いきなり「Free As The Wind」の演奏が観客のざわめき音と共に始まるこのCD、お世辞にも録音状態が良いとは
いえませんが、クルセイダーズのサウンドそのものは生々しいばかりに伝わってきます。
それに進行役のJoe Sampleのジョークをまじえた曲目紹介の肉声やら笑いさざめく観客の反応ぶりが手に取るように
録音されています。推測しますに舞台のかぶりつきで高感度、大容量の小型マイクロレコーダーでの隠し録りを秘密裏
に遂行したものでしょう。安価でこうした機器が誰でも買えるご時世になりましたから、LIVE会場に海賊がはびこり、
今後ブートレグがネット市場に山と溢れるようになるに違いありません。
それでも生録のクルセイダーズは、その時その場でしか味わえない臨場感あふれるアドリブが、胸ときめくばかりに
横溢しているのも、これまたまぎれもない事実なのです。試しにWilton FelderとSteve Baxterの超絶ロングトーンで盛り上がる
客席の興奮ぶりを味わうが良いでしょう、
「Carnival Of The Night」の途中で忽然と奏されるWiltonテナーのサクラサクラのご愛嬌ぶりを聴かれるが良いでしょう、
さらには、
まさにこの海賊盤でしか聴けないクルセイダーズ版「Ghostbusters」の和気藹々とした雰囲気を
体感されるが良いでしょう。
Ray Parker Jr.のギターソロで始まる「X Marks The Spot」が何ともカッコ良くて、このCD、憎いくらいに生味です。
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