twnovelまとめ


2009/10/23

051「流星取り」
#twnovel 流星を食べるならば壺焼きに限る。どちらが口かを見分けるのにはそれなりの慣れと勘が必要だが、一度火にかけてしまえばぶくぶくしだす方が口だ、ということになる。一昔前は高校球児のアルバイトとしてずいぶん流行ったが、最近では練金釜での養殖が主流となった。味気ないものだ。

052「レノンのピストル」
#twnovel レノンを撃ったピストルは、レノンを、と云うだけでずいぶんな付加価値がつきました。裏社会では同じモデルが飛ぶように売れ、ガンズナッコーでは「俺の相棒は朝焼の六連星」などと巻頭で特集されたりしたわけで。つまり、錬金術は今の世界でも可能だということですよウハウハ。
053「なんにもH」
#twnovel 地元の人に「この先にゃなにもない」とは云われましたが、それでも往きたくなるのが人情てもんです。確かになにもなかったんですがね、でも40分6000円はかなり安かったのではないでしょーか。(このレビューの評価;0件)
054「バールのようなもの」
#twnovel 「バールのやうなもの」といふ麩菓子が発売されたため、警察庁は●ンコをこじ開ける道具を「先曲がりのた金属並みに硬い棒」に呼称を変えたら少子化担当相が喜んだ。誰だ伏せ字にしたのは。
2009/10/25

055「うどんが」
「うどんが襲ってくるというのはどうです」「え?」「食べようとするときゅーっと首を絞めてくる」製作会議である。特撮映画でもエコを謳うべく、襲ってきた怪獣もあとでスタッフがおいしくいただけるように日々工夫しておるのであった。「地味だね」「それだと巨大化しないしね」
055.5「続き」
「冷やし中華捕獲しました」
056「たぬめし」
 タヌキに握り飯を作らせると熱い熱いといってなかなか始めようとしないし、一生懸命丸めた末に毛だらけだし、あんまりいいことはない。一生懸命こしらえている様子にやや和まされる部分はないわけではないが、五合の米がいつしか一合半に減っているのだから、やはり油断がならない。
057「変身なう」
 カフカは自分が虫であることに気づいたが「厭だなあ、自分が虫だったなんてあるわけがないぢゃないですか」と意に介さず今日も学校に通う。(虫なので)学校に着いたのはお昼過ぎ。(虫なので)階段が嘆きの壁のよう。そろそろ自己催眠が破けてきたところで踏まれてガチョンおはり。
058「ボンド」
 ラジオのチューニングのつもりがやおら本体がバラバラと分解し、おやおやと思ってついた手の先の机が鈍い音を立てて潰れ、これは拙いことになったと思って握ったドアのノブから部屋の壁が四方に倒れた。家の向こう、公園の茂みから大木凡人が顔を覗かせている。なんだドッキリか。
059「割烹駒八」
 割烹駒八の暖簾を潜ったときから妙な感じはしていたのだ。照明を変えたのかと思つたがそうでもないらしい。別段いつもと時間を違えたわけでもない。無骨の具現のようなあるじも相変わらず。考えていても、とカウンターに座り、直筆の品書に目を落とすと「スマイル」と黒々。これか!
2011/10/28

060「メロンパン」
 浜辺で満月を待っているとゆっくりとメロンパンが昇ってきた。「驚いたでしょう」と云う声は昔一緒に暮らしていた女の人の声である。「驚いた」云い直して「驚くも何も」「やっと驚いてくれた。よかった」水平線から離れようとするメロンパンには、ひとくち齧ったあとがある。





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