twnovelまとめ


2010/04/04

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#twnovel 「アナスイは江戸時代の木彫職人であった穴山スイ五郎の小物根付が起源とされています。MAX MALAはお聞き及びの通りMAXな魔」「ちょっと黙ってなさいよ」「暇なんだもん」「じゃあ4℃は?」「よんどしー、よんどしー、ヨン様が締めた褌がよん」「わかったわよ帰るわよ」
2010/04/11

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#twnovel ボドールイは執事。死んだ魚のような目をしているが元気だ。今日も小作人に混じって畑を耕している。「ボドールイ、これは何の肉だろう」「もぐらでございます」「もぐらって、地下の」「ええ、畑でつらまえました」「もぐらって食べられるんだね」「そのようで」「えっ」「えっ」
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#twnovel 吸血鬼のバイトがあると聞いて銀河を超えて伊豆くんだりまで来たが、目の前に広がるのは海までの坂に転々と建つ別荘群テトラポットの帯、そしてみかん畑。「ははあ、あなたが応募くださった」「こんな長閑なところだと思わなくて、それで吸血鬼の仕ご」「ああ、休憩つきの」「えっ」
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#twnovel 糸こんにゃくは使い切らねばならぬと大奥様は申しておりました。買いすぎても、ちょっとがんばって腹に収めてしまうほかない。さもないと、さもないと板廊にひっそりと、一本だけ落ちている姿を見かけることになるからです。糸こんにゃくとはなんですか。夜中、何をしていますか。
2010/04/17

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#twnovel 出版社からゲラが来た。ゲラをお送りしますとは聞いていたものの着たモノは「打ち出し」でありゲラとは違う。どう違うかは編集者なら知っているはづなのだがどうみても打ち出しであり、電話をかけると担当が「いいんですそのままコンビニのコピーで出しますからえへらへらへら」と。
2010/04/18

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#twnovel 南北戦争の頃から屋敷を構えているブロント家にはお家芸があるという。服装はこざっぱりとしたフォーマルを基本にやや着崩し、爪は綺麗に磨いておく。仕事や休暇の合間、気のおけない人との時間、握り拳から親指を立ててまっすぐに突き出すのだ。……「Oh,Yeah!」芸である。
2010/04/21

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#twnovel しかしながら神学先生曰く、主は如何なる肌色の民にも御加護を与ふとの由。滑稽哉、孔子も仏陀も吾が鍋島藩の家臣に非ず、如何で役にたたんや「要するにアレだよ、そんなにえれえ親分なら、いまここで貧乏と名のつくものをみんなにしてみろてんだ。出来ねえならすっこんでろっ」
2010/04/22

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#twnovel 股にさんまを挟んでしゃなりしゃなりと歩く遊びに飽きたので、アンパンを餌にアスリートを漁る遊びを始めた。銀杏の木の下、走り来る陸上部が疾走途中に飛び上がる。「惜しい」「もうちょい」刹那、校庭隅の弓道場から放たれた矢がアンパンを打ち抜いた。「やだ、うぐいすパンよ!」
2010/04/27

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#twnovel 鹿取的士はヴァンパイアハンターであったが、72年にブルガリアで最後の吸血鬼を屠して40年、喜寿を迎えようというのに職がない。死を賭して鹿取が向かったのは遺伝子の研究所である。彼は八方手を尽くして研究員を脅すと、体長3mの蚊を生み出した。新たな伝説の始まりである。
2010/05/11

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#twnovel 弘法にも筆のあやまりということで、ひとり部屋にいて筆を見ていると急にむらむらときてちょねちょねする者があったらしい。実際にむらむらときたのはそれから二、三百年後の出家隠者たちであったらしいが、「記録者」たちのむらむらは空海を通して「筆のあやまり」にしてしまった。






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