このブート盤、半斤八両さんによれば、どうやら同じブート盤「CRUSADERS 1979U.K.」から、「Street Life」のみを
抜粋したものらしい。「1979U.K.」ではStreet Lifeの収録時間が27分37秒に対して、今回の「LIVE! The Crusaders」では
26分17秒。わずかな差こそあれ、演奏中のWilton Felderのスキャットがアドリブで飛び出してくるあたり、やはり同一で
あるのは間違いありません。それにしても26分という長尺ですから、ぞんぶんに「Street Life」に耽溺できます。
この曲、街娼の物語ですが、全然湿っぽさがない。そこがクルセイダーズ、闘魂サウンドですから、
ひまわりの花こそ咲けど、苔むした湿潤性は皆無です。だから歌われている街娼には、生きるたくましさとあっけらかんと
した明朗性だけが微笑んでいます。コチトラ、街娼のお姉さんに励まされている始末。街娼の唄を聴いて、すごく元気に
なるなんざ、後にも先にもクルセイダーズだけでしょう。これがクルセイダーズの「力」です。Randy Crawfordの歌唱の力強いこと、艶っぽいこと。
そしてそれを夜の電飾のように彩るクルセイダーズの面々。
Stix Hooperの刻むドラムが、Wilton Felderの骨太のテナーが、Joe Sampleの夜の懈慢界へ誘うクリスタルタッチが、ほら
Randy Crawfordを何と幸せにしていることでしょう。
時にはちょっと立ち止まって、この長尺の「STREET LIFE」に耳を傾け、クルセイダーズ劇場をたっぷり味わってみるのも一考で、みるみる湧水のように元気や勇気が湧いてくるのに気づくでしょう。ブート盤ながら、天晴れです。
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