★　妹出現

父親が重大犯罪者専用精神病院からクロエに手紙を送って来てもまだ開封して読む勇気が出ないクロエの前に妹だというルイーズが出現。

彼女はクロエの父親が別な女性との間に作った娘で、当時は一家を構えるクロエの家族に対し羨む気持ちを持っていたそうです。しかし今では2人とも犯罪者の娘という立場。それぞれが苦しい思いをした結果の現在があります。

ルイーズは家族を持ち、夫アドリエン（フランスなので事実婚かも知れません）と息子エリオットがいます。息子はアドリエンの子供で、ルイーズは義母のようです。クロエはまだ人間関係では不信感もあり、恋人も作っていませんが、学業で成功し、大学で教える身。

妹はクロエよりもやや父親に親近感を持ち、クロエは母親を失ったことを悲しみ、まだ心の傷は治っていません。クロエを支えているのは事件当時も現在も刑事の主任のグレゴワ。彼もクロエに妹がいるとは知りませんでした。

父親はクロエを愛していたと主張するルイーズ。その証拠として、ルイーズの元に間違って送られて来たクリスマス・プレゼントを手渡します。クロエはそれを見ても複雑な気持ちで、欝っぽい表情。

★　職場に顔を出す妹

当初困惑し付き合いにあまり積極的でなかったクロエですが、ルイーズのアパートを訪ねた後、クロエは徐々にルイーズと親しくなり、あっと言う間に常識の範囲を越えて仲良くなります。長い間1人っきりだった2人は姉妹がいると知り、それまでの空虚さを補うかのように頻繁に会うようになります。その結果ルイーズが警察に出向いて来たりするようにもなります。

★　やっぱり怪しい

明るく笑う自然な感じの俳優をルイーズに当ててあるのですが、私はなぜか「クロエ、ちょっと待て」という感じを持ちました。数回進んでやっぱりそれが正しかったことが判明。

ある日どうしても抜けられない仕事が入ったルイーズが、エリオットを学校から帰宅させる役をクロエに頼み込みます。同僚はいくら長年会っていない妹でも深入りし過ぎるなというスタンスで、クロエに注意する人もいるのですが、クロエは喜んでその役目を引き受けます。ところが帰宅の道中公園でかくれんぼをしている時にエリオットが行方不明になってしまいます。

警察にコネがあることが幸いし、手を尽くして探しますが夜まで行方不明。その後エリオットは無事であることが分かり一同ほっとするのですが、この失踪劇はルイーズとエリオットが仕組んだ事でした。まだ目的は分からないのですが、エリオットとルイーズの関係は普通のそれでなく、ルイーズのこれまで見せていた顔と全く別な顔が現われます。クロエにはちょっとお人好しの面があるので、今後の展開が心配です。

前にもちょっと書いたように、私は犯罪シリーズに主人公たちの私生活を混ぜ、それを背景で進める手法はあまり好きではありませんが、このシリーズではどうやら元からこのラインのストーリーも系統立てて書いているようです。

★　マシューとは兄妹関係か

結婚生活が危うくなったマシューですが、妻が分かれた後愛人の所でなく、両親の所へ行ったこともあり、関係修復のチャンスが生まれていました。

元はクロエにカッカと腹を立てていたマシューですが、2人の間には徐々に信頼関係が育ち、妻の不倫を知った直後には危うく2人が愛人関係になるところ。しかし職業上こういう時の男性の心理を熟知しているクロエは理性を保ち、深い関係に進みませんでした。

その後の2人は兄と妹風で、彼の結婚生活に口を出すとしても心理学者としての立場でのみ。妻に裏切られ心が傷だらけのマシューは一応元の形に戻った後でも妻が招待を断わったりすると、もしかして愛人と会っているのではないかと疑ったり。気のいい男が卑劣な男になって行く姿をマシューを演じる俳優は程好い匙加減で演じています。 その気持ちを受け止めているのがクロエ。これで落ち着けばいいですが、視聴者が「何かの形に納まった」と感じるところでドーンと一発食らわすのが脚本家の趣味。なのでこの関係も長く続かないのかかあと心配しているところです。