twnovelまとめ


2009/12/3

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#twnovel 豆腐男は頭が豆腐なのですっごい気を使う。特に防護しているわけではないのでどこかにぶつければ崩れるのだろう。だろう、というのも、まだ豆腐男はどこも崩れずにいるのであった。日頃の節制の賜であった。今日も新宿まで京王線でやってきた。普段どうやって寝ているか気になった。
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#twnovel 僧は押すぐいぐいどすどす。僧は叩くぼかすかぼかすか。年のはじめからおよしなさいよ、和尚が二人でお正月、さぞや大層なことになっているだろうと思いきやふたりとも毛が無(ね)でよかったねときた。どうせ今年も貧乏寺だ、それもその筈もう毛がない、と字数が余ったので詰めた。
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#twnovel このご時世なので就職先が銀行強盗だったとしてももう仕方がない気もするが、年休115日、出張が最低55日と云うのは意外だった。週に一度は必ず世界のどこかの銀行に出張と云う計算である。教育係の人は、明日はハイチ、明後日は雑餉隈に出張だそうである。一寸気が遠くなった。
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#twnovel 本田露航は水戸藩にいた儒学者である。若い時から美少年として有名で、きゅっとしまったヒップラインは奉公先の寺では懇ろに可愛がられたという。いわゆる抱かれ慣れというやつで、わけを知らぬ近所の子どもたちは「この頃流行りの本田露航、おしりの小さな本田露航」と囃し立てた。
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#twnovel 本田露航には多くの門人がいたがみんな揃って師と同じ出で立ちをした。露航は一種のファッションリーダーとしても名を馳せていたが、平和な江戸時代においてすることといえば、弟子数人と並んでの城下の塀の修繕であった。子どもたち囃して曰く、「君たち本田露航!塀々々」だとか。
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#twnovel 岩手の女子の間で人気が沸騰しつつあるのがStrawdoll Steady、通称「ストディ」です。シンプルな藁製の人形で、ストラップとしてぶら下げる他に五寸釘を打ち付ける、国道107号に投げ入れて車に踏ませるなど、多様な精神的デトックス効果があると云われています。
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#twnovel 紅い苹果に唇寄せて、故郷に住む新吉のことを思ひ出す冬の朝である。捨七にも成つたのだからひとりで暮らせばいいぢやないと友達は云ふが、父が独りで暮らせていけるのも想像できず、また帰ってくればいいと添ふて越した。ふと鼻先を髭剃沙盆の匂が掠めて、頬を赤らめる吉乃である。
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#twnovel アーサーは長年悩んでいた。名前とは裏腹に歴とした日本人だし、弟の名前がヒルとヨールである。母親の悪巫山戯であると思われた。ヒルは白人との、ヨールはユダヤ人の夫との子供である。「こんち、アニさん」「今日も結構なお日和でゲスな」巨漢の弟二人がひょこひょこついてくる。
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#twnovel 宗匠芭蕉がエクアドル政府の依頼を受け、ウミイグアナの密猟を摘発するためにガラパゴス諸島に――って一文が長いよ。しかも正式名称コロン諸島なんだぜ。「ガラパゴス」ってゾウガメの事を指すので「ゾウガメ島」が「ガラパゴス島」だとか今調べて知った。すみませんリテイクします
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#twnovel 宗匠芭蕉がウミイグアナの密猟を防ぐためガラパゴス諸島に降り立ったのは日本を発って四年後のことでした。密猟にもめげず岩場で群れて愛の交歓を繰り返すウミイグアナ。海風に梵ぐウチワサボテン。「春のウミイグアナのたりのたりかな」ごめんなさい。自分でよくわからなくなった!






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