★　壊れたティーム - を守りたい人たち

イポリットはマリワナでも吸っているのかと思っていたら、ヘロインを署の証拠物保管倉庫から盗んでいました。それを新しく入った刑事エマに見つかってしまう体たらく。

クロエは前回地下の倉庫番の上司のおばさんメルカデから散々苛められたものの、事件を見事に解決したことで印象が好転。

ところがそこへ警察の内部監査の役人サダが入って来て、クロエを首にするべくがんばってしまいます。彼の目にはクロエの規則を守れない勤務態度は警察全体を危険にさらすからどうしてもそういう人物は排除しなければ行けないと映るようです。クロエを積極的に非難しないトマに対しても、クロエは薬を飲むのを止めるかもしれず、職場の邪魔になるだろうという風に誘導しようとします。クロエが精神分裂症の状態のままでトマに怪我をさせたのに、トマが穏便に納めてしまったことがサダの気に入らないようです。

前回から登場した新人刑事エマは前回もイポリットをストーキングしておりイポリットから直接い「いかげんにしろ」といった態度を取られていましたが、第2話でも彼女はイポリットに付きまとうため、イポリットは怒りを露わににします。彼女は署のティームから受け入れられていません。

グレゴワは内輪ではクロエの出過ぎた態度にカッカ怒っていますが、彼女の能力は買っていて、外に対しては彼女を守ろうとします。第2話でクロエがまたもや法を無視して捜査に関与したので、遂に資料室の倉庫の仕事も首になってしまいます。警察から完全に追い出されてしまいます。

大学の仕事がまだ残っているかも知れませんが、警察を首となると、リリーを養子にしておけなくなりそうです。リリーは現在クロエの母親の家で暮らしていて、クロエは限られた時間しか会ってはいけないようなのですが、電話でリリーの様子を知ることはできます。

リリー恋しさに、クロエはリリーの部屋から見える道路に大きなハートの絵をチョークで描きます。それがリリーに伝わり、リリーもそこに「お母さん、大好き」と書き加えます。それを見たクロエは大喜び。しかし公式には2人は週に2時間とかしか会えません。

長い間わがまま放題に子供のように暮らしていたクロエは、ここに至って母親に涙を流しながら感謝をします。

監査のサダがクロエを首にしたことを怒り、グレゴワはサダと大喧嘩。するとサダは、「お前の警察でのキャリアもこれでおしまいだ」と憎まれ口を利きます。このティームはフレディーが死ぬまでパリで1番の犯罪検挙率を誇っていました。それも連続殺人、猟奇殺人など特に凶悪な事件ばかりで、クロエの功績は大きいのだとグレゴワは主張しますが、サダは冷たい目で見て、皮肉を言うばかり。割れ鍋に綴じ蓋の、欠点だらけのティームですが、それがすばらしい成績に繋がっていました。なので、クロエを失いたくないグレゴワ。社会に溶け込むのがあまり上手でないクロエもこのティームで徐々に人にお礼を言ったり、物を頼む時の言い方を学んでいたのです。

★　メインの事件

フレッドの死後ばらばらになり、皆が自分の個人的な問題で苦しい思いをしている中で起きたのが、少女殺人事件。失踪したので家族から届けが出て、間もなくクレメンティーンが死体で発見されました。暴行かどうかは分かりませんが、死ぬ少し前コンドームを使った人間と性的な関係を持っていた様子。死因は頭を鈍器で殴られたか、頭をどこかにぶつけられた結果の出血。

クレメンティーンが通っていた学校で教師の部屋に侵入する者がいて、教師が殴られたり、どたばたがあり、その結果容疑者が何人か浮かびます。まず殴られたアラン・マンドリヨンという教師。未成年の少女にアルコールを与えて良からぬ事をする常習犯。成績に影響が出るということをちらつかせるパワハラ男。

次に浮かんだのは何度も非行で捕まっている少年ジュール。容疑濃厚なのですが黙秘。母親に連絡すると「放っておいてくれ」と冷たい一言。教師の部屋に押し入ったのはこの少年で、探していたのは作文。タイミング悪くたまたま書いた内容が犯行動機に結びつきかねないと思って取り返すつもりだったのです。

そこへクロエが鼻を突込み、優等生の音楽の天才少年で、殺された少女の友達のキムも浮かんで来ます。韓国人のような名前ですが、苗字ではなく、彼はベトナム人の養子。しかし音楽の先生がアリバイを証明。

クロエは本当は捜査に協力しては行けないのですが、引っ込んでいられない。トマやイポリットも彼女の能力を知っているので、彼女に新しい見解があれば聞きたい。そこで本当は3人部屋にいるのに、彼女を無視してイポリットとトマが事件について語り、クロエはそれによって参考になる情報を耳にするという形を取ります。そこへお邪魔虫のサダ監査役が登場。

アリバイが証明できる人が除かれ、残ったのは非行少年1人。彼は事件の時家にいたそうですが、証明はできません。家には母親が生まれたばかりの息子を抱いている幸せそうな写真が飾ってありました。

★　未解決のまま終わる

事件はクロエが解決しますが、警察も検察も真実に迫ることはできないまま処理されてしまいます。

ジュールが護送中に警官のピストルを奪って自殺したことで終了。かなりの悪の少年なので自殺の理由が納得できません。多少の事ならふてぶてしい態度でがんばりそうなタイプ。彼の自殺の動機は母親の冷たさ。

クロエはこの母親の最初の息子がキムで、ジュールはその後に生まれたことを突き止めます。不妊症だと思ってベトナムに行き、養子を取ったのですが、その後妊娠。キムを改めて養子に出し、ジュールを手元で育てたのですが、キムに音楽を教える立場に納まっていました。彼女はキムにぞっこんで、血を分けたジュールには冷たく当たっていたのが、ジュールが不良になった理由でもありました。

クレメンティーンが殺されるまではジュールはただの不良。様々な悪さはやりますが、殺人はやりません。クレメンティーンはキムに自分が妊娠したと嘘をついたのが運のつき。キムは怒りに任せて彼女を殺してしまいました。クレメンティーンがそういう嘘をついた理由はキムが音楽の巡業に出ようとしていたから。自分の元につなぎとめておきたかったのです。

ジュールの母親はキムを守るために嘘のアリバイを警察に言い、キムを守り抜きます。代わりに実子が刑に服すことを屁とも思っていない様子。それに絶望してジュールは自殺してしまいました。

ここまで突き止めたのに、母親、キムは証言を変えず、事件はジュール犯人説で終了。

★　謎の復職

クロエは警察を首になり絶体絶命。彼女が辞めたことを喜ぶ人はエマと監査役のみ。彼女が警察にいる間はちゃんと薬を取れとか捜査に首を突っ込まず倉庫でちゃんと働けと口うるさいスタッフですが、それは彼女が一種のテスト期間中だから。まだ病状が完全に安定しておらず、薬を止めるととんでもない事が起きかねないため皆心配しているのです。ところが正式に首になってしまい、皆の気持ちは複雑。誰1人喜んでいません。

ところが第2話の最後にサダからクロエに電話が入り、丁重な謝罪の言葉と同時に、復職許可が下ります。なんだか変だぞという印象を残します。

その前にイポリットとエマが大喧嘩。エマはクロエがいなくなって皆が喜んでいると勘違いしていたようで、イポリットとの喧嘩で話が逆だということを知ります。もしかして自分の勘違いに気づいた彼女が何か手を打ったのでしょうか。

最後のシーンはクリフハンガーです。イポリットはデーターバンク担当なのですが、エマを調べた結果が表示されています。エマが捜査中に鼻血を出したので DNA 検査が可能になり、その結果最近死んだフレッドとの一致点が99％ですって。フレッドにはジェシカという妹がいましたが、もう1人いたのでしょうか。なんとなくジェシカと似たイメージの女優を使っています。

★　ドイツ語のタイトルはネタバレ

ドイツ語ではこの回は Der zweite Sohn というタイトルで、英語に直訳すると The second son となります。なので、見る前から誰かに息子が2人いることがばれています。