twnovelまとめ


2009/10/15 15:49

031「グリーンピースA」
 チャーハンから転げ落ちたグリーンピースは「やれやれ、わやわやとやかましい、あたたかで愉快なところにいたと思ったらひどいことになっちゃったなぁ」としくしく泣きはじめました。
032「グリーンピースB」
 チャーハンから転げ落ちたグリーンピースはカーペットの上でしばらく目をまわしていましたが、むっくりと起き上がると辺りを確認し「計画通り」とニヤリとしました。
033「曾祖母」
 僕は寝たきりの曾祖母に厭気がさし、ガムテープでぐるぐるとまいて棄ててしまふことにしました。棄てて未明、窓の外に羽の生えた曾祖母が飛んできて「辰さんのおかげで楽になった」と朝焼の空に飛んでいきました。夢かとも思いましたが、夕方には帰ってきていくつも卵を産みました。
10/16 00:41

034「有料袋」
 ゴミを棄てるのが有料となった。市の作る6枚180円のポリ袋を買うことで有料にする仕組である。寝坊して慌てて生ゴミを棄てに行くと回収車は行ったあとで、ステテコパンツ一丁の男が袋を被って正座していた。腕には「料金不足です。袋で全身を覆ってください」と貼ってあった。
10/16 13:34

035「ウマレ」
「生まれ……ぬ!」野太い声でそう宣言すると鳥は割れた殻を漆喰で内側から補強し、二度と出てきませんでした。チラッと見えた手羽は青かったので、きっと全身青いことでしょう。そうして30年が過ぎました。卵は「シュレーディンガーの卵」として大英博物館に所蔵されているなう。
036「あるぶす」
「口笛は何故、口笛と呼ばれるの」「おめえ、莫迦ぢやね?」「教えておじいさん」おんじはそれ以上聞こえないふりをしてウオトカを呷るのでした。外は吹雪。長い夜になりそうです。ああそれとは別に今年もいい干柿が出来たので少しばかりお送りします。字数が余ったので書きました。
10/17 11:51

037「赤頭巾ちゃんA」
 赤頭巾ちゃんは赤い頭巾の似合う可愛い女の子。でもよくよく考えて見ると赤頭巾被ってるから赤頭巾というのは豚かつゴリラっぽいから「ブタゴリラ」と呼ばれている八百屋のカオルちゃん並にひどい扱いであると思われた。そういう状況を甘んじて受け入れているあたりが魅力を磨く。
038「赤頭巾ちゃんB」
 赤頭巾ちゃんは赤い頭巾の似合う可愛い女の子。今日は足の悪いおばあさまのところまでお使いです。おばあさまのところまでにはまっくら森を抜けなければ遠回りになります。怖い狼も出ます。赤頭巾ちゃんはあごに指を当てると少し考えて、森の中を往くことにしたのでした(全裸で)。
10/18 08:07

039「赤頭巾ちゃんのおばあちゃん」
 あたし/喰われた/みたいな と、狼の中からケータイ小説をものするおばあさんである。ところで、だいたい赤頭巾ちゃんが8歳だとすると50歳のおばあちゃんである可能性もあるわけです。それでああ白髪で小さくまとまったおばあさんというのはやや考えにくい。で、何の話だっけ?
040「佐賀のアブラハム」
 アブラハムには七人の子がいたが、役に立つと思われるのは三男のイコケだけだった。異人の身ながら武道をよくし、鍋島藩の家臣として先代直茂公によく仕えたが、直茂公ご逝去の際の詰め腹を「宗教上の理由」から拒否し出奔。これが後のオバマ氏である。(『葉隠うちあけ話』より)





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