★　事件

エロディーと生後6ヶ月の娘が失踪し、夫のバプティストがドイツ出張から戻って来て通報します。2人とも科学者です。自由意志による失踪でないと思われる理由は殺されている犬の死骸。

エロディーはアンフェタミンを取り過ぎていました。

近所で目撃された女性ジュディスが警察に出頭して来ます。ジュディスはバプティストが自分の妹で、当時バプティストの妻だったクララを10年前に殺害したと主張。妹の事件は事故として処理されています。殺害を証明できる証拠はありません。

クララ失踪当時バプティストはスペインに出かけていて留守でした。その間にクララは地すべりに巻き込まれて死亡したとされています。死体が腐乱していたため、バプティストが不在だった時期と、クララの死亡時期がはっきりせず、明確なアリバイの証明はできていません。

★　ところで・・・

トマの昔の友達、お邪魔虫のディミトリが警察署に現われます。トマとは不仲。ディミトリはクロエに2人の間を取り持ってくれと頼み込みます。2つ前のエピソードに出て来た男です。あの時は人質に取られ殺されかかったところをトマに助けられています。

★　魔術師登場

バプティストは実は半日前に戻っていたのですが、警察に黙っていました。帰宅したら子供がわめき、妻と喧嘩になったので、嫌気がさして空港に戻り、空港ホテルに泊まっていました。

警察でバプティストの衣服から独特の匂いがただようことに気づいていたクロエは、バプティストの家でもう1度質問。しかしバプティストはその意味が良く分からない様子。クロエたちが床の絨毯をどけると、そこには大きな星印が書いてありました。そこで魔術師の存在が明らかになります。エロディーは魔術を信じて、魔術師のレアに頼っていた様子。

このタイミングで魔術の話が出るのは皮肉です。韓国の朴大統領がまさにそのためにスキャンダルを起こしている最中です。

魔術師レアを訪ねてみると近所の人に好かれていました。彼女の予測はよく当たるのです。彼女は謝礼を受け取らないので、近所の人は彼女のために感謝祭を開いていました。

★　逆向きの展開

警察でレアの事情聴取をしている最中に父親で弁護士の男が現われ、レアの発言を封じます。クロエはレアに秘密のメモを渡します。

クロエの見立てでは、レアは霊に敏感ですが、正直な人物。双方に共通する言葉を見つけたら彼女は喋るだろうと考え、クロエはレアを交霊に招きます。クロエは自分も信じているふりをして彼女と話し始めます。

エロディーは娘が早産で育児ノイローゼになっていました。それをレアは自分の事のように感じて不安になっています。レアは前に死んだ妹クララの幽霊がエロディーを困らせていると信じています。バプティストの再婚を喜ばず、エロディーに早産を起こさせたという風に考えています。

レアは犬がエロディーを噛み殺すと信じたため、犬を殺してしまいました。そして、クララと子供を連れ出しました。

弁護士の父親がレアを探しに来ます。ところが父親が床に描かれている星の線を踏んだため、レアはパニックに陥り、入院してしまいます。

イポリットが失踪中の母子の居所を突き止めます。赤ん坊は住宅の2階からゴミ箱に投げ込まれましたが、生存している様子。アパートではエロディーが気絶していました。アンフェタミンの飲み過ぎで意識不明。

子供は実際には2階（欧州なので、日本式に言うと3階かもしれません。）から放り出されたのではなく父親がゴミ箱に置いていました。その行動は事件を劇的に見せる結果を生んでいます。

★　種明かし

弁護士の父親は以前に妻を亡くしていました。娘の魔術はあり得ませんが、彼女は人の気持ちを敏感に感じる性格でした。妻がおらず、娘しか残っていなかったため、父親は娘の思い込みに思いやりを発揮し、娘の行動に辻褄を合わせて行動し、あたかも彼女に魔術ができるかのように見せかけていました。犯罪ではありませんがが、他の人間を危険にさらすため、犯罪ぎりぎりです。

★　グレゴワの姪の押し付け合い

この週初めてグレゴワの姪が登場。実はかなりのインテリで職業的にも将来を嘱望されているのですが、本人が現われる前、警察署ではグレゴワを訪ねて来る姪の面倒を誰が見るかで、押し付け合いになっています。

ところが本人が現われてみると、予想と全然違う自立した素敵な女性。

★　注

いくつかのサイトを見ると、ここでクララとされている女性の役名をアリースとしているところもあります。以前にも役名が一致しないことがありました。