにワン・シーズン延期が決まったそうです。なのでクロエはぎりぎりで助かるか、幽霊になって出演するかのどちらかです。

でも、どうおとしまいをつけるんだろう。グレゴワはその後も出演を続けるので恐らく助かるのでしょう。カルマンは第5シーズンの1回目だけに出て来るので、そこでお縄になるのだと思います。

となると、グレゴワは当時不正を働いたことがばれてしまいます。時効になっていることを祈るばかりです。理由は女性の命を守るためなので執行猶予とか不起訴になるかも知れませんし。ローレンスはようやくまともにお天道様を見上げることができるでしょう。ミシェルはどうなるのでしょうか。死んだはずのお富さん、生きていたので殺人罪は取り消しです。措置入院も殺人を犯していればこその判決で、手に血をつけてその辺をふらついているだけなら、入院より、通院して精神分析医の助けを借りながら普通の生活をした方がいいのではと思います。

★　ローレンスが隠れ続けていれば

・・・クロエは事件後片親で、父親は精神病院に入ったまま。しかし命の危険も無く、毎週事件を解決していられたはずです。ローレンスが時々クロエの前に現われたり電話をして来たので、この騒ぎになってしまい、クロエは命を落としかけます。どちらがいいのか、私には分かりません。

これから2ヶ月ほどお休みになります。