Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


折楊柳

唐・楊巨源


水邊楊柳麴塵絲,
立馬煩君折一枝。
惟有春風最相惜,
殷勤更向手中吹。






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折楊柳

水邊すゐへん楊柳やうりう  麴塵きくぢんの絲,
馬をとどめ 君をわづらはして  一枝いっ し を折る。
だ 春風しゅんぷうの  最もあひ惜しむ 有りて,
殷勤いんぎんに 更に  手中しゅちゅうに向かって吹く。

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◎ 私感註釈

※楊巨源:中唐の官僚・詩人。字は景山。蒲州(現・山西省南西端の永済)の人で、貞元年間の進士。

※折楊柳:楽曲の名。送別の曲名。折柳。漢代、長安の都を旅立つ人を見送る時、ヤナギの枝を折って、はなむけとした故事に基づく。 *別れる「作者」と「君」の二人。その絡み合う感情を、と「ヤナギの枝」との関わりとして描写した作品。作者は
巨源なので、「作者」を「」とする方が洒落があるが…。

※水邊楊柳麴塵絲:水辺のヤナギは、うす黄色の若葉をつけた枝(となっている)。 ・楊柳:〔やうりう;yang2liu3○●〕やなぎ。ヤナギ類の総称。「楊」はカワヤナギ、ネコヤナギ。「柳」はシダレヤナギの意。 ・麴塵:〔きくぢん;qu2chen2●○〕淡黄色。本来は、こうじに生じるかびのこと。薄黄色で、ちりのようであるからいう。 ・麹塵絲:うす黄色の若葉をつけたヤナギの枝。

立馬煩君折一枝:馬を立ち停(ど)めて、あなたにご面倒をおかけして(送別の象徴であるヤナギの枝を)一本折ってもらった。 ・立馬:馬を止める。中唐・白居易の『勤政樓西老柳』に「半朽臨風樹,多情立馬。開元一株柳,長慶二年春。」とあり、後世、金・完顏亮は『呉山』で「萬里車書盡混同,江南豈有別疆封。提兵百萬西湖上,立馬呉山第一峰。」とし、現代では毛沢東の六言詩『給彭コ懷同志』に「山高路遠坑深,大軍縱馳奔。誰敢刀立馬?惟我彭大將軍!」とある。 ・煩:〔はん;fan2○〕面倒をかける。わずらわす。蛇足になるが、現代語でもこのような情況では、このことば・「煩」を含んだ表現を採る。

※惟有春風最相惜:(すると)春風だけが(ヤナギの枝から別れるのを)惜しんできて。 ・惟有:ただ…のみがある。ただ…だけがある。=唯有。魏・曹操の『短歌行』に「對酒當歌,人生幾何。譬如朝露,去日苦多。慨當以慷,憂思難忘。何以解憂,唯有杜康。」や、唐・劉希夷『白頭吟(代悲白頭翁)』に「洛陽城東桃李花,飛來飛去落誰家。洛陽女兒惜顏色,行逢落花長歎息。今年花落顏色改,明年花開復誰在。已見松柏摧爲薪,更聞桑田變成海。古人無復洛城東,今人還對落花風。年年歳歳花相似,歳歳年年人不同。寄言全盛紅顏子,應憐半死白頭翁。此翁白頭眞可憐,伊昔紅顏美少年。公子王孫芳樹下,C歌妙舞落花前。光祿池臺開錦繍,將軍樓閣畫~仙。一朝臥病無人識,三春行樂在誰邊。宛轉蛾眉能幾時,須臾鶴髮亂如絲。但看古來歌舞地,惟有黄昏鳥雀悲。」とあり、李白の『將進酒』に「君不見黄河之水天上來,奔流到海不復回。君不見高堂明鏡悲白髮,朝如青絲暮成雪。人生得意須盡歡,莫使金尊空對月。天生我材必有用,千金散盡還復來。烹羊宰牛且爲樂,會須一飮三百杯。岑夫子,丹丘生。將進酒,杯莫停。與君歌一曲,請君爲我傾耳聽。鐘鼓饌玉不足貴,但願長醉不用醒。古來聖賢皆寂寞,惟有飮者留其名。陳王昔時宴平樂,斗酒十千恣歡謔。主人何爲言少錢,徑須沽取對君酌。五花馬,千金裘。呼兒將出換美酒,與爾同銷萬古愁。」とあり、劉長卿は『尋盛禪師蘭若』で「秋草黄花覆古阡,隔林何處起人煙。山僧獨在山中老,唯有寒松見少年。」や、同・李白の『蘇臺覽古』に「舊苑荒臺楊柳新,菱歌C唱不勝春。只今惟有西江月,曾照呉王宮裏人。」とあり、 後世、北宋・曾鞏の『城南』は「雨過塘水滿堤,亂山高下路東西。一番桃李花開盡,惟有青青草色齊。」と使い、北宋・蘇軾の『江城子』乙卯正月二十日夜記夢には「十年生死兩茫茫,不思量。自難忘。千里孤墳,無處話淒涼。縱使相逢應不識,塵滿面,鬢如霜。   夜來幽夢忽還ク。小軒窗,正梳妝。相顧無言,惟有涙千行。料得年年腸斷處,明月夜,短松岡。」と使い、司馬光は『居洛初夏作』「四月清和雨乍晴,南山當戸轉分明。更無柳絮因風起,惟有葵花向日傾。」と使う。  ・相惜:(…を)惜しんでくる。 ・相+動詞:(…に)…てくる。(…に)…ていく。(「相」の後に附く動詞の)動作が対象に及んでくる時に使う。「相互に」の意味はここではない。前者の用例に:陶潜の『飮酒二十首』其一「衰榮無定在,彼此更共之。邵生瓜田中,寧似東陵時。寒暑有代謝,人道毎如茲。達人解其會,逝將不復疑。忽與一觴酒,日夕歡。」、陶淵明の『雜詩十二首』其七の「日月不肯遲,四時催迫。寒風拂枯條,落葉掩長陌。弱質與運頽,玄鬢早已白。素標插人頭,前途漸就窄。家爲逆旅舍,我如當去客。去去欲何之,南山有舊宅。」や、張説の『蜀道後期』「客心爭日月,來往預期程。秋風不,先至洛陽城。」、唐・王維の『竹里』「獨坐幽篁裏,彈琴復長嘯。深林人不知,明月來。」、唐・王昌齡の『芙蓉樓送辛漸』「寒雨連江夜入呉,平明送客楚山孤。洛陽親友如,一片冰心在玉壺。」李白に『把酒問月』「天有月來幾時,我今停杯一問之。人攀明月不可得,月行卻與人。皎如飛鏡臨丹闕,拷喧ナ盡C輝發。但見宵從海上來,寧知曉向雲陝刀B白兔搗藥秋復春,娥孤棲與誰鄰。今人不見古時月,今月曾經照古人。古人今人若流水,共看明月皆如此。唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」や、杜甫の『州歌十絶句』其五に「西一萬家,江北江南春冬花。背飛鶴子遺瓊蕊,趁鳧雛入蒋牙。」とあり、白居易の『勸酒』「昨與美人對尊酒,朱顏如花腰似柳。今與美人傾一杯,秋風颯颯頭上來。年光似水向東去,兩鬢不禁白日催。東鄰起樓高百尺,題照日光。」、韋莊の『浣溪沙』「夜夜相思更漏殘。」な李U『柳枝詞』「風情漸老見春羞,到處消魂感舊遊。多謝長條似,強垂煙穗拂人頭。」、范仲淹の『蘇幕遮』「碧雲天,黄葉地,秋色連波,波上寒煙翠。山映斜陽天接水,芳草無情,更在斜陽外。   黯ク魂,追旅思,夜夜除非,好夢留人睡。明月樓高休獨倚,酒入愁腸,化作思涙。」などがある。この「相」には平仄上から問題がある。この句は「
●●○○○●●」とすべきところであるが、「○●○○●○●」となっている。これは、(中国の旧体詩では数が少ない例外的なものだが、)七絶平起の転句の五、六、七字「…○●●」の部分を「…●○●」としてもよいという事に因る。

※殷勤更向手中吹:(春風が)心を込めて、一層(あなたの)手の中(のヤナギの枝)に向かって吹いてきている。(その、ヤナギに向かう春風のように、わたしの心もあなたから離れがたいのですよ)。(或いは:)(その、ヤナギ(楊柳=わたし)に向かう春風(=あなたの思い)のように、あなたの思いがわたしの心に絡み付いて離れがたいのですよ)。 ・殷勤:〔いんぎん;yin1qin2○○〕心をこめて念入りに。礼儀正しく。極めて叮嚀に。鄭重に。ねんごろに。副詞。=慇懃。晩唐・李商隱は『無題』で「相見時難別亦難,東風無力百花殘。春蠶到死絲方盡,蠟炬成灰涙始乾。曉鏡但愁雲鬢改,夜吟應覺月光寒。蓬山此去無多路,鳥殷勤爲探看。」と使う。 ・更:一層。その上。

               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「絲枝吹」で、平水韻上平四支。この作品の平仄は、次の通り。

●○○●●○○,(韻)
●●○○●●○。(韻)
○●○○●○●,
○○●●●○○。(韻)
2010.6.7



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