このブートアルバムを入手してから、二枚組CDの内のDISC2を平成23年1月23日の今日、身を入れて
聴くにいたるまでには随分と遠回りをしたような感があります。まさにようやくこの二枚目のCDに辿り着
いたという気持ちです。
この間、Wilton Felderが体調を崩し東京JAZZ公演を直前に控え入院したとの報を
Gパパさんから得て涙したり、実際「東京JAZZ」に行き、ラ・マンチャの男さんともどもライブを生で満喫した
りもしました。その合間に、確かにDISC1をアルバムケースから取り出し、カセットにプットインして耳を傾け、
『「The Nearness Of You」はこのアルバムに収録されているWayne Hendersonのバラッドです。
Wayne HendersonとWilton Felderが交互に訥々とソロを奏でるこのバラッドがハートに染み入ります。
Wayne Hendersonの隣でサウンドを奏でるのはWilton Felderしかいません。夫婦のような2管ユニゾンは唯一無二の
クルセイダーズの魅力です。』と書きもしました。でもその時ついにDISC2にはいたりませんでした。
めぐりめぐって、まさしく今日このDISC2に辿り着いたのです。今日がこのDISC2を聴くタイミングだったのです。
そうとしか思えません。そうとしか思えないほど、現在の境遇、状況がピッタリなのです。
クルセイダーズを聴くタイミングは、いつもこうです。
ライブのざわめきの中で始まる「Weather Beat」。2曲目が「Freedom Sound」。実を言えば、この
「Freedom Sound」こそ、もっとも「東京JAZZ」で聴きたかった曲。このクルセイダーズが産声をあげた
時の「Freedom Sound」を、Wayne Hendersonが復帰した東京JAZZで直に聴き、体感し、じっくりとしみじみと
「闘魂」を心身ともに注入したかったのです。この想いが強烈だっただけに、Wilton Felderが来ない、
「Freedom Sound」が演奏されないこの度のクルセイダーズは残念さも一入だったのです。
「Braham's Lullaby」は、Wayne Hendersonのまったり節とWilton Felderの哀歓にじむ侠のテナーが交錯
し、交歓するクルセイダーズファンなら誰しもホッと和むようなバラッドで、エビスの「黒ビール」のような
コクある苦味を味わえながら酔えます。
これからは「So Far Away」、「Way Back Home」、「Scratch」、「Street Life」とクルセイダーズ馴染みの
名曲のオンパレード。「Way Back Home」では和気藹々とした雰囲気のなかで
観客の手拍子もあり、いずれも骨太の男唄のメドレー。荒削りながらもストレートに男臭と男気が芋焼酎の
お湯割りのように温かみをもって染入ります。これがテキサスの器なのでしょう。ハートが強くなります。
体が熱くなります。
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